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流浪の月 シナリオブック
ある地方都市に暮らす家内更紗は、かつて事件に巻き込まれた過去を持つ。15年前、小学生だった更紗が、家での居づらさから19歳の少年佐伯文の家に自ら足を運び、社会的な事件となってしまったのだ。それ以来更紗は、自分を押し殺し静かに生きてきた。だが、アルバイト先の友人とふらりと立ち寄ったコーヒー店『calico』で再会してしまう、あの文と。この出会いは二人に何をもたらすのか――。更紗と文、二人の再会とその後を、『フラガール』『悪人』『怒り』を手がけた李相日による監督・脚本で映像化。原作者・凪良ゆうと李相日監督の対談も収録した、ファン待望のシナリオブック。 -
ルート66
完璧な美貌の天才ハッカー、ニューヨーク市警刑事キャシー・マロリー。彼女の家の居間に女の死体が一体。それなのに部屋の主は行方不明。自殺ととれないことはないが、マロリーが殺していないとも言いきれない。マロリーはいったいどこに行ったのか? 相棒のライカーはクレジットカードの利用記録から、彼女のあとを追う。マロリーが改造したフォルクスワーゲンを飛ばしているのはルート66、別名マザー・ロードとも呼ばれる道だ。自分が生まれる前に書かれた古い手紙をたよりに辿る彼女の旅が、ルート66上で起きた奇怪な殺人事件と交差する。 -
霊魂の足 加賀美捜査一課長全短篇
上野駅地階の食堂で、眼鏡の男が隣の客の古トランクをすり替える現場を目撃した加賀美は、男を尾行して空襲の焼跡と闇市が混在する街へ。男の奇妙な行動に隠された動機とは……「怪奇を抱く壁」。暗闇の中、被害者は如何にして射殺されたのか。地方出張中に遭遇した事件「霊魂の足」ほか、昭和21年、敗戦直後の混乱した世相を背景に発生した事件を、冷徹な観察と推理で解決していく加賀美敬介警視庁捜査一課長の活躍を描き、戦後探偵小説の幕開けを飾ったシリーズ全短篇を集成。関連エッセー二篇を併録。/【目次】緑亭の首吊男/怪奇を抱く壁/霊魂の足/Yの悲劇/髭を描く鬼/黄髪の女/五人の子供/【エッセイ】加賀美の帰国/「怪奇を抱く壁」について/解題/解説/末國善己 -
レイチェル
従兄アンブローズ――両親を亡くしたわたしにとって、彼は父でもあり兄でもある、いやそれ以上の存在だった。彼がフィレンツェで結婚したと聞いたとき、わたしは孤独を感じた。そして急逝したときには、妻となったレイチェルを、顔も知らぬまま恨んだ。が、彼女がコーンウォールを訪れたとき、わたしはその美しさに心を奪われる。二十五歳になり財産を相続したら、彼女を妻に迎えよう。しかし、遺されたアンブローズの手紙が、想いに影を落とす。彼は殺されたのか? レイチェルの結婚は財産めあてか? せめぎあう愛と疑惑のなか、わたしが選んだ答えは……もうひとつの『レベッカ』として世評高い傑作。 -
歴史の証人 ホテル・リッツ 生と死、そして裏切り
観光客たちが憧れるパリのホテル・リッツ。ナチス占領下でも文化人たちが出入りし、ドイツ人将校と愛人(シャネルや女優)たちもいた。パリ解放時には従軍記者ヘミングウェイとカメラマンのキャパはリッツへと先陣争いをした。綺羅星のごとき登場人物たち。グランドホテル形式の小説のようなノンフィクション。/【目次】主要登場人物/プロローグ ホテル・リッツ パリの鏡/1 パリのスイス 一九四〇年六月/2 パリについてのあらゆる噂話 一八九八年六月一日/3 ヴァンドーム広場上空での空中戦 一九一七年七月二十七日/4 リッツと同じぐらい大きなダイヤモンド 一九四〇年九月一日/5 パリに流れてきたアメリカ人たち 一九四四年/6 フランス人女優とナチスの恋人/7 ユダヤ人バーテンダーとドイツの反ナチス活動/8 アメリカ人妻とスイス人支配人/9 ドイツ軍司令官とパリの運命/10 記者団とパリへのレース/11 アーネスト・ヘミングウェイと解放されたホテル・リッツ/12 女性記者たち 一九四四年八月二十六日/13 パリからの最後の列車/14 ココの戦争と汚れたリネン/15 ブロンドの爆弾と原子核科学者たち/16 ベルリンより愛をこめて、そしてパリでの最後の戦い 一九四五年/17 パリでの権力の衰退 一九五一年六月/18 戦争の長い影 一九六九年五月二十九日/おわりに/謝辞/訳者あとがき/解説=野崎歓/参考文献/人名一覧 -
れんげ野原のまんなかで
新人司書の文子がこの春から所属されたのは、のどかな秋葉図書館。ススキ野原のど真ん中に建つこの図書館は利用者もまばら、暇なことこのうえない。しかし最近妙な闖入者が現れた。小学生が閉館後も居残るために、あの手この手で図書館員たちの裏をかこうとしているらしい。いったいなぜ? 文子はかねてよりその博識ぶりを崇拝している先輩司書・能勢の力を借りて、小学生たちの企みをつきとめようとするが……。季節の折々に、小さな図書館を訪れる人たちがもたらすささやかな謎の数々。すべての本好き、図書館好きに捧げる、やさしいミステリ。/解説=大崎梢 -
ロイスと歌うパン種
サンフランシスコのIT企業に就職した女性プログラマのロイス。激務で消耗した彼女の心身を救ったのは、近所の宅配レストランのパンとスープだった。親しくなった店主がアメリカを去ることになり、ロイスは秘伝のパン種を贈られる。それを使い自分でもパンを焼きはじめたとたん、彼女に思わぬ人や場所との出会いが訪れる……。千年以上もパン種を受け継ぐ奇妙な一族の物語、最新鋭ロボットアームを駆使したパン作り、謎の地下ファーマーズ・マーケット……パンが世界を変えていく!? とびきりヘンテコ、とびきり美味しい。新感覚フード・エンタテインメント!/解説=池澤春菜 -
老人ホーム 一夜の出来事
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は、作品の内容を鑑み、固定レイアウト型で制作した電子書籍です。文字だけを拡大することができませんので、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できませんので、ご注意ください。また、お読みになる端末で無料サンプルをお試しいただいた上でのご購入をお願いいたします。※ある老人ホームの一夜。八人の老人と一人の寮母。食事と作業とお楽しみ会……。体力も知力も異なる八人の老人たちと寮母に、時は等しく流れる。登場人物九人の同時進行小説。同じ場面のそれぞれの行動、意識(があれば、だが)が、各人に割り当てられた章の同じページ、同じ行に浮かび上がる。傑作実験小説!/解説=若島正 -
六色の蛹
昆虫好きの心優しい青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。行く先々で事件に遭遇する彼は、謎を解き明かすとともに、事件関係者の心の痛みに寄り添うのだった……。ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、銃撃事件の謎を探る「白が揺れた」。花屋の店主との会話から、一年前に季節外れのポインセチアを欲しがった少女の真意を読み解く「赤の追憶」。ピアニストの遺品から、一枚だけ消えた楽譜の行方を推理する「青い音」など全六編。日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を受賞した『蝉(せみ)かえる』に続く、〈エリ沢泉〉シリーズ第3作!/【目次】白が揺れた/赤の追憶/黒いレプリカ/青い音/黄色い山/緑の再会/あとがき -
6600万年の革命
地球を出発してから6500万年。もはや人類や故郷の存続も定かではないまま、恒星船〈エリオフォラ〉は銀河系にワームホールゲート網を構築する任務を続けていた。乗組員のひとりサンデイは任務を忠実にこなしていたが、あるとき衝撃的な事件に遭遇し、極秘の叛乱計画に加わることを決意する。それは数千年に一度だけしか冷凍睡眠から目覚めない彼女たちと、船の全機能を制御するAIの、百万年にも及ぶ攻防だった。現代SF界随一の鬼才、星雲賞受賞『ブラインドサイト』の著者が放つ傑作ハード宇宙SF。/【収録作】6600万年の革命/ヒッチハイカー/解説=渡邊利道 -
《六連合》三部作
数学と暦に基づいて通常の物理法則を超越する科学体系〈暦法〉を駆使し、広大な宙域を支配する星間専制国家〈六連合〉。この国の若き女性軍人にして数学の天才であるケル・チェリスは、鉄壁の〈不変氷〉シールドに守られた巨大宇宙都市要塞・尖針砦で起こった反乱の鎮圧を命じられる。ただしそれは、シュオス・ジェダオ――史上最高の戦略家にして、敵味方もろともに百万人以上を虐殺した最悪の反逆人――の精神をその身に宿す、という条件つきだった。ローカス賞第一長編部門受賞、ヒューゴー賞・ネビュラ賞候補の、魔術的本格宇宙SF!/解説=渡邊利道 -
路地裏の迷宮踏査
『毒入りチョコレート事件』(アントニイ・バークリー)、『赤い館の秘密』(A・A・ミルン)、『クロイドン発12時30分』(F・W・クロフツ)、『失踪当時の服装は』(ヒラリー・ウォー)、『野獣死すべし』(ニコラス・ブレイク)……などなど、数々の傑作を著した53人の海外ミステリ作家たち。その意外な交友関係や、執筆にまつわる知られざるエピソードを、風の向くまま気の向くままにご紹介します。寝る前や、ちょっとした空き時間に、ページをぱらぱら捲っていただければ幸いです──。ミステリのみならず、文芸全般に精通する気鋭の書評家・杉江松恋が、丸9年にわたり連載した「ミステリーズ!」伝説のブックレビュー。ミステリ読者必携の一冊!/【目次】まえがき/エドマンド・クリスピンはグルーチョ・マルクスから何を学んだか/真似してはいけないロジャー・シェリンガムの恋愛作法/クリスティ、皆殺しのバラード/フィリップ・トレントの密かな愉しみ/イズレイル・ザングウィルで笑うべきか否か/A・A・ミルンの「これが人生だ!」/教えてよ、ミッキー・スピレーン/四十年は早かった? クロフツ/ステーマンの作品の外に伸びた線/ビル・S・バリンジャーの「遠くへ行きたい」?/メースンの義を見てせざるは/ウォーの奇妙な味/パット・マガーの『アメリカの悲劇』/ホーナングの滑稽な階級意識/アラン・グリーンの恋のから騒ぎ/カーだってマルキスト/レックス・スタウトのリベラリズム/フレミングの愛したスパイ/ウッドハウスという鋳型/ヒルトンは孤独ではない/フラナガンの歴史的視点/テイという人の顔/ご冗談でしょう、フリーマンさん/チェイニイの強運/ノックスの王手無用/人騒がせなルブラン/ホワイトチャーチに萌えてみた/アップフィールドの帝国主義/クイーンが読まなかった本/フレミングの二人の合作者/ブラウンに茶々を/ミッチェルの振り上げた拳/ヒラーマンの偉大な箱庭/O・ヘンリーのほら話/ブレイク、家族の問題/ガードナーは車輪を回す/ブラウンのサイド・ショウ/ブリーンひとり雑誌/二人でコールを/モイーズのお話が生まれたところ/ストリブリング、交わらない線/ホックのD/ヴァン・ダインの六文字/ケメルマンの閉じた世界/ネヴァーランドのバリ/アタイヤにつながる線/プロクター、身も蓋もなし/袋小路のハミルトン/アリグザンダーの〈戦前〉/ドモアリガト、ミスター・ボール/セックス・ヘクト・ロックンロール/モームの英国式朝食/バウムのグランド・ホテル/索引 -
ロボット・アップライジング
人類よ、恐怖せよ――進化を続けるAIやロボットは猛烈な勢いで現代文明に浸透しつつあるが、もしもそれらがくびきを逃れ、反旗を翻したら? 『フランケンシュタイン』から『2001年宇宙の旅』『ターミネーター』『マトリックス』まで、繰り返し扱われてきた一大テーマに気鋭の作家たちが挑む。1955年にAI(人工知能)という言葉を初めて提示した伝説的科学者ジョン・マッカーシーの短編を始め、アレステア・レナルズ、イアン・マクドナルド、ヒュー・ハウイー、アーネスト・クライン、コリイ・ドクトロウらの傑作を収録したアンソロジー。/【目次】序文=ダニエル・H・ウィルソン/神コンプレックスの行方=スコット・シグラー/毎朝=チャールズ・ユウ/執行可能(エクセキユータブル)=ヒュー・ハウイー/オムニボット事件=アーネスト・クライン/時代=コリイ・ドクトロウ/〈ゴールデンアワー〉=ジュリアナ・バゴット/スリープオーバー=アレステア・レナルズ/ナノノート対ちっぽけなデスサブ=イアン・マクドナルド/死にゆく英雄たちと不滅の武勲について=ロビン・ワッサーマン/ロボットと赤ちゃん=ジョン・マッカーシー/ビロード戦争で残されたいびつなおもちゃたち=ショーニン・マグワイア/芸術家のクモ=ンネディ・オコラフォー/小さなもの=ダニエル・H・ウィルソン/謝辞/解説=渡邊利道/編者紹介/訳者紹介 -
ロマネスク
讃大仁(サンドニ)の英雄バシリスクは盗まれた秘宝を捜す旅の途上、ケ・イキョー国に足を止めた。前王ヨードの崩御に始まる内紛と外敵の脅威に揺れるその国には三択の刑があり、重罪を犯した者は『胡戎魯(コジユール)の迷宮』『芽出臼(メデイウス)の回廊』『占犂牟(ウラリム)の坩堝(るつぼ)』から一つを選ばねばならない。暫定王位に就いているレツと、ヨードの子ライモスを推す老臣エゼカイオらとの確執に巻き込まれたバシリスクは三択の刑を科され、まず回廊に、次いで迷宮に挑む。自身の使命を全うできず焦りを募らせながらも、ケ・イキョーの行く末を案じて幾多の謎に立ち向かうバシリスク。秘宝は見つかるのか、そして王位は誰の手に?架空の国を舞台に展開する、ファンタスティック・ミステリ!解説=城平京 -
ロンドン・アイの謎
12歳の少年テッドは、姉のカットといとこのサリムとともに、巨大な観覧車ロンドン・アイに乗りに出かけた。チケット売り場の長い行列に並んでいたところ、見知らぬ男がチケットを1枚だけくれたので、サリムだけがたくさんの乗客に交じって、観覧車のカプセルに乗りこんだ。だが一周して降りてきたカプセルにサリムの姿はなかった。閉ざされた場所からなぜ、どうやって消えてしまったのか?──「ほかの人とはちがう」頭脳で大人顔負けの推理を駆使する少年テッドが謎解きに挑む! カーネギー賞受賞作家が贈る、清々しく胸を打つ長編ミステリ。/解説=千街晶之 -
〈ロンドン謎解き結婚相談所〉シリーズ
1946年の戦後ロンドンで、ある女性たちが結婚相談所を設立した。ケンブリッジ大卒で戦時中にスパイ活動のスキルを得たアイリスと、人の内面を見抜く優れた目を持ち、戦争で夫を亡くした上流階級出身のグウェン。対照的なふたりが営む相談所に、若い美女ティリーが入会する。奥手だが誠実な会計士を紹介したところ、ティリーが殺され、会計士の青年が逮捕されてしまう。彼が犯人とは思えないふたりは、能力や人脈を駆使して真犯人さがしに乗りだす。魅力たっぷりの女性コンビの謎解きと、人生を切り拓こうとする勇姿を描いた爽快なミステリ! -
ロンドンの姉妹、思い出のパリへ行く
「さて、今日の“お楽しみ(エクサイトメンツ)”は何かしら?」ロンドンに住む99歳のジョゼフィーンと97歳のペニーの姉妹は、ただ者ではない。第二次世界大戦中、姉は海軍婦人部隊に、妹は応急看護婦部隊に所属していた。戦後もそれぞれ社会に貢献する日々を送り、現在は退役者として講演をしたり、インタビューを受けたりして暮らしている。そんなとき、戦時中のフランスへの働きに対して、姉妹にレジオン・ドヌール勲章が授与されることに。二人は甥の息子アーチーと一緒にパリへと向かうことにするが、ペニーには別の思惑があった。パリでの勲章授与式の裏で、長年心に秘めてきたある計画を成し遂げなくては――。モールス信号での会話が得意で格闘術の心得もあり。“いつも機嫌よく(トゥージュール・ゲ)”を合言葉に、第二次世界大戦から現在まで激動の時代をたくましく生きる最高の姉妹を描いた、勇気をもらえる感動作! -
ロンドン幽霊譚傑作集
19世紀ヴィクトリア朝、文化・産業ともに飛躍を遂げた大都市ロンドン。その栄華の陰では、犯罪のもたらす恐怖、そして超自然がもたらす恐怖が蔓延していた――晴れ渡ったケンジントン・ガーデンズの一角で目に見えぬ何かと交信する、美しき寡婦を巡る愛憎劇を主軸とした出色のサスペンス「ザント夫人と幽霊」。アイルランドのバンシー伝説を背景に、野心家の外科医が運命の奇蹟に遭遇する「ハートフォード・オドンネルの凶兆」。周囲から憧憬を集めた愛らしい令嬢が、死に際に抱いた最後の願いを描く「揺らめく裳裾」ほか、魔都ロンドンを舞台に贈る様々な趣向のゴースト・ストーリー13篇を収録する。集中12篇が本邦初訳。/【目次】ザント夫人と幽霊 ウィルキー・コリンズ/C―ストリートの旅籠(はたご) ダイナ・マリア・クレイク/ウェラム・スクエア十一番地 エドワード・マーシー/シャーロット・クレイの幽霊 フローレンス・マリヤット/ハートフォード・オドンネルの凶兆 シャーロット・リデル/ファージング館の出来事 トマス・ウィルキンソン・スペイト/降霊会の部屋にて レティス・ガルブレイス/黒檀の額縁 イーディス・ネズビット/事実を、事実のすべてを、なによりも事実を ローダ・ブロートン/女優の最後の舞台 メアリ・エリザベス・ブラッドン/揺らめく裳裾(もすそ) メアリ・ルイーザ・モールズワース/隣牀(りんしよう)の患者 ルイーザ・ボールドウィン/令嬢キティー ウォルター・ベサント、ジェイムズ・ライス/編者あとがき――魔の都(みやこ)、霊の市(まち) 夏来健次 -
ロートケプシェン、こっちにおいで
酉乃初と心が通じ合ったはずのクリスマスのあの日。しかし痛恨なことに、彼女の連絡先を聞き忘れたまま、冬休みに突入してしまった。あの日の出来事は夢だったのではないかと、悶々と過ごす僕に、クラスメイトの織田さんからカラオケの誘いが。しかし、カラオケの後の食事の際に、急に泣きながら飛び出していってしまった織田さんにいったい何が? 僕は酉乃に力を借りるべく『サンドリヨン』へと向かうことを決意した……。バレンタインでの不思議な出来事をはじめ、友人関係に悩むとある生徒の事件など学園内外で巻き起こる謎をたおやかに解く、女子高生マジシャン・酉乃初の事件簿、第2集。 -
Y駅発深夜バス
運行しているはずのない深夜バスに乗り、彼は摩訶不思議な光景に遭遇した――奇妙な謎とその鮮やかな解決を描く表題作、中学生の淡い恋と不安の日々が意外な展開を辿る「猫矢来」、〈読者への挑戦〉を付したストレートなフーダニット「ミッシング・リング」、怪奇小説と謎解きを融合させた圧巻の一編「九人病」、アリバイ・トリックを用意して殺人を実行したミステリ作家の涙ぐましい奮闘劇「特急富士」。あの手この手で謎解きの面白さを提供する、著者会心の〈ミステリ・ショーケース〉。いいミステリ、あります。/【目次】Y駅発深夜バス/猫矢来/ミッシング・リング/九人病/特急富士 -
惑星カザンの桜
地球から一万光年離れた惑星カザンで、文明の急激な成長と滅亡が観測される。すでにワープ航法を手にしていた人類が、急遽この星へと送り込んだ調査チームの750名は、到着後完全に消息を絶った。カザン文明はいかにして滅び、先遣隊はなぜ遭難したのか? 原因究明のため地球を出発した第二次調査隊は、文明の痕跡が残る衛星の調査ののち、厳重な警戒態勢のもと惑星地表へ降り立つ。降下メンバーには最愛の妻である蒼井をかつて喪った、カザン文明調査班班長・吉野の姿もあった──現代宇宙SFの旗手が描く、緊迫のファースト・コンタクトSF。 -
理由あって冬に出る
某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――。吹奏楽部は来る送別演奏会のための練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立ち合いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。 -
勿忘草をさがして
一年前、偶然出会ったお婆さんに会いたい。しかし手掛かりは、庭に沈丁花が咲いていたことと、お婆さんが発した不可解な言葉だけ――。思わぬトラブルでサッカー部を辞め鬱屈した日々を送る航大。春を告げる沈丁花の香りに、あのときのお婆さんを思い出し、記憶を頼りにその家を探していたところ、美しい庭を手入れする無愛想な大学生拓海に出会った。拓海は植物への深い造詣と誠実な心で、航大と共に謎に向き合う。植物が絡む細やかな“事件”を通して周囲の人間関係を見つめなおす、彩りと優しさに満ちた連作ミステリ。鮎川哲也賞優秀賞受賞作。/【目次】春の匂い/鉢植えの消失/呪われた花壇/ツタと密室/勿忘草をさがして -
わたしたちの怪獣
運転免許証を取得したつかさが家に帰ると、小学生の妹が父を殺していた。テレビからは東京湾に怪獣が出現したという前代未聞のニュースが流れている。つかさは妹を守るため、東京へ父の死体を棄てに行くことを思いつく。短編として史上初めて日本SF大賞の候補となり、第55回星雲賞日本短編部門を受賞した表題作ほか、伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現し館内に籠城した観客たちの運命「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」など全四編。日常のなかに立ちあらわれる非日常の世界の恐怖と希望を描く傑作短編集。/【目次】「わたしたちの怪獣」妹が父を殺した。姉は怪獣が出現し壊滅状態となった東京に、父の死体を棄てに行く。第55回星雲賞日本短編部門受賞作。/「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」時を遡って犯罪や災害を防ぐことができるようになった未来。動画投稿サイトにアップされた、起きるはずのない事件の映像の正体とは。/「夜の安らぎ」家にも学校にも居場所を見つけられない孤独な少女と、ある日街に現れた美貌の吸血鬼の邂逅。/「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現。映画館に籠城した観客たちの運命は。/著者あとがき -
私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー
人生の節目で催される行事を総じて冠婚葬祭という言葉があります。冠は成年として認められる成人式を、婚は婚姻の誓約を結ぶ結婚式を、葬は死者の霊を弔う葬式を、祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。四つの行事は、人生の始まりから終わりへ、そして当人が死してなおその先まで縁を繋いでいきます。故に冠婚葬祭は多くの物語で描かれてきましたが、連綿と変わりなく続いているように見えながら、私たちの社会や文化と同じように絶えず変化が生まれているはずです。現在の、そしてこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマに書かれた六つの短編小説からなる文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】もうすぐ十八歳=飛鳥井千砂/ありふれた特別=寺地はるな/二人という旅=雪舟えま/漂泊の道=嶋津輝/祀りの生きもの=高山羽根子/六年目の弔い=町田そのこ -
わたしたちの図書館旅団
1918年、フランス北部。ニューヨーク公共図書館(NYPL)の司書ジェシーは、前線からわずか65キロメートルに位置するブレランクール村に到着した。〈荒廃したフランスのためのアメリカ委員会(CARD)〉のメンバーとして、ドイツ軍との戦いで破壊された図書館の再建を目指すためだ。ジェシーは傷ついた住民に本を届け、兵士に戦地での慰めとなる一冊を紹介し、子どもたちに読み聞かせをおこなっていく。だがドイツ軍が村に迫ってきて……。1987年、アメリカ。ニューヨーク公共図書館の記憶保管課(リメンバランス)で、収蔵されている資料を保存用に撮影する仕事をしているウェンディーは、1918年に発表された〈荒廃したフランスのためのアメリカ委員会〉の会報に興味を惹かれる。第一次世界大戦中、有志の女性たちが集まって、フランス北部再建のために働いたという団体――。そして戦地に渡ったジェシー・カーソンという司書の存在を知り、彼女について調べはじめるが……。『あの図書館の彼女たち』の著者が贈る傑作長編! -
わたしの本当の子どもたち
もしあのとき、別の選択をしていたら? パトリシアの人生は、若き日の決断を境にふたつに分岐した。並行して語られるふたつの世界で、彼女はまったく異なる道を歩んでゆく。歴史の歩みも違うそれぞれの世界で出逢う、まったく別の喜び、悲しみ、そして彼女の子どもたち。老境に至り人生をふり返る彼女は、ふたとおりの記憶の狭間で、自分に問いかける――はたして、どちらが“真実”なのだろうか? 『図書室の魔法』と《ファージング》三部作の著者が贈る、感動の幻想小説。全米図書館協会RUSA賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞作。/解説=渡邊利道 -
わたしの町は戦場になった シリア内戦下を生きた少女の四年間
2016年12月、ジャーナリストのフィリップ・ロブジョワはシリア内戦の取材のため、経済の中心アレッポを訪れた。かつて美しい街並みで知られていたが、政府軍と反体制派のあいだの内戦で廃墟と化していたアレッポ。そこで彼は、ミリアムという13才の少女に出会った。彼女は内戦下で起きた出来事を日記に綴っており、それを世界の人々に伝えることを望んでいた。戦闘の影に覆われていく平和な日常。学校の近くに落ちる爆弾、地下への避難。スナイパーが潜む通学路。いま、子どもたちが戦争を生きていくとはどういうことなのか。一人の少女が、内戦下の日々を曇りなき目で綴った21世紀版『アンネの日記』。 -
わたしのリミット
母親と死別した坂崎莉実は、父親と二人暮らしの高校二年生。ある朝目覚めると父親の姿はなく、代わりに「うちの保険証を使って、彼女を莉実として病院へ入院させてほしい」という不可解な書き置きとともに、見知らぬ少女がいた――。本名を名のらず、やむなくリミットと呼ぶことになった少女は、どう見ても年下なのに莉実の身のまわりで起こった奇妙な出来事の話を聞くだけで、見事に謎を解いてしまう。不思議に大人びた彼女は、いったいどこの何者なのだろう? 莉実とリミット、二人の少女が送る、謎に満ちたひと月。心温まる連作ミステリ。/解説=大矢博子 -
わたしの忘れ物
H大に通う中辻恵麻が、学生部の女性職員から無理矢理に紹介された、大型複合商業施設の忘れ物センター──届けられる忘れ物を整理し、引き取りに来る人に対応する──でのアルバイト。引っ込み思案で目立たない、透明なセロファンのような存在の私に、この仕事を紹介したのはどうして? キーホルダーや手袋など、なぜこんな他愛のない物を引き取りに来るの? 忘れ物の品々とその持ち主との出会い、センターのスタッフとの交流の中で、強張っていた心がゆっくりとほどけていく恵麻だが──。六つの忘れ物を巡って描かれる、心に染みる連作集。/【目次】妻の忘れ物/兄の忘れ物/家族の忘れ物/友の忘れ物/彼女の忘れ物/私の忘れ物/エピローグ/解説=若林踏 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
先の事件で心に傷を負ったフォーチュン。それでもシンフルは平常どおり──なのに、またもや事件が起こった。今度は町の中年女性が、ネット上でロマンス詐欺に遭ったのだ。こんな卑劣な犯罪は許せない! 犯人はたぶん町の住民とふんだフォーチュンとスーパーおば(あ)さまふたりは、義憤にかられて立ちあがる。さらに、町一番の善人に予想だにしない悲惨な出来事が起こった。保安官助手のカーターは激怒中、三人は慎重に探りはじめる……はずだったのだけれど。シンフルのパワフルトリオが懲りずに大暴れ、好評〈ワニ町〉シリーズ、待望第8弾!/解説=大津波悦子 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
新町長シーリア就任のせいで、シンフルの町はいまだ落ち着かない。長年、行方不明だったシーリアの怪しい夫も現われ、不穏さは増すばかり。そんななか、ハリケーンが襲来、困難な状況をあまたくぐり抜けてきたフォーチュンも、自然災害にはお手上げだ。なんとかやり過ごしてほっとしたのもつかの間、嵐はとんでもない置き土産を残していっていた……。今度は、偽札に殺人?! フォーチュンに公私ともども最大級の危機が迫る! 型破りすぎな老婦人ふたりの助けを借りて、フォーチュンは町と自分の窮地を救えるか? 好評〈ワニ町〉シリーズ第7弾!/解説=柿沼瑛子 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
独立記念日を迎えたシンフルの町。だがアイダ・ベルとガーティの宿敵シーリアが新町長の座につくなり、保安官を解任する暴挙に出たとあっては、フォーチュン含めた三人は祝賀ムードではいられない。そんなとき、湿地で爆発が発生。密造酒の製造所での事故かと思いきや、現場の建物で作られていたのは覚醒剤だと判明する。爆発の巻き添えで友人が負傷してしまい怒りに燃えるアイダ・ベルたちと手に手を取って、フォーチュンは悪党探しにまっしぐら……CIAスパイ&おばあちゃんズの活躍はますますヒートアップ! 〈ワニ町〉シリーズ第6弾!/解説=池澤春菜 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
保安官助手カーターとの初デート成功に浮かれるフォーチュンのもとに、朝から凶報が届く。いまだ空席のシンフル町長の座に、アイダ・ベルやガーティの宿敵シーリアが立候補したのだ。彼女が当選したら、CIAのスパイという自分の正体が明るみに出かねない。三人が当選阻止に動こうとした矢先、カーターからSOSが飛びこんできたと知らされる。緊急捜索の果て、銃撃されて沈みゆくボートから間一髪救出するが、カーターはそのまま病院行きに。ブレーキ役不在の三人組が、犯人さがしのため町を史上最大の混乱に陥れる〈ワニ町〉シリーズ第5弾!/解説=穂井田直美 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
シンフルの町に身分を偽り潜伏中のスパイであるわたしフォーチュンは、いろいろあって保安官助手カーターとのディナーの日を迎えていた。ところが、そこにカフェの店員アリーの家が火事だと連絡が入る。幸い彼女は無事だったが、原因が放火と判明してはほうっておけない。アリーはこの町で初めてできた、大事な同年代の友人なのだから。けれど、誰からも恨まれそうにない彼女がなぜ? カーターの警告を無視して、わたしは町を知りつくした年上の友人ふたりアイダ・ベルとガーティとともに行動を開始する。大好評に応えて贈る〈ワニ町〉第4弾!/解説=♪akira -
笑う男
正当防衛とはいえ、人を殺したことに苦しむヴァランダー。このまま警察官を続けるか否か、長期休暇を取りデンマークの海岸で悩む彼のもとへ友人の弁護士が訪ねてきた。同じ弁護士の父親が交通事故で死亡したが、腑に落ちない点があると言う。しかしヴァランダーに他人の悩みに力を貸す余裕などなかった。ついに警察を辞める決心をし、イースタに戻った彼が見たのは、自分が助力を拒み突き放した友人の死亡記事だった。他殺である。急拠、意を翻して復職し、事件を追い始めた彼の身に、犯人の魔の手が迫る。ゴールドダガー受賞人気シリーズ第4弾。/解説=関口苑生 -
悪い弁護士は死んだ
その日は犯罪捜査部のベックストレーム警部にとって、人生最良の日だった。マフィアお抱え弁護士として警察を悩ませてきたエリクソンが殺されたのだ。ベックストレームは部下を率いて捜査を開始。殺害場所は被害者の自宅らしく、死因は鈍器による殴打、部屋からは被害者が発射した銃弾の跡が発見された。だが奇妙なことに、主人が殺害された四時間後に、飼い犬が喉を掻き切られて殺されていたのだ。なぜ犯人はわざわざ引き返して犬を殺したのか。エリクソンを恨んでいた人物は多数いるはずだが……。CWAインターナショナル・ダガー賞最終候補作。 -
1(ONE)
大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を飼い始めたことで憂鬱な日常が一変する。ゼロと名付けた仔犬を溺愛するあまり、ゼロを主人公にした短編を小説投稿サイトにアップしたところ、読者から感想コメントが届く。玲奈はその読者とDMでやり取りするようになるが、同じ頃、玲奈の周りに不審人物が現れるようになり……。短大生の駒子が童話集『ななつのこ』と出会い、その作家との手紙のやり取りから始まった、謎に彩られた日々。作家と読者の繋がりから生まれた物語は、愛らしくも頼もしい犬が加わることで新たなステージを迎える。 -
ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密
名ヴァイオリン職人ジャンニのもとに一挺のグァルネリが持ちこまれた。天才演奏家パガニーニ愛用の名器“大砲(イル・カノーネ)”で、コンクールの優勝者エフゲニーがリサイタルで弾く予定だった。修理を終えた翌日、リサイタルに来ていた美術品ディーラーの撲殺死体が発見される。彼はホテルの金庫に黄金製の箱を預けていた。中にはエリーザという女性がパガニーニに宛てた1819年の古い手紙があり、彼女がパガニーニに何かを贈ったことが書かれていた。殺人事件解明の手がかりなのか? 名職人にして名探偵が“悪魔のヴァイオリニスト”をめぐる謎に挑む!/解説=青柳いづみこ -
ヴァイキング、ヴァイキング
バラクラヴァ郡の地元紙記者クロンカイトは、105歳の誕生日をひかえた女性ヒルダのインタヴューに農場を訪れたあと、近くにあるルーン石碑を見にいこうとして、偶然、作男の怪しい死亡事故に遭遇する。その後、彼がくだんの石碑のことを大々的に報じるや、やじ馬が大挙して押しよせ、農場一帯は混乱の極みに。さらに第二、第三の“事故”が起き、石碑をたてたヴァイキングの呪いか? とささやかれるなか、シャンディ教授はまたしても右往左往するはめになりつつも、事件解決をめざす。温かなユーモアが満載の、心の底から楽しめる傑作ミステリ第3弾。/解説=宮脇孝雄 -
ヴァン・ショーをあなたに
下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マル。変人シェフの三舟さんと彼を慕う志村さんの二人の料理人、ソムリエの金子さんとギャルソンの僕・高築の4人で、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむ絶品料理を提供している小さな店だ。シェフお得意のヴァン・ショーの秘密とは? ブイヤベース・ファンの女性客の正体は? 本格的なフランスパンの店を始めようと、はりきっていた女性パン職人は、なぜ突然姿を消したのか? シェフのフランス修行時代のエピソードから、客の視点で語られる物語まで、全7編をご賞味あれ。/解説=大矢博子 -
ヴィクトリアン・レディーのための秘密のガイド
これからあなたを、ヴィクトリア朝の世界へご案内します。あなたのあこがれの社会できちんと暮らしていけるように。『ダウントン・アビー』や『嵐が丘』に登場するような女性が実際にどのように暮らしていたか知ったら、きっとあなたは驚くはずよ……。衣服、トイレ、入浴、ダイエット、結婚、初夜、避妊など、約200点の図版を交えて、ヴィクトリア朝時代のイギリスやアメリカの女性のありのままの暮らしを紹介。読んで楽しく、驚きの事実が満載のユニークな歴史ノンフィクション。/【目次】こんにちは、自堕落さん/第1章 服を着る――恥ずかしい部分を上手に隠す方法/第2章 バケツに排泄する――忌まわしき生理的欲求/第3章 油断ならない入浴/第4章 月経――あなたはまちがっている/第5章 ダイエット――あなたは小さなプディングバッグ/第6章 美――焼き、厚く塗り、詰める/第7章 求愛――自分からは言い寄らない/第8章 結婚初夜――ばかな殿方と契りを結ぶ/第9章 避妊とその他の神を冒涜する行為/第10章 良き妻――夫をできるかぎり怒らせないための方法/第11章 家庭を正しく営む――緩やかな支配/第12章 公の場におけるふるまい――辱めと危険と博物館を避ける/第13章 ヒステリー――ヴィクトリア朝時代の生活においてちっとも愉快ではないこと/第14章 秘密の堕落行為――「いぼと小さい乳首はこれに起因する」/結論 パンティが恋しい/謝辞 抱擁を! あなたに抱擁を!/参考文献/解説=村上リコ -
ヴェネツィアの陰の末裔
ベネデットには、11歳で孤児院に拾われるまでの記憶がない。あるのは繰り返し見る両親の死の悪夢だけだ。魔力を発現して以来、彼の護衛剣士に志願した同じ孤児院出身のリザベッタと共にヴェネツィア共和国の魔術師の一員として、陰の世界に生きている。あるとき魔術師たちはハプスブルクの暗殺者による、元首(ドージェ)暗殺計画の情報を掴んだ。計画は未然に防いだが、背後にはベネデットらを巻き込む恐るべき陰謀が……。16世紀、異端と迫害されながらも、列強の権謀術数のただ中に身を置く魔術師の姿を描いた、第5回創元ファンタジイ新人賞佳作作品。/第5回創元ファンタジイ新人賞選評=井辻朱美、乾石智子、三村美衣 -
名探偵の有害性
かつて、名探偵の時代があった。ひとたび難事件が発生すれば、どこからともなく現れて、警察やマスコミの影響を受けることなく、論理的に謎を解いて去っていく正義の人、名探偵。そんな彼らは脚光を浴び、黄金時代を築き上げるに至ったが、平成中期以降は急速に忘れられていった。……それから20年あまりの時が過ぎ、令和の世になった今、YouTubeの人気チャンネルで突如、名探偵の弾劾が始まった。槍玉に挙げられたのは、名探偵四天王の一人、五狐焚風(ごこたいかぜ)だ。「名探偵に人生を奪われた。私は五狐焚風を絶対に許さない」と語る謎の告発者とは? かつて彼の助手だった鳴宮夕暮(なるみやゆうぐれ)は、風とともに、過去の推理を検証する旅に出る。/解説=青柳美帆子