トレイシーリエンの作品一覧

「トレイシーリエン」の「偽りの空白」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 偽りの空白
    4.8
    1巻3,080円 (税込)
    高校生の弟の不審な死を知らされ、数年ぶりに実家に帰った女性キー。ベトナム系の一家のなかでも、オーストラリアに馴染んだ優等生である弟。だが、それは本当の顔だったのか。謎を追ううち、キーは、自らを取り巻く社会と、弟の命を奪ったものの正体を知る。

ユーザーレビュー

  • 偽りの空白

    Posted by ブクログ

    ベトナムから難民としてオーストラリアへ移住し育った女性キー。舞台は1996年、アジア系移民が多く暮らす街。弟が殺された謎を探る。

    優等生だった弟がなぜ殺されたのか。関係者から話を聞き謎を追う中で、ベトナムから移住せざるを得なかった当時の事情、偏見と差別、様々な苦労、世代間のギャップ、ドラッグや暴力など多くの問題について知ることができた。
    英語が不自由なため労働条件が悪い仕事に就くしかない親世代から、次第にベトナム語を話せなくなっていく子世代へ。戦争、難民生活、移住のストレスはより弱い立場の女性や子供たちへ吐き出され、負の連鎖へと繋がっていく。

    海外の初めて知る世界の話だけど、読んでいる間ず

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    2025年05月21日
  • 偽りの空白

    Posted by ブクログ

    読み応えありすぎて、読み終えるのにひどく時間かかりました。事件が根底にあるものの、ベトナム移民の心の動きがメイン。オーストラリアがベトナム移民受け入れている事実、そして移民になり移民として生きることの過酷さに衝撃を受けました。日常的にミステリ読んでる脳細胞に強烈なパンチ食らった印象です。移民のリアルな生活をこれほどまでにあぶり出し、彼らの心の叫びを文章から受け取ったのは初めてかも。長い道のりでしたが、読んで良かった。未知の世界に連れて行ってくれる読書の素晴らしさを、しみじみ感じることができました。

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    2024年11月12日
  • 偽りの空白

    Posted by ブクログ

    メルボルンでジャーナリストとして働くキーは、5歳下の弟が亡くなったことを知り、実家に帰省する。
    幼い頃にベトナムから両親とともに難民として渡ってきたキーと違って、成績優秀で大人しく"いい子"の弟が、何者かに殴り殺されたということが信じられず、警察の説明も同級生も教師も大勢いたのに目撃証言がひとつもないと言うことに愕然とする。
    弟は、いったい誰に、何故、殺されなければならなかったのか?
    キーが、独自に動きだすと…。

    情景が目に浮かぶようで鮮烈で刺激的だった。
    キーとミニーとのやりとりがとても上手くて、心の声が手にとるかのように響いてくる。
    ヒリヒリとするような冷たいやりとり

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    2024年10月01日
  • 偽りの空白

    Posted by ブクログ

    移民というものの弱い立ち位置とそれを利用しようと近づいてくる地元反社勢力というお約束が描かれ考えさせられる

    世代を重ねて言葉に不自由しなくなりそこから脱していくのも短いスパーンで考える事、長いスパーンで考えなければならない事を教えてくれて参考になります

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    2025年11月22日

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