作品一覧

  • わたしの本当の子どもたち
    4.4
    1巻1,400円 (税込)
    もしあのとき、別の選択をしていたら? パトリシアの人生は、若き日の決断を境にふたつに分岐した。並行して語られるふたつの世界で、彼女はまったく異なる道を歩んでゆく。歴史の歩みも違うそれぞれの世界で出逢う、まったく別の喜び、悲しみ、そして彼女の子どもたち。老境に至り人生をふり返る彼女は、ふたとおりの記憶の狭間で、自分に問いかける――はたして、どちらが“真実”なのだろうか? 『図書室の魔法』と《ファージング》三部作の著者が贈る、感動の幻想小説。全米図書館協会RUSA賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞作。/解説=渡邊利道

ユーザーレビュー

  • わたしの本当の子どもたち

    Posted by ブクログ

    結婚するかしないか、人生の選択で変わりうる人生を、並行して描く。
    結婚しなければ自分の道を進めて幸せだったかもしれないけれど、その結婚でうまれた子供達には出会えない。
    自分でも、ついつい何度も考える事なので、読んでいてせつない。
    そして、どの道筋を選んでも、人は生きて死んでいく。
    自分に置き換えて、入り込んで考えてしまった。

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    2021年02月05日
  • わたしの本当の子どもたち

    Posted by ブクログ

    イギリスで1926年に生まれた女性の2015年までの記録なのだが、途中で「もし、あの時、xxしていたら」という分岐点があり、二つの人生が語られる。彼女の人生を通して、近代史、女性問題、環境問題などが見えてくる。読む人によって、色々なことに考えが及ぶ小説だと思う。星雲賞の候補作になっているけれど、星雲賞よりはジェンダーSFの賞を取りそうだ。

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    2018年06月17日
  • わたしの本当の子どもたち

    Posted by ブクログ

    男のプロポーズに対する返事が波動関数を収束させ、運命が分岐した女の人生を描いた物語。認知症により波動関数が再び発散するところや、描かれる世界史が史実通りではなく、偽史が含まれるのが面白い。また、セクシュアリティが生来固定のものではなく、人生の途中で変わっていくという描写も良かったと思う。
    それにしても、プロポーズ断った方の人生の方が楽しそう。一方プロポーズ受けた方の人生(の特に前半)は、繰り返す妊娠と流産、家庭内で軽んじられる、働くこともできないという地獄。BCならぬ、Before feminism時代の暗黒。

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    2018年06月01日
  • わたしの本当の子どもたち

    Posted by ブクログ

    パトリシアがマークとの不幸な結婚をした世界は平和な世界。マークと結婚しなかった世界は最愛のパートナー、ビイと出会えたが世界は混沌。核兵器が何度か使われてしまう。
    この二つの世界、最後は同じ老人ホームにパトリシアが入居するのだが、トイレの位置が変わっている。

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    2018年10月15日
  • わたしの本当の子どもたち

    Posted by ブクログ

    パラレルワールドもの。最初の章で認知症の老婦人の日常が語られて此処が並列世界の終点であることを匂わせる。
    そこから過去に遡り同一人物の二つの人生が平行して語られていく。どちらかが劇的な人生と言うわけでもないのだが、明らかに世界観は異なる。
    パットが生きる世界では限定的に核戦争が有り各地で死の灰が降る。それがパットの人生に大きく影響する。
    一方トリッシュの生きる世界では横暴な夫のもと、不幸せな結婚生活を送り5人を死産し4人を育て上げる。その代わり世界は比較的平和である。
    主人公であるパトリシア(パット、またはトリッシュ)の認知症が進み施設に入ったその時、二つの人生は混濁した意識の中で融合し始める

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    2017年10月31日

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