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法月綸太郎の不覚
油断大敵。 「推理」のその先へ―― ミステリの可能性を押し拡げるシリーズ最新作! 書き下ろし短編「平行線は交わらない」など、 全4篇を収録した作品集。 【収録作品】 「心理的瑕疵(かし)あり」 首吊り自殺物件に住むライターが同じ死に方で発見される。 しかし、自殺だとすると現場には不可解な謎があって――? 「被疑者死亡により」 <交換殺人>の疑いを晴らしてほしい。 だが養父を亡くした依頼人には、多額の死亡保険金が転がり込む予定で――。 「次はあんたの番だよ」 ランナーが公園で目撃した“女の幽霊”。 その顔は二日前に殺された資産家女性と瓜二つだった。 「平行線は交わらない」(書き下ろし) 和菓子屋店主が殺された事件。 背景には和菓子経営者の兄弟の因縁が……? -
21時の空洞の魚
「お届けものです」 〈朝〉とだけ書かれた箱を開けると──? 25万部突破! ロングセラー「喫茶ドードー」シリーズの標野凪が贈る、 静けさが心を包み込む、「時」をめぐる24のショートストーリーズ。 「とき」をめぐる24編のショートショートを書きました。 目覚めたばかりのまっさらな朝、日差しが高くのぼる真昼、仕事終わりの夕方と家でくつろぐ夜、そして深い眠りに落ちる深夜。 あなたの心の奥深くにも、不思議な「とき」が落ちていることでしょう。 眠れない夜、そっと開いて一編をどうぞ。(著者より) 〈朝〉 乗り込んだ電車の行き先は、星の瞬く夜空か。 それとも──。 ──6時「始発電車」 〈昼〉 咲き誇る百日紅。 母の目にはどう映ったのだろうか。 ──12時「正午の百日紅」 〈夜〉 今夜も彼女は、この街に雪を降らせる。 明日を生き抜くために。 ──23時「雪の降る街」 〈深夜〉 ──ねえ、起きて。 あたしのほっぺたを突いたのは? ──5時「公園の鳩」 -
描いた未来に君はいない【電子特典付き】
冴えない高校生・鳴海大和のクラスに大阪から南奈海が転校してきた。 下校中に駅で出会ったことをきっかけにふたりの距離は縮まっていく。 南の特技は「握手をしたら人の心が読める」ことらしく、戸惑いながらも、天真爛漫な彼女に振り回される鳴海だった。 ある日、鳴海が小説を書いていることを打ち明けると、南は「私を主人公にしてよ」と言う。 二人で創作について話す時間は楽しく、惹かれていく一方で、 日に日にクラスメイトと打ち解ける南に、やはり自分とは違う立場なのだと複雑な思いが湧いてきて――。 号泣必至、珠玉のラブストーリー! -
夢幻の花嫁
名家に生まれながら、忌み子として虐げられてきた少女・結花里。彼女が命じられたのは、父に寵愛される妹の身代わりに、冷酷無比な銀髪の鬼と恐れられる孤高の軍人・桐龍寺玲士に嫁ぐことだった。 「俺の命令がすべてだ」と言い放つ玲士に震える結花里。だがそんな言葉とは裏腹に、玲士から与えられたのは、あたたかな食事と美しい着物、そして夢の中にしかないと思っていた自分の居場所で――。 夢と現が交差する帝都で、孤独なふたりが紡ぐ奇跡の恋物語、ここに開幕。 -
風を織る
おちえ、危うし―― 人気時代シリーズ第4弾! 深川の縫箔(刺繍)屋・丸仙の娘、おちえが、不吉な模様の小袖を大店「出雲屋」別邸に届けると、邸内で突然五人の男に襲撃される。 同行した丸仙の職人・一居となんとか応戦するが、ふたりの前に老女が現れて――。 「出雲屋」の過去と、おちえにはどんなかかわりがあるのか。剣を愛するおちえと、武家の家を捨て刺繍の道を志す一居が真相に迫る。 『風を繍う』『風を結う』『風を紡ぐ』に続く、大好評〈針と剣 縫箔屋事件帖〉シリーズ、緊迫の第4弾! 〈目次〉 一 風花飛鳥模様 二 紅牡丹火車模様 三 白菊残陽模様 四 再びの花折枝模様 五 白無地 六 井桁模様 七 藤花下飛燕模様 八 青海波模様 装画/田尻真弓 -
ごみのはての
独居老人のごみ屋敷でめぐりあう、5人の便利屋と3人の闇バイト。腐敗と悪臭に満ちたものたちの何を捨て、何を残すのか? 文藝賞作家による衝撃のハウスクリーニング小説。 「金も未来も、きっと見つかるにゃ。」独居老婆のゴミ屋敷で5人の便利屋が出会った「本物の世界」――熱量に満ちた言葉と圧巻の展開による、各誌絶賛の文藝賞受賞第一作。 衝撃のハウスクリーニング小説! 「あなたたちは世界のしくみを知らないの。本物の世界から捨てられた人がいることも」 独居老婆が暮らす一軒家のごみ清掃に訪れた、便利屋の社長・佐竹ほか4名。その前日、佐竹は皆の日当を含む百万円を入れた封筒を、悪臭に満ちた膨大なごみの中に落としていた。やがて老婆の過去が明らかになるにつれ、あらぬものが見つかると同時に闖入者が現れて……。 【各誌絶賛!】 惹きつけられずにはいられない――水上文 ダイレクトに五感を揺さぶる強烈作――菊間晴子 -
東大理三の悪魔
天才の思考は超越か狂気か―― ジャンルを超越した知的エンターテインメント、待望の文庫化! 各界から驚きの声、続々! 「既存の文学賞がキャッチできなかった異形の小説」 ――海猫沢めろん(作家) 「SF(サイエンス・フィクション)を通り越した型破りな青春スピリチュアル・ファンタジー」 ――大森望(翻訳家・書評家) 「東京大学を舞台に論理と意識が交錯する世界をめぐる壮大な物語」 ――野村泰紀(物理学者) (あらすじ) 東京大学理科三類に通うノボルは、東大模試で異次元の点数を叩き出し、その後理三に合格した天才・間宮と出会う。彼は間宮と交流を深めていくうちに、天才の圧倒的な世界観に魅了され……。天才とは何か、この世界に隠された秘密とは? リアリティとフィクションが交錯しながら、旧約聖書について大胆な仮説が展開される圧倒的知的エンターテインメント。 ※本作は、2025年1月28日(奥付記載:2025年2月11日)に小社より刊行した単行本『東大理三の悪魔』の第1部「東大理三の悪魔」を文庫化したものです。 【著者について】 幸村百理男(こうむら・もりお) 東京大学医学部医学科卒業。二本松眼科病院、虎の門病院などを経て、沖縄県・宮古島にて離島医療に従事している。 -
吉田修一と『国宝』の世界
2025年、小説&映画ともに大きな話題となった吉田修一の『国宝』。 デビュー『最後の息子』から吉田作品を追ってきた同郷の評論家が、 『国宝』を中心に、『パレード』『パークライフ』『悪人』といった代表作から 最新作『ミスサンシャイン』まで、その魅力を論じる徹底ガイド。 【目次】 はじめに 吉田修一の小説 第一章 『国宝』の特徴と歌舞伎の歴史 1 『国宝』が描く歌舞伎の魅力 2 歌舞伎の歴史と『国宝』 3 『国宝』の喜久雄と『悪人』の祐一の類似 4 立花喜久雄のモデルは? 5 谷崎潤一郎の『刺青』と吉田修一の『国宝』 第二章 『国宝』が描く人間国宝と人間天皇 1 人間国宝と人間天皇 2 『国宝』と『ねじまき鳥クロニクル』 3 歌舞伎役者の苦難、大衆芸能のルーツに戻る旅 4 女形と歌舞伎座の歴史 5 歌舞伎座を設立した福地源一郎と座紋「鳳凰丸」 6 料亭「花丸」と長崎の史跡料亭「花月」 7 原子爆弾による被害と「鷺娘」の悲しみ 第三章 デビュー作「最後の息子」と初期作品群 1 段ボールの机の上で書いたデビュー作 2 初期作品の主人公――「夜の世之介」と「若い悪人」 3 「最後の息子」にみる後期作品への広がり 第四章 純文学とエンターテインメントを超える 1 『悪人』の原型――山本周五郎賞受賞作『パレード』 2 ウェブ上のコミュニケーションを先取る 3 『パレード』の若者たちの「成熟と喪失」 4 アメリカ同時多発テロ事件への応答――芥川賞受賞作「パーク・ライフ」 5 都会のエアポケットとしての「日比谷公園」 6 平凡で「かけがえのない場所」が破壊されることへの静かな抗議 第五章 『悪人』が描いた平成の原風景 1 祐一と依子の「奇妙な」母子関係 2 母親から受け継いだ「不器用さ」 3 就職氷河期を象徴する現代文学 4 非正規雇用の二人にスポットライトを当てる 第六章 逃亡劇から恋愛劇へ 1 祐一と光代にとっての長崎と佐賀 2 祐一の乗る白いスカイラインとは? 3 不器用な恋愛劇を美しい物語に昇華 第七章 『悪人』以降の展開 1 男女別の秩序に生じる「悪」の重層性 2 『さよなら渓谷』と島崎藤村『破戒』における「告白」 3 「悪」の布石としての偏執的な「愛」 4 「救いのないしがらみ」と「感情の訛り」 5 『太陽は動かない』が描くアジアの風景 第八章 二つの社会派ミステリ 1 『犯罪小説集』における日常の中の「タナトス=死の欲動」 2 裕福な専業主婦が抱える「テロリスト」のような攻撃性 3 日常と紙一重のところに潜む「危うさ」 4 映画「楽園」が炙り出す『犯罪小説集』のカタルシス 5 不器用な「悪人」たちの「逃亡劇」――『逃亡小説集』 第九章 戦後史の闇へ 1 『アンジュと頭獅王』の「理不尽な暴力」と民間信仰 2 近代史の闇に切り込む社会派ミステリ『湖の女たち』 3 『湖の女たち』と川端康成の『みずうみ』 4 松本清張『砂の器』への挑戦状――『ミス・サンシャイン』と『罪名、一万年愛す』 第十章 映画「国宝」の風土と到達点 1 映画「国宝」の風土 2 吉田作品を彩る役者たち 3 社会現象としての到達点 あとがき -
くらやみ小学校
学校の怪談より怖い! 今も昔も、学校で、誰かが泣いている。 「先生」の衣をまとった怪物、「教育」の名を借りた差別、給食、プール、たてぶえ、あの因習が許されてしまった時代……。ほがらかな教室に、突如現れる不条理世界。なぜ? みんな忘れてしまったの? 生徒に「せっしょうすぎること」を強いる市立小学校の女性教師。「私、ぜったい許さへん」。少女たちが企てた復讐とは……。(「プールがいや」) 同級生の死を知らされた私は、いてもたってもいられず新幹線に飛び乗った。中学時代の先生に、抗議するために。(「数学のこわい先生」) チアフルでブライトな学年一の人気先生――彼女はなぜ豹変したのか。その深層心理を探る。(「ランドセルを持った女」) LINEトークで話した同級生は、かつてはもの静かで百合の花のようだったのだが……。(「うつろい」) 学校の怪談より怖い! 吐き気がするほど“ピュア”に描く、昭和・平成・令和の翳り。 -
とりぷるばーば 水曜日のかれーらいす
札幌で居酒屋を営んでいた桃子の夫が亡くなって一年。「子ども食堂」だけ細々と続けていた桃子のもとに、元キャリアウーマンの百合、夫婦二人で暮らしていた澄子が訪れる。中学時代からの親友たちもそれぞれの人生を歩み、気がつけば皆、67歳になっていた。そして、桃子は二人の提案で、彼女と夫が一緒にやっていたお店を再開することにする。リニューアルしたお店では、北海道の旬の食材を用いつつ、手軽に作れるリーズナブルな家庭料理を提供。食べに来たのは、乳がん手術後の女性や、今の世の中についていけない高齢男性、近所の小学生たち。皆、それぞれ悩みや不安を抱えていて……。個性豊かなおばあちゃん三人のやさしさと、お手製のカレーライスなどの懐かしい味が、明日への元気を与えてくれる連作短編集。文庫書き下ろし。 -
順風満帆〈クラウド・ナイン〉
まともなだけじゃ、生きていけない 『万事快調〈オール・グリーンズ〉』で第28回松本清張賞を受賞しデビュー、2026年1月に同作の実写映画が公開される新鋭・波木銅、待望の新作! 『万事快調』の書き下ろしスピンオフ短篇「順風満帆〈クラウド・ナイン〉」を筆頭に、 まともなだけじゃ生きていけない現代を、必死にサバイブするあなたに贈る“劇薬”小説集! ◆収録作 ・順風満帆〈クラウド・ナイン〉(『万事快調』スピンオフ) 夜な夜なクラブで開催されるMCバトルイベントで出くわしてしまった、教育実習生の私と、クラスの素行不良児。ステージ上での短い対話篇が始まる ・ラッキーパンチ・ドランカー ラッキーでプロボクサーになった僕と、理想の恋人・りゅーちゃん。才能を見いだせないボクシングを続けるべきか、それとも…… ・結局のところ、わたしたちはみな 「ぼく、漫画描いてるんですよね」馴染めないバイト先の同僚が描いているのは、“すべて嘘”の猫との暮らしだった ・フェイクファー 「裁縫は暴力の逆なんだ。だから好き」大学時代に所属していた〈着ぐるみサークル〉の仲間が自殺したらしい。でも、なぜ? ・楽園ベイベー いじめられっこの僕を助けてくれた〈美容師兼探偵〉を名乗る謎の女・らいか。妹の行方を追う彼女に手助けを求められ…… 一筋縄ではいかない現実は、裏をかいてそのまま振り切っちゃえ。 -
あなたにオススメの
身体に埋め込んだチップで複数の娯楽を同時に楽しむ時代。子供達の将来の夢は「ええ愛」が大人気。完璧な等質教育で名高い保育園で、オフラインに拘るママ友の観察は最高のエンタメだった…。「推子のデフォルト」ほか、マンション最上階に住む家族を滑稽に描く「マイ・イベント」を収録。世界が注目する作家がえぐり取る最恐リアルな全2編! スマホ依存、管理教育……私たちはどこへ向かうのか? 本谷有希子が愛用するAI・マルスラによる解説を収録。 「推子のデフォルト」 子供達を<等質>に教育する人気保育園に娘を通わせる推子は、身体に超小型電子機器をいくつも埋め込み、複数のコンテンツを同時に貪ることに至福を感じている。そんな価値観を拒絶し、オフライン志向にこだわるママ友・GJが子育てに悩む姿は、推子にとっては最高のエンターテインメントでもあった。 「マイ・イベント」 大規模な台風が迫り河川の氾濫が警戒される中、防災用品の点検に余念がない渇幸はわくわくが止まらない。マンションの最上階を手に入れ、妻のセンスで整えた「安全」な部屋から下界を眺め、“我が家は上級”と悦に入るのだった。ところが、一階に住むド厚かましい家族が避難してくることとなり、夫婦の完璧な日常は暗転する。 -
フルハウス
ラグビーにおける「フルハウス」とは、一試合で同じ選手が、トライ、コンバージョンゴール、ペナルティゴール、ドロップゴールをすべて決めることを言う。本書は、日本人として初めてニュージーランド代表チームのオールブラックス入りしたラガーマン、早見剛大の物語である。2027年ラグビー・ワールドカップ、プール戦でオールブラックスは日本代表とぶつかる。かつて日本で一緒にプレーしていた仲間との激突! ラガーマンの孤独、友情、絆、葛藤……。自らもラガーマンであった著者が、そのラグビー愛のすべてを込めて書き上げた究極のラグビー小説。堂場瞬一スポーツ小説の頂点とも言うべき傑作! -
待ち合わせは〈本の庭〉で
【電子版巻末にはにーな先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 ここは東京・吉祥寺にあるシェア型書店〈本の庭〉。 「棚主」と呼ばれる「小さな書店の店主たち」が店内に思い思いの本を並べて売る、この風変わりなお店には、いつでも小さな「謎」が集まってくる。 青春時代に親友と交換した大切な本の記憶を取り戻したい老婦人。製作者不明の同じZINEを買い続けるお客さんと棚主の攻防。書き込みだらけの「読み跡本」に込められた思い。この書店のはじめの一冊として「売り物ではない本」が置かれた理由――。 見逃してしまった誰かの「思い」が、時を超えて「謎」として目の前に現れたとき、 きっとこの書店の仲間は、それを解く手助けをしてくれる。 書物と珈琲の香り漂う、素敵で優しい「小さな謎解き」の世界へようこそ。 -
ダレカレ
「かえりたい。かえりたい! かえりたい!!」 ドロドロの食べ物、かけさせてもらえない電話、へんな薬。 少女は見知らぬ男の拘束から逃がれ、明け方の街を駆ける。 「おとうさんは、どこへいったの?」 恐怖、不安、孤独。どこへ行けばいいのかもわからない。 まだ暗い街で見つけたひと筋の灯り。 暖かな光に導かれた先はベーカリーだった。青いエプロンをつけた男の人がやさしく迎えいれてくれた。 「ようやくたどり着けた」 店中に広がる焼きたてパンの香りは少女の不安を溶かし、安堵でこころを満たした。 しかし……。 インディゲームクリエイター・yonaが手がけるNintendo switch(TM)・Steamで配信中のゲーム『ダレカレ』を、『英国妖異譚』『欧州妖異譚』『古都妖異譚』などのシリーズで人気を博する篠原美季が小説化。 ゲームに描かれた「誓い」を軸に小説オリジナルのエピソードを加えた、生きること信じることを問いかける感動の物語。 -
キッチンが呼んでる!
料理人、文筆家として活躍する著者の初小説。 一緒に暮らしていた恋人と別れ、「わたし」の三年ぶりの一人暮らしが始まった。三日目、その部屋に届いたのはオーブントースターだった。部屋は一向に片付かないが、仕事を切り上げた夜八時、二四時間スーパーへ向かう。明日の朝のために、八枚切りの食パン、バターと厳選したブルーベリージャムをカゴに入れる。コーヒーは少し悩んでインスタントコーヒーの小瓶。現状の部屋にちゃんとした食事であるお弁当を持ち込むのは気が進まず、夕飯用にレタスハムサンドもカゴに加えた。帰り道にコンビニに寄って、肉まんもひとつ。果たして、この日わたしはどんな「料理」をするのか。 調味料を吟味し、最低限の調理道具を慎重に揃えながら「おいしい」を追究する二七日間を描く料理小説。 自炊はもちろん、デリバリーもコンビニも、ビュッフェも鰻屋さんも、ファストフードもデパ地下も、カップ麺もラーメン屋さんも──おいしく食べることを探求する日々には、簡単なレシピや食にまつわる豆知識も満載。 料理人、文筆家として活躍する著者が初めて小説に挑んだ意欲作です。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『キッチンが呼んでる!』 の文庫版となります。 -
百日と無限の夜
初めて知るのだが、母体の内部は、らせんだ。 拗れて考えて、愛して爆発して、無限へ手をのばす。 らせんだ。凄い。 ――古川日出男 女の体の全てがここにある。 自身の胎内めぐりの旅に出た女と共に 私たちにも闇の先の光が降ってくる。 これは生まれ直しの物語だ。 ――中村佑子 第一子の妊娠中、切迫早産で急遽入院を余儀なくされた「わたし」。 医師からは「三か月は出られない」という衝撃の事実を聞かされる。妊娠7ヵ月で子宮口がひらくとは、それほどの重症なのだった。 生業とする書き仕事や日常の営みを奪われ、ただすべての時間を横になって過ごす日々の中、 ある晩ひとりの女が「わたし」のもとを訪れる。彼女こそ、能作品『墨田川』に登場する女物狂い・班女。 人攫いに遭い子を失った班女を案内人に、中世・京の都から駆け込み寺、若狭のお水送り、海辺の産小屋へと、「わたし」と班女の時空を超えた道行きは続き・・・・・・。 切迫早産での入院中の日々の詳細と、 子産みと生命にまつわる夢幻の地獄めぐりを編み上げた、 かつてない出産幻想文学。 【著者略歴】 谷崎由依(たにざき・ゆい) 1978年、福井県生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2007年「舞い落ちる村」で第104回文學界新人賞受賞。19年『鏡のなかのアジア』で第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。近畿大学文芸学部准教授。小説のほか、英語圏小説の翻訳を手がける。その他の著書に『舞い落ちる村』『囚われの島』『藁の王』『遠の眠りの』、訳書にジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』、コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』、ノヴァイオレット・ブラワヨ『あたらしい名前』など。 -
罪と罪
堂場瞬一 犯罪小説集! 「今日、自分の人生は変わってしまった。先の見えない日々が始まってしまった。」――通り魔・殺人・資金洗浄・特高の罪・迷惑運転・泥棒・毒親・掏摸・盗撮・選挙違反・復讐・子どもの罪……辿り着く先は後悔か、それとも解放か? 発行部数は世界累計1400万部! 2025年末に著書発売累計200冊を達成予定の堂場瞬一が<犯罪者>の視点で描く、犯罪小説集の傑作! ・ ・ 【目次】 ●褒められた男(通り魔) ●ある後悔(殺人) ●バイアス(資金洗浄) ●暗い復讐(特高の罪) ●連鎖反応(迷惑運転) ●家業(泥棒) ●推さない(毒親) ●コンビ(掏摸) ●神の手(盗撮) ●再起の日(選挙違反) ●逆襲(復讐) ●消えない目(子どもの罪) -
旅する小説
さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。 国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大! 宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生――。 最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー! 宮内悠介 「国境の子」 対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。 藤井太洋 「月の高さ」 旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。 深緑野分 「水星号は移動する」 移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう? 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えた――。 石川宗生 「シャカシャカ」 地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。 -
信念の経営者・小原鐵五郎
終戦の5日前に合併成立! すべては、町に、人に、元気を取り戻すために。城南信用金庫の小原鐵五郎――その生涯と抱き続けた想いに迫る長編小説。昭和20年(1945)8月10日、終戦間際に15の組合が合併して城南信用金庫が誕生したのは、戦後の復興を見越したものであった。専務となった小原鐵五郎は、地元の中小企業を育成発展させるため、町の人びとの生活を豊かにするため、そして、地域社会の繁栄を後押しするために奮闘する。業界全体を発展させたことで「信用金庫の神様」とも言われた男が貫いた、その精神は……。累計35万部突破の企業小説シリーズ、最新作! -
アザミ
☆☆☆心当たりに胸がざわつく! 第68回 群像新人文学賞受賞作!!☆☆☆ 戦争より、芸能人の不祥事、炎上。やめられない、不健全なこの快楽。 SNSに依存し、他人のコメントに扇動され、炎上に心ときめく私たち――。 「逆」推し事小説にして、ネットに囚われ生きる「いま」を高純度で描く令和の日常系文学。 新聞社で校閲者として働くアザミ。同僚とは遠慮にまみれた会話しか交わさず、空き時間はSNSとニュースサイトのコメント欄に没入する。たまに会う友人とは話が弾まず、夢見が悪く、頭痛も絶えない。そんな無味乾燥なアザミの日常は、炎上するアイドル「ミカエル楓」の存在を知って一変する。私もこの人を、「嫌い」になるのはどうだろう――? -
暴走正義
正義を見破れ! 全編どんでん返しミステリ集 一億総”正義の暴走族”時代を生きる 今日もスマホを握りしめ怒っている 「正義系」の私たちのための 常識大逆転ミステリ。 『同姓同名』『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』の著者最新作も話題作! 今日もどこかで誰かが絶賛炎上中。 「暴露系」ーー俺があいつの悪事を晒してやる。 「報道加害」ーー夫を殺した毒婦のネタを掴んだ。 「エスカレート」ーー私が殺されたらどうするんですか! 「誤認逮捕」ーー現場にはいつもヤツがいる。 「再犯」ーー犯人は「厚生」できるのか。 「死刑反対」ーー法の下、人を殺すなんて何事だ -
飛び込め地獄
新興宗教の教祖をしていた姉が失踪した―― 現役新聞記者が描く、二転三転するサスペンスミステリー (あらすじ) 「わたしは解脱した。探さないでほしい」 新興宗教の教祖だった姉が失踪した。刑事志望のすばるは、教団から次期教祖になるよう迫られ、姉の捜索を開始。同じ頃、殺し屋を名乗る少女いよに出会う。彼女は「親友を殺したカルト教団に復讐する」ため捜索を手伝うという。密室で変死した両親、姉の失踪、いよの親友の不審死、次々と電車に飛び込む信徒たち……。二人は教団の闇に迫っていく! 【著者について】 上田春雨 1986年、北海道生まれ。筑波大学社会学類卒業。現在は記者として新聞社に勤務。第22回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として『呪詛を受信しました』(宝島社文庫)で2024年にデビュー。 -
ぼくらは、まだ少し期待している
町田そのこ氏、おすすめ! 「自分を誰かに明け渡さない。それが、誰かを救うことにもなるのだ」 札幌の進学校に通う土橋輝明は、数学と生物が得意な高校3年生。同学年の特進クラス国立文系で第一志望は北大文学部という秦野あさひとは、「優等生」同士ということで、学校行事にペアで駆り出されることも少なくない「腐れ縁」だ。ある日、あさひに相談を持ち掛けられた輝明は、予想外のディープな内容に驚き、思わず席を立ってしまう。翌日、彼女が失踪したことを知った輝明は、片親の違う弟で「料理研究部」では彼女の後輩でもある吉川航とともに、その行方を追い始める。あさひはどこへ消えたのか? 輝明は東京へ、そして沖縄へ向かう。徐々にあさひの過酷な生い立ちを知るにつれ、輝明は……。 単行本刊行時、朝日新聞、毎日新聞、北海道新聞、京都新聞、「本の雑誌」、「SUMISEI Best book」など各紙誌で絶賛された青春ロードノベルの傑作、待望の文庫化! 【目次】 前口上 起 二○一三年七月中旬、北海道札幌市 承 二〇一三年七月下旬、埼玉県所沢市 転 二○一三年七月下旬~八月上旬、沖縄県那覇市~慶良間諸島 結 二○一三年十二月下旬、北海道札幌市 納め口上 解説 藤田香織 -
旦那様、ビジネスライクに行きましょう!
第9回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛(ラブロマンス)部門《大賞》受賞作! 「これは政略結婚だ。君を愛するつもりはない」 平民生まれ、下町育ちのアナスタシアは、ある事情から若き伯爵家当主・ユージーンと政略結婚をすることに。新婚初夜、愛のない言葉を浴びせられた彼女はうつむ……かなかった。 「ビジネスパートナーになりましょう、旦那様」 公爵家との確執、失踪した両親の謎に領地問題。持ち前の雑草魂でどんな難題にも立ち向かっていくアナスタシアに、なぜかユージーンの態度が甘くなっていき……? 生まれも育ちも異なる二人に絆は生まれるのか!? 痛快! ウェディング・ラブコメディ。 ◆◆◆登場人物◆◆◆ ・アナスタシア 下町育ちの平民だが、ある事情からフェアファンビル公爵家の養女となりユージーンと結婚することに。 非常に真っ直ぐで逞しい性格。 ・ユージーン 国有数の資産家であるハミルトン伯爵家の若き当主。 社交界きっての美貌の持ち主で女性に大人気だが、実は初心な一面も。 -
消えゆく街の秘密の友だち
迷っても立ち止まっても大丈夫。心にじっと耳をすませ続ければ、いつか自分の本当の気持ちは聞こえてくる。 【あらすじ】小学校6年生の小晴(こはれ)は、自分の本音がわからず、人付き合いも苦手。ある日小晴が部屋の掃除をしていると、一枚の紙を見つける。その紙――消えかけた手書きの地図のようなものを開いた途端、小晴はいつのまにか外にいた。そこで出会った男の子・ラッタッタは、ここは「ふしぎの街」であること、1人で地図を開いて目をつぶって深呼吸をすると、この街に来れること、そしてラッタッタ自身はこの街の管理人だということを教えてくれる。他に動物も人もいない、2人きりの街で一緒に遊ぶうちに、ラッタッタに心を開く小晴だが、「大人になるため」には、ラッタッタとさよならしなくてはいけなくて。 【目次】1 〈ふしぎの街〉の地図/2 春休みのこと/3 木山鈴さん/4 修学旅行/5 野田ゆうたくん/6 算数のノート/7 悲しいこと/8 0点/9 さよならの予感/10 さよなら、ラッタッタ/11 鈴ちゃんの家/12 仲直り/13 イマジナリーフレンド/14 またね、ラッタッタ/15 これから -
うるうの朝顔
「そうやってズレたまま生きていくの?」 たった一秒が、あなたを変える。未来へ踏み出す一歩となる。 奇跡の花と不思議な青年をめぐる再生の物語。 生きていくうちに心も世界も少しずつズレていく。 この物語は、あなたのズレを優しく整えてくれる。 ――凪良ゆうさん 心の霧を晴らしてくれる、人生のヒントが詰まった物語です。 ――けんごさん 綿来千晶は、息子に手を上げた夫と離婚したばかりで鬱々とした日々を過ごしていた。彼女は、偶然入った霊園事務所で日置凪という青年に出会う。 親しみやすく価値観の合う凪に、ぽつぽつと悩みを打ち明けると、「ひとつだけ、おとぎ話をさせてください。」と「うるうの朝顔」という不思議な朝顔の種を取り出した。 なんでもその花を咲かせると、現実とはほんの少しだけ変わった過去をもう一度体験でき、その瞬間から始まっていた心の「ズレ」が直るという。 その夜、千晶には、姉が父に殴られた日の記憶がよみがえり……。 第17回小説現代長編新人賞受賞作! -
紅色の幻 おいち不思議がたり
飾り職人の夫・新吉が帰ってこない――。不安に駆られたおいちだったが、新吉は朝になって、何事もなかったかのように家に戻ってきた。しかし、新吉が言付けを頼んだ職人らしき人物が、菖蒲長屋近くで殺されていたことが判明する。しかもその懐には、きれいなビードロの風鈴がしのばせてあった。おいちは、身重であることも忘れ、岡っ引の仙五朗とともに、事件の解明に乗り出す。そんな折、おいちは石渡塾で共に学ぶ和江が、血飛沫を浴びたかのように紅く染まった幻を見てしまう。これは何かの予兆なのか。おいちは忍び寄る禍々しい気配に身をすくませる。シリーズ累計46万部突破! 仕事も家庭も大事にしたい娘の奮闘と成長を描いた青春「時代」ミステリー第七弾! -
怪異ー百モノ語ー 僕が君に語りたい百の怖い話
”モウドウニモナラナインダッテ” ――気付けば巻き込まれている 「見切れ幽霊」「廃墟の仏壇」「トイレの○○さん」「捲れたポスター」「スズリバコ」などなど 語り手が収集した場所も、時間も、怖さも全く異なる百の怖い話。 そして断片的に語られる語り手が体験した出来事。 それが一つの像を結ぶとき、君が出会うものとは――。 第9回カクヨムWeb小説コンテスト <ホラー部門>特別賞を受賞した椎葉伊作による、口語口調の百の怪談ショートショート集! ●目次 1話 見切れ幽霊 2話 瞬間の幽霊 3話 降りてくる死体 4話 無人のダム 5話 廃墟の仏壇 6話 家鳴り 7話 ガラケーの画面から 8話 ドアノブの異音 9話 白いシャツ 10話 発端 11話 藁と釘 12話 見られたくない 13話 忌み数 14話 錦鯉 15話 生霊の行方 16話 視線の気配 17話 手作りの石垣 18話 泥の足 19話 天井からする音 20話 親友の家 21話 踏切の供え物 22話 ビルの風 23話 窓の子供 24話 赤レンガの呪い 25話 カーナビ 26話 現在地 27話 骨壺 28話 換気扇の網目 29話 ボールプール 30話 すれ違い 31話 線香の様な臭い 32話 咳の音 33話 ソロキャンプ 34話 揺れる背中 35話 体育館の夢 36話 溝の女 37話 掴まれるトイレ 38話 焼却炉のおまじない 39話 染みの形 40話 親友の行方 41話 埋めた犬 42話 視線の先 43話 おしゃべりインコ 44話 コックリさんの正体 45話 恨みの念 46話 流れ着くもの 47話 台風の海 48話 花投げの儀 49話 水の跡 50話 親友の声 51話 埋まっているトンネル 52話 トンネルの人影 53話 体育倉庫の声 54話 幽霊の姿 55話 冷蔵庫の中身 56話 トイレの〇〇さん 57話 三番目の個室 58話 認識できない姿 59話 防空壕の奥 60話 再会 61話 山のジュース缶 62話 成れの果て 63話 赤い実 64話 やまびと 65話 枯れ井戸の山 66話 上司の卒アル 67話 イヤホンのノイズ 68話 チャンネル 69話 レーダー 70話 豹変 71話 真夜中の来客 72話 もう一人の彼氏 73話 影の正体 74話 恩師の顔 75話 ピザ 76話 歩道橋の女の子 77話 ラジカセの声 78話 捲れたポスタ 79話 二人死んだ部屋 80話 懺悔 81話 菊の間 82話 リビングの姿見 83話 廃墟の人形 84話 首の写真 85話 アカイさん 86話 大小の手形 87話 半年もたない部屋 88話 火葬場の絵 89話 小さな人間 90話 友情の果て 91話 ユリエ 92話 水底の祠 93話 井戸の災い 94話 魔窟のビル 95話 守護霊の仕業 96話 水と化して 97話 義母と柿の木 98話 鬼のミイラ 99話 スズリバコ 100話 百モノ語 ●著者 椎葉伊作(しいばいさく) 『オウマガの蠱惑』にて第9回カクヨムWeb小説コンテスト <ホラー部門>特別賞を受賞し、同作でデビュー(KADOKAWA刊)。田舎を舞台にしたホラーやミステリを多く発表している。虫や水辺の生き物が好き。 -
記念日
ままならず、愛おしい、たったひとつのこの体。 「早く年を取りたい」と願う23歳のミナイ。 ガタがきはじめた肉体に翻弄される42歳のソメヤ。 キャリーを押して歩く76歳の乙部さん。 ひょんなことからルームシェアをすることになった、ソメヤとミナイ。 噛み合わぬ日々を送る中、突然、ミナイから不思議な提案がなされる。 ――「明日から、おばあさんになってみませんか?」 やがて本物の「お年寄り」である乙部さんも加わり、 年齢も性格も職業もばらばら、本来交わるはずのない女性三人の人生が絡まりもつれ、転がり始め・・・・・・。 他者との交わりが日常にささやかな灯をともす。 代わり映えしない生活を寿ぐ、小さなハレの日の物語。 【著者略歴】 青山七恵(あおやま・ななえ) 1983年、埼玉県生れ。筑波大学図書館情報専門学群卒業。2005年「窓の灯」で文藝賞受賞。2007年「ひとり日和」で芥川賞受賞。2009年「かけら」で川端康成文学賞を受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『すみれ』『めぐり糸』『風』『ハッチとマーロウ』『私の家』『みがわり』『はぐれんぼう』『前の家族』などがある。 -
駅と旅
日々のなかで当たり前のように行き来する駅という場所は、なんでもない日も旅立ちの日も、変わらずそこで私たちを迎えてくれます。旅の始まりと終わりをいつも見届けてくれて、行く場所であり帰る場所となる、駅とは不思議な存在です。浜松、西宮、札幌、唐津、明洞、ポルト──六つの都市へ向かう列車で、あるいは辿り着いた先で、どのような景色が待っているでしょうか。新しい物語への切符は今、あなたの手のなかにあります。六人の作家、六つの駅が旅の非日常へと誘う、文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】砂村かいり「きみは湖」/朝倉宏景「そこに、私はいなかった。」/君嶋彼方「雪花の下」/松崎有理「東京駅、残すべし」/額賀澪「明洞発3時20分、僕は君に撃たれる」/鳥山まこと「辿る街の青い模様」 -
男装の華は後宮を駆ける
ある朝、後宮で宮女の死体が発見される。 しかもそこには、皇后しか持つことを許されないはずの「鳳凰の簪」があった――。 街が正月の活気にあふれる中、名家の娘・芙蓉(ふよう)は、後宮を司る皇太后から「ある人物と手紙のやり取りをしてほしい」と頼まれ、突然“文使い”に任命される。 身元を隠すため男装するよう指示された芙蓉が、わけのわからないまま約束の場所に行くと、そこには美しい青年――蒼君(そうくん)と名乗る人物が待っていた。 「お待たせしましたか」 「待ったかだとは、愚問ではないか?」 初対面からぶつかりながらも、蒼君から後宮の事件を聞いた芙蓉は持ち前の洞察力を活かすため、事件解決に乗り出すことに! そのさなか、何者かの刺客に襲われる芙蓉と蒼君。後宮の事件捜査のはずが、何やら不穏な雰囲気に――!? 天真爛漫な男装少女と謎多き青年が後宮の闇に迫る! ハイスピード後宮ミステリ! -
ブラック・ムーン
「百舌」シリーズの逢坂剛が放つ、 至高のエンターテインメント、ついに完結! 新選組副長・土方歳三は箱館で落命した――はずだった。 頭部に被弾し記憶を失った土方は、内藤隼人と名を変え、 彼を慕う時枝ゆらとともにアメリカ西部へと渡る。 隼人は自らの命を狙う元新撰組隊士・高脇との 決闘の末、谷底に落下した。 瀕死の隼人を救ったのはトウオムア(黒い月)と名乗る謎の女性。彼女の目的は一体? そして隼人の行方不明により、ゆら、ピンキー、ボナーらにも、 大きな転機が訪れる。 サムライたちの旅路は、ついに終着点へ! 書き下ろし短篇「死者の手札」を特別収録。 -
息が詰まるようなこの場所で
今すぐここから逃げ出したい。でも、どこへ? 大手銀行の一般職として働く平田さやかは、念願のタワマンに住みながらも日々ストレスが絶えない。 息子のお受験、最上階に住む医者一族との関係etc. タワマンには3種類の人間が住んでいる。資産家とサラリーマン、そして地権者だ――。 同じタワマンに暮らすからこそ、低層階と高層階、子供の成績、学歴、年収など、他人と比較して羨むことを止められない。 世間体に翻弄されるさやかは幸せを見つけることができるのか? 文庫書き下ろし短編のほか、単行本時の特別短編も収録! ・単行本カバー裏特別短編「高杉隆の初恋」 ・単行本電子特別短編「目黒奈々子の後悔」 ・書き下ろし短編「伊地知琉晴の進路」 -
ふたりの恋人
水田信一には恋人がふたりいる。金持ちの娘で何不自由なく暮らす関口麗子と、病気がちな母親のためにレストランで働く相川広美だ。ある日、麗子が乗った車が海辺で事故を起こし、麗子は死亡。事故死と思われたが、彼女の首には何者かに絞められた跡があった。知らせを聞いた真一は驚くが、彼の親友・柏木忠男から、広美が行方不明になっていることを知らされる。さらに、広美の母親は何者かに殺されていた。殺害された恋人と、姿を消した恋人。彼女たちに何があったのか。真一と忠男は事件解明に乗り出すが、重要人物として警察に目を付けられ、刑事に追われることに。さらにふたりの命を狙う謎の殺し屋まで現れて……。著者の代名詞、傑作ユーモアミステリー開幕! -
風配図 WIND ROSE
第34回紫式部文学賞受賞 皆川博子 新たな代表作、誕生。 自らの道を求め交易商人を志した二人の少女の物語。 少年の日に夢見た「本物の文学」という幻に、今日、出逢ってしまいました。 パンドラの匣に残された最後の希望のような言葉の冒険。 ――穂村弘 記録に決して残らない「が、あったはず!」の歴史的瞬間。 虐げられし者たちが織り成す、魂の生存を賭けた「智」の連鎖。 時を超えて掘り出されるその昏き光彩、まさに圧巻! ――マライ・メントライン 1160年5月、バルト海交易の要衝ゴットランド島。 流れ着いた難破船の積荷をめぐり、生存者であるドイツ商人と島民の間で決闘裁判が行われることとなった。重傷を負った商人の代闘に立ったのは、15歳の少女ヘルガ。 義妹アグネが見守る中、裁判の幕が開き、運命が動き出す―― ドイツ商人が北へ進出し、ロシア・ノヴゴロドでは政争が頻発するなど動乱の時代を生きた人々を詩歌や戯曲形式も交えて紡ぐ、小説の新たな可能性を拓く傑作長篇! -
今、出来る、精一杯。
演劇界の異才による傑作群像劇! 東京都三鷹市のスーパーマーケット「ママズキッチン」で働く人々は皆どこかヘン。しかしもっとおかしいのは毎日この店を訪れ「お弁当をタダでくれ」を叫ぶ車椅子に座る女だった。言葉を聞き入れてもらえない少女、自分の意見を捨てた女、完璧に見えるバイトリーダーに、他人の人生を壊してしまった男…。 「黙ってれば、自分の意見を持たなければ、嫌な思いもしませんから」 ――バックヤードで繰り広げられる言葉の応酬と傷つけ合い。めんどうな12人の人間が曝け出した感情の先に希望は灯るのか。 演劇界の異才による傑作群像劇。 文庫版では著者自らによる「あとがき」を収録! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『今、出来る、精一杯。』 の文庫版となります。 -
夜刑事
「俺は、苦しくても警察にいつづける」 警察から憎まれ、犯罪者から狙われた、かつてなく孤独な刑事。 暗闇でしか活動できない“夜刑事(ヨルデカ)”の岬田は、絶望と背中合わせの捜査に当たるーー。 「新宿鮫」シリーズ、「狩人」シリーズから連なる、新たなる傑作刑事小説の誕生。 著者史上、最も孤独で美しいヒーローをフルスロットルで描く、待望の新シリーズ! 主人公は、全く新しいキャラクターの刑事。 犯罪者だけでなく同じ警察官からも憎まれ、これまでに書いてきたどの刑事よりも孤独で、絶望と背中あわせの日々を生きている。 また書きたいと思った主人公は久しぶりです。 ――大沢在昌 【あらすじ】 ヴァンパイアウイルスと呼ばれる未知のウイルスに感染し、夜しか活動できなくなった刑事の岬田は、その代償として、極端に研ぎ澄まされた五感を手に入れた。岬田は、ウイルスに感染した犯罪者たち、そして感染者を排除しようとする活動家たちの思惑に巻き込まれながらも特命任務にあたり、ウイルスを感染させた元恋人の明林を捜そうとするーー。 【著者プロフィール】大沢在昌(おおさわ・ありまさ) 1956年愛知県生まれ。1979年、『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞し、作家デビュー。1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門を受賞。1994年『無間人形 新宿鮫Ⅳ』で直木賞を受賞する。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年、これまでの業績に対し、日本ミステリー文学大賞が授与される。2012年『絆回廊 新宿鮫Ⅹ』にて、4度目の日本冒険小説協会大賞を受賞する。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞受賞。2022年紫綬褒章受章。著書多数。 -
後宮冥府の料理人
処刑寸前で救われた林花が連れてこられたのは、後宮鬼門に建つ漆黒の宮殿・臘月宮(ろうげつきゅう)。そこは死者に、成仏するための「最期の晩餐」を提供する冥府の宮殿だった――。 謎めいた力を持つ女主人・墨蘭のもと、林花は宮殿の料理人として働くことに。死者たちが安らかに旅立てるよう心をこめて食事を作る林花だが、ここへやってくる死者の想いは様々で……。 なぜか、一筋縄ではいかないお客達の願いを叶えることになった林花は、相棒・猛虎(犬)と共に後宮を駆け巡る――! 後宮鬼門の不思議な宮殿で、新米女官が最期のご馳走叶えます。 ◆人物紹介◆ 林花(りんか) 敵国のスパイとして処刑されかけたが、死霊を見る能力を買われ、臘月宮へやってきた。宮廷料理人だった父の腕を継いでいる。 黄辛(こうしん) 武神と呼ばれた父帝の跡を継ぐ、民からも絶大に支持される若く聡明な帝。林花とは、浅からぬ縁があるようで――? 猛虎(もうこ) 黄辛の命を救い、四品の位を賜った、帝の愛犬。人の顔をなめ回す悪癖があり、後宮の女官から恐れられている。 -
怖い噂のあるお店
戦慄の【闇】体験! 「怖い場所」超短編小説シリーズ、第3弾が登場! 「タイパ重視」の人たちのための超短編小説シリーズ。 「1話3P+1Pイラスト解説」の各4Pの超短編小説が全38話収録。 長編小説を読むのが苦手な人でも読みやすい、各話約「99秒」で読み切れるページ構成。 読み始めれば短い時間で、恐怖と驚きの連続。手軽に、だれでも戦慄の【闇】体験が味わえます! [概要] その町では、怪異なお店ばかりが繁盛しているという。 残酷な殺人鬼の手記を売る書店、死んだ人にそっくりなお面を売る屋台、 子どもの声が聞こえるコインランドリー、見覚えのある風景画ばかりが飾られている画廊、 別人になれるコスメショップ……果たしてそのお店を訪れた客の行く末は……? ある中学校のクラス38人が体験した、不思議で恐ろしいお店の経験をそれぞれが独白。 全38話の新感覚最凶ホラー短編集。 著者は、2021年にドラマ化された『私の夫は冷凍庫に眠っている』の原作者・八月美咲氏。 <目次> SHOP001 霧の中の蠟人形館 SHOP002 怖いコインランドリー SHOP003 屋台のお面屋 SHOP004 狭い店 SHOP005 別人になれるコスメ SHOP006 試し切りのできる刃物屋 SHOP007 勝手なプリクラ SHOP008 特別な写真を撮る写真館 SHOP009 新規オープンの看板のない店 SHOP010 閉館した映画館 SHOP011 行きつけのヘアーサロン SHOP012 変わった服を売る古着屋 SHOP013 路地裏にある画廊 SHOP014 悪夢のゲームセンター SHOP015 客のいないレストラン SHOP016 居心地のいいネットカフェ SHOP017 街中のアパレルショップ SHOP018 古いスーパーマーケット SHOP019 願いを叶えてくれるパワーストーン SHOP020 見えないものが見える眼鏡を売る、眼鏡屋 SHOP021 悲しい猫カフェ SHOP022 住めない家ばかり紹介してくる不動産屋 SHOP023 魅惑のケーキ屋 SHOP024 珍しい動物が売っているペットショップ SHOP025 駅前のケータイショップ SHOP026 高速道路のサービスエリアにあるガソリンスタンド SHOP027 恐怖のカラオケ店 SHOP028 追いかけてくる、にゃんにゃんパン SHOP029 私だけの香りを作ってくれるアロマショップ SHOP030 面白いメニューのある定食屋 SHOP031 ヘブンリーフラワーズ SHOP032 軍隊わんこ蕎麦 SHOP033 評判の占い師 SHOP034 田舎の大型ショッピングモール SHOP035 地元の人から愛される魚屋 SHOP036 灼熱のサウナ SHOP037 勝手に決められるファストフード店 SHOP038 家の近所の古本屋 -
選択
THE RAMPAGE 岩谷翔吾、初の書下ろし小説『選択』 原案は、俳優の横浜流星! ~ あらすじ ~ 「もう、うんざりだ。殺す。絶対殺してやる」。 包丁を忍ばせ、家を飛び出し、亮は走っていた。 母に酷い仕打ちをした、父親を探しあて殺害しに行くために。 息も絶え絶えに走っていた。 そしてこれまでの世の中の不条理を憎んだ。 しかしその途中、亮は歩道橋から身投げしようとしていた中学生を助ける。 それは幼馴染みの匡平だった。 やがて、どんよりした巨大な社会に飲み込まれていく二人の少年。 十数年後、行き場を失った亮は、ずるずると特殊詐欺実行犯グループに身を置くことになる――。 この国を覆う息も出来なくなるほどの暗い圧迫感を描ききった、新たな物語。 日々を懸命に生き抜いてきた二人が直面した非情な現実、そしてその先に見えたものとは。 【岩谷翔吾 コメント】 「いつか、こういう作品をやりたい」約四年前、流星の何気ない一言が、『選択』のすべてのキッカケでした。 あの日のことは今でも鮮明に覚えています。 そこから二人三脚での創作が始まり、互いに忙しくても毎日のように長文で連絡を取り合い、作品の進捗やアイデアの共有を怠ることはありませんでした。 流星とだから『選択』を書ききることができました。 僕一人では到底成し遂げられなかった道のりでした。 閉塞感漂う今の時代に救いを求めて、僕たちはこの作品に僅かな希望を託したのかもしれません。 【横浜流星 コメント】 人生は選択の連続だ。 日々選択をし、その積み重ねで、今日までの自分が作り上げられている。 そしてこれからも選択を繰り返し、 未来の自分が作られていく。 一つの動画を観たことがきっかけで この作品が生まれました。 あの時、動画を見ていなければ、翔吾に自分の思いを伝えていなければ、 生まれなかった。それも選択です。 人生は自分では気付かぬ内に大きく変わる。 真意を知ろうとせず、責めたて、一度の失敗を許さない社会ですが、 生きていればやり直せる。 一筋の光をつかみ取れるように、愛と希望を込めた作品です。 自分の為でも、誰かの為でも良いが、後悔のない選択をしてほしい。自分自身が選択した道に自信を持って生きて欲しいです。 【GL-16~THE RAMPAGE BOOKS~】 -
立秋
匂い立つ情感、大人の恋愛小説の極北。 諏訪湖の花火大会の日、光岡は駅に降り立った。漆工の涼子とのつきあいは十年以上になる。二人の生が交差したきっかけは、漆器だった。シンプルで控えめな佇まいと、官能的とも思える光沢に魅かれ、光岡は盛器を購入。伝統工芸展の入賞作品であった。 そして、精神の疲れをいやす旅で、塩尻・奈良井に赴き、光岡は漆器店で作者の涼子と出会う。若い涼子の漆器創作に刺激を受け、彼は、かつて文学賞を受賞したものの、挫折していた小説執筆を再開した。 以来、二人は造形や執筆の傍ら、時に二人で憩いつつ、深い想いを育んできた。 やがて、涼子は漆芸作家として、パリで開催される漆器二人展に招聘される。もう一人は、沈金や蒔絵の輪島塗りの男性作家だという。成功したパリの二人展を契機に、光岡は人生の秋期を意識するが……。 -
3分で読める! 人を殺してしまった話
最初の1行は全員同じ! 殺害方法は自由自在 累計140万部突破!宝島社の大人気ショートショートシリーズ最新刊。 「人を殺してしまった」の書き出しから始まる物語を“チーム・バチスタ”海堂尊、“さよならドビュッシー”中山七里ほか『このミス』大賞作家が全作書き下ろし!ゾクッとするどんでん返しから意味が分かると怖い話まで超ショートストーリーを25作品収録。 【執筆陣】※五十音順 秋尾秋/浅瀬明/上田春雨/歌田年/岡崎琢磨/おぎぬまⅩ/海堂尊/伽古屋圭市/柏木伸介/貴戸湊太/桐山徹也/くろきすがや/小西マサテル/佐藤青南/志駕晃/新藤元気/高野結史/塔山郁/中山七里/柊サナカ/降田天/堀内公太郎/三日市零/美原さつき/宮ヶ瀬水 -
猟奇の贄
とある犯罪組織に対抗するために設立された特殊情報管理室。そこに配属された桜庭有彩には特殊能力があった。その能力を使うことで事件解決の糸口を見つけるが、数々の猟奇的な事件に巻き込まれることになり――。 -
薔薇姫と氷皇子の波乱なる結婚
〈薔薇姫〉と呼ばれる型破りな姫、アンジェリカは庶子ゆえに冷遇されてスラムに追放された。学者である祖父のもと文武両道に育った彼女に、ある日政略結婚の命令が下る。相手は『母殺し』と畏怖される〈氷皇子〉こと、皇国の第一皇子エイベル。しかし実際の彼は、無愛想だが心優しい美青年で――!? 皇帝が病に伏し国が揺らぐ中、第一皇位継承権を持つエイベルを陥れようと暗躍する貴族たち。孤独な彼の事情を知ったアンジェリカは、力を合わせ華麗なる逆転を狙う! 【登場人物紹介】 ◇アンジェリカ 近年台頭してきた北の強国、ノルグレン王国の亡き前王の娘。 腹違いの姉である女王の命令により、無理やり政略結婚させられた。祖父は高名な政治経済学者。 ◇エイベル 半ば没落した南の大国、マグナフォート皇国の第一皇子。 『母殺し』と恐れられているが、実際は心優しい青年。とある事情で皇子宮に蟄居している。
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