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Posted by ブクログ
表紙と題名から、当時騒がれたバスジャックを題材にした、シリアスな長編物語かと思ったが、不思議な話の短編集。
バスジャックがブームとなった社会を描く表題作。「バスジャック」
タイトルからしても不思議な話。「二階扉をつけてください」
双眼鏡の先から見えるはずもない世界を描く。「しあわせな光」
一緒にいる彼女の記憶が自分の記憶と違う2人。「二人の記憶」
雨夜に本を片手に見知らぬ女性が訪れる。「雨降る夜に」
小さな動物園に派遣された若い女性。彼女の不思議な仕事を通じて、得る物とは。「動物園」
いなくなった母親を追って辿りついた町。夏休みの数日を母親や同居人とともに過ごす。やがて別れるものとは。「送りの夏」
同著者の「となり町戦争」と同じように、ありえない世界での日常のお話。
奇妙なお話もあるものの、心に残ったのは「二人の記憶」や「動物園」「送りの夏」などのどこか悲しく、しかし心温まるお話。
これらは「ストーリー」ではなく、「お話」という呼び方がふさわしいのかもしれない。
短いものは4ページ、長いものでも50ページくらいなので、一気に読む時間がない人に。
Posted by ブクログ
友人から三崎亜紀さんと言う素晴らしい作家さんがいるという話を少し前に伺ってました。
街の書店でブラブラしながら本を見ていると、たまたま目についたのがこの『バスジャック』でした。
すごいタイトルだなぁと思いながらも三崎さんが素晴らしい作家さんという友人の印象があったので早速読ませてもらいました。
感想としては唯一無二の三崎ワールドが描かれていて、素晴らしい本だなと心から思いました。
勧めてくれた友人にも感謝しました。
世界観としては、日常の風景なのかなと思うと全く別の世界線にあるような価値観、文化、風習なんかを生活の延長に組み込んでいるようで、一瞬何のことかわからなくなったりしてしまいます。
でもジワジワと何が沸いてくるような読後感です。
『動物園』と『送りの夏』がこの一冊を引き締めていると思います。
『二階扉をつけてください』の急展開にも驚かされましたが、個人的には『雨降る夜に』がとても好きだったりします。
Posted by ブクログ
短編集。どの話も不条理な出来事が語られている点では共通しているが、長さは3ページ程度のものから100ページぐらいのものまで色々ある。結末もブラックなものもあればハッピーエンドもあって、それぞれ違った味を楽しめるバラエティパックだ(逆に言うと、1冊の中でも好き嫌いが分かれるかもしれない)。
短編にしては濃い内容が多く、表題作の「バスジャック」や「動物園」は非現実な部分の設定がしっかり考えられていて、この短編だけで終わらせるのはもったいない気がした。
最後の「送りの夏」は、夏の海辺の美しい情景描写と人々の不気味な行動とのコントラスト、そして、悲哀の中にも希望を感じさせる結末が印象に残った。
Posted by ブクログ
『となり町戦争』がおもしろかったので、その作者の二作目。購入したのはだいぶ前なので、かなり積読していた。外れの少ない短編集。好きなのは…
「二階扉をつけてください」町内会の回覧板に書かれたその言葉。わからないままつけた二回扉に隠された秘密。SFチックで後味が少し悪い。笑
「バスジャック」バスジャックブームにより、ルールや様式美が定められた不思議な世界。「ロマンはどこだ」感。
「動物園」動物を表現できる不思議な能力を持った女性の話。おじさん飼育員との会話が良い。
「二人の記憶」彼女との記憶に少しずつすれ違い。そのずれをどうするかという話。彼女と主人公、どちらが違うのかもはっきりしないんですよね。
「送りの夏」ある日突然蒸発した母の行き先を求めて娘が向かった先には、マネキンのような人を抱えたいくつかの家族のシェアハウスが。彼らとマネキンのような人々の正体は?
ショートショートから短編まで、変わった設定の作品が多いけれど、どれも読んでいて感情移入できる。「動物園」と「送りの夏」が好き。とくに「送りの夏」はアニメ映画にでもできそうな感動的なストーリーです。命とか、死の乗り越え方について考えさせられます。
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