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サンフランシスコのIT企業に就職した女性プログラマのロイス。激務で消耗した彼女の心身を救ったのは、近所の宅配レストランのパンとスープだった。親しくなった店主がアメリカを去ることになり、ロイスは秘伝のパン種を贈られる。それを使い自分でもパンを焼きはじめたとたん、彼女に思わぬ人や場所との出会いが訪れる……。千年以上もパン種を受け継ぐ奇妙な一族の物語、最新鋭ロボットアームを駆使したパン作り、謎の地下ファーマーズ・マーケット……パンが世界を変えていく!? とびきりヘンテコ、とびきり美味しい。新感覚フード・エンタテインメント!/解説=池澤春菜
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Posted by ブクログ
日々の労働に疲れ果てていたロイスが気まぐれで頼んだデリバリー。その美味しさにつられて常連となったもののその店が閉店することになり、彼女はパン種を譲ってもらう。そのパン種は実に奇妙で、夜中に歌ったり出来上がったパンに笑顔を刻んだりさせる…
というなんだなんだという序盤から、あれよあれよと不思議な世界が展開していきます。やたら規模の大きな謎の地下マーケットや代々受け継がれるパン種の秘密、そしてロボットアームが卵を割りパンをこねる……コメディのようで実際読んでいて笑える描写や比喩も少なくないのですが、その実、活力を見失っていた女性が自己を取り戻し生きる道を見つけていくお話でもあり、彼女の行動や選択ひとつひとつを気持ちよく追っかけて読んでいくのでとても軽やかな気分になれました。
こういう話では、だから現代のシステム化された労働は!ブラック企業は!自然こそ素晴らしい!みたいな極論に走りそうですが、そんな単純には描かれてないのが子の本のいいところです。
先端技術開発に携わる女性が主人公が、その現代の最新技術を生かしてこその展開になっています。つまり「文明と文化の共存」が楽しく愉快に、ちょうどいい程度のファンタジックさを添えて描かれているんですね。そのバランス感覚がちょうどいいな、と思えました。
海外文学はどうしても合うかな、どうかなと考えながら読み始めるのですが、序盤の文体の軽やかさから一気に話に惹きこまれて、大変楽しく読ませて頂けました。
Posted by ブクログ
ノンフィクションかと思わせるような小説である。きっとある程度は実体験があると思う。
主人公はロボットを制御するシステムを開発するIT企業で働く若者だが、ひょんなことでパンの発酵種(スターター)を入手し、それで作ったパンがおいしく、いろいろと認められてパン屋になるといったストーリーである。
このパンは「サワードゥ」sourdoughという馴染みうすい種類で食べたことがあるかかどうか分からないようなもので、なおかつサンフランシスコの近辺で繰り広げられる話なので土地勘というか、雰囲気が伝わらないのだ。
そんなに美味しいパンを食べてみたいと何度も思うくらいだったのだが、パン作りが好きな人には本書はおもしろく読めると思う。サンフランシスコに詳しいなら猶更である。
Posted by ブクログ
版元の創元社さんでパンを焼くブームのきっかけになった作品というのをツイッターで見かけ、気になって読んでみました。解説が池澤春菜さんで、パンを焼いてみたくなります。
不思議なスターター(パン酵母)を譲られてサワードウ(天然酵母のどっしりしたパン)を焼くようになってから、かなり不健康なプログラマー生活をやっていたロイスが変わっていく。一風変わったお店が集められたファーマーズマーケットのオープンを前にいろいろ問題が持ち上がってついにスターターの正体が……過去と現在が絡み合って物語が進むのと、ロイスの性別を意識させない感じが好き。
パンに顔のように見える亀裂が出来たり、スターターが歌うような音を出したりと、ちょっと不気味さを残したまま話が進んでいくので、もしかしたらパラサイトイヴみたいな展開が来るのではと途中思っていました。(当たらずも遠からず?)
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小説・文芸
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