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生まれ育った小さな町での結婚を前に、言いようのない憂鬱をおぼえはじめた由希。そんな折、高校の後輩と再会し、心が大きく揺れだして――(「果実」)。熱烈に口説かれ、引きずられるようにして克己とつきあいだした妙子。だが、いつしか恋の主導権は逆転し、不安に駆られた妙子は執拗なまでに恋人を追いかけるが…(「死ぬほど好き」)。女たちが抱える愛の闇を鮮やかにうつしだす八つの物語。
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Posted by ブクログ
難しい話は一切ないから読みやすさはあったけど、読みながら、え、何を見せられてんの?感はちょくちょくあり。笑 死ぬほど好き の主人公のイカレ具合が気持ち良かった。短編がちょっとずつ繋がってんのかな?と思う箇所もあったけどわからんかった笑 とにかく価値観が古いなと思う箇所が沢山あったけど、20年くらい前...続きを読むのものだそうで。20年でこんなに価値観変わるんだなぁと思った。
20〜30代の女性主人公達の"ままならない"恋愛を描いた短編集。田舎の男同士の慣習に染まり、夜な夜な飲み歩いてはトラブルを起こすクズ男と婚約することになったり(果実)、過去の恋愛の失敗を踏まえて試し行動をしていたら振られたり(赤ずきんちゃん)、離婚後に生命保険の変更手続きの為に元...続きを読む旦那と会ったはずが、そのまま焼け木杭に火がついた挙句妊娠してしまったり……(お元気ですか)女としての普遍的な幸せを手に入れたいと願いながら、なぜか誤ったルートを選択していく主人公が多く「いや、そうはならんやろ!」と何度も声に出かかった。真似てはいけない恋愛の見本としての資料価値を感じる。 個人的には表題作の「死ぬほど好き」の妙子のイカれ具合が良かった。「業務が立て込んでいて暫く連絡が取れないし会えないよ」という恋人の職場に数時間おきに電話をかける前段に続き、深夜に恋人のアパートの前で帰宅を待ち伏せ。そして「来ちゃった♡」とヤンデレ彼女の十八番を惜しみなく披露してくる。もちろんそこに悪気は一切なく、「いくら仕事で疲れていたとしても、彼氏くんがだ〜いすきなカワイイ私と一緒にご飯食べてセックスすれば元気になるでしょ?」と心の底から信じきっているのが凄い。そして、「最初に熱心に口説いてきたのはそっちなんだから、こいつは私のことが大大大好きに決まってる!」と、交際中に嫌われたり、冷められる可能性を1ミリも考えていない圧倒的な自信……。恋愛に病める女子はこの妙子の強気な姿勢と凄まじい行動力をある意味見習ってもいいのかもしれない。(……だけどやり過ぎは結局妙子のように破局ENDへの道が開くので、彼氏の性格等を考慮し、許される範囲を見極めて実行するのが大事。) あとごく短い話だったが、「花火」の主人公のミリちゃんはちょっと可愛かった。ざっくり言うと彼氏とのセックスが気持ちよくないので自由研究に励む話なのだが、もうこの設定がエロゲだか同人誌にありがちな感じで既におもしろい。ちなみにこの後の展開もお決まりのパターン通りで、自分の経験不足が問題なのでは?と結論づけたミリは、他の男を試そうと経験豊富な女友達にイケおじを紹介してもらって開発に勤しむものの、最終的には彼氏とのセックスが一番気持ちいいよね〜〜とおじを切り彼氏の元に戻る。 ミリのしたことは浮気といえば浮気なのだが、他の主人公達と違って精神的な部分は一切揺れていない。何度抱かれようと「ワタシ、このおじのことを好きになりそう……どうしよう……♡」みたいなふざけたことを一切言い出さないのが良い。おじとの身体の相性は良いし行為も実際に気持ちがいいけど、それはあくまで彼氏との性生活を充実させるための実験台であり、経験値!と割り切っているのが潔く、一概に彼女をビッチとは言い切れない(言い切りたくない)自分がいる。 なんでしょうね。他の話のスッキリしない関係性や煮え切らない態度だったり粘着質な感情の末に展開される行為と違い、ミリは純粋におじとの行為から自分達カップルに不足しているセックスのいろはを習得しようとしているのが、なんか自身の技術向上に熱心なアスリートのようでさっぱりしていて好感が持てたというか。上手く言えませんが、エロはエロでもスポーツに近しいエロというか、健康的な雰囲気を感じました。以上です。
装丁がミナペルホネンだったので、思わず買ってしまいました。 たぶん、コレじゃなかったら、林真理子さんの本を手にとることはなかったと思います。 圧倒的な表現力と巧みな文章力で、片足ずつそろぉりと浸けていったつもりが、いつの間にか肩までどっぷりと浸かっていて、またその感じがとても心地よく。 ana...続きを読むnのエッセイしか読んだことがなかったんですが、あっそうか、直木賞作家なんだよな、と思い至りました。 目からウロコ的な本との出会い。 こういった戦略には、まんまと嵌まっていきたいです。 ※2012年ナツイチ限定カバー「ミナペルホネン」
全体的に、汚ぇ大人の恋愛だなあと思うと同時に、どうにも自分で自分をコントロールできなくなってしまう女たちに共感もした。 個人的には「ラマダーンの生贄」、「お元気ですか」、「赤ずきんちゃん」、「憶えていた歌」が好き。 出てくる男が純粋そうなやつが好きなだけかもしれない(笑) 10年後の自分もこ...続きを読むんな汚い大人の恋愛にハマっているとは到底思えないけど、不確か過ぎる未来に何の想像もできない今。 就活に際して今後10年ごとの人生プランを立てるといいよ、と友達に言われたけど、なんとなく先のことを考えるのは怖いし。 そうこうしているうちに、あと二週間足らずで私は21になるわけですが、何の実感も湧きません。 年を重ねるごとに人は擦れていって、傷だらけになっていく。 純粋という命は削られ、後に残るのは純粋に見せかけた、まるい、傷だらけの黒い黒い玉。それはたくさんの色が入り混じっていて、日に透かしても何の色も見えない、複雑な糸が絡みに絡まり、雁字搦めになった黒い玉。 これからそういう風になっていくのが途轍もなく嫌だ。いつまでもこのままでいたい。 叶わない願いが苦しくて切なくなる、そんな小説でした。
あるある、こういう感情。でも、あまり赤裸々に見せたり描かれたりはしないし、はっきり見せられると落ち着かない。でも、妙な快感を覚える。
ふーん、そうなのねって話だけど、無関心を装いつつも最後まで話を聞いていたくなる。女の本心が書かれている。
林真理子の短編集。 不倫8割、非現実的な恋2割といったとこでしょうか? そういう意味でいえば、共感は出来るけど全く報われない短編ばかり。 おそらく5年前に読んでいたら 「20代後半から30代の女性が主人公の恋愛小説は どうしてこうも不倫が多いのだろう。幸せになれるはずないのに」 って思ってただろう...続きを読むけど、28になった今はなんとなく分かる気もする。。。 存在しない王子様を探すよりも、身近な包容力に甘えたくなる… というわけで、同世代の独身女性にはオススメと言えばオススメだけど 間違ってると理解させつつ、間違った方向へ導いてしまいそうな一冊。 いかん、いかん!違う系統の本読んで純化しなきゃ!笑
再読。 短編集。 どれも曖昧な終わり方。 でも奇跡が起きるわけでもなく、起こすわけでもなく、このまま生きていくのだろうな、という一種諦めも感じられる物語たち。 やっばり「死ぬほど好き」が一番良かった。 2011.4.24 再読。短編集。 タイトル作の「死ぬほど好き」が好き。 相手から口説かれて付き...続きを読む合い始めたのに、相手のほうが去ろうとしているのは納得いかないって、なんかわかるな。
どうして女はこうなんだろう。 答えが分かっていながら、誤りと知りながら進んでしまったり。 読者も他人もそれは違うよ、と思っても本人がわかっていなかったり。 女の弱さが身にしみた一冊。
どちらかというと女性向け官能小説? 全てがそうではないけど、性についての話が主になっているのがいくつか。 行きずりの男と一夜を過ごすとか、理解できないから何ともいえない。 不倫とか、してほしくないなぁ。
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