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Posted by ブクログ
今の私にはピッタリの本であり、よく考えられて作られた作品です。
最初は自分が属する世界とは違う金融業界で、女性差別があからさまにあるという設定に、私とは違うか?と思いました。
でも読み進めるうちに、女性がまじめすぎて組織の本当のルールにしたがえないという課題を見出し、これはまさに私が日々直面していた課題だなと気づきました。
また出世をしていくことは、自分だけの希望を満たすものでも、自己実現だけのものでもなく、一つの役割として自分が望まない道にも出なくてはならないということ、これでいいんだろうかと悩むものであることが非常にうまく書かれています。
男性はどうやって乗り越えていくんでしょうか。結局同じなのでは?ただ社会から女性のくせにと言われないだけでは?と思いました。
また、最後のカンボジアでの話。作者の意図がよくわかりました。
何一つ割り切れるものはないこと、仕事だけに閉じこもっていてはわからない世界は世の中にたくさんあること、主人公が視野を広めるのに役立ちました。
私は、幸運にも子育てにより、キャリアだけを追求することができない身分であり、そのことが仕事上の迷いを吹き飛ばしていることに改めて気づきました。
この小説はすべての働く男女、上を目指す男女に共感できる秀作です。
Posted by ブクログ
日経小説大賞を受賞した現役財務官僚の事実上のデビュー作。都市銀行の女性総合職一期生で本店管理職に抜擢された主人公が、子会社の解体という汚れ仕事に取り組むなかで苦悩する姿が描かれている。人物描写が巧みで、話のスジとしても読みやすかった。
人員整理などの汚れ仕事の辛さ、幹部の政治的思惑に仕事が左右される理不尽さが印象に残った。自分はまだそういう仕事に携わったことはないが、もしやらなくてはならない事態になったときに、本書の主人公たち以上にうまく立ち回れるかというと自信がない。しかし、組織で出世するには、そういう汚れ仕事をうまくこなす能力も必要なんだなということは感じた。
部下の斎田と、友人としては魅力があるが、会社員としての能力には欠けて、人員整理の対象になる社員とのエピソードも心に沁みるものがあった。
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