作品一覧

  • 公器の幻影
    -
    1巻715円 (税込)
    現役の財務省官僚作家が描くメディアの裏側。 地方紙から中央紙「東西新聞」に移った鹿島謙吾には野心があり、いつの日か自分が書いた記事で政治家の「首」を取ることを、新聞記者としての目標としていた。中国の西安で死刑囚の臓器が金銭絡みで日本人患者に移植されているという事実を鹿島は突き止め記事にするが、中国政府は強く反発し、日本国内でも臓器提供の要件緩和を目指す法案が動き出す。臓器移植法案を政争の具として蠢く政治家たち。鹿島はさらに脳死判定におけるデータ改竄と政治家たちの違法献金を追うが、それを公にすることは移植手術を待つ患者たちの希望を打ち砕くことにもなってしまう。正義か、信条か、功名心か、揺れ動く鹿島の決断は……。 著者は「スコールの夜」で第5回日経小説大賞を受賞して話題を集めた現役財務省キャリア官僚・芦崎笙氏。受賞作では大手都市銀行初の女性管理職に抜擢されたヒロインの苦闘を描き金融界の深層に迫ったが、本作で選んだテーマは政治をも動かす巨大メディアでの新聞。政治家の「首」を狙う野心溢れる新聞記者の生き方を通して、公器(マスコミ)とは何かを問いかける。
  • スコールの夜
    3.6
    1巻1,650円 (税込)
    第5回日経小説大賞受賞作。日本のエリート社会の典型であるメガバンク。女性総合職第一期生が、本店初の女性管理職に抜擢された。この「出世」が意味するところは? 日本のエリート社会で男性と対等に闘っていけるのか――。「女性の時代」の闇に斬り込んだ、まったく新しい経済小説。

ユーザーレビュー

  • スコールの夜

    Posted by ブクログ

    平成元年に大学卒業で、女性総合職の先駆け。
    主人公ほどの才媛ではないが、重なる部分も多く、彼女の迷いや葛藤にはとても共感ができた。
    カンボジアではなくても、スコールの中で泣き叫んで、いろんなものを洗い流したいと思うような思いを感じながら生きてきた女性たち(もしかしたら男性も?)は結構多いのではないかしら?

    0
    2018年10月12日
  • スコールの夜

    Posted by ブクログ

    財務官僚による経済小説。メガバンクが舞台で、女性総合職の第一期生が主人公。管理職になり、汚れ役を任されたり、派閥抗争に巻き込まれたりする。組織の中で起こるいろいろな葛藤や女性としての感情などが、こまやかに表現されている。海外での活動の裏話なども面白い。スコールのシーンは印象的だった。

    0
    2018年08月18日
  • スコールの夜

    Posted by ブクログ

    日経小説大賞受賞作。著者は現役財務省キャリア。
    銀行で女性総合職として努力を積み重ねてきた主人公の内面を描く。
    銀行のリストラ人事という、極々小さい舞台での人間模様が描かれているが、最後に地雷撤去の話をもとに大きく展開していく。実際に地雷原に行って取材したであろう著者に敬意。

    0
    2014年05月16日
  • スコールの夜

    Posted by ブクログ

    今の私にはピッタリの本であり、よく考えられて作られた作品です。
    最初は自分が属する世界とは違う金融業界で、女性差別があからさまにあるという設定に、私とは違うか?と思いました。
    でも読み進めるうちに、女性がまじめすぎて組織の本当のルールにしたがえないという課題を見出し、これはまさに私が日々直面していた課題だなと気づきました。
    また出世をしていくことは、自分だけの希望を満たすものでも、自己実現だけのものでもなく、一つの役割として自分が望まない道にも出なくてはならないということ、これでいいんだろうかと悩むものであることが非常にうまく書かれています。
    男性はどうやって乗り越えていくんでしょうか。結局同

    0
    2014年03月23日
  • スコールの夜

    Posted by ブクログ

    環に感情移入し過ぎて、胸が痛くて頭が痛くなった。笑
    働くことに正解はないから苦しいけれど、それは一人ひとりが見つけるしかないんだよなぁ。

    0
    2015年09月06日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!