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たましひの薄衣
満を持して刊行される、菅原百合絵待望の第一歌集。 ほぐれつつ咲く水中花――ゆつくりと死をひらきゆく水の手の見ゆ 人間が荒れ狂う今世紀にこのような美しい歌集が生まれたことをことほぎたい。(水原紫苑) 静謐で深い歌の探求が続けられていたことに胸を打たれる。(野崎歓) 【収録歌より】 ネロ帝の若き晩年を思ふとき孤独とは火の燃えつくす芯 たましひのまとふ薄衣(うすぎぬ)ほの白し天を舞ふときはつかたなびく 水差し(カラフ)より水注(つ)ぐ刹那なだれゆくたましひたちの歓びを見き 一生は長き風葬 夕光(ゆふかげ)を曳きてあかるき樹下帰りきぬ 【目次】 Ⅰ Figures sans figure 声の静寂 L,amante à venir シレーヌの歎息 渡河 水際の窓 想念の湖 Ⅱ Sérénité 記憶の舫 水差し 光を漁る 静かの海 レテ河の舟 Ⅲ 禱るひと 存在の黄昏 Clair de lune Ⅳ 静物画の日々 風の痕跡 夜の沈思 Partir, c,est mourir un peu 青海波 À chacun sa solitude マキャヴェリの孤独 昼のテラス 不在の在 オルフェウスの弦 ナイト・プール 花咲く乙女たち 禁色 あとがき 【著者】 菅原百合絵 1990年生まれ。東京出身。「東京大学本郷短歌会」「パリ短歌クラブ」元会員(現在いずれも解散)。「心の花」会員。パリ・シテ大学(旧パリ第七大学)博士課程修了。専門は18世紀フランス文学。 -
たまたま、この世界に生まれて
運命、この文学的なるもの 「運命とは、あえて大きくいうならば、人間の弱さと創造性に基づいた、本質的に文学的な観念なのだ」(本書より)──『存在の耐えられない軽さ』などの小説作品で知られ、長年ノーベル文学賞の有力候補に名を連ねながら惜しくも世を去った作家ミラン・クンデラ(1929–2023)。東と西、政治と文学、歴史と現在、偶然と必然のあいだを揺れ動く人間の運命を見つめ続けた作家の仕事を読み解く本格評論。第4回東京大学而立賞を受賞した博士論文を大幅改稿。 【目次】 序論 運命の星座 第1章 歴史の終わり、運命の終わり――『冗談』におけるメランコリー 第2章 成熟と小説――『生は彼方に』における自己批判 第3章 運命の皮肉、歴史の怪物――『ジャックとその主人』におけるアイロニー 第4章 世界と亡命――『笑いと忘却の書』における語りの視差 第5章 運命の様相――『存在の耐えられない軽さ』における偶然性 第6章 身振りと根拠――『不滅』における悲劇の散文化 第7章 「軽さ」を祝う――『無意味の祝祭』における反出生主義との対峙 結論 スターリンと天使 あとがき 参考文献 索引 【著者】 須藤輝彦(すどう・てるひこ) 1988年生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。ミラン・クンデラを中心として、チェコと中央ヨーロッパおよび啓蒙期の文学・思想を研究している。学部時代はヴェネツィアに、修士時代はプラハに、博士時代はパリに留学。学術論文のほか、一般読者向けの読み物として、ルポルタージュ「燃えるノートルダム」(集英社新書プラス)、「あいまいなチェコの小説家」(webゲンロン)、「批評の復習」(『文学+』WEB版)など。訳書に、モラヴィア美術館編『美術館って、おもしろい!』、アンナ・ツィマ『シブヤで目覚めて』(いずれも河出書房新社、阿部賢一との共訳)。 -
多摩の台病院ものがたり
ちょっとおかしな医者たちの、まっすぐな挑戦! ベッド数300床、地域密着型の病院として発展してきた“多摩の台病院”。 東城医大から鬼角医師が派遣された直後、外来で事件は起きます。 「瞬間湯沸器」の異名を取る鬼角医師が、多摩の台病院を舞台に、ところ狭しと暴れまくり、これに風穴徹、医者本武蔵、催湖京造といった、ひと癖もふた癖もある医者たちが加わって……。 ブラックボックス化した医療の裏舞台がチラッと覗ける、抱腹絶倒の病院エンターテインメント、第一弾の登場! 巻末付録として、キャラクター設定資料集もついています。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。 -
タマの猫又相談所
──うちの理生ときたら、高校生になったというのに、泣き虫で弱虫でこまったもんだ。やれやれ、おれがなんとかしてやるか──。 流されるままに花道部に入部し、因縁ののライバル茶道部との激しい部室争奪戦に巻き込まれてしまった理生を、じつは妖怪・猫又の飼い猫タマが陰から賢くサポート。 -
玉箒
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ ◆ふらんす堂叢書 俳句シリーズ1 身に入みて未来を拓く覚悟かな 忙しさ等を口実に延び延びになっていたところが、考えてみれば平成二十五年十月二十七日に俳誌「ホトトギス」主宰に就任してから初めての句集ということになり、その点ではひとつの節目ではないかと思う。 (あとがきより) ◆自選十句 初鴉孤高飼犬孤独かな 初暦捲れば心竹の叫び 指揮棒の先より生るる音ぬくし 鎌倉の風に触れたるより虚子忌 八方に清水放ちて富士の黙 黒く来て青く去りゆく揚羽蝶 戦艦の生れしドック小鳥来る 四十六サンチ砲不知火に吼ゆ 松葉蟹因幡の風に糶られゆく 雪女ワインに溶けてゆきにけり -
玉袋筋太郎の#昭和あるある
「集合はビニ本の販売機の前で」…もし昭和が続いていたら、昭和100年になる、2025年にあの頃は良かったなと思わせる昭和のあるあるを…週刊大衆で連載中の『昭和あるある』をベースに、過去に連載していた『玉袋筋太郎の国語・算数・理科・スナック[ルビ:しゃかい]』『町中華は大瓶だよな』からも数エピソードを抽出。玉袋筋太郎が世に残してきた、昭和の風情をまとめたエッセイ作品。昭和のプロ野球、プロレスから、ゲーセン、文房具に至るまで、玉袋自身が少年時代を過ごした昭和の記録には味わいがある。なにかとしがらみの多い令和時代をいきる昭和オヤジたちにも、昭和を知らない世代にも、法やルールでなく、道徳にあふれていた時代を伝える一冊である。 -
玉響荘のユーウツ
売上金を持ち逃げされたため、メイド喫茶を潰してしまった志郎は、「四日後の正午までに五百万円を返さないと、二十万円の不足につき、指一本を切り落とす」と債権回収屋に脅された。が、捨てる神あれば拾う神ありで、亡くなった祖母のアパートを突然相続することに。「アパートを手放して借金返済!」と、断トツ人気の元メイド・美保と小躍りしたのはいいけれど、売却するには住人全員が退室届にハンコを押さなければならないという……。一風変わった玉響荘の住人たちを相手取り、志郎が奔り回る!※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。 -
たまゆら堂書店の本好き姉妹
あなたのお悩み、お聞かせください。 とある住宅街に佇む小さな書店「たまゆら堂」。一度は閉店したこの店を復活させたのは、おしとやかな姉・灯と、天真爛漫なギャルの妹・夏音の姉妹だ。 敬語禁止など夏音が作った独自のルールが異彩を放つ書店だが、一際目立つのは「あなたのお悩み、お聞かせください」と書かれた貼り紙。その貼り紙に引き寄せられるように、今日も店には悩みを抱えた人々がやってきて……。 仕事に誇りを持てず、むなしさを覚える女性や、娘の結婚を素直に喜べない父親など。困り事を抱えた人々へ本好き姉妹が人生を変える1冊を届ける。人生が好転する、ハートフル書店ストーリー。 -
たまらない女 ためられる女
今、会社が倒産したら、何日生きられますか? お金と人生に悩むすべての女性に贈る、 マネー・レッスン小説。 アパレルメーカーの営業として働く村崎菜緒――28歳。貯金ナシ。彼氏ナシ。 ある日、親友・朱美の勤める会社が倒産したと聞かされる。 お金はあるだけ使ってしまう「たまらない女」菜緒は、今無職になったら1か月ももたないと焦り、「ためられる女」になるべく奮闘しはじめる。 そんななか、不本意な部署移動を命じられ転職を考えるが……。お金と人生に悩むすべての女性に贈る、マネー・レッスン小説。 (本書は、働く女性のキャリアを本音モードで考えるウェブマガジン「Woman type(ウーマン・タイプ)」で連載していた 『alla prima(アラ・プリマ)』を加筆改題したものです) *目次より プロローグ 夢を追う女、夢を逃す女 第一章 「たまらない女」からの脱却【ケチケチしない貯金術】 第二章 やってきた、予想外の出来事【保険は入らなきゃダメ?】 第三章 好きなモノを手に入れるために【賢いクレジットカードの使い方】 第四章 貯金の次にすべきこと【投資はやったほうがいい?】 第五章 リスクを超えてチャレンジしたら……【知っておきたいマンションと不動産投資】 第六章 夢に向かって動きはじめる【収入と支出のバランス】 エピローグ 人生の冒険に出た女、人生に立ち止まる女 -
たまらなく怖い怪談 身の毛がよだつ実話集
身の毛がよだつ実話集……とびきりの恐怖体験をあなたに 半ば開いた扉の陰に、なにか、ある。なにか……。たったいま、うつろな空間であることを確認したばかりのロッカーに。にもかかわらず、そこに、バサバサの髪が――人の後頭部が――のぞいていた。まさか。たとえ子供であったとしても、人が潜める大きさなどではない空間だ。なのに「それ」はそこにいて、そして……。 人を怖がらすもよし、自分が震え上がるもよし。たまらなく怖い、本当にあった怪談集。 ●さたなきあ 雑誌『幻想文学』他にて作家・レビュアーとして活動し、アマゾンのレビュウコーナーにも出没。作品集『怪異譚輯・墓地物語』やアンソロジー『幻獣小説集・夢見る妖虫たち』を手がけ、『あなたの隣の怪談集』『魑魅の館』(KKベストセラーズ)など怪談本を多数発表。呪いや祟りなど従来の怪談に必須だった要素をあえて避けた、いわば「純粋怪談」を全国各地で収集する一方、都市に潜み棲む虚無性と人に潜み棲む暗部を怪異譚として表現する手法を模索する。 -
たむらあきこ吟行千句
2013年頃から一人吟行を始めた著者。国内に留まらず、台湾やインドなど心の命ずるまま、その場で体で感じた思いを川柳に詠み続けた。その数およそ15000句。その中から推敲を重ねた1000句が本書である。 《水間線から刻を濃くする―水間観音吟行12句》 《捨てる場所へと拾われにゆく―世界遺産・湯の峰温泉吟行18句》 《どの斜面だろうときみがいてくれた―長岡天神吟行13句》 《年にいち度のまれびとが下りてくる―なまはげ吟行22句》 《この世あの世の境に一閃のさくら―吉野山・奥千本吟行22句》 《たてつづけ地獄を噴いている裂け目―別府吟行29句》 《滝ちかく天誅組を引きよせる―龍神温泉吟行33句》 《観音の手のひらに答えをひとつ―法隆寺吟行21句》 《はなれないきのうもカルマなのだろう―インド吟行28句》 《まぼろしをあつめる淀屋橋あたり―大阪市中央公会堂吟行19句》 -
たむらあきこ千句
十七音の文芸性を追求―自身の内側を見つめ続けた、たましいの一行詩。 12歳で短歌を詠みはじめた文芸少女が、32歳からエッセイ、詩、俳句と短詩型文芸の世界で活躍、やがて運命に導かれるように川柳を知り、一心不乱に句を世に生み出し、前人未踏の「あきこ川柳」の世界を構築してきた。潜在意識の中から浮かび上がる心象風景が「たましい」となって1000句に投影される。今最も川柳の世界で注目される川柳作家の重要な基点となる待望の第2句集。詩性川柳の結実がここにある。 何もなかったように鋭く死んでいる たましいの凭るのは月の暈あたり したたかに他人で致死量のことば わたくしの中の傍観者に当たる あっけない訃へ雨脚が寄ってくる こころにも汚泥を塗ったことがある 人間の砂漠ににんげんを咲かす 遺書としてまさかが書いてあるぬめり たかが突き指へ覚悟が挫折する 陽だまりの陽を吸うどんよりとひとり -
ためしに怪談きいたら、やっぱり幽霊いるし怖すぎた。
「なんか怖い話ない?」の募集開始から、24時間で100話突破! 投稿総数558! まさかここまで集まるとは…(怖) 集めたほうも震えた上位24話を厳選収録。 深夜の病院に、患者の命を食べる箸の音が聞こえる…「私と彼女とあの女」、悪霊が友達になりすまして襲ってくる…「友達が事故物件に住んだときの話」、ひとりカラオケのはずが、赤ん坊の泣き声が被さってくる…「カラオケ」、ボールを蹴ったつもりが、生首に変わっていた…「両手がおぼえている」ほか、小説投稿サイトで集まったまさかの実話怪談。エブリスタで開催された史上最恐の〈リアル怪談コンテスト〉から、これは洒落にならない! というガチ怖投稿を厳選収録! 「幽霊見た!」とかレアでしょと思ったら、意外と、みんな、体験してたらしい……。 -
タモリめし
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 芸能界屈指の料理通として知られるタモリ。 TV番組の中でゲストに振る舞われる料理や何気ない トークで紹介されるアイデアは独創性が高くプロをも唸らせる。 しかしながら、バラエティの中で触れられるこれらのメニューは 料理番組のように明確なレシピが提示されるケースは稀。 そこで、タモリ料理をテレビやネットの情報を元に実際に再現し 誰もが作れるレシピとして、30品をご紹介しちゃいます☆ -
多聞天踏魔像
芦屋にある酒造元・桜井家は中国美術品の蒐集で高名である。美術品リスト『桜獅子名品帖』のなかでも、敦煌莫高窟からもたらされた『多聞天踏魔像』は逸品として知られていた。敦煌には千仏洞がある。そこの鳴沙山の崖面に四百九十以上の石窟寺院のあとがあり、それらは、美しい壁画で四方の壁および天井が飾られている。壁画と塑像のほかに、敦煌には世界の宝ともいうべきものがあった。数万巻におよぶ仏典、史書、典籍、仏画、いわゆる敦煌に花咲いた文明が封じこめられていたのだ。そして『多聞天踏魔像』も。封じ込められた文明は九百年近くも、とり出されなかったのだ。 -
たらちね怪談
「最愛」にして「最恐」。 母に纏わる怖ろしい話、不思議な話。追憶の怪異蒐集録! 母より優しきものはなし、恐ろしきものもまたなし。 世に賢母あれば毒母あり。 すべてが母の胎から生まれるように、怪もまた母より生まれいづる。 ・母の愛を求め想像の世界で生み出した理想の母。いつしかそれに魂が…「三母の似 創母」(郷内心瞳) ・一枚の心霊写真から紐解かれる母と家の怪…「出窓」(川奈まり子) ・父の暴力から物置で一生を終えた母の遺志…「夫婦水いらず」(つくね乱蔵) ・怪と縁の深い女性が占い師に告げられた自身と母と運命…「糾える」(久田樹生) ・人生のハレの日に現れ踊る裸婦。その正体は死んだ母?…「狂女乱舞」(蛙坂須美) ・彼女の隣に立つ首吊り自殺で死んだ母の霊。彼氏にしか見えないその意味は…「帰り道」(内藤駆) ・龍を見ることができた母。さがそれは凶事の先触れ…「天を駆ける龍」(服部義史) ・子を殺された母猿の怨念が本懐を果たすまで…「母猿」ひびきはじめ 他、怪談作家20名が競筆、母に纏わる追憶の怪異談集。 -
タラント氏の事件簿[完全版]
メトロポリタン博物館から忽然と消えた古写本、ペントハウスで起きた密室殺人、乗る者を次々死に追いやるボートの怪、古詩のとおりに消失と出現を繰り返す竪琴……いずれ劣らぬ怪事件に理知の光を当てて真相をあばくのは、日本人執事カトーを従えた謎の紳士トレヴィス・タラントである。巨匠クイーンが「当代におけるもっとも想像力に富んだ探偵小説」と評し、〈クイーンの定員〉に選出した傑作短編集に、その後に発表された「消えたスター」「危険なタリスマン」など4編を追加収録し、不可能趣味に満ちたシリーズ全作品を網羅した文庫決定版!/解説=千街晶之 -
樽
埠頭で荷揚げ中に落下事故が起こり、珍しい形状の異様に重い樽が破損した。樽はパリ発ロンドン行き、中身は「彫像」とある。こぼれたおが屑に交じって金貨が数枚見つかったので割れ目を広げたところ、とんでもないものが入っていた。荷の受取人と海運会社間の駆け引きを経て樽はスコットランドヤードの手に渡り、中から若い女性の絞殺死体が……。次々に判明する事実は謎に満ち、事件はめまぐるしい展開を見せつつ混迷の度を増していく。真相究明の担い手もまた英仏警察官から弁護士、私立探偵に移り緊迫の終局へ向かう。クロフツ渾身の処女作にして探偵小説史にその名を刻んだ大傑作。 -
たれかが呼んでる
本州最北端のふのりの採れる集落。15歳になったスズは、大農の長男のもとに嫁いだが、姑の気に入られず、やがて、実家にかえされる。スズの流転の人生は、ここからはじまる。ひたすらに愛を求めるスズは、その後、若い教師、行商人、牧場経営主、脱獄囚、牧夫と関係し、次々に子供を産んでいく。6人の男に身をまかし、10人の私生児を産んだ、スズという女の一生を温い目で描いた力作。 -
太郎とさくら
太郎は異父きょうだいの姉・さくらの結婚式に出るため、久しぶりに故郷に帰った。平凡ながら温かい結婚式、無事に終わるかと思ったところに「珍客」があらわれ、ちょっとした騒動に。小さな漁港の街・静岡由比と、東京のアパートを行き来しながら繰り広げられるこの物語は、離れて暮らす家族の物語だ。かつていちばん身近にいた人は、あの時なにを思っていたのか……。それぞれの新たな旅立ちを描く、胸熱くなる青春小説。 -
タロット集
タロットの、大アルカナと小アルカナをモチーフにした詩集です。 ―――――――――― ■本文より、抜粋 タロット Major Arcana XV The Devil 『偽りの冠』 森の古城、闇夜の鐘。 紫煙(しえん)を迎えて鳴り響き。 黄金の冠(かんむり)は、 野花と棘を嘲る。 土塊(つちくれ)の砦、黒煙(こくえん)と炎。 純白な空を裂き濡らす。 鈍鉛(にぶなまり)の爪は、 憐憫(れんびん)を摘み取る。 ※本作はYumiの個人誌作品の電子書籍版となります。【87ページ】 -
戯れの恋は今夜だけ
2011年ロマンティック・タイムズ誌 ベストヒストリカル・ロマンス賞ノミネート作! おとぎ話のようなクラシックなロマンスを 情熱的なラブストーリーに仕立て上げられるのは ジョアンナ・リンジーだけ! -----------ロマンティック・タイムズ誌 両親を亡くしポピーに育てられたアラナは、突然、自分がヨーロッパの小国ルビニアの王女であることを知らされる。ポピーはアラナの暗殺を請け負った男だったが、どうしても殺せず、自ら彼女を育ててきたのだという。そして国王である父が余命わずかで、世継ぎのいない国が危機にあると聞き、アラナはルビニアに向かった。宮殿の門前で、ハンサムな近衛兵隊長に自分の正体を耳打ちするが、誘惑されたと勘違いした相手にキスをされてしまい…… 原題:When Passion Rules -
戯れのときを伯爵と
不埒な伯爵に身も心も奪われ…… 伯爵の館でのパーティに向かう途中、男女の営みを目撃したデリア。 あろうことか、その男性が当の伯爵で…… カーライル伯爵家のパーティに向かう道中、デリアの乗った馬車の車軸が折れ、御者が怪我を負った。仕方なくデリアは助けを求めて近くの宿屋に向かうが、茂みの奥から何やら奇妙な声が聞こえ、思わずのぞきこむと、なんと男女が行為の真っ最中だった。その場に立ち尽くすデリアを見て女は逃げ出し、不機嫌な様子の男に宿の場所を尋ねると彼は宿まで案内してくれる。だが宿の主人のひどく慌てた様子から、デリアは気づいた――この破廉恥な男がカーライル伯爵だわ! 原題:A Wicked Way to Win an Earl 2015年ロマンティック・タイムズ誌ファースト・ヒストリカル・ロマンス賞受賞作! -
戯れの魔王
甲斐駒ケ岳の山岳地帯に作業場をかまえ、鉄のゲージツ家として活動を続けてきたオレ。後期高齢者となった今は、畑に野菜を作って猿や鹿との攻防を繰り広げ、奈良のお寺から蓮の根をわけてもらい、美しい花を咲かせるのに熱中する日々だ。 そんな作業場へ、サングラスを掛けたスキンヘッドの男たちがやってきた。 「ああ、そうか。マロの一味だな」 「はい、弟子の舞踏者です」 目をやると、テンガロンハットに黒い革のコートをまとった「中央線の魔王」が、桜の木に寄りかかっていた。オレの作品のガラスの柱を舞台に使わせてほしいと言うのだ。 「クマ、一緒に踊るか」 「オレが? マロと?」 子どもの頃から歌も踊りも苦手なオレだが、マロに「ダイジョーブ、俺が演出するんだ。素直な躰ひとつ、お持ちいただけるだけでよろしいので」とまで言われて怯むのは「私に生きる才能は残っておりません」と白旗を掲げるようなものだ。・・・ こうして白塗りのメイクで、麿赤児率いる大駱駝艦の初舞台を踏む「戯れの魔王」。 母の死を看取り、蓮の花が開いて散るまでの4日間を見届けて送り火を焚く「蓮葬り」。 日本アルプス屈指の名峰・甲斐駒ケ岳の初登山に、靴ずれしながら挑みきる「アマテラスの踵」。 鉢植えの蓮を野生の多年草に戻そうと、池を掘って腰をやられた。頑丈な肉体にも老いはしのびよる。そんな作業場に仔猫が迷い込む「ささらほーさら」。 話題作『骨風』のKUMAさん、生きる実感に満ちあふれた最新小説集。 -
タワーマンションの奇妙な居住録
管理費ゼロ!? 気を付けてくださいね。 もしあなたが、これから引っ越そうとしているなら。 もし今、この瞬間もマンションで不可解なできごとに遭遇しているなら。 この物語は、ただのフィクションとして読み終えられないかもしれません。 本書は、著者自身が実際に体験した出来事をもとに構成したモキュメンタリー・ホラー。 「偶然」と片づけるには、あまりにも重なりすぎた不可解な出来事。 深夜に部屋から聞こえる音。 原因不明の体調不良。 住民たちの不可解な言動。 そして、"ここから離れられない"という感覚——。 あなたは読み終えたあと、自分の住む部屋を、今までと同じようには見られなくなるかもしれません。 -
短歌研究ジュニア 初めて出会う短歌100
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 万葉集の古典から、現代の十代歌人の作品まで。これまでなかった「オールタイムベスト短歌100」。 はじめて出会う珠玉の短歌――それはきっと「心の宝物」になる。 老舗短歌専門誌「短歌研究」が、少年少女向けに総力をあげて編集。もともと「短歌研究ジュニア」という別冊付録だったが、短歌初心者のシニア層にも大好評。ジュニアからシニアまで、年齢を問わない短歌入門書の決定版として、ついに刊行。 収録は、「時代順」ではなく、テーマを切り口にした、あたらしい編成。 万葉集の大伴家持、山上憶良、小野小町から、俵万智、岡井隆、寺山修司、斎藤茂吉、栗木京子、穂村弘、斉藤斎藤などの現代短歌までを、あえて同列に並べ、古典和歌と現代短歌の両方に親しみやすいようにしている。 (編者・千葉聡より)小中学生・高校生のみなさんに真っ先に届けたい短歌を「オールタイム百人一首」として厳選し、あらたに解説や資料を添えました。現代の若い歌人の新作まで、教科書に掲載されている古典和歌や有名な近代短歌に加えて、小中学生のみなさんに親しみやすい一冊となることを願って、平成以降の新しい短歌を多めに収録。短歌定型と深いかかわりのある歌謡と琉歌も収録しました。 この本を入口にして、たくさんの方が短歌を読み味わい、そして、自分の言葉で一首を詠むようになってくださいますように。 目次 第1章 いとしい人へ 第2章 家族を思う コラム「おもしろい歌」寺井龍哉「十秒と数十年」 第3章 春のよろこび・夏のかがやき 第4章 秋のせつなさ・冬のやすらぎ コラム「短歌をつくってみよう」佐藤弓生 コミ歌 画 佐藤りえ 第5章 あこがれの世界へ 第6章 時代の記憶とともに コラム「短歌をつくってみよう その2」佐藤弓生 第7章 ひとりの時間に 第8章 大きな存在のとなりで コラム「和歌・短歌の歴史」寺井龍哉 短歌を投稿しよう・ブックガイド -
短歌ご一緒しませんか
音楽界の異端児・岡村靖幸×現代短歌のトップランナー・俵万智による 「読んで詠える」短歌教室 短歌完全初心者の岡村ちゃんと、短歌のこころを基礎から学びます。 5・7・5・7・7というたった31文字から切り拓く表現の無限の可能性に、 音楽界のカリスマも大興奮&大苦戦。投稿者にも強者があらわれ……!? 「自分のハートを短歌で仕上げられるようになるためのテクニックを伝授します!」――俵万智 岡村靖幸オフィシャルファンクラブサイト「DATE」好評対談連載、待望の書籍化! <目次> Lesson 1 短歌の基本ルールと裏ワザ Lesson 2 たくさん読んで、たくさん詠む! 題詠:食べ物 Lesson 3 強者現る!! 題詠:青 Lesson 4 自由で楽しい日本語の響き 題詠:オノマトペ Lesson 5 自分だったら……を考える 題詠:笑う Lesson 6 動詞の掛け算 題詠:夏 Lesson 7 楽しむ音こそ音楽だ! 題詠:音楽 LETʼS TAKE A WALK ~吟行しませんか Lesson 8 職業と人生 題詠:仕事 Lesson 9 短歌の王道は〈恋〉! 題詠:約束 Lesson 10 主語を絞る 題詠:故郷 Lesson 11 キラーフレーズを活かせ! 題詠:雨 Lesson 12 短歌の時代 題詠:風 -
短歌のガチャポン
穂村弘が選ぶ何でもありの短歌ガチャ100。 現代短歌のフロントランナー穂村弘が腕によりをかけて選んだ、明治から現在までの短歌100首。うつくしい短歌、不思議な短歌、へんな短歌、おかしな短歌、不気味な短歌、かなしい短歌……。好きなところからひとつずつ取り出して、なんでもありのマジカルな短歌ワールドをとことん楽しもう。最初は意味のわからない短歌も、穂村弘の切れ味のいい鑑賞文を読めば納得できるはず。穂村弘は言う。「ガチャポンのハンドルをガチャガチャ回すと、カプセルに入った何かがポンと出てきます。ジャンルだけは決まってて、でも、その中の何が出るかはわからない。だから、わくわくして夢中になりました。」短歌の楽しさと多様性を、ミステリアスでファンタスティックなメリンダ・パイノのカラーイラスト25点と共に詰め込んだ、ホムラ印のガチャポン・マシーンがここに。 ※この作品はカラーが含まれます。