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第149回芥川賞作家が描くシュールでリアルな世界。同じ大学に入学した妹と同居することになった「私」。久しぶりに会った妹は意図的に「私」を無視し続ける。写真部に入部した妹を追うように「私」も入部するが、妹はやめてしまい、やがて奔放な生活を始める。しばらく家を空けていた妹は、戻るなり規則正しい生活を始めた。しかしある日、妹は荷物とともに姿を消してしまい……。中年主婦VS双子の悪魔を描いた第141回芥川賞候補作「いけにえ」を収録。
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Posted by ブクログ
「パトロネ」 「いけにえ」 2つの作品に共通しているなーと感じたのは、滑稽と言ってもいいくらいの寂しさ。 恥ずかしくなるくらいの独りよがり。 ちゃんと怖いし。 怖い絵を観た後みたいな気持。 すごいな。 美人だし。 彼女が美しいと思うものを知りたい。
表題作「パトロネ」は一風変わった幽霊譚。中盤過ぎまではイメージの拡大や推測の拡がりができて面白いのだが、その後は終わらせることに意識が向かってしまっているのか、減速してしまうのが残念。皮膚病と心情をリンクさせたのは上手い。イライラ感が伝わってくる。パトロネって何かと思ったがアレだったのね。オジサンは...続きを読むパトローネと習いました。 「いけにえ」は普通さ凡庸さに潜在する執着や狂気といった感じ。普通のオバサンの普通の美術鑑賞がツボにはまる面白さ。美術なんて分からないと言いつつもその観賞力はただ者では無い。コミカルな文章だがこの後の作品と比べるとまだ硬い感じがする。言葉の選び方がまだこなれていないからかな。こういう話は大好き。
空っぽのパトロネ、中身の入ったパトロネ。残ったものは何なのか。外側からではわからない。触れた者しかわからない。 幻想、残像、夢、現。解釈は人それぞれ。 あけすけな感じと限定的な閉塞感。
途中までは自意識過剰な女が人とは違うってことをがなりたてるような(表面は静を装いつつも)苦手な文章だと感じて(作者と作品の距離がなさ過ぎるタイプに感じた)、でもそれは実はこうだっんだっていうとあることに気づいてからは全部ひっくり返された。 純粋にすごい小説だと思いました。 そしてそのからくりに気付く...続きを読むまでは「なんか怖い」に支配されているのに気付いてからは、気付いたんだから本当はもっと怖いはずなのに何故か安心した。ほっとした。 「いけにえ」の方はやや肩透かし感が。「パトロネ」がすごかったからかなぁ。
妹と同棲することになった主人公。 ある日妹は失踪し女の子が現れるーパトロネ 悪魔を見た主人公はその美術館で働くことにするーいけにえ 悪魔の末路が美しくて一番好きだった
大好きな桜木紫乃さんの直木賞受賞時に芥川賞を獲った方だったので、まずは受賞作以外を一作読んでみようと思い。 姉と妹の話ね、と思いつつ途中まで読み進めてから、展開の理不尽さにもしやこれはと気付く。でも最後まで答えはない。意味の繋がりを見出せないストーリーは好みではないと感じ、併録の2篇目("...続きを読むいけにえ")は読むのを止めようか...とも思いつつ読んだら、こちらは良かった。同じ理不尽でも、ごく普通の中年主婦と悪魔という日常と非日常のバランスがおもしろく、恐ろしげな悪魔から彼女のような存在によって護られる気さえした。他の作品も読んでみようかな。
うーん、うまくリンクできなかった中編奇譚二編。 リンクできなければ、心に何も入ってこない。 残念。
明け方に見る奇妙な夢みたい。 フィルムの外側をパトロネっていうんだね。 あれを手で弄んじゃうのはわかる。 今じゃ貴重品かな。
パトロネ、いけにえの2作だが、どちらの女性もよくわからない。 不安定な感情のふたり。 いけにえでは魔が出てきたり、その悪魔を捕まえて、切ったり、あぶったり 挙句の果てには美術館の監視員もやめてしまう。 女性の感情って、わけわかんないものなのかな。 文章的には、なかなかいい。
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パトロネ
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藤野可織
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