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ゴンクール賞候補作。謎の多い夫婦旅行を描く文芸スリラー 妻と関係修復のためにシチリア島タオルミーナを訪れたメルヴィルは、レンタカーで宿に向かう途中「何か」に衝突する。事実から目を背け、最悪の選択を重ねる男の行く末は。陰気で、不穏で、スリリング……ジョルジュ・シムノンの後継者と名高い著者が放つ怪作。
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Posted by ブクログ
嫌な気持ちになるが、面白い。 子どもを車で轢いてしまったかもしれないという事実から逃れるために、どんどん追い詰められ、また、同乗者である妻も絡め取られ、悪い方へと巻き込まれてゆく感じが、『イソップ童話』のようであり『笑うセールスマン』のようでもあった。そして、いろいろ画策したにも関わらず、結局、...続きを読む被害に遭わせたかもしれない子どもと、同じ身のうえになろうとしているところが皮肉だなと感じた。 大それたことをしたかもしれない時に、直面せず、かえって大変なことになるというシチュエーションは、日常どこにでもありそうだし、自分の身のうえにも起きそうで恐ろしい。
ずっと逃げてた。 現実に向き合うことを避け、大丈夫だと自分と妻に言い聞かせながらも頭をフル回転させ逃げる様は、まあ気持ちわかるけどもね、とは言いたくはな……………らないか……。 短く読みやすいが、少々唐突に終わるので続きが読みたい。
シチリア島にヴァカンスで訪れた夫婦 楽しいはずの旅が選択を間違え悪夢へと変わる 今まで読んだことのない奇妙な小説でした ずっと不穏で不気味な雰囲気でストーリーは進み、軽い文体で読者は物語の世界に惹き込まれます 好き嫌いは分かれると思いますが、私は好きでした
夫婦の噛み合ってなさに終始モヤモヤしながら読んだ笑。 最後の訳者あとがきまでセットで読んでようやく腑に落ちるような。
難民の子供を轢き逃げした夫婦が、まさに難民のような危険な旅路を斡旋されて日常生活に戻ろうとするラストの皮肉さと後味の悪さ、フランスの短編〜〜〜!!って感じ
まず、この小説を読んで思ったことは推理小説ではあるんだがはっきりとした事件や犯人が出てこなく、不思議な小説ということです。次にイタリア・シチリア島をせっかく夫婦で旅行している中、天気が大荒れで夫がさらに道を間違いまくっていくということです。 自分はイタリアを個人で旅行する際に、身の回りの物(特に...続きを読むパスポート)は肌身離さず持つということをさんざん言われましたが、結局イタリアを旅行することはありませんでした。でも、海外を旅行するときには身の回りのものには気をつけるということをこの小説を読んで改めて思いました。あと、夫が道の選択を間違った上に何かにぶつかったという現象は最後になっても解決されることはなく、あとは読者の想像に任せるということかなと思って、不思議だけど面白いミステリー小説を読んだなぁ、っと思いました。
物事がうまく進まないのは全て自分以外の誰かのせいという、定職を持たない身勝手男が、妻とのバカンス中にひょんなことから泥沼に足を取られ、それを妻の父親の金で何とかしようと藻掻く話。何とも不思議な味わい。しかし、とてつもなく大きなポイントの文字で印刷された150ページそこそこの本に2800円とは恐れ入る...続きを読む。
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