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百花園
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 明治の頃、名人による落語・講談を忠実に再現した速記本は、ある種の大衆文学として人気を博していました。そんな速記本の中で最も支持されていたのが「百花園」でした。本シリーズは、明治22(1889)年5月から明治33(1900)年11月に刊行された落語・講談速記本「百花園」(金蘭社刊)を完全復刻したものです。大衆芸能史研究家で神田神保町の古書店「いにしえ文庫」店主である岡田則夫氏所蔵の全240号を1ページずつ写真撮影してデジタル化しました。現在では入手困難な「百花園」を、手元で読むことができます。高画質なので、文字やルビを拡大して見ることも可能です。明治時代の舌耕文芸の全貌が見渡せ、当時の風俗や話し言葉を知るための資料としても貴重です。(古書を元に制作した電子書籍ですので、その状態により一部読みにくい箇所がございます。予めご了承くださいますようお願いいたします。) -
愚か者同盟
1960年代。さまざまな人種と階層の人間が行き交う混沌の街、ニューオーリンズ。 無職、肥満、哲学狂、傍若無人な怠け者にして、口達者なひねくれ者の30歳崖っぷち問題児イグネイシャスは、子煩悩な母アイリーンとふたりで郊外の小さな家で暮らしながら、どこに発表するというあてもない論文を、子供向けレポート用紙に書き散らしていた。 しかしある時、ふたりで街に出かけた帰り、母が自動車で他人の家に突っ込んで多額の借金をこさえ、その返済のため、イグネイシャスはしぶしぶ就活を始める。 イグネイシャスは、潰れかけのアパレル工場、次いで零細ホットドッグ移動販売業者で職を得るが、職場では仕事を放り出し、事務所をリボンで飾り付けつつ黒人たちの労働デモを扇動したり、ホットドッグをつまみ食いした挙句に声を掛けてきた怪しい男に屋台を押し付けて映画に出かけたりするなど、好き勝手やり放題。やがて今度は職場から放り出され、警察にも追われるようになったイグネイシャスは、一癖も二癖もある奇人変人たちを巻き込んだり巻き込まれたりしながら逃亡劇を繰り広げ、ニューオーリンズの街に大騒動を巻き起こす——!!! デヴィッド・ボウイも愛読した、全世界200万部超のロングセラー&1981年度ピュリツァー賞受賞作、J・スウィフト、W・ギャディス、J・ヘラー、D・F・ウォレスの系譜に連なる、アメリカカルト文学史上の伝説的傑作にして、奇人変人たちが暴走する、爆笑《労働ブラックコメディ》が、ついに邦訳!!! ☆全世界200万部超の大ベストセラー ☆1981年度ピュリツァー賞受賞作 ☆デヴィッド・ボウイが選ぶ100冊 A Confederacy of Dunces, 1980 ◎装画=塩井浩平 ◎装幀=山田英春 -
骸骨:ジェローム・K・ジェローム幻想奇譚
残念ながら自分には いささか陰鬱な傾向があるに違いない―― 英国屈指のユーモア作家に隠された、もう一つの顔。 ユーモア小説『ボートの三人男』で知られるジェローム・K・ジェロームによる異色作品集。 西洋骨董のように古風な趣と気品をそなえた、知られざる逸品の数々。 心和ませる幽霊小説、冷たく怖い怪奇小説、優しく美しい幻想小説、不思議な現代ファンタジイ、数千年の時を跨ぐケルト・ファンタジイ等々、多彩な味わいの奇譚17篇を収録。 1篇ごとに異なる魅力の、世にも稀なる短篇小説集。 【目次】 食後の夜話 ダンスのお相手 骸骨 ディック・ダンカーマンの猫 蛇 ウィブリイの霊 新ユートピア 人生の教え 海の都 チャールズとミヴァンウェイの話 牧場小屋(セター)の女 人影(シルエット) 二本杉の館 四階に来た男 ニコラス・スナイダーズの魂、あるいはザンダムの守銭奴 奏でのフィドル ブルターニュのマルヴィーナ 訳者あとがき -
画と随想の本
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 詩人、随筆家、翻訳家、また、クラシック音楽への造詣も深い著者は、山や自然を描いた詩や散文の秀品を多く残した。 ドイツの大作家ヘルマン・ヘッセによる自然や町や人をめぐる随想集の翻訳。カラー挿画8点を収録。 【目次より】 素描三題 アポロ蝶 雲 夕暮の色 アネモネ 碧い遠方 秋が来る ゴットハルトにて 秋 菩提樹の花 ファードゥッツ コモ湖畔の散策 古い音楽 故郷 南欧の夏の日 春の散歩 小径 或る旅の覚え書 テッシンの聖母祭 なくなった小刀 水彩画をかく 訳者後記 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
もうひとつのエデン
ある島の〈ノアの箱船〉の物語 ブッカー賞ほか最終候補作 優生学の名のもと、実在の島マラガに起きたことを題材に、美しい詩的文体で描きだすある島の年代記。 一七九二年、逃亡奴隷のベンジャミン・ハニーはアイルランド出身の妻ペイシェンスと共に様々な林檎の種を持ってメイン州の小さな無人島にやってきた。ふたりは苦労して林檎園を作り上げ、島はアップル島と呼ばれるようになる。 それから約百年、ハニー家の子孫と肌の色も様々な島民は、豊かな自然のなかでつましくもひっそりと穏やかに暮らしていた。そこへ一九一一年、理想に燃える白人の元教師マシュー・ダイアモンドがやってくる。ベンジャミンのひ孫にあたるエスターは、ダイアモンドの善意は理解しながらも心をざわつかせるが、彼の指導で何人かの子どもたちは絵画や語学、数学の才能を花開かせていく。 ある日突然、本土から知事の命で委員たちがアップル島の視察に現れる。いきなり子どもたちの頭に測定器を当ててなにやら書き留め、子どもたちは怯え、大人たちは反発する。やがて島と人々を襲う大きな悲劇とは――。 刊行直後から話題を呼び、ブッカー賞、全米図書賞、国際ダブリン文学賞などの最終候補作に選出された。美しく痛切な祈りの物語。 -
【合本版】後宮の夜叉姫
後宮の奥、漆黒の殿舎には人喰いの鬼が棲むという―― 泰山の裾野を切り開いて作られた綜国。十五になる沙夜は亡き母との約束を胸に、夢を叶えるため後宮に入った。 しかし、そこは陰謀渦巻く世界。ある日沙夜は後宮内で起こった怪死事件の疑いをかけられてしまう。 そんな彼女を救ったのは、「人喰いの鬼」と人々から恐れられる人ならざる者で――。 『座敷童子の代理人』著者が贈る、中華あやかし後宮譚、開幕!全5巻の合本版で登場! ※本電子書籍は、『後宮の夜叉姫』全5巻を1冊にまとめた合本版です。 -
リンカーン・ライム
21世紀最高の名探偵リンカーン・ライムvs犯罪王 最後の頭脳戦がはじまる! 「このミス」「週刊文春ミステリー」1位に輝いた名作『ウォッチメイカー』で登場した“ウォッチメイカー”が、〈リンカーン・ライム殺害計画〉をひっさげて帰ってきた! ホームズvsモリアーティを超える「怪人対名探偵」の名作、ここに誕生! 時計職人のごとく緻密な計画をひっさげ、宿敵が帰ってきた。 名探偵ライムを殺すために。 ウォッチメイカー最後の事件、開幕。 高層ビル建設現場で大型クレーンが倒壊し、作業員が死亡、周囲に多大な損害をもたらした。犯行声明を出したのは富裕層のための都市計画に反対する過激派組織。開発を中止せねば同じ事故がまた起こるというのだ。タイムリミットは24時間。科学捜査の天才リンカーン・ライムに捜査協力が要請された。微細証拠の分析と推論の結果、おそるべき結論に達したライムはつぶやく―― 「犯人は――ウォッチメイカーだ」 さまざまな勢力に雇われて完全犯罪を立案する天才チャールズ・ヘイル。またの名を「ウォッチメイカー」。これまでも精妙緻密な犯罪計画でライムを苦しめてきた好敵手。その犯罪の天才がニューヨークに潜伏し、クレーン倒壊に始まる複雑怪奇なプランを始動させたのだ! ウォッチメイカーの真の目的はいったい何なのか? 天才ウォッチメイカーの犯罪計画の裏の裏を読む名探偵ライム、発動する二重底三重底の罠! 21世紀を代表する名探偵と犯罪王、最後の頭脳戦が始まる! -
シャドウプレイ
1800年代後半、のちに『吸血鬼ドラキュラ』を生み出すことになる若きブラム・ストーカーは、人気俳優であり劇場経営者でもあったヘンリー・アーヴィングに雇われ、ライシアム劇場の支配人となっていた。仕事に忙殺される慌ただしい毎日だったが、ストーカーの無意識の中で『吸血鬼ドラキュラ』の小説が形をなしていくにつれ、ドラキュラの存在が影絵の芝居(シャドウプレイ)のように現実に影を落とし始める。劇場では、ジョナサン・ハーカーという名前の男が働き、屋根裏にはミナという名の幽霊が出る……。アイリッシュ・ブックアワード受賞。ストーカー、アーヴィング、そして一座に加わった名優エレン・テリー。個性的な三人の人生を、虚実織り交ぜたドラマティックな筆致で描く『吸血鬼ドラキュラ』誕生秘話。 -
煉獄の時
〈矢吹駆シリーズ〉11年ぶりの最新作! 著名哲学者の手紙の盗難と、川船で発見された全裸の首なし屍体、そして39年前のトランク詰め首なし屍体。3つの事件を駆は追う。 第二次大戦前夜のパリで起きた、連続トランク詰め首なし屍体事件。 そして39年後、不可能状況で発見された新たな首なし屍体――。 時空を超え広がる謎の迷宮に、矢吹駆が挑む! 1978年6月。ナディアは著名な作家のシスモンディに、友人・矢吹駆を紹介する。シスモンディのパートナーであり、戦後フランス思想家の頂点に立つクレールが彼女にあてた手紙が消失した謎を駆に解き明かしてほしいというのだ。しかし手紙をネタに誘い出されたシスモンディとナディアは、セーヌ川に係留中の船で全裸の女性の首なし屍体を発見する。事件の調査のためリヴィエール教授を訪ねると、彼は若き日の友人、イヴォン・デュ・ラブナンのことを語り始める。39年前、イヴォンも首なし屍体事件に遭遇したというのだ――。 -
ギャツビー100年 F・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』を読む
刊行100年の2025年に9人の論者がさまざまな視点から『グレート・ギャツビー』を読み解く 1925年に『グレート・ギャツビー』が刊行され、日本でも徐々に受容されてきた。9つの論考をとおして『グレート・ギャツビー』が長く読みつがれる魅力や時代背景、校正による内容の変遷など、深く、楽しく小説を読み解く鍵を見つけることができる。 長年、多くの読者を惹きつける小説を堪能するための手引きとなる1冊。 巻末には、原文のテキストについての解説や、翻訳をはじめ、日本で入手できる研究書、映画化作品を網羅した資料集、フィッツジェラルドの年譜、小説のあらすじ、研究メモなどを掲載している。 -
ハックルベリィ・フィンの冒険
「トム・ソーヤーの冒険」の続編にあたる本書は、放浪を宿命づけられたハックを主人公に描いたもので、“南部人”としてのトウェインの顔が随所に現れた作品としても論争の的になっている。巻末に新たに発見された原稿を追補。 -
『おくのほそ道』新考 ――自筆本からわかる芭蕉の真意
日本思想研究者による 芭蕉研究の集大成 1996年に発見された芭蕉自筆の『おくのほそ道』から、 作品に籠めた芭蕉の真意、そして「軽み」の展開を解明する。 === 【目次】 はじめに 第一章 芭蕉自筆『おくのほそ道』発見の衝撃 1 芭蕉自筆本、二百五十年ぶりの発見 2 芭蕉自筆本の執筆時期──元禄六年の盆 3 『おくのほそ道』完成までの過程──芭蕉自筆本・曾良本・素龍清書本 4 生前弟子に見せなかった理由と臨終に去来に譲る遺言 5 『おくのほそ道』の出版──元禄版から明和版・寛政版へ 6 芭蕉自筆本に基づく『おくのほそ道』のテキスト 第二章 芭蕉の俳諧の展開──出発点から奥羽行脚まで 1 伊賀時代──貞門俳諧からの出発と北村季吟との関係 2 江戸へ移住──談林調の流行を追求 3 深川隠栖──「不易」の文藝を目指して・漢詩調の俳諧 4 『野ざらし紀行』の旅と『冬の日』──蕉風形成、紀行文の成立 5 『笈の小文』の旅と『更科紀行』 第三章 奥羽行脚──元禄二年の旅で見出したもの 1 奥羽行脚の企画──「菰かぶるべき思い」 2 奥羽行脚の実際──『おくのほそ道』に書かれていないこと 3 奥羽行脚の中での悟り──「天地流行の俳諧」90 4 「軽み」の萌芽──俳諧指導の実際「翁直しの一巻」 5 旅中における芭蕉の変容 第四章 「不易流行」──『猿蓑』から『おくのほそ道』執筆までの過程 1 「不易流行」が言い出された背景 2 「軽み」の俳諧──「木のもとに」歌仙から『ひさご』へ 3 「幻住庵記」──「不易」の文藝への執念 4 「市中は」歌仙──新発見の芭蕉の修正稿から『猿蓑』へ 5 人生回顧と風雅論──「造化にしたがひ、造化にかへれ」 6 『猿蓑』の編集──「俳諧の古今集」を目指して 7 「几右日記」と『嵯峨日記』に見られる歌仙の構成 8 『笈の小文』──紀行文の書き方とその構成 9 江戸の俳諧事情と元禄六年盆の『おくのほそ道』の執筆 第五章 『おくのほそ道』の構成──序と五部構成の内容 1 序章と最後との呼応──基底となる宇宙観・人生観 2 叙述内容から見た構成──国別による区分 3 叙述内容から見た構成──月別による区分 4 自筆本当初の句数から見た構成 5 五部構成から見る『おくのほそ道』 第六章 『おくのほそ道』の文学的世界 1 『おくのほそ道』の特別な構成の背景 2 虚名と文学的な創作(フィクション) 3 古典の表現の引用──『源氏物語』から西行まで 4 五部構成の妙──対照する事柄のダイナミックな関係 5 俳諧の紀行文の完成 6 『おくのほそ道』の章段──章題と全句の構成 第七章 『おくのほそ道』完成から芭蕉の終焉まで──「軽み」の展開と清書本に籠めた思い 1 『おくのほそ道』における「軽み」の展開──句の制作時期に着目して 2 元禄六年十月──「軽み」の俳諧の摸索 3 「万世に俳風の一道を建立する」という自覚──芭蕉の俳論 4 『おくのほそ道』完成──素龍清書本 5 「軽み」の唱導──『炭俵』の世界 6 元禄七年五月、最後の帰郷 7 『続猿蓑』の編集──大改訂に籠められた思い 8 最後の大坂への旅 9 最後の一句──〈清滝や波に散り込む青松葉〉 10 『おくのほそ道』清書本を去来に譲る遺言 11 芭蕉の終焉 終章 『おくのほそ道』、不易の古典へ──広がりと研究、そして世界へ 1 蕉門の活動と『おくのほそ道』の刊行──遺作収集と俳論の記録、蕉風の伝播 2 芭蕉の復興運動──『おくのほそ道』再刊からの展開 3 近代の俳句と芭蕉の研究 4 現代の芭蕉研究の概観 5 Haikuの世界的な展開と『おくのほそ道』の外国語訳 あとがき 松尾芭蕉 略年譜 没後の芭蕉作品の扱い 松尾芭蕉関係文献 -
「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ【合本版】
異人館が立ち並ぶ神戸北野坂に佇む小さなカフェ「徒然珈琲」には、ちょっと変わった二人の探偵がいる。元編集者でお菓子作りが趣味の佐々波(さざなみ)と、天才的な作家だけどいつも眠たげな雨坂(あまさか)。現実の状況を「設定」として、まるで物語を創るように議論しながら事件を推理する彼らのもとには、今日も依頼が舞い込み――。 ※本電子書籍は『つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない』『つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語』『つれづれ、北野坂探偵舎 ゴーストフィクション』『つれづれ、北野坂探偵舎 感情を売る非情な職業』『つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先』『つれづれ、北野坂探偵舎 物語に祝福された怪物』を1冊にまとめた合本版です。 -
防犯探偵・榎本シリーズ【5冊 合本版】 『硝子のハンマー』『狐火の家』『鍵のかかった部屋』『ミステリークロック』『コロッサスの鉤爪』【電子特典付き】
泥棒にして防犯コンサルタントの榎本径と、弁護士の青砥純子のコンビが、数々の難事件に挑む人気シリーズが一気に読めるお得仕様。『硝子のハンマー』『狐火の家』『鍵のかかった部屋』『ミステリークロック』そして『コロッサスの鉤爪』を収録。 ※本電子書籍は『硝子のハンマー』『狐火の家』『鍵のかかった部屋』『ミステリークロック』『コロッサスの鉤爪』の5冊を合わせた合本版です。 ※『ミステリークロック』『コロッサスの鉤爪』は単行本『ミステリークロック』を2冊に分冊した文庫の電子書籍になります。 ※電子書籍特典として、TVドラマ版の名キャラクター、弁護士・芹沢豪が主人公の番外編『一服ひろばの謎』を収録しています。 -
大学教授のように小説を読む方法[増補新版]
小説好き必読の一冊がパワーアップして再登場! 筋を楽しむだけでなく、深く読み解くために シェイクスピアや聖書の引用、天気や病気の象徴的使い方、性的暗喩、隠された政治的意図…。小説の筋を楽しむだけでなく、一歩踏み込んで読み解くための27のヒント。 ひと味違った文学の楽しみ方 小説好き・文学部の学生必読の1冊がパワーアップして再登場! 英米文学を読むのに、ギリシア・ローマ神話、聖書、シェイクスピアの知識は欠かせないといわれる。ではてっとりばやく知識を仕入れればすむかというと、話はそう単純ではない。読者がなにげなく読み流している文章の中にも、それらの要素は象徴やアイロニーとなって潜んでいたりし、見抜くにはコツが必要だ。本書は長年にわたって文学を教えてきた教授が、学生や一般読者のために、そうしたコツを惜しげもなく伝授すべく書いた解説書である。はじめにあげた3項目はもちろん、天気や病気の象徴性、性描写の意味、隠された作者の政治的意図など、象徴やパターンの読み込み方が、豊富な実例に作品のあらすじをまじえ、27章にわたって説明されている。 まるで授業を聞いているような生き生きとした語り口と、時には有名な映画の一場面も例に挙げる親しみやすさから、本書の旧版はアメリカでロングセラーになった。『老人と海』をはじめとするヘミングウェイの作品や、『デイジー・ミラー』、エドガー・アラン・ポーの作品など、おなじみの小説の違った顔が見えてくる1冊。 [目次] まえがき プロローグ いったいどうやったんだ? 1 旅はみな探求の冒険である(そうでないときを除いて) 2 あなたと食事ができて嬉しいです──聖餐式の行為 3 あなたを食事にできて嬉しいです──吸血行為 4 たしかどこかでお会いしたような 5 疑わしきはシェイクスピアと思え…… 6 ……さもなければ聖書だ 7 ヘンゼルディーとグレーテルダム 8 ギリシア語みたいにちんぷんかんぷん 9 ただの雨や雪じゃない 10 ヒーローのとなりに立つな 幕間 本気でそんなことを? 11 お前も痛いだろうが、パパのほうがもっと痛いんだよ──暴力について 12 それって象徴ですか? 13 それは政治が決めること──文学の中の政治 14 そう、彼女もキリストのイメージなんだ 15 空想は空を飛ぶ 16 すべてセックス 17 セックスシーンだけは例外 18 浮かび上がったら洗礼 19 地理は重要だ…… 20 ……季節も 幕間 ストーリーはひとつ 21 偉大さのしるし 22 目が見えないのにはわけがある 23 ただの心臓病じゃない……そして病気にはたぶんウラがある 24 目で読むな 25 それがぼくの象徴だ、しかも泣きたければ泣くさ 26 まじで? アイロニーについて 27 テストケース 終幕 仕切っているのは誰? 結びの句 付録 おすすめ本リスト 謝辞 訳者あとがき -
I miss you 1,2,3 【3冊合本版】
★本書は、「I miss you...」シリーズの3冊を収録した電子合本版です。 1.I miss you… 『別れたあの人への伝言』、待望の続編。2万編の応募作から厳選された189の切ない恋の一行詩。「私の夢には会いに来てくれた。けど、やっぱり別れ話だった」「待ってた。ずっとずっと待ってた。結婚式の朝が来るまで」「悪いけど、わたし、きれいになるよ」 2.I miss you…2 読者がつくる切ない恋の一行詩も、2冊目になりました。「なんだか うまくいかないね。ふたりでいても さみしいよ」「あなたとの別れが悲しくて 主人の胸で泣いた夜」「また ひとりになっちゃった」──あの人が、あなたを想って詠っているかもしれない。 3.I miss you…3 待望の第3弾。男性や10代の投稿も増えました。「未来の私 教えに来てよ もっといい男が見つかるって」「一生憎んでやる 一生許さない 一生忘れられない」「いつもあなたを見てるだけ 言い出せないよ たったひとこと」──熱く、切なく、10万人の想いを寄せて。 -
ソーンダイク博士短篇全集
ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。当時最新の科学知識を犯罪捜査に導入、顕微鏡をはじめ様々な実験器具を用いて証拠を調べ、事件の真相をあばいていく法医学者ソーンダイクの活躍は読者の喝采を浴びた。また短篇集『歌う骨』では、最初に犯人の視点から犯行を描き、次に探偵が手がかりを収集して謎を論理的に解き明かす過程を描く「倒叙ミステリ」形式を発明した。真相解明の推理のロジックに重きを置いた作風は、現在も高く評価されている。本全集は、ソーンダイク博士シリーズの中短篇42作を全3巻に集成、初出誌から挿絵や図版を収録し、完全新訳で贈る、探偵小説ファン待望の決定版全集である。 第1巻は、「アルミニウムの短剣」他の有名作を含む記念すべき第一短篇集『ジョン・ソーンダイクの事件記録』(1909)と、倒叙形式の発明でミステリ史における里程標的短篇集『歌う骨』(1912)に、作者自身による名探偵紹介「ソーンダイク博士をご紹介」を収録。 -
『天使の牙/天使の爪 新装版』シリーズ完全版【全4冊合本版】
覚醒剤に替わり、日本全土を脅かすようになった新型麻薬「アフター・バーナー」。元締である「クライン」を牛耳る君国辰郎の愛人・神崎はつみが逃亡した。極秘指令を受けた女性刑事・明日香は、はつみとホテルで接触するが、ヘリからの銃撃を受けはつみもろとも瀕死の重体に。だが、奇跡は起こった。脳移植により、脳死したはつみの体に明日香の精神が宿ったのだ。――『天使の牙』 脳移植によって生まれた麻薬取締官・神崎アスカは、美しくも脆弱なマフィアの女の肉体と、元刑事の強靱な精神を併せ持つ。最高軍事機密ともいえる奇跡の脳移植者の存在を狙い、彼女にロシアとアメリカの魔の手が伸びつつあった。アスカ捕獲のためにロシアが送り込んできたのは、もう一人の脳移植者“狼”。驚異の肉体に凶暴な精神を宿す“狼”は、異常な執念でアスカに迫る。日露米の情報機関、犯罪組織の思惑が入り乱れ、街に銃弾の雨が降り注ぐ。――『天使の爪』 ※本電子書籍は「天使の牙 上 新装版」「天使の牙 下 新装版」 「天使の爪 上 新装版」「天使の爪 下 新装版」の4冊を合わせた合本版です。 -
弁当屋さんのおもてなしシリーズ【合本版】
「あなたの食べたいもの、なんでもお作りします」 恋人に二股をかけられ、傷心状態のまま北海道・札幌市へ転勤したOLの千春。 仕事帰りに彼女はふと、路地裏にひっそり佇む『くま弁』へ立ち寄る。 そこで内なる願いを叶える「魔法のお弁当」の作り手・ユウと出会った千春は、凍った心が解けていくのを感じて――? おせっかい焼きの店員さんが、本当に食べたいものを教えてくれる。 おなかも心もいっぱいな、北のお弁当ものがたり! コミカライズ&テレビドラマ化した大人気シリーズが、6冊合本版として登場♪ ※本電子書籍は下記の6冊を1冊にまとめた合本版です。 【収録作品】 弁当屋さんのおもてなし ほかほかごはんと北海鮭かま 弁当屋さんのおもてなし 海薫るホッケフライと思い出ソース 弁当屋さんのおもてなし ほっこり肉じゃがと母の味 弁当屋さんのおもてなし 甘やかおせちと年越しの願い 弁当屋さんのおもてなし まかないちらしと春待ちの君 弁当屋さんのおもてなし 夢に続くコロッケサンド -
合本 池袋ウエストゲートパーク11~15
第10作『PRIDE』をもって完結したIWGPファーストシーズン。 それから3年半、第11作『憎悪のパレード』でIWGPは帰ってきました。あの男たちに、また会える――! 〈池袋のマジマ・マコトも、もう二十代後半になった(正確な年は秘密だ)。〉 でもマコトたちは変わりません。 ヘイトスピーチ、ブラック企業の闇、ATMを利用した大規模詐欺、ネットで広がるデスゲーム、留学生を搾取する悪徳スクール……日々巻き起こる新たなトラブルに、マコトとキングが池袋の街を疾走します。ますます切れ味の鋭さを増し続ける、IWGP11~15巻合本! ※この電子書籍は、以下の5作品を収録した「合本」です。 文春文庫『憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI』……2016年9月刊 文春文庫『西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXII』……2018年9月刊 文春文庫『裏切りのホワイトカード 池袋ウエストゲートパークXIII』……2019年9月刊 文春文庫『七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV』……2020年9月刊 文春文庫『絶望スクール 池袋ウエストゲートパークXV』……2021年9月刊 -
イタリア人 あるいは黒悔悛会の懺悔室
侯爵家の息子ヴィヴァルディに見初められたエレナ。 快く思わぬ侯爵夫人は邪悪な修道士を使い、二人を引き裂こうとする。苦境に陥った彼らの運命は―― ゴシック小説の傑作にして探偵小説の源流。『ユドルフォ城の怪奇』に続いて執筆された、著者生前最後の長篇であり最高傑作。半世紀ぶりの新訳成る! 「恥辱ですって!」侯爵夫人は叫んだ。「導師様、貴方は……貴方は……恥辱とおっしゃるのですか……ずいぶん強いお言葉だこと……でも、おっしゃるとおりかもしれません……そしてわたくしたちは、その恥辱に甘んじなければならぬのでしょうか……そんなことに甘んじられるものでしょうか……」 「救済策はありませんな」スケドーニは冷ややかに言った。 「まあ、何ということでしょう……」侯爵夫人は叫んだ。「こんな罪深い結婚を阻止する、いえ、少なくとも罰するような法がないだなんて(…)人の家に土足で入り込んで、その家名に泥を塗る(…)そんな女は、国事犯とほとんど同列の罰を受けて然るべきですわ。何しろ国の一番の支えとなっている一族に害をなしたのですから。そういう女は――」 「ほとんど同列、ではなく、まさに同列の罰を受けるべきです」聴罪師が代わって言った。「そういう女が値するのは――死、あるのみです」(本書より) アン・ラドクリフ(著) 1764年7月9日、ウィリアム・ウォードとアン・オーツ・ウォードの一人娘としてロンドンに生まれる。陶芸家ジョサイア・ウェッジウッドのパートナーとして有名なトマス・ベントリーに預けられて少女期を過ごす。ゴシック建築やピクチャレスクへの関心、詩人ジェイムズ・トムソンへの傾倒は、この母方の義理の叔父からの影響と考えられる。1787年、急進的な傾向で知られる「ガゼティア」紙の記者として筆を揮ったウィリアム・ラドクリフと結婚。1789年、第一作となる『アスリン城とダンベイン城』を匿名で出版。翌1790年、第二作の『シチリアのロマンス』を同じく匿名で出版。1791年の第三作『森のロマンス』が好評を博す(本書の第二版から著者名が「アン・ラドクリフ」名義となる)。1794年、『ユドルフォ城の怪奇』を発表。この四巻本の長大な恐怖小説は、発売と同時に大評判となった。1796年、『イタリア人 あるいは黒悔悛会の懺悔室』を発表。前作に劣らぬ評価を得るが、本書が生前に発表された最後の小説となる。前年に罹患した胸部の感染症が悪化し、1823年2月7日に逝去。享年58。 三馬 志伸(みんま・しのぶ)(訳) 1959年千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学(文学修士)。英文学者、翻訳家。著書に、Jane Austen In and Out of Context(慶應義塾大学出版会、2012)、編訳書に、ウィルキー・コリンズ、ジョージ・エリオット、メアリ・エリザベス・ブラッドン、マーガレット・オリファント『ヴィクトリア朝怪異譚』(作品社、2018)、訳書に、アン・ラドクリフ『森のロマンス』(作品社、2023)、『ユドルフォ城の怪奇(上・下)』(同、2021)、メアリ・エリザベス・ブラッドン『レイディ・オードリーの秘密』(近代文藝社、2014)などがある。 -
私労働小説シリーズ【2冊合本版】
『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』「あたしのシットはあたしが決める」ベビーシッター、工場の夜間作業員にホステス、社食のまかない、HIV病棟のボランティア等。「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々の「他者のケアをする仕事」を軸に描く、著者初の自伝的小説にして労働文学の新境地。「自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ」シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。店員、作業員、配達員にケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。他者のケアを担う者ほど低く扱われる現代社会。自分自身が人間として低い者になっていく感覚があると、人は自分を愛せなくなってしまう。人はパンだけで生きるものではない。だが、薔薇よりもパンなのだ。『私労働小説 負債の重力にあらがって』Don‘t Blame Yourself!セクハラ、パワハラ、カスハラ、人種差別に事なかれ主義やポジティブ教の上司まで。ジョブには最低なものとの戦い(ワーク)がつきまとう。「あたしたちは負債の重力に引きずられて生きている。」だが、負債を返済するために生き続けたら人間は正気を失ってしまう。他者のケアを担う者ほど低く扱われ、「自己肯定感を持とう」と責任転嫁までされる社会。自らを罰する必要などないのに。働き、相手に触れ、繋がる。その掌から知恵は芽吹き、人は生まれ直し、灰色の世界は色づく。数多のシット・ジョブを経た著者が自分を発見し、取り戻していった「私労働」の日々を時に熱く、時に切なく綴る連作短編集。 ※本電子書籍は、2023年10月刊『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』と25年10月刊『私労働小説 負債の重力にあらがって』の2冊を収録した合本形式での配信となります。 -
浜村渚の計算ノートシリーズ1~4さつめ 全5冊合本版
四色問題、フィボナッチ数列、円周率――。対「数学テロ」。警視庁の最終兵器は、天才数学少女! 浜村渚の計算ノートシリーズ、1~4さつめ 全5冊合本 『浜村渚の計算ノート』『浜村渚の計算ノート 2さつめ ふしぎの国の期末テスト』『浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学』『浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ ふえるま島の最終定理』『浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声にのって』全5冊収録 「数学の地位向上のため国民全員を人質とする」。天才数学者・高木源一郎が始めたテロ活動。彼の作った有名教育ソフトで学んだ日本人は予備催眠を受けており、命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなりうるのだ。テロに対抗し警視庁が探し出したのは一人の女子中学生だった!(『浜村渚の計算ノート』) 新時代数学ミステリー!! -
J・G・バラード――混沌とした世界を映すフィクション
絶え間なく生成変化し続ける、ジャンル横断的な作家、J・G・バラードの本邦初の評伝 ジャンルの故国喪失者としての側面をポジティヴな創作上のエネルギーに転換し続けてきた作家としてのバラードに着目し、単一のカテゴリーに回収しきれない彼の多様な作品群を歴史的背景や彼自身の伝記的事実と照らし合わせながら、時系列順に読み解いていく。 シリーズ〈英語〉文学の現在へ 第二次世界大戦前後から現代まで、激動の時代に翻弄される世界各地で〈英語〉という表現媒体を共有しつつ、なおそれを問い直してきた作家たちが、文学の「現在」をどのように切り開いてきたのか――「イギリス」や「英語圏」といった従来の領域的思考を超える〈英語〉文学をあらたに考えるためのシリーズです。 -
〔新版〕 スターリングラード攻防戦
【20万以上の将兵が失われた無謀な作戦の内幕】 懲罰大隊で多くの同胞の死を見届けた軍曹グノートケ、上層部の無謀な命令のもと戦車連隊を指揮した大佐フィルスホーフェン、包帯もモルヒネもないまま無数の負傷兵を手術し続けた軍医フート、片腕を失いながら率いた大隊が壊滅した中尉ラウコウ――ソ連軍に包囲され、退路を失い崩壊する第六軍で、彼らは次々に仲間を失っていく。史上最悪の「絶滅戦争」、その最前線の群像を描く。 解説:大木毅 〈人を殺し町や村を焼けという命令が、最後の一兵まで最後の一弾まで戦えという命令が下されて、その命令はいまだに実行されている。ここ三日のあいだ、軍司令部からは全然命令が出されていない。軍団も黙っている。軍団から命令が出なくなってから、もう二日になる。それなのに戦闘は続けられている〉(第7章より) 【目次】 1 まずグノートケがいた 2 そしてフィルスホーフェンがいた 3 一二六高地奪取さる 4 小さな部屋、はだかのままの壁、白いカーテン 5 致命的打撃は南からきた 6 第二九七歩兵師団 7 ゲンネルン将軍とフェンネコール将軍 新版解説 大木毅 -
三島由紀夫を見つめて
三島由紀夫の文学、思想、行動を包括的に論じる決定版批評集。エッセイでは著者自身の三島体験、作品論では『豊饒の海』四部作を中心に、その構造と思想的展開を緻密に分析。行動論では、映画への出演、政治的発言、東大全共闘との対話などを多角的に考察。又、故中上健次氏との1985年の対談を掲載し、巻末には、戦後の日本とイタリアを代表する文学者である三島とパゾリーニの架空の対話を描いた哲学小説を収録。異なる文化圏で似た運命をたどった二人の邂逅を通じて、文学と思想、歴史と偶然が交錯する想像空間が展開される。三島理解の新たな扉を開く一冊。 平野啓一郎氏推薦――「絶対」を夢見つつ、徹底した相対化を通じてこそ、却って豊かな深みを開示する不思議な作家・三島由紀夫。本書は、多年に亘り、この大仕事を取り組んできた、最適任者による渾身の一冊! -
「陰翳礼讃」と日本的なもの:建築と小説の近代
小説家としての谷崎潤一郎の名前を超えて、ひろく、長く読まれてきた「陰翳礼讃」―― 陰翳とは何か。それが日本的なものだとはどういうことか。 「陰翳礼讃」は創元選書の表題作になったことを契機に、谷崎潤一郎という小説家の個人的な随筆から、知識階級の読む日本文化論へと進化(グレードアップ)した。「陰翳礼讃」というテキストは、「文化」を謳う一九三〇年代の知的な教養の中に位置づけられたのである。 「陰翳礼讃」は、命題として何が語られているかだけでなく、何事かを語るレトリックそれ自体を読み解くベきテキストである。「陰翳礼讃」で行われているのは、建築を文学を語るための比喩として組織すること、すなわち建築を文学の修辞とすることである。 一九三〇年代、建築界では建築における「日本的なもの」が論じられた。その議論に触発された小説家たちは、建築を媒介にしてそれぞれに思索を展開した。本書で取り上げるのは、そのような思考の痕跡の刻まれたテキストである。本書では、小説家たちが話題にする建築家や建築物、建築論を広義の比喩と見なし、その表現を同時代の文脈の中で読み解く。 建築と小説という異なる領域の交錯する地点から、日本的なものという主題を捉えなおすこと、本書のねらいはそこにある。本書の独自性は、建築界の議論と小説家のテキストが交錯する範囲を画定し、そこに対象を再配置する点にある。 -
ブリュンヒルデ—伝説の系譜
勇ましき戦乙女(ワルキューレ)か、英雄ジークフリートへの愛に生きる女性か ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』で知られるブリュンヒルデとは何者か。古代ゲルマンから北欧の伝承、中世英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』、現代のアニメーション映画に至るまで、ブリュンヒルデ像の変遷を辿る。 【目次】 第一章古代ゲルマン時代の原型 (第一節 二つのニーベルンゲン伝説の原型、第二節 二つの原型伝説のその後の伝承 第二章 北欧への第一次伝承 (第一節 『歌謡エッダ』におけるブリュンヒルト歌謡、第二節 北欧の散文物語『ヴォルスンガ・サガ』、第三節 スノリの『散文エッダ』) 第三章 北欧への第二次伝承 (第一節 説話集『ティードレクス・サガ』の編纂、第二節 『ティードレクス・サガ』におけるニーベルンゲン伝説、第三節 説話集『ティードレクス・サガ』におけるブリュンヒルトの特徴) 第四章 ドイツ中世英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』 (第一節 『ニーベルンゲンの歌』の成立と伝承、第二節 『ニーベルンゲンの歌』におけるブリュンヒルトの特徴、第三節 「権力」と「愛」の戦いの二重構造、第四節 『ニーベルンゲンの歌』以後の作品) 第五章 近代におけるニーベルンゲン伝承作品 (第一節 ニーベルンゲン伝説の再発見、第二節 ド・ラ・モット・フケーの戯曲『北欧の英雄』、第三節 エルンスト・ラウパッハの戯曲『ニーベルンゲンの財宝』、第四節 フリードリヒ・ヘッベルの戯曲『ニーベルンゲン』三部作) 第六章 ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』四部作 (第一節 楽劇『ニーベルングの指環』四部作の成立過程、第二節 序夜『ラインの黄金』におけるブリュンヒルデ誕生のきっかけ、第三節 第一夜 『ワルキューレ』における戦乙女ブリュンヒルデ、第四節 第二夜『ジークフリート』におけるブリュンヒルデの目覚め、第五節 第三夜『神々の黄昏』におけるブリュンヒルデによる世界救出、第六節 ブリュンヒルデの変容) 第七章 現代におけるニーベルンゲン伝承作品 (第一節 二十世紀における戯曲作品、第二節 ヘルマン・ヘンドリッヒの絵画、第三節 フリッツ・ラング監督の映画『ニーベルンゲン』二部作、第四節 ウーリー・エデル監督の映画『ニーベルングの指環』、第五節 わが国の漫画・アニメ映画、第六節 今後におけるワーグナー楽劇『指環』四部作の上演) ◉著者が語る本書の魅力 ブリュンヒルデと聞けば、まずワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』を思い浮かべるが、そのルーツはゲルマン民族大移動時代にまで遡る。 5、6世紀にライン河畔フランケンの領土でブリュンヒルト伝説が生まれ、それは9世紀以降に北欧へ伝承され、エッダ・サガのかたちで文字に書き留められる。そこではブリュンヒルトは北欧の主神オージンと結びづけられて、戦乙女(ワルキューレ)として登場し、英雄シグルズ(ドイツではジークフリート)に思いを寄せ、彼の妻グズルーン (ドイツのクリームヒルト) に嫉妬を覚え、それが英雄暗殺の原因となり、「災い」を引き起こす女性として描かれている。 13世紀初頭になると、古代ゲルマン伝説はドイツで中世英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』へと発展し、英雄ジークフリート暗殺の物語は定着する。 この英雄ジークフリート物語はその後もさまざまに語り継がれ、19世紀にはワーグナーが北欧のエッダ・サガと『ニーベルンゲンの歌』を素材に用いて、楽劇『ニーベルングの指環』四部作を完成させて、新しいブリュンヒルデ像を創り上げる。ワーグナーではブリュンヒルデは古代ゲルマンの勇壮なワルキューレとして登場し、エッダ・サガに見られる「嫉妬」を覚えて「災い」をもたらす女性の性格を持ち合わせるとともに、ジークフリート誕生の際には母性的な愛でもってその誕生を見守り、長い眠りから目覚めるとその英雄と愛で結ばれ、英雄暗殺ののちには「自己犠牲」によって世界を救う「永遠に女性的なるもの」の象徴となる。ワーグナーのブリュンヒルデは古代ゲルマン時代から語り継がれているさまざまなキャラクターを網羅しているところに特徴がある。 ワーグナーのあとには、それを素材として戯曲、小説、映画、漫画、絵画等で新しいブリュンヒルデ像が創り出されている。ブリュンヒルデはさまざまな姿に変貌していくのであり、そこにブリュンヒルデの魅力がある。 -
読者に憐れみを
『スローターハウス5』『タイタンの妖女』などで知られる戦後アメリカを代表する作家、カート・ヴォネガットの「書くこと」と「人生について」 辛辣で、機知に富み、心優しきニヒリスト、ヒューマニストで、教師としては熱血漢、「書くことは魂を育むこと」を生涯の信条としたヴォネガットの教えを、彼自身の言葉と小説の引用、そして周囲の人々の談話からまとめた、「ヴォネガット流・創作指南+回顧録的文章読本」が生誕100年を記念し、待望の邦訳! 「本書の各所に引用されるヴォネガットの助言を読むうちに、自分にも小説が書けるという気持ちになってくる。それはとても苦しいものであることをヴォネガットが強調してもだ。何度も書き直し、声に出して読み、読者の負担を最低限にするべきことを繰り返し言う。でもしかし、その人にしか語りえないことというものがあるのだ。」 ――円城塔(作家) 本書では、彼の教え子であったマッコーネルによるヴォネガット自身の言葉と実際の作品の引用から、作家としての苦闘や、戦争体験や母親の死など、彼の人生に生涯つきまとった「影」、戦後の時代精神を体現するベストセラー作家となった成功の秘訣のほか、「つねに学び、つねに教えていた」という教師としての素顔が丁寧に分析され、余すところなく説明される。 さらに、文章や物語を書く際に必要な原動力、才能、想像力の飛躍、勤勉さ、反省、ブラックジョークについて、生計を立てること、心身のケア、はたまたコミュニティの重要さにいたるまで、さまざまな角度からユーモアを交えながら真摯に語られる。加えて、物語はどこから生まれるのか、冒頭部の書き方、プロット、登場人物の書き方、耳で聞く文章と目で見る文章の違い、見直しと校閲などのコツとテクニックについても惜しげもなく披露される。その驚くほど実践的なアドバイスは、作家志望者のみならず、文章を書く時に悩んだことのある人、何かの課題と格闘して自分は無能だと感じているすべての人の心に突き刺さるだろう。ヴォネガットの手稿や実際の原稿、メモ書きや、出版社からの手紙なども多数収録した、ヴォネガットファン必見の一冊となっている。 ちょっと風変わりで、だけど読むと書き続ける勇気が湧いてくる、カート・ヴォネガットの教えを一冊にまとめた、創作指南+回顧録の決定版。 -
ダンテ その生涯
詩人、騎士、政治家、外交使節、流浪の食客……。 ──ダンテとは、いったい何者だったのか? イタリアを代表する歴史家が、中世という激動の時代を生きたダンテの人生を徹底的に分析した一級評伝。 --------- イタリア最大の詩人ダンテ。 地獄篇、煉獄篇、天国篇の三部構成から成る叙事詩『神曲』は世界の文学史に燦然と輝く不滅の傑作だ。 本書はイタリアを代表する歴史家が、フィレンツェに保存された文献を丹念に読み解き、これまで言及されてこなかったダンテの人生をつまびらかにしていく。 --------- ──もし、あの日の朝、ダンテが騎士として出兵していたなら、彼の運命は変わっていただろうし、私たちもおそらく『神曲』という作品を持つことはなかっただろう。 * * * 中世という激動の時代の社会や文化を背景に、権力、金、戦争、復讐、家族、友情、そして愛の観点から初めて分析し、〈人間・ダンテ〉を浮かび上がらせた本格評伝。 --------- 【目次】 1……聖バルナバの日 2……ダンテと高貴さ 3……カッチャグイーダとその他の人々 4……ダンテ一族 5……子供時代と隣人たち 6……愛と友人 7……教育 8……結婚をめぐる謎 9……ダンテと事業 10……政治──豪族と平民 11……政治──白派と黒派 12……追放 13……亡命者の家族 14……資産の行方 15……悪い仲間 16……ヴェローナの謎 17……改悛 18……「他人の家の階段」 19……ハインリッヒ七世 20……他人のパン 21……ラヴェンナ 訳者あとがき 索引 -
ホラーの哲学
なぜ、「怖い」のに「見たい」のか? なぜ、存在しないものを怖がるのか? ここから、ホラーの哲学は始まった 分析美学の第一人者であり、映画・大衆芸術(マス・アート)研究の分野でも活躍するノエル・キャロルによる、ホラーの哲学を初めて理論化した革新的かつ体系的著作、待望の翻訳! 『フランケンシュタイン』『ジキル博士とハイド氏』『ドラキュラ』『エクソシスト』『オーメン』『エイリアン』、さらにはH・P・ラヴクラフト、スティーヴン・キング、クライヴ・バーカー、シャーリイ・ジャクスンなどなど…… 本書では、古典的名作から現代のヒット作品、さらには無名のB級作品まで、膨大な作品群を縦横無尽に取り上げながら、ホラーとは何か、その本質や定義、物語構造とプロット分析、ホラーの魅力、さらにはホラーモンスターの作り方についてなどを論じる。 さらに哲学的な観点から、存在しないとわかっているものをなぜ怖がってしまうのか(フィクションのパラドックス)、また、恐怖を与えるホラー作品をなぜわざわざ求めるのか(ホラーのパラドックス)について考察する。 吸血鬼、ゾンビ、人狼、悪魔憑きの子ども、人造人間、スペースモンスター、幽霊、その他の名もなき怪物たちが、なぜわたしたちの心を摑んで離さないのか。 フィクションの哲学、感情の哲学、ポピュラーカルチャー批評を駆使して、その不思議と魅力の解明に挑む!
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