猪木正道のレビュー一覧

  • ロシア革命史 社会思想史的研究
    ロシアの後進性。それを鑑みずには革命の歴史もソヴィエトの歩みも評価不能だということがヒシヒシと伝わる。
    ソヴィエトの後進性、独裁制を批判するのは容易だが、その背景への理解無くして正当な批判など不可能で、現在のネトウヨ的共産主義忌避が如何に愚かしいかが、このロシア革命史の批判的研究書によって明らかにな...続きを読む
  • 新版 増補 共産主義の系譜
    これはすごい。
    マルクスから、レーニン•スターリン・毛沢東という実践家へ、そしてフォイエルバッハ、トロツキー、チトー、果てはローザルクセンブルクまで体系的に、個々の思想を紐づけてその発展と課題、現実などを究めて平易に記してある。それぞれの思想が、有機的に繋がって立ち上がってくる。

    はっきり言って、...続きを読む
  • ロシア革命史 社会思想史的研究
    著者が本書の執筆に勤しんだのは1946年で、初めて出版されたのは1948年であるという。読み継がれた本書が文庫化されたのは1994年で、手にした本は2020年に二次的に文庫化されたという代物である。
    原版が古いので、巻末に「今日の見地に照らして不適切」という表現が使われているというが、巻末にこのよう...続きを読む
  • 新版 増補 共産主義の系譜
    マルクスの思想を踏まえてレーニン、スターリン、トロツキー、ローザルクセンブルク、グラムシ、チトー、毛沢東への変遷を踏まえマルクス主義は無神論の宗教だから他宗教や個人主義に敵対するとか、日本では軍国主義が抜けた空白に共産主義がはまっただけとか、私的資本による本源的蓄積をせず国家が強引に本源的蓄積しただ...続きを読む
  • 新版 増補 共産主義の系譜
    タイトル通り。

    共産主義を、その起源から、1970年代まで一本の流れでつかむことのできる本です。

    お恥ずかしながら、40代になるまで共産主義とは何か、その中身に無関心に生きてきました。
    読書会で齋藤幸平さんの『人新生の資本論』を読み、初めてマルクスの思想の一端を理解した次第です。

    作中語るべき...続きを読む
  • ロシア革命史 社会思想史的研究
     ウクライナの戦争が勃発しているので、ロシア革命について勉強しようと思って手のとってみたけれど、これは面白い!ロシアの軍隊はそのうちプーチンに銃を向けるかもしれない…
  • 独裁の政治思想
    動的な形態としての独裁の分析。静的形態と捉えられがちだからこそ。分析対象はヒトラーとスターリン。研究の時代的制約はあるが、見事に現在の状況を予見した先見性もあり。
    氏の他の著作と比べると、それらのつなぎ合わせ感もあり、あまりこの本でしか得られない目新しい知見は得られないかもしれないが、猪木入門には読...続きを読む
  • ロシア革命史 社会思想史的研究
    マルクス主義思想が、資本主義経済、プロレタリアートが未発達なロシアで、レーニンらボルシェビーキの意思と精神によって変形され 前衛組織のもとでロシア革命を実現したものの、国際的普遍性を持たないのみならず、文化的にも貧困なソビエト型社会主義を作り出していった経過の分析と叙述


    文体が簡潔で読みやすい
  • ロシア革命史 社会思想史的研究
    世界史については理解が浅く、なぜマルクス・エンゲルスによる共産主義がロシアで華開いたのか、という点が腑に落ちていなかった。
    本書は革命前史におけるロシアという国家の性質からその理由について紐解いてくれる。(そして欧州において共産主義革命が不発だった理由も)
    それにしても1917年前後のロシアの動静は...続きを読む
  • 軍国日本の興亡 日清戦争から日中戦争へ
    戦争について学びたいと思い、三鷹の「UNITE」さんで購入。
    なかなか読解力が必要というか、難しい漢字にもフリガナがなかったり苦労しました。なのでしっかり理解しようと思わず、興味のあるところは抑えようという視点で読みました。
    軍の人間が政治に介入しすぎ、完全に他国に遅れをとり、自爆戦争となった第二次...続きを読む
  • 軍国日本の興亡 日清戦争から日中戦争へ
     防衛大学校長も勤めた著者が、戦後日本の空想的平和主義 ー著者は、考え方が独善的で、国際的視野を欠いて一国主義的であることは、戦前・戦中の軍国主義と双生児のように似ている、と指摘するー を克服するためには、軍国主義へ至る歴史を振り返ることが必要と考えて、近代日本の歴史を概説したものである。 

     外...続きを読む
  • 新版 増補 共産主義の系譜
    面白いし参考になるところも大いにあるけど、読み物の形を取って書かれていたり、結局自分で他の本もまた参照しないといけない作りになっているのが残念。