小説作品一覧

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  • 氷紋
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    S大学医学部助教授・諸岡敬之の妻、有己子には夫の同期・久坂利輔との間に秘密があった。なぜか彼に惹かれ、入籍直前に関係を持ったのである。あれから七年。久坂と邂逅したがために、有己子の秘めた愛に再び火がついた――。許されざる愛に落ちる妻の姿を研ぎ澄まされた筆致で描く、渡辺淳一文学初期の傑作長編ロマン。
  • 水族館の殺人
    4.0
    夏休みの最中の8月4日、向坂香織たち風ヶ丘高校新聞部の面々は、取材で横浜市内の穴場スポットである、丸美水族館に繰り出した。館内を館長の案内で取材していると、B棟の巨大水槽の前で驚愕のシーンを目撃。な、なんとサメが飼育員と思われる男性に食らいついている! 駆けつけた警察が関係者に事情聴取していくと、容疑者は11人にもおよぶことに。しかも、それぞれに強固なアリバイが……。袴田刑事は、しかたなく妹の柚乃へと連絡を取った。あのアニメオタクの駄目人間・裏染天馬を呼び出してもらうために。“若き平成のエラリー・クイーン”が、今度はアリバイ崩しに挑戦。/解説=飯城勇三
  • 死の家の記録
    4.6
    思想犯として逮捕され、死刑を宣告されながら、刑の執行直前に恩赦によりシベリア流刑に処せられた著者の、四年間にわたる貴重な獄中の体験と見聞の記録。地獄さながらの獄内の生活、悽惨目を覆う笞刑、野獣的な状態に陥った犯罪者の心理などを、深く鋭い観察と正確な描写によって芸術的に再現、苦悩をテーマとする芸術家の成熟を示し、ドストエフスキーの名を世界的にした作品。
  • 新釈 にっぽん昔話
    3.7
    誰もが知っているお話が生まれ変わった! 「さるかに合戦」「花咲じいさん」「一寸法師」「笠地蔵」「三枚のお札」「犬と猫とうろこ玉」という六つの昔話が、手練れの作家の手により新解釈をほどこされて大人も楽しめるエンタテインメントに大変身! 現代的な装いが加わりながらも、なつかしさを失わない物語をご賞味ください。
  • 病める狐 上
    4.0
    ドーセットにあるさびれた小村、シェンステッドでは、不穏の種がひそかに植えつけられていた。何者かによる動物の虐殺、数ヵ月前に起きた村の老婦人の不審死に対してささやかれる噂、村の一角にある〈雑木林〉を占拠した移動生活者(トラヴェラー)の一団。それらの背後には、フォックス・イーヴルと名乗る謎の男の影があった。人々の緊張は静かに高まりつづけ、そしてついにクリスマスの翌日、ひとりの訪問者が村を訪れたときに、事態は予想外の形で大きく動きだす……。現代英国ミステリの女王ウォルターズが、圧倒的な筆力で書きあげた、CWA最優秀長編賞受賞作。
  • 怪談
    -
    「怪談」「耳なし芳一」などの名作で名高い作家・小泉八雲(=ラフカディオ・ハーン)。その墓前で謎めいた女性に出会い恋した恒一は、彼女とともに八雲の足跡を辿る旅に出る。八雲の作品を読み返し、焼津、松江、そしてマルチニーク島へ……。過去と現在を往還する旅の果てには、何が待っているのか。「現実」と「物語」が交錯する傑作長編小説。
  • サンカの民を追って
    4.3
    近代日本文学がテーマとした幻の漂泊民サンカをテーマとする小説のアンソロジー。田山花袋「帰国」、小栗風葉「世間師」、岡本綺堂「山の秘密」など珍しい珠玉の傑作十篇。
  • 椿の海の記
    4.4
    『苦海浄土』の著者の最高傑作。精神を病んだ盲目の祖母に寄り添い、ふるさと水俣の美しい自然と心よき人々に囲まれた幼時の記憶。「水銀漬」となり「生き埋め」にされた壮大な魂の世界がいま蘇る。
  • 京都嵐山 桜紋様殺人事件 長編京都旅情ミステリー
    3.0
    桜が咲き誇る広沢池の畔で、八重桜の樹の枝に吊り下がった日本画壇の重鎮・植山小堂の死体が発見された。現場に残された椅子・ライターは本事件を解くカギとなるのか。警察の捜査が進む中、一人の容疑者が行方不明に……。なぜ、植山は殺されなければならなかったのか。その謎解きに、京都取材を得意とするプロカメラマンにして美食家、そして名探偵である星井裕が、元妻である京都府警の安西美雪警部補とともに挑む。京の名所や美味満載で、推理をしながら、この一冊であなたも京都通になれる! ミステリー小説初の旅のガイドコラムと、事件のストーリーを追える京都マップ付き。『京都嵐山 桜紋様の殺人』を改題・再編集。

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  • 自負と偏見
    4.4
    イギリスの静かな田舎町ロングボーンの貸屋敷に、資産家ビングリーが引っ越してきた。ベネット家の長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、次女エリザベスはビングリーの友人ダーシーの気位の高さに反感を抱く。気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれつつあったのだが……。幸福な結婚に必要なのは、恋心か打算か。軽妙な物語(ストーリー)に普遍の真理を織り交ぜた、永遠の名作。
  • 罪と罰(上)
    4.2
    鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。
  • 悪徳小説家
    3.7
    世界的ベストセラー作家のヘンリー。妻のマルタとは愛し合っていたものの、編集者ベティと愛人関係にあった。しかし彼には、それ以外にも決して明かすことのできない重大な秘密があった。新作が残り20ページまで書き上がったとき、ベティから妊娠したことを告げられる。彼女との待ち合わせ場所に車で赴いたヘンリーは、魔がさしてアクセルを踏み、相手の車を崖から海に突き落としてしまう。しかし、帰宅したヘンリーを驚愕の事実が待ち受けていた……。真実と嘘がちりばめられた、巧緻きわまる長編ミステリ。
  • 暗い波濤(上)
    4.0
    1~2巻1,023~1,078円 (税込)
    昭和18年4月、特設巡洋艦愛国丸は、台湾での基礎教育を終えた海軍第二期予備学生550余名を乗せて帰国の途につき、呉に入港した。ここで予備学生たちはそれぞれの配属先に別れるのだった。霞ヶ浦航空隊の栗原、海軍兵学校の田崎、館山砲術学校の三宅――彼らは厳しい専門訓練を経て任官し、前線に出てゆく……。自ら青春を日本海軍とともにした著者が情熱を傾けた渾身の二千枚。
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    4.5
    1~3巻1,045~1,155円 (税込)
    物欲の権化のような父フョードル・カラマーゾフの血を、それぞれ相異なりながらも色濃く引いた三人の兄弟。放蕩無頼な情熱漢ドミートリイ、冷徹な知性人イワン、敬虔な修道者で物語の主人公であるアリョーシャ。そして、フョードルの私生児と噂されるスメルジャコフ。これらの人物の交錯が作り出す愛憎の地獄図絵の中に、神と人間という根本問題を据え置いた世界文学屈指の名作。
  • パラークシの記憶
    4.1
    冬の再訪も近い不穏な時代、ハーディとチャームのふたりは出会う。そして、あり得ない殺人事件が発生する……。名作『ハローサマー、グッドバイ』の待望の続編。いますべての真相が語られる。
  • ヴォイス 西のはての年代記II
    4.6
    〈西のはて〉を舞台にした、ル=グウィンのファンタジーシリーズ第二作!文字を邪悪なものとする禁書の地で、少女メマーは一族の館に本が隠されていることを知り、当主からひそかに教育を受ける――。
  • ギフト 西のはての年代記I
    4.0
    ル=グウィンが描く、〈ゲド戦記〉以来のYAファンタジーシリーズ第一作!〈ギフト〉と呼ばれる不思議な能力を受け継いだ少年オレックは、強すぎる力を持つ恐るべき者として父親に目を封印される――。
  • ハローサマー、グッドバイ
    4.1
    夏休暇をすごすため、政府高官の息子ドローヴは港町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再会をはたす。粘流が到来し、戦争の影がしだいに町を覆いゆくなか、愛を深める少年と少女。だが壮大な機密計画がふたりを分かつ…少年の忘れえぬひと夏を描いた、SF史上屈指の青春恋愛小説、待望の完全新訳版。
  • 花の嵐(上・下合冊版)~小説 小佐野賢治~
    5.0
    1巻1,100円 (税込)
    戦時中、そして終戦直後の混乱期を抜群(ばつぐん)の商才で乗り切り、蓄財に成功した小佐野賢治。箱根の強羅(ごうら)ホテルの買収や、ボロ会社の立直しに発揮する手腕の数々。東急電鉄のオーナー五島慶太(ごとうけいた)や田中角栄との出会いなど波乱(はらん)の生涯を描く大作。
  • 赫い月照
    3.5
    かつて神戸で女子中学生3人を立て続けに殺害し、うち一人の首を切断するという凄惨な少年犯罪があった。振子占い師の雪御所圭子は、兄によるこの犯行の「謎」への思いを胸に秘めて生きていた。年を経て、神戸市須磨区で、あの神戸児童連続殺傷事件が――。そして、またも須磨区で連続猟奇殺人が起きる! 人はなぜ殺人を犯すのか。人の心の闇へ切り込む衝撃のミステリー。
  • 米内光政
    4.2
    1巻1,100円 (税込)
    「米内光政は国に事がなければ、或いは全く世人の眼につかないままで終る人であったかも知れない」(小泉信三)。海軍兵学校の席次は中以下、無口で鈍重と言われた人間が、日本の存亡のときに当り、自らの手で帝国海軍七十余年の栄光を葬り去った。一億玉砕よりも、未来ある敗戦に賭けて……。最後の海相の人物と識見を描いて、危機に際しての真の指導者とは何かを問う、感動の記録文学。
  • 珠玉の日本語・辞世の句 コレクター北原が厳選した「言葉のチカラ」
    4.0
    1巻1,300円 (税込)
    昔の、よき日本人は、人生の最後に当たって歌を遺した。その人の生涯を、短い中に凝縮した珠玉の言葉……それが「辞世の句」である。ある時、浅野内匠頭の詠んだ、「風さそう 花よりも猶 我はまた 春の名残りを いかにとやせん」という人生の無念を刻み込んだような「辞世の句」に感動を覚えた著者は、そのコレクター魂を発揮し、“辞世の句コレクション”を成した。本書は、その中から最も感動的なものを厳選し、あふれる思いとともに紹介した一冊である。一つ一つの句や歌のすべてから、人間としての潔さ、熱い思い、美しい心がありありと伝わってくる。何となく生きている日常にあって、人生に大切なものを思い出させてくれる貴重な言葉たち。著者が重視する、「言葉のチカラ」がそこには確かにある。

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  • 戦士の挽歌(バラード)(上・下合冊版)
    5.0
    1巻1,320円 (税込)
    中堅製薬会社の腕利きプロパー・石川克也は手段を選ばない。人を人として扱わず、患者を食い物にする大病院、医師たちに、目覚めた野獣の怒りがついに牙を剥(む)く。超人的な肉体と猟で鍛えた銃の腕前を駆使し、石川の狩りの時間が始まった! 圧倒的迫力のサスペンス巨編を合冊版で一挙に読破すべし!
  • パリの骨
    -
    1929年パリ。私立探偵スタイヴサントは失踪した22歳のアメリカ人女性を捜索していた。ピカソら名だたる芸術家と交流があり、人気絶頂の写真家マン・レイのモデルをつとめていた彼女は、何らかの事件に巻き込まれたのか。パリ警視庁のドゥーセ警部は、犯罪的行為を繰り広げる奇抜な前衛芸術家の“芸術的表現としての殺人”を疑っていた。スタイヴサントは、“嘘を見抜く力”を持ち世捨て人のように暮らす友人ベネットの力を借り、死の帝国たるパリの闇へと踏み込んでいく。MWA賞受賞作家が贈る雄編。
  • 厚岸のおかず
    3.8
    1巻1,540円 (税込)
    「向井さんはねじれているからいい。しかもまっつぐにねじれているからとてもいい。」坪内祐三 「音楽と散文。表現方法が変わっても向井さんは向井さんでした。独特の渇いたユーモア。狂騒的なのに静かで新しくて懐かしい。こんなに面白いと軽くヘコみます。」宮藤官九郎 北海道は厚岸に住む演歌歌手・室哲也、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズとその仲間、やたら腕のいい狙撃兵、バングラディッシュのある男の子…彼らを結ぶ「何か」とは?―新しい形のフィクションを提示した表題作をはじめ、「サルワタリ・ワープ」「ミツルの夏休み」「林長明焼肉事件」他、全23の掌編を収録。奇才・向井秀徳の新境地。
  • 月刊「小説」
    -
    1巻1,760円 (税込)
    死にかけた「小説」を、この男が救うのか――?売れない作家が立ち上げた文芸誌の行方は……表題作他3編を収録。類まれなユーモア、身体性、言語感覚を併せ持つ不世出の奇才による傑作選。
  • 安岡正篤と終戦の詔勅 戦後日本人が持つべき矜持とは
    -
    1巻1,799円 (税込)
    【注 電子版にはCD(音声)はありません。ご了承ください】大東亜戦争の終戦の詔勅を成すにあたり、いかなる姿勢が日本にふさわしいか、戦後日本の復興を期すにあたり、陛下にどんな言葉を国民に語りかけていただくか。碩学・安岡正篤は、熟考の末、決め手となる二つの言葉を、詔勅に刻み込んだ。終戦というまさにギリギリの事態にあって、安岡はただ一人、「おめおめと負けたという事実として歴史にのこすことを避ける」という大局観に立って、珠玉の言葉を絞り出そうとしていた。本書は、それを自ら語った安岡自身の講話や、起きた事態を学問的見地から総覧した小堀桂一郎の解説、その他、安岡正篤のファンでもあまり知られていない資料・文献を収録して、終戦に至る実相に迫るものである。戦後70年を考えるに当たり、不可欠の一冊である。

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  • ディスカヴァー発行図書目録2016
    無料あり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ディスカヴァー2016年度版の目録です。 ディスカヴァーで出版した、2016年6月刊までの全ての書籍が紹介されています。 2016年度版は昨年版からさらにパワーアップ! コンテンツの内容・紹介が充実しただけではなく、目次や電子版・海外版の有無が一目で分かるような仕様となっており、 欲しかった書籍がすぐに見つかります。

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  • 夏井いつきの超カンタン!俳句塾
    3.6
    1巻1,232円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 毒舌キャラで人気の俳人・夏井先生の手にかかれば、ありきたりな平凡な句があっと驚くイメージ豊かな一句へと早変わり!本書は、そのミラクルな言葉の化学変化の秘密を初公開。5・7・5にパズルのように言葉をはめ込めば、脳を鍛えて幸せホルモン・ドーパミンが泉のごとく湧いてくる。俳句を詠めば、脳が若返る!ストレスに強くなる!脳科学者・茂木健一郎氏の対談を収録。
  • 装いの王朝文化
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    衣服は、いつの時代も、着用している人物の位や性格など、様々な情報を示してきた。『源氏物語』『枕草子』などの作品の記述を手がかりに装束の記号性を読み解き、作品の新たな解釈と古典を読む楽しみを味わう!
  • ばくち打ち 第四巻 駆ける・賭ける・そして勝つ(上)
    -
    1~5巻440円 (税込)
    時はバブルの隆盛~崩壊にさしかかった頃。東京・荒川区の東日暮里赤貧町で育った没落貴族の都小路鐘。彼の青春は、競輪場の中にあった。物心ついた頃には、没落のきっかけの張本人である父、文麿に連れられ。そして中学、高校にあがると競輪選手としてそこに立つことを決意する。中学のマドンナ、加美ちゃんとの淡い恋や、やがて彼の人生に影を落とすことになる蠣崎潤一との出会いを通して語られる鐘の競輪人生とは。
  • ばくち打ち 第一巻 勝てば幸運、負ければ実力
    -
    1~5巻440円 (税込)
    新宿歌舞伎町のアングラ・カジノで生きる、しがない博奕(ばくち)打ち・竜太。行きつけのカジノ・クラブ『モナコ』では、子連れの博奕打ち・俊介や、バカラ依存の男・額田ら、さまざまな人間が「合意の略奪闘争」を繰り広げている。そして、竜太の「スポンサー」であり、まだ20代のキャリア・ウーマンの真希もまた、いつしか鬼畜の賭博・バカラに嵌まり、竜太とともにオーストラリアのクラウン・カジノへ行くことに――。

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  • 蛇行する月
    3.7
    「東京に逃げることにしたの」。高校を卒業してまもなく、同級生だった順子から清美に連絡が入る。二十も年上の男と駆け落ちするという。故郷を捨て、極貧の生活を「幸せ」と言う順子に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた女たちは引き寄せられていく――。自分らしく生きてゆくことの難しさ、そこにある確かな希望を描いた連作長編。
  • 暗黒女子
    3.8
    ある女子高で、最も美しくカリスマ性をもつ女生徒が死んだ。一週間後に集められたのは、女生徒と親しかったはずの文学サークルの仲間たち。ところが、彼女たちによる事件の証言は、思いがけない方向へ――。果たして女生徒の死の真相とは? 全ての予想を裏切る黒い結末まで、一気読み必至の衝撃作!
  • セブン殺人事件
    3.2
    新宿淀橋署の宮本刑事部長と、本庁から来た佐々木警部補。年齢も容姿も経歴も好対照の2人は、その名前から「宮本武蔵と佐々木小次郎」にたとえられるライバル同士だ。そんな異色の凸凹コンビが7つの難事件に挑む。どんなときも、2人の推理は真っ向から対立、はたして正しいのはどちらか?息もつかせぬ展開、綿密なトリック、思いもよらない結末と、推理小説の神髄が味わえる7編を収録。
  • トウェイン完訳コレクション 〈サプリメント1〉ちょっと面白い話
    -
    ハバナのある博物館に行くと、クリストファー・コロンブスの頭蓋骨が二つある。「一つは彼の子どもの頃のもので、もう一つは大人になってからのもの」なのだそうだ――。文豪マーク・トウェインの本質とも言える、ユーモアと風刺に満ちた短編を、トウェイン翻訳の第一人者である大久保博が腕によりをかけて選りすぐり翻訳した傑作集! 大げさなホラ話やたわいのない馬鹿話、笑い話の裏に、ユーモアセンスでは並ぶ者がいないと言われた文豪の深い人間洞察が行き届いている。どの一編にも人間社会の鋭い警句が満ちた必読の書。 ※本作品は一九八〇年二月、旺文社より刊行された文庫「ちょっと面白い話」を改題し、加筆修正したものです。 カバー:アラン・オウドル(Alan Odle, 1888-1948)『1601』より
  • てのひらに愛を。
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    1年前のエイプリルフール。高2になったばかりの野中煌(こう)は、とつぜん天国へ旅立った――。 告白もできないまま儚く散った、初恋を忘れられない実加子。最愛の煌を失い、生きる気力をなくしてしまった元カノ・美亜子。兄の死以来、刹那的な恋愛を繰り返している弟の凰(おう)。 それぞれに喪失感を抱えていた新学期。何かに導かれるように、3人が出会ったことで……。愛する人を失った3人の、止まっていた時間がふたたび動きはじめる。
  • First Love ~君まで10センチ。~
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    幼い頃から仲良しだった萌、歩美、和也、大樹、楓の5人。同じ高校に通う5人は冗談を言い合ったり、時には喧嘩もしたり。以前から変わらない関係を築いていた。なのに、「お前が好き」――高2の春、大樹が萌に告白したことで幼なじみの関係が少しずつ変わりはじめる。ずっと大樹を好きだった歩美。歩美を想い続ける和也。和也に恋心を抱き始めていた萌。嫉妬から友情にも亀裂が入り、5人の関係はぎくしゃくしはじめ……。 “幼なじみ”の距離と、“好き”の気持ちにゆれ動く初恋青春ラブストーリー。
  • 悪女[上]
    -
    1~2巻803~825円 (税込)
    悪女と呼ばれた女は、悪帝と呼ばれる男と出逢った!! 大人気! 映画館の最新刊 高校3年生の弓は、同級生の渉と付き合っているが、彼には病弱な幼なじみの姫香が常に一緒にいた。弓は、渉と姫香の仲を裂く悪女と噂され、学校中から嫌われていた。ある日、クラスメイトが遊び半分で点けた火が弓の家を焼き、両親が亡くなってしまう。1人残された弓は、生きる場所を求めて新城組が支配する街へ――。そこに待っていたのは、弓の運命を握る、悪帝と呼ばれる男だった。
  • 蝕む女
    -
    接触不可。彼女は人を汚染する。 大学に通う城(きずき)あさぎの周囲には、常に熱い眼差しを向ける男子学生が絶えない。謎めいた言葉で彼らを翻弄するあさぎには、「彼女の周りではよく人が死ぬ」という噂がつきまとっていた。失恋で傷ついた希穂は奔放なあさぎに憧れ、やがて彼女の部屋に入り浸るようになる。 それが希穂を狂気の世界へと誘う入り口だとも知らずに――。
  • デッドマン
    値引きあり
    4.0
    1~3巻431~646円 (税込)
    身体の一部が切り取られた猟奇死体が次々と発見された。鏑木率いる特別捜査班が事件を追う中、死体から蘇ったという男からメールが届く。自分を殺した犯人を突き止めるために協力したいとあり…。
  • 新装版 細雪 上
    3.9
    1~3巻457~598円 (税込)
    旧家・蒔岡家の四人姉妹、鶴子・幸子・雪子・妙子。上流社会に暮らす一家の日々が描かれる。上巻では、奔放な四女・妙子の新聞沙汰、美しいが無口で未婚の三女・雪子の縁談を巡って物語が展開してゆく――。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • 怖の日常
    3.6
    1人暮らしの部屋で、深夜パソコンに向かっていると背後から聞こえる奇妙な音……その正体に震撼する「カタカタ」。朝起きるたび、数が増え深くなっていく引っかき傷に、じわじわと追いつめられていく「傷」。実在の事故物件をめぐる、不穏なシンクロニシティ。併せて読むと怖さが倍増の「残穢の震源から」「三つの問題物件」他、62話を収録。日常に潜む忌まわしさと恐怖を端正な筆致で炙り出す、正統派の怪談実話集。
  • 樫乃木美大の奇妙な住人 長原あざみ、最初の事件
    3.3
    1~2巻616~660円 (税込)
    長原あざみは樫乃木美術大学の1年生。立体造形科に所属の「ぼっち」だ。ある日、同級生の作品を変型させたと疑いをかけられたあざみは、不思議な雰囲気を持つ青年・梶谷七唯に救われるが……。 ※本書は第1回角川文庫キャラクター小説大賞《大賞》を受賞した作品を、改稿の上、改題し、文庫化したものが底本です。
  • ナーダという名の少女
    4.0
    カルナバル(カーニバル)の国、ブラジル。15歳のアリコは、不思議な少女ナーダと出会う。自由奔放に生きる彼女が、孤独なアリコの目には眩しかった。サンバのリズムと鮮やかな色彩で描かれる幻想的な物語。
  • 海底二万里 上
    4.3
    1866年、大西洋に謎の巨大生物が出現した。クジラよりもはるかに大きく、驚異的なスピードで移動する異形の怪物の存在は、世界中の人々を震撼させていた。その正体をつきとめるべく、パリ自然史博物館のアロナックス教授は、召使いのコンセイユとともにアメリカ海軍が誇る高速フリゲート艦に乗り込んだ。それは、世界の海を巡る、驚異と波乱に満ちた冒険の幕開けだった――胸躍る海洋冒険小説の傑作!
  • ここは神楽坂西洋館
    3.7
    1~2巻660円 (税込)
    都会の喧騒を忘れられる街、神楽坂。婚約者に裏切られた泉は、 路地裏にひっそりと佇む「神楽坂西洋館」を訪れる。 そこで植物を愛する若き管理人・藤江陽介と出会うが、 彼にはちょっと不思議な特技があって?
  • ONE 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子
    3.9
    比奈子の故郷・長野と東京都内で発見された複数の幼児の部分遺体は、神話等になぞらえて遺棄されていた。被虐待児童のカウンセリングを行う団体を探るなか深手を負った比奈子は、そのまま行方不明に。残された猟奇犯罪捜査班の面々は各地で起きた事件をつなぐ鍵を必死に捜す。そして比奈子への復讐心を燃やしている連続殺人鬼・都夜が自由の身となり向かった先は……。新しいタイプのヒロインが大活躍の警察小説、第6弾! 【電子版特別付録】次巻『BACK(バック)』プロローグ原稿
  • 無惨百物語 みちづれ
    4.2
    エレベーターを待っている背後に、毎日通り過ぎる路地の片隅に、長らく空いたままのアパートの隣室に……日常の風景に潜んだ怪異は、ある日突然姿を現し襲いかかる。読めばもう日常には戻れない、百の体験談
  • 優雅なる監禁
    3.3
    歯科医として働くクリスチャン、聖。 勤務先の医院長は、大学時代から仲の良い双子の兄弟……スマートで優しい慎一郎、大柄で明るい健一郎だ。 ある日、彼らのプロポーズを断った聖は、中庭の“音楽室”に監禁されてしまう。 双子は本性を現わし、陵辱はエスカレート。 身も心も壊された聖は、神に祈るのをやめ、ある復讐に踏みきる――「私、健ちゃんと慎ちゃん、どちらかと結婚したいわ」。 第二部からの怒濤の復讐劇に、ご用心。
  • 山の霊異記 幻惑の尾根
    3.9
    閉ざされた無人の山小屋で起きる怪異、使われていないリフトに乗っていたモノ、山道に落ちていた小さな赤い靴の不思議。登山者や山に関わる人々から訊き集めた、美しき自然とその影にある怪異を活写した恐怖譚。 ※本書は、二〇一三年五月に小社より刊行された単行本『山の霊異記 ヒュッテは夜嗤う』を改題し、文庫化したものが底本です。
  • 拝み屋怪談 禁忌を書く
    3.8
    最期まで優しい母として逝った依頼主、忌まわしき白無垢姿の花嫁、昵懇の間柄だったひと、心に怪物を抱えた女――。四人の女性の存在と彼女たちとの顛末を中心に、現役の拝み屋が体験・見聞した最新怪異譚を収録。決して触れてはいけない闇と、ときとして人の温情がもたらすあたたかな光。双方が生み出す不可思議な事象は、そのどちらも怪異が持ち得る姿である。生者と死者が灯した火が怪しく揺らめく、厳選の53編!
  • 恐怖の金曜日
    -
    金曜日の深夜、二週続けて若い女性の殺人事件が発生した。十津川警部指揮の下、各刑事は必死の捜査を開始する。そんな捜査本部へ、犯人からの殺人予告状が舞い込む。姿なき犯人の正体とは……長編サスペンス
  • 甘い復讐
    3.0
    病魔に怯え、欲望に耽溺する、優柔不断なある作家の姿を描く「余生」。セレブな人妻に元ホストがかけた黒い罠を描く「甘い復讐」――。『さらば雑司ヶ谷』『民宿雪国』で読書界に衝撃を与えた著者による猛毒短篇集!
  • シャーロック・ホームズの帰還
    4.3
    名探偵、華麗なる復活。大好評新訳シリーズ! 世界一の名探偵、シャーロック・ホームズが帰ってきた! ロンドン犯罪界を牛耳る宿敵・モリアーティとの格闘の末、滝壺に消えたホームズ。 「空き家の冒険」で再びワトスンの前に姿を現わし、完全復活を見せつける。 その他、華麗な暗号解読を披露する「躍る人形」、稀代の恐喝屋との対決の末にどんでん返しが待ち受ける「恐喝王ミルヴァートン」等、二人の活躍が光る13編を収録。どこから読んでも面白い、不朽のミステリを新訳で!
  • 水を抱く
    3.8
    初対面で彼女は、ぼくの頬をなめた。29歳の営業マン・伊藤俊也は、ネットで知り合った「ナギ」と会う。5歳年上のナギは、奔放で謎めいた女性だった。雑居ビルの非常階段で、秘密のクラブで、デパートのトイレで、過激な行為を共にするが、決して俊也と寝ようとはしない。だがある日、ナギと別れろと差出人不明の手紙が届き……。石田衣良史上もっとも危険でもっとも淫らな純愛小説。
  • 無事これ貴人
    3.2
    明らかに遺産目当てで見舞いに訪れた甥を、「金目のものは全部処分した」と告げて追い返した男は、目の前の病院の女性スタッフに、涙混じりで唐突に過去を語り出す。その男を検温するために病室に入ってきた看護師は、ピンチになると、どこからともなく現れては救ってくれる謎の男が、実は死んだはずの父なのではないかと疑っていた……。すべてはどこかで繋がっている、のか? 連鎖が連鎖を呼び、小さな日常の果てに、あり得ない光景が浮かび上がる。これぞ小説の醍醐味。だからフィクションは面白い。小説新潮2016年3月号掲載。
  • むかしの男
    -
    1巻220円 (税込)
    かつての恋人が海外赴任を終えて戻ってくる。社内の噂を聞いても自分には関係ないことだと雅子は思った。もう彼のことはなんとも思っていないから平気だと。 別れてから二年が経っている。その間、雅子には、なんとなくいい感じになった男も、ちゃんとお付き合いをした男だっていた。だから今さら戻って来ようが、どうということはないと思っていた。けれど、久しぶりに見る前カレはとても幸せそうで……。
  • 飯野文彦劇場 一人多い生徒
    -
    紆余曲折を経て、40歳で小学校の教員となった私。生徒数は8人と少ないが、可愛い子供ばかり。しかし、私はある日、生徒が一人増えている事に気づいた。しかも、その少年は私の記憶の中の懐かしくも切ない思いを呼び起こし…。子供の頃の純真で深い友情。それでいて大人になったら相手の存在すら忘れてしまっている残酷さ。それらが呼び起こすキュンと胸が締めつけられるような想いを、奇才・飯野文彦が見事に操り、私たちを不思議な世界へ誘う…。感動と切なさ、そして恐怖をともなう秀作です。
  • 飯野文彦劇場 地獄のランチタイム
    -
    1巻330円 (税込)
    私立探偵…とは名ばかりの何でも屋のおれは、一か月前にアルのママから「あたしのかわいい坊やを連れもどしてちょうだい」という依頼を受けた。東京砂漠を愛車でぶっ飛ばしながら、アルを探すおれだったが…。荒んだ近未来の東京で繰り広げられる、バイオレンス劇! 飯野文彦節全開の、エロ、暴力ありの和製スプラッタパンク!
  • 書物袋
    -
    本書には、短編集『阿慶(アー・キン)』に収められた、「書物袋」と「この世の果て」の2編を収めた。これらは「南海もの」と呼ばれるモームの一連の作品群にふくまれる。数回にわたる南海への旅行はモームに多様な人間と接する経験をさせ、文明社会ではなかなか期待できない赤裸々な人間の姿に接する体験を得させた。「ああした熱帯地方にあっては、人間はそれぞれの特異性癖を、他の土地にあっては想像できないほどの程度にまでたっぷり発展させる機会を与えられる」『阿慶』に添えた序文のなかで、モーム自身はこう説明している。
  • 悲しきカフェのうた
    -
    アメリカ南部のさびれた田舎町のカフェで起こるエピソード。カフェの女主人ミス・アメリアは、男のような力を持ちながら、ひどい斜視の持ち主だが、ふとしたきっかけから肉体的畸型児であるせむし男に愛情を抱く。だが、かつてつかのま夫にしたことのある無頼漢で前科者のマーヴィン・メイシーと肉弾相打つ決闘を試みて、あげくの果てには、愛するせむし男そのものに裏ぎられて敗北してゆく。象徴的なトーンは、今日の人間の心の孤独、現実の世界にとりつく島も容易に見出せぬ人間の悲しい状況である。
  • あとかた
    3.9
    1巻539円 (税込)
    実体がないような男との、演技めいた快楽。結婚を控え“変化”を恐れる私に、男が遺したもの(「ほむら」)。傷だらけの女友達が僕の家に住みついた。僕は他の男とは違う。彼女とは絶対に体の関係は持たない(「うろこ」)。死んだ男を近くに感じる。彼はどれほどの孤独に蝕(むしば)まれていたのだろう。そして、わたしは(「ねいろ」)。昏(くら)い影の欠片が温かな光を放つ、島清恋愛文学賞受賞の恋愛連作短編集。
  • 三毛猫ホームズの怪談 新装版
    4.3
    片山義太郎が、夜行列車で出逢った女性は白猫の化身!? 晴美との結婚を当て込んで、石津が引っ越した郊外の団地。その近所に、開発から取り残されたような村があり、〈猫屋敷〉と呼ばれる地主の家で惨劇が起こった。飼われていた11匹の猫たちとともに、女主人が殺された。その後、次々起こる殺人は、殺された猫たちの怨念なのか!? スリリングなミステリー。
  • 君が香り、君が聴こえる
    -
    事故で両目の視力を失った蒼。角膜移植さえすれば、見えるようになる――そう思うと、むしろ何事もやる気になれない。二年が経ち、高校もやめ、漠然とした不安のなかにいる蒼に声をかけてきたのは、友希という女子大生だった。ふたりは惹かれあい、恋人になる。直後、蒼は移植手術を受けることに。だがそれは友希との別れを意味していた…。せつなく香る、恋の物語。
  • 美しい心臓
    4.0
    DVに憑かれた冷酷な夫から逃げ出したわたしが、職場で偶然知り合った既婚者の彼。その導きで始まった密会のたわむれは、わたしを絶望の淵から救った。甘い官能に溺れるふたつの魂は、秘密の部屋を抜け、やがて緑滴る中米の地を目指す。生命が躍動する新世界で、わたしが望んだのは、しかし、欲して止まない彼の死だった。悪魔的に美しく、愛と見まごうほどに純粋な感情の行方。
  • 鈍色(にびいろ)の家
    3.5
    多香子は、届いた手紙を手にして息を呑んだ。それは、母の親友・郁子が、死の直前に出したものだった。そこには恐るべき告白が! 10年も介護した認知症の義母を、自らが手にかけていたというのだ。片時も目を離せない我が儘な義母。何も手を貸さない冷淡な夫とその姉妹たち……。牢獄のような家の中で、何が起こっていたのか!? 女性心理を深く抉る傑作ミステリー。
  • 拝啓、十年後の君へ。
    4.4
    十年前に埋めたタイムカプセル。忘れていたのは、離ればなれになるなんて想像もしていなかった時に交わした将来の約束。そして一つの後悔。今更思い出しても取り戻しのつかない、幼い頃の恋心。嫌いじゃないけどドキドキしない、そんな曖昧な恋愛関係に悩む千尋。部活から逃げ出した元サッカー少年の冬弥。定時制高校に通う不良少年の優。慣れないギャル生活で息苦しい美夏。家から出たくない引きこもりの時子。そして小学校の頃に喧嘩別れした少女を、今も想い続けている耀。十年前に記した「今の自分」への手紙が、彼らの運命を少しずつ変えていく。
  • はぴまり ~Happy Marriage!?~
    -
    大人気コミックスノベライズ!  ベストセラーの大人気ウエディングストーリー『はぴまり』(原作・円城寺マキ 全10巻)。主演・ディーン・フジオカ、ヒロイン・清野菜名によるドラマも決定、今一番ホットな作品がノベライズで登場。  OL・小鳥遊千和と間宮商事社長・間宮北斗は、利害関係の一致から形だけの夫婦として入籍、一緒に暮らすことに。最初は反発しあっていた二人だったが、お互いの良さを少しずつ知るうちに、惹かれあうようになる。 張り巡らされた間宮家の謎や闇、北斗の野望、引き裂かれる二人・・・・・・波乱の展開に、読み始めたら止まらない面白さ!千和と北斗は、はたして本物の夫婦になれるのか?感動のラストは必読!
  • ルドルフとイッパイアッテナ
    4.7
    ひょんなことから東京にやってきてしまった小さな黒ねこルドルフの成長を描く不朽の名作児童文学。1987年の刊行以来、累計100万部のロングセラーとなり、子どもたちに愛されてきました。2016年8月には、超大型フル3DCGアニメーション映画としして公開も決定。その深い人生哲学とユーモアは、大人が読んでも十分に楽しめます。「なつかしい!」という人も、再読してみると、新しい発見があるかもしれません。
  • 蒼い乳房
    3.0
    身体は日ごとに成熟してゆく。胸も豊かに色づいてきた。だが、彼女は外の世界をまだ恐れていた。ロシアの血をひくその容貌が、好奇の視線を集めてしまうから。薫、あなたは恋を知らぬ少女だった。『海猫』を甦らせた表題作をはじめ、現在まで描いてきた短編より選びぬいた、オリジナル作品集。純粋さ、喪失感、静謐な喜び、癒えぬ哀しみ……。恋愛にはきっと、人生の全てがある。
  • 秘密の花園1 ふきげんな女の子
    4.7
    イギリス植民地時代のインド。乳母と使用人まかせで育ったメアリは、気むずかしい少女でした。ある日、両親が病で亡くなり、メアリは、英国・ヨークシャーに住む伯父に引き取られることになりました。伯父の屋敷には、もう長いこと、だれも入っていない庭園があるらしい……。メアリは、その庭園が気になり、入り口を探します。そしてついにある日、その庭園の鍵と、入り口を見つけ、中に入ったのです!
  • 看守眼
    3.8
    刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。
  • ルドルフともだちひとりだち
    5.0
    小さな黒ねこルドルフの成長を描く不朽の名作児童文学シリーズの第2巻。30年近くにわたって、累計100万部のロングセラーとなり、子どもたちに愛されてきました。2016年8月には、超大型フル3DCGアニメーション映画としして公開も決定。その深い人生哲学とユーモアは、大人が読んでも十分に楽しめるものです。「なつかしい!」という人も、再読してみると新しい発見があるかもしれません。
  • 我慢ならない女
    3.6
    あらゆることを犠牲にし、小説を書くことに全身全霊を傾ける作家・樺山ひろ江。秘書として支え続ける姪の明子だったが、気難しい性格のひろ江は、編集者たちに煙たがられる存在だ。6年前に出したデビュー作のドラマ化をきっかけに、状況は一変。作品は売れ、執筆依頼も殺到するのだが……。浮き沈みの中、絆を深めてゆく二人の女性の人生を濃密に描く傑作長編。
  • 奇譚カレンダー
    -
    1巻660円 (税込)
    元々人が暦を作ったのは、種を撒くのに都合がいい日、収穫するのにちょうどいい日……など、農作に便利なようにとの目的があった。 それが今では、次々と記念日を作っては商戦を繰り広げている。 不思議な事に、人が作った暦や記念日には、それに沿った出来事が生まれるもので。 これはただのでたらめ? それともどこかで起こった事? カレンダーの間にひっそりと潜む物語をあなたに。
  • 社交意識
    -
    本書はモームの手になる短編集Cosmopolitansの中から23編を収録している。他の6編は弊社刊行のモーム短編集「誘惑」に収めてある。この短編集はモームがアメリカの雑誌の「コスモポリタン」に依頼され、雑誌の見開きで完結する物語をシリーズとして書いたもの。「ここに集められた話をいちどに全部読むとすれば、たいへん退屈するかも知れないが、ほかに何かもっとましなすることがないようなとき、折りにふれて、手にしてみてほしい」ここには作者の矜持がみてとれる。
  • 京の川
    4.0
    1巻671円 (税込)
    「人間は、みんな大きな苦労の石を大切に抱いて生きてるんや……」京都の花街に生きる芸妓静香は、庭師だった義父が生前よくつぶやいていた言葉をじっと噛みしめる……。暗い出生の秘密を胸に秘め、複雑な人間関係の絆に縛られながらも、ひたすらに女の道を歩もうとする静香の哀歓の人生を、美しい古都の風物の中に鮮やかに描いて、哀切な感動を呼ぶ長編小説。
  • 霧と影
    -
    1巻671円 (税込)
    東京掘留の洋服問屋社長石田寅造の謎の失踪。そして、遠く離れた福井県若狭海岸での、小学校教員笠井早男の断崖からの転落死。一見脈絡のありそうもないこの二つの事件が、旧友の死に疑問をいだく新聞記者小宮と警察の手で、ひとつに結びつけられたとき……。風光絶佳の秘境・若狭猿谷郷の怪奇に、宿命に呪われた人間たちの呻きと業の深さを浮彫りにする、戦慄のサスペンス長編。
  • 情事
    3.2
    若い女性と燃えあがるような情交を愉しむ。妻の体の奥底まで追求する。男は会社を退き、都市と故郷を往復する気ままな暮しをおくっていた。或る日、河内亜紀と出会う。どこか謎めく女。その躯に惹かれ、逢瀬を重ねた。自宅には、ビジネスの世界で活躍する妻・治子が待つ。彼女も、夫に応じ、開かれてゆく。田園と都会、愛人と妻の間を揺れ動く日々。そして、一片の疑惑。渾身の長編小説。
  • 下宿屋シェフのふるさとごはん
    3.5
    小洒落たフレンチレストランで働く若手シェフ・龍之介は、祖母が営んでいた大阪の下宿屋「ひばり荘」で大家をすることになる。なぜ俺が……と愚痴を言いながらも、本場フランスで磨いた自慢の腕を存分にふるって下宿の大学生相手に豪華な食事を提供するが、「よくわからん」「食べた気がしない」と散々な評価を下される。プライドを傷つけられた龍之介は、なんとか彼らに「うまい!」と言わせようと、ひとり頭を悩ませるのだが――。家庭でも簡単に作れる美味なる「ふるさとごはん」(レシピ付)を堪能してください!
  • 神さまは五線譜の隙間に
    4.1
    念願かなって町の小さな調律事務所に就職が決まった幹太は、業界内で「エスピー調律師」と揶揄される時子の助手として働くことに。シンプルな黒スーツに鋭い目つき、無愛想な態度――時子の醸し出すエスピーのような雰囲気に最初は尻込んでいた幹太だが、彼女の天才的な手腕と真摯な仕事ぶりに尊敬の念を抱き始める。依頼人たちが望むさまざまな「音」を作り上げるために奮闘し、ときにピアノと音に隠された謎を解き明かしてゆく時子たち。そして調律が終わり、ピアノに神さまがおりた瞬間、それぞれの依頼人の心に小さな奇跡が訪れる――。
  • 胡蝶殺し
    3.9
    歌舞伎子役と親同士を巡る、心理サスペンス。 市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉を俊介にやらせることに。そこから、秋司とその母親・由香利と、萩太郎の関係がこじれていく。そしてさらなる悲劇が……。サクリファイスシリーズから、ビストロ・パ・マルシリーズまで、幅広いジャンルで傑作ミステリーを発表しつづける著者が、長年あたためてきた作品がいよいよ文庫に。歌舞伎に詳しくなくても存分にスリルと感動を味わえる。
  • ゆうじょこう
    3.9
    貧しさゆえ熊本の廓に売られた海女の娘イチ。廓の学校〈女紅場(じょこうば)〉で読み書きを学び、娼妓として鍛錬を積むうち、女たちの悲哀を目の当たりにする。妊娠する者、逃亡する者、刃傷沙汰で命を落とす者や親のさらなる借金のため転売される者もいた。しかし、明治の改革の風を受け、ついに彼女たちはストライキを決意する――過酷な運命を逞しく生きぬく遊女を描いた、読売文学賞受賞作。
  • 無垢の領域
    3.8
    道東釧路で図書館長を務める林原を頼りに、25歳の妹純香が移住してきた。生活能力に欠ける彼女は、書道の天才だった。野心的な書道家秋津は、養護教諭の妻伶子に家計と母の介護を依存していた。彼は純香の才能に惚れ込み、書道教室の助手に雇う。その縁で林原と伶子の関係が深まり……無垢な存在が男と女の欲望と嫉妬を炙り出し、驚きの結末へと向かう。濃密な長編心理サスペンス。
  • 黒い暴動
    -
    アラサーになった元ギャルへ応援歌!小説版。 東京でスタイリストのアシスタントとして働くアラサーの元ガングロギャル、美羽は、うだつの上がらない日々を過ごしていた。そんなある晩、高校時代の友達あおいが訪れたことで、砂浜に埋めた埋蔵金の入ったタイムカプセルを掘り起こすため、故郷・石川県の内灘に帰郷する。12年ぶりの地元の町、よみがえるガングロだった頃の思い出たち。クソみたいな高校生活の中で見つけたガングロギャルになるという新しい自分。キラキラなメイクやコスチューム。忘れられないギャル仲間たち。そして、みんなでパラパラを踊るために命賭けた日々……。両親、友人、恩人、故郷・内灘町の温かさに触れ、思いの丈をすべて吐き出し、エネルギーを蓄えた美羽は、また毎日闘い続けることを決心する――。「ギャルとは、あの時代、世界中で日本だけに発生したロックンロールだ!」という映画監督・宇賀那健一が、主演・馬場ふみかで撮った、この夏、話題の元ギャルたちへのキラキラ応援歌ムービー。その完全小説化版、登場! ※この作品は一部カラー画像が含まれます。
  • 君は戦友だから
    5.0
    海外の仕事で華々しい成果を挙げた流葉爽太郎。彼の功績に目をつけた警察庁は、危険ドラッグ撲滅キャンペーンのためのCF制作を依頼。はじめは乗り気でなかったが、タッグを組むこととなる美しき警視・圭子の過去を知り、引きうけることを決意する。ふたりは心に傷を抱える者同士だったのだ。その制作のさなか、迫り来る危険! 時にクールに、時に熱く、流葉は戦う!
  • 遺産 THE LEGACY 上
    3.5
    1~2巻715~759円 (税込)
    水中考古学者VS.トレジャーハンター。  興田真佐人には、熱い船乗りの血が流れている。祖先である興田正五郎はおよそ400年前、メキシコのアカプルコとフィリピンのマニラを結ぶスペインのガレオン船「アンヘル・デ・アレグリア」の筆頭航海士として、太平洋の大海原で活躍していた。1620年8月7日、アカプルコに向かう二度目の航海中に「アンヘル・デ・アレグリア」は遭難し、正五郎は船と運命をともにしたという。水中考古学を専攻する真佐人は、太平洋のど真ん中に沈んだままの「アンヘル・デ・アレグリア」を引き揚げることに、人生を賭けていた。スペインを代表するリゾートビジネスグループのオーナー、アントニオ・バルデスをスポンサーに、恩師の田野倉賢治教授、同僚の片岡亞希らとチームを組み、沈船引き揚げプロジェクトが始まった。
  • 屋根裏の散歩者~江戸川乱歩全集第1巻~
    4.1
    1~30巻715~1,100円 (税込)
    何をやって見ても、一向この世が面白くない。そんな男が発見した最後の楽しみ。それは屋根裏を歩きまわり、他人に見せない醜態をのぞき見ることだった。淫靡な快楽の虜となった男が、ついには完全犯罪を目論むが!? 表題作の他、「二銭銅貨」「D坂の殺人事件」「人間椅子」など最初期の傑作群を収録。【この電子版は、註釈と「私と乱歩」を割愛しています】
  • 白い修道院の殺人
    -
    ディクスン・カーの、ヘンリー・メリヴェール卿を探偵役とするシリーズ第三作。この作品も一種の「密室の殺人」を扱っているのだが、本書に取り上げられた「密室」はちょっと毛色が変わっている。一面に雪の降り積もった銀世界、そこにぽつんと立てられている「白い修道院」という名の離れ家で殺人は起こる。だが、犯人の足跡は全くない。あるのは死体を発見した者の足跡だけ。この人物は犯人ではあり得ないのだ。大自然が構成した密室の謎を、H・Mはいかにして解決するのか? 江戸川乱歩が密室を越えた不可能興味と絶賛した作品。
  • 我が屍を乗り越えよ
    -
    ネロ・ウルフのもとを訪れたひとりの女性が、ネヤという同性の友人にダイヤモンド窃盗の嫌疑がかかっており助けて欲しいと嘆願する。二人はモンテネグロからの移民で、教習所でフェンシングの教師をしているという。モンテネグロと聞いただけでなぜかウルフは尻込みしたが、再度訪れた女性はネヤがウルフの養女であると明かし、その証拠を持参する。重い腰をあげてウルフはアーチーを教習所にやるが、生徒のひとりがフェンシングの剣で刺殺される新たな事件が起こる。やがて次第に判明してくる国際的陰謀……ウルフが自らの前半生を語る異色作。
  • メガバンク最終決戦
    3.9
    日本最大のメガバンクであるTEFG銀行。ディーラーとして名を馳せた桂光義は専務の地位にいた。ある日、盤石なはずの銀行は国債暴落を機に巨大負債を抱え、一夜にして機能不全に。暴落した株に群がるハイエナの如き外資ファンドや混乱に乗じて巨利を貪ろうと暗躍する政財官の大物たち――。桂は総務部の二瓶正平と共に生き残りを懸けた死闘に挑む。『メガバンク絶滅戦争』改題。
  • 太平洋の薔薇 上
    4.0
    カリブの海賊も慄くスペクタクル冒険小説!  柚木静一郎は、四十年近い船員生活の掉尾を飾る航海に出ていた。船長として乗り込んだのは、船齢二十四年の不定期貨物船パシフィック・ローズ。パシフィックローズは生ゴム一万二千トンを積んでスマトラ島中部のドゥマイ港を離岸した。目的地は横浜。そこが柚木の船乗りとして最後の寄港地となる。パシフィックローズは、娘の夏美を初めて乗せた船でもあった。  パシフィックローズはマラッカ・シンガポール海峡を航海中、ビンタン島沖合で船火事に遭遇する。要請を受けて救難に向かった柚木たちを待っていたのは、手痛い裏切りだった。パシフィックローズは、アララトと名乗る男が率いる集団にハイジャックされてしまう。船を乗っ取ったアララトは、北へ向かうよう指示する。彼らの目的は、積荷は身代金ではなかった。パシフィックローズは、世界規模のテロに巻き込まれようとしていた。  太平洋、ロシア、アメリカ、アルメニア……世界中を舞台に究極の生物兵器をめぐる攻防戦が始まる!
  • 夏の果て
    3.0
    NHKBSドラマ化原作遂に文庫化(電子化)! 広告界のトップクリエイターが、父と子の30年に渡る相克を描いたあまりにも鮮烈な自伝的小説。 NHKBSプレミアムで2015年にオンエアされ、大きな話題となったドラマ『私は父が嫌いです』原作小説の文庫版が遂に電子化! 広告業界に身を置く僕は、東京オリンピックに沸く池袋に育った。事業に成功していたはずの父親は、19歳のとき5億円の負債を残し失踪してしまう。苦学しながら大学を卒業し、バブルまっただ中の大手広告代理店に入社し、百鬼夜行の業界を生き抜いていく僕。仕事は成功し賞も多数獲得する。しかしその裏に暗くまとわりつくのが父親の影だった……。失踪から30年後、父親と同い年になった僕は父親の行方を捜すことにした……。 父親の影にに翻弄される主人公の人生を縦軸に、生々しCM制作現場での戦いを横軸に描いた本格長編小説。
  • 裂けて海峡
    3.3
    海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。遭難の原因は不明。遺族を弔問するため旅に出た長尾の視界に、男たちの影がちらつき始める。やがて彼は愛する女と共にある陰謀に飲み込まれてゆくのだった。歳月を費やしようやく向かいあえた男女を、圧し潰そうとする“国家”。運命の夜、閃光が海を裂き、人びとの横顔をくっきりと照らし出す。
  • 特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~
    3.3
    被疑者に甘い奴が、特殊班では切り札になる。 東京都葛飾区在住の有村礼次郎という一人暮らしの資産家老人が失踪した。捜査すべき“特異家出人”であるかを探ることになった警視庁捜査一課特殊犯の堂園晶彦は、老人と唯一交流があったという少女・加藤奈々美から、老人と電話で話した際「変な音」を耳にしたことを知る。有村邸の玄関からは血痕が検出され、預金通帳や証書、有価証券、不動産の登記書、時価二億と推定される根付のコレクションが消えた。目撃証言により、彼を拉致したのは鹿児島の元指定暴力団員・中俣勇夫であることが判明。中俣の消息を追い鹿児島に飛んだ堂園は、自身の祖父と有村老人が県立鹿児島第一中学校で同級生だったことを知る。二人は高等学校の替え玉受験が発覚したことを機に、故郷・鹿児島を追われていた。県警の刑事・大迫らとともに中俣の潜伏先を特定した堂園は突入をはかるが、その直前、錯乱に陥った中俣が相棒に射殺されてしまう。しかし、拉致されたはずの有村老人は、その場に居合わせていなかった。有村の拉致には、彼と堂園の祖父の過去が大きく関わっていた……。
  • 社運
    -
    二転三転する日米企業の合弁交渉の行方は!  マツイ・エクセレンスの斎藤潤は、同じ健康食品企業であるアメリカのリッチベイ社と合弁企業を設立するための交渉責任者として、シンシナティ・シティに向かった。斎藤は社長の中野の腹心の部下であり、一方、リッチベイの交渉窓口となったロバートも、副社長のキースに絶対の忠誠を誓う男だった。  マツイ・エクセレンスは、中野と副社長向山の派閥争いがあり、ライバル企業のサンセット・トレードが業界第三位開健堂に続き、アメリカ企業のランパートと合併したことで、業界のトップシェアを奪われていた。  合弁事業の予定会社、株式会社アールエムの準備事務所ができ、当初は順調に交渉が進んでいた。   突如、リッチベイ社に対等合併の話が出てきた。合併賛成派は、リッチベイ社の社長・副社長側で、反対側が会長とキースの側だった。そればかりか、リッチベイ社が重大な問題を隠蔽していることが明らかになってくる。  中野の意を受け、証拠をもとにロバートを追い込むことになった斎藤。行き詰まる交渉の結果は!
  • ドゥルシネーアの休日
    4.4
    過去の事件を模倣した連続殺人の犯人を追う捜査一課の雪見喜代志。ミッション系の全寮制女子校で日々贖罪のために祈る山村朝里。厄介な事件に孤独に挑む不屈の男、藍川慎司。そして、交わるはずのなかった彼らを結ぶ名探偵の存在が過去の事件を模倣した連続殺人の犯人を追う捜査一課の雪見喜代志。至る所に浮かび上がる。ミステリ、学園、アクション、サスペンス……。無数のジャンルがひしめく気鋭のミステリ名手による快心作!
  • 背いて故郷
    3.3
    第六協洋丸、仮想敵国の領海に接近するためのスパイ船。柏木はその仕事を好まず、親友・成瀬に船長の座を譲った。だが成瀬は当直中に殺されてしまう。撮影済みのフィルムを奪われて。禁忌に触れてしまったとでもいうのか? 柏木は北の大地を餓狼の如き切実さで駆けめぐった。ただ真相に迫りたかったのだ。彼の前に立ちはだかるのは〈国家〉、そして――。日本推理作家協会賞受賞作。
  • オリエント急行とパンドラの匣 名探偵夢水清志郎&怪盗クイーンの華麗なる大冒険
    4.3
    ヨーロッパを横断する、オリエント急行。それは、赤い夢をあざやかに彩る、かずかずの大事件の舞台となってきた。そして、いままた、古より伝わるパンドラの匣をめぐって、新たな事件が……。偶然か、はたまた運命か、乗車するのは名探偵夢水清志郎、そしてきっとどこかに怪盗クイーン。古都イスタンブールから花の都パリへと向けて、オリエント急行がいままさに発車する――!!

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