タイトル通り。
共産主義を、その起源から、1970年代まで一本の流れでつかむことのできる本です。
お恥ずかしながら、40代になるまで共産主義とは何か、その中身に無関心に生きてきました。
読書会で齋藤幸平さんの『人新生の資本論』を読み、初めてマルクスの思想の一端を理解した次第です。
作中語るべき
...続きを読む気づきはたくさんありますが、一番の発見は、共産主義と言葉一言でいっても、その中身は千差万別だ、ということです。
マルクスが描く資本の共有と富の分配は
スターリンが目指した、一国主義とは似て非なるものです。
その後を継いだフルシチョフはすぐに非スターリン化を打ち出しました。
では隣のシンパ、中国共産党は変わらずロシア盟友であるか?それも違います。毛沢東の実践するイデオロギーは、それ以前のものとは違います。
実のところ、資本主義、帝国主義のアンチテーゼになる主義主張を、全部ごちゃ混ぜにしただけ。
それらを分かりやすく共産主義とまとめたようにも読み取れました。
さらに本作では、そのごちゃ混ぜを整理し、比較し、体系化する、広範な思索が為されています。
読後は近代史に対する理解が深まること請け合いです。
最後に、個人的な感想です。
広範な知識をベースに書かれているため、歴史的な事実や思想、哲学用語が断続的に使われます。解説無しに。
読む時には、スマートフォン片手に読むことをお薦めします。