小説・文芸 - 創元推理文庫作品一覧
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4.0古の神の眷属と信じられている『神王』一族が治めるシオン神王国。その最北に位置するラダッカでは、原因不明の死病が流行していた。極北での任務から帰還した〈蛇の目〉団の若き長ソローは、神王家から派遣された地形官の護衛と監視を命じられる。百二十年ごとに繰り返される吹雪と死病の原因は、神王国の根幹に関わる秘密にある、と地形官は語る。ラダッカを襲う異変はソローのみならず、彼の幼なじみ――騎士を目指す少女エネミアと、神王国を守護する〈剣の天使〉の後継者という宿命を負うゼンの未来をも変えようとしていた。圧倒的筆力で描く、ヒロイック・ファンタジーの傑作。解説=三村美衣
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3.8にわか高校生探偵団、市立最大の謎に挑む! 超自然現象研究会の会誌〈エリア51〉臨時増刊号が特集した「市立七不思議」が何者かに影響を与えたのだろうか? 突如休み時間に流された、七不思議の一つ「カシマレイコ」を呼び出す放送。そんな女子生徒は、もちろん存在しない。さらにその日の放課後に、四ヶ所で発見された「口裂け女」を模した悪戯、さらにさらに翌日には「一階トイレの花子さん」まで用務員室に出現。なぜ七不思議のうち、この三つが現われたのだろう? かつては七不思議ではなく、「市立三怪」だったということを突き止めた葉山君、そして伊神さんは、その背後にある悪意に気づくが……。コミカルな学園ミステリ・シリーズ長編。
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3.0ねえ、お父さん。この謎、解ける? きっかけはほんのちょっとした小さな謎。だが、八駒家の食卓にのぼると、それは一篇のミステリに姿を変える――家主の敬典は、旅行会社の有能なる社員から、専業主夫に転身。家事に追われながらも平和な日々を過ごしていたが、ある日、元先輩が可憐なフランス人形を持ちこんできた。それも、左足の先が粉々に砕けた人形を。なんとかしてくれと懇願され、持ち主まで怒鳴りこんできても、敬典はなぜか悠然とかまえている。そんな父に、中学生の娘つばさは憤慨するが、敬典の頭にはある推理が浮かんでいた……。父と娘が織りなす、温かなおうちミステリ。
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3.9埠頭で荷揚げ中に落下事故が起こり、珍しい形状の異様に重い樽が破損した。樽はパリ発ロンドン行き、中身は「彫像」とある。こぼれたおが屑に交じって金貨が数枚見つかったので割れ目を広げたところ、とんでもないものが入っていた。荷の受取人と海運会社間の駆け引きを経て樽はスコットランドヤードの手に渡り、中から若い女性の絞殺死体が……。次々に判明する事実は謎に満ち、事件はめまぐるしい展開を見せつつ混迷の度を増していく。真相究明の担い手もまた英仏警察官から弁護士、私立探偵に移り緊迫の終局へ向かう。クロフツ渾身の処女作にして探偵小説史にその名を刻んだ大傑作。
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4.0
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3.7二十世紀の黄昏の、ある晩秋に起きた殺人。たわいもない筈のその事件には、一つ奇妙な謎が残されていた。私立ルピナス学園に通う吾魚彩子(あうおさいこ)は、かつてうっかり密室の謎を解いてしまったために、刑事である奇矯な姉に無理やり現場写真を見せられ、推理を強要される。なぜ犯人は殺人ののち、現場で冷えたピザを平らげたのか――(「冷えたピザはいかが」)。青薔薇の館に残された、鏡文字のルビ付きダイイング・メッセージ。死体から右手を切り取られた大女優。博学の少年・祀島(しじま)らと遭遇する不思議な事件の結末は? 少年少女が織りなす謎と論理のセッション。清冽な印象を残す佳品三編を収める。
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4.0
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4.3ミステリ史上最大にして最高の名探偵シャーロック・ホームズの推理と活躍を、忠実なる助手ワトスンが綴るシリーズ第1短編集。ホームズの緻密な計画がひとりの女性によって破られる「ボヘミアの醜聞」、赤毛の男を求める奇妙な団体の意図をホームズが鮮やかに解き明かす「赤毛組合」、妻の眼前で夫が消え去った不思議な事件「くちびるのねじれた男」、閉ざされた部屋での怪死事件に秘められたおそるべき真相「まだらの紐」など、いずれも忘れ難き12の名品を収録する。/収録作=「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「花婿の正体」「ボスコム谷の惨劇」「五つのオレンジの種」「くちびるのねじれた男」「青い柘榴石」「まだらの紐」「技師の親指」「独身の貴族」「緑柱石の宝冠」「ぶなの木屋敷の怪」「解題/戸川安宣」
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3.0讃大仁(サンドニ)の英雄バシリスクは盗まれた秘宝を捜す旅の途上、ケ・イキョー国に足を止めた。前王ヨードの崩御に始まる内紛と外敵の脅威に揺れるその国には三択の刑があり、重罪を犯した者は『胡戎魯(コジユール)の迷宮』『芽出臼(メデイウス)の回廊』『占犂牟(ウラリム)の坩堝(るつぼ)』から一つを選ばねばならない。暫定王位に就いているレツと、ヨードの子ライモスを推す老臣エゼカイオらとの確執に巻き込まれたバシリスクは三択の刑を科され、まず回廊に、次いで迷宮に挑む。自身の使命を全うできず焦りを募らせながらも、ケ・イキョーの行く末を案じて幾多の謎に立ち向かうバシリスク。秘宝は見つかるのか、そして王位は誰の手に?架空の国を舞台に展開する、ファンタスティック・ミステリ!解説=城平京
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3.3「本来、これはわたしが貰うべき賞だったのだ!」ライバル、水海月博士に研究発表で先を越された時空博士。憤慨した博士は、自ら開発したタイムマシーンを活用して過去の水海月博士を殺害しようと決心した。念のため、自分に鉄壁のアリバイがある日時を犯行時刻に設定したのだが──(「完全・犯罪」)。真帆と嘉穂は、服も、玩具も、名前まで共有する一卵性双生児。自分は本当に「真帆」なのか。成長するに従い、真帆は次第にアイデンティティーを失っていく。思春期を迎え、恋を覚えた姉妹の運命は──(「双生児」)。驚きと恐怖、黒い笑いが詰め込まれた、全5篇のミステリ短篇集。
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3.8類稀な推理力を持つ友人の音野順のため、推理作家の白瀬白夜は仕事場の一角に探偵事務所を開設する。しかし当の音野は放っておくと暗いところへ暗いところへと逃げ込んでしまう、世界一気弱な名探偵だった。依頼人から持ち込まれた不思議な事件を解決するため、音野は白瀬に無理矢理引っ張り出され、お弁当持参でおそるおそる事件現場に向かう……。大量のトランプが散らばった密室での殺人事件、見えないダイイング・メッセージ、令嬢の婿取り雪だるまコンテストで起きた不可能犯罪など五つの難事件を収録。キュートでコミカル、しかし心は本格ミステリ。名探偵音野順、第一の事件簿。
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4.2右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。女を殺しては魔法の力を奪う呪われた大魔道師アンジストに、目の前で育ての親を惨殺されたことで、彼の人生は一変する。月の乙女、闇の魔女、海の女魔道師、アンジストに殺された三人の魔女の運命が、数千年の時をへてカリュドウの運命とまじわる。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る〈夜の写本師〉としての修業をつむが……。日本ファンタジーの歴史を塗り替え、読書界にセンセーションを巻き起こした著者のデビュー作。
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-アメリカはメイン州・ベックフォード、ディー・デクスター探偵社に一本の電話が入る。探偵二名をある家によこしてほしい、そこで一晩泊まってくれればいいという、簡単だが奇妙な依頼。その家に向かったスタンリーとケンウッドに、家人は何の説明もなく、仕方なく二人は酒を飲んで寝てしまう。しかし、未明に大きな物音で目覚めた二人は、一面の血の海に四人分の切断死体が転がっているのを発見。罠かもしれないと、ディーの家に急行し警察とともに再び現場に戻ると、何と死体が消失していた――。大胆かつ奇怪な事件の謎で読者を魅了する、第20回鮎川哲也賞受賞作、大幅改稿で登場。
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3.81920年冬、エルシーは教会で4歳年下の純朴な青年ノーマンに声をかけた。恋人となったその男性が、4年後に彼女を切り刻むなどと、だれに予想できただろうか──。かのサー・アーサー・コナン・ドイルが判決に異議を表明したという、英国で実際に起きた事件をもとに執筆された「養鶏場の殺人」と、老女二人の強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を引き起こしたかを描く「火口箱」を収録。現代英国ミステリの女王が実力を遺憾なく発揮し、犯罪を通して人々の心理を巧みに描き上げた傑作中編集。
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-失踪から2カ月、トランク詰めにされた高見沢妙子の遺体が西伊豆で見つかった。愛人関係にあったカメラマンの浅倉が容疑者とされたが、人となりを知る田辺は浅倉の無実を信じて調査を始める。一方、鳴子温泉近くの林で不審な死を遂げた塾講師、坂口三郎。新妻の陽子は夫を殺した男を捜そうと手始めに遺品を整理する。二人のアマチュア探偵の行動はやがて重なり合い、事件の不可分な関係が浮かび上がった。更なる究明を委ねられた捜査一課の相沢と菊地は、墓標に託されたメッセージを通じて真相に至る。藤雪夫との共著『獅子座』『黒水仙』に続くシリーズ第3作にして桂子単独名義の処女作。
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4.0
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3.6年もおしつまったある日、埼玉県岩槻市の川土手で、自動車教習所の配車係が死体で発見された。男には職場の同僚と悪質なギャンブルを行なっていた疑いが浮上する。そして年が改まったとたん、教習所の技能主任が密室状況下の建物の中で撲殺される。さらに指導員の男が自宅マンションの駐車場にカバーをかけて駐めてあった自分の車の中で殺されていた!! 自動車教習所に通う教習生と指導員――その絡み合いの中からあぶり出される複雑な人間関係。やがて捜査線上に浮かんだ容疑者には、二重三重の鉄壁なアリバイがあった……!? 『模倣の殺意』の著者・中町信が本格ミステリの王道〈密室+アリバイ破り〉に挑んだ傑作長編推理。
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3.4ウィーンに住むフリーランスの保険調査専門探偵ホガートは、大手国際保険会社支社長からある依頼を受けた。ウィーンの美術館がプラハの展覧会に貸し出した絵画が焼失、調査に派遣した絵画専門の調査員は、焼失した絵画はすり替えられた偽物だったとの報告を残し行方不明になった。その調査員を見つけだしてほしいというのだ。プラハに飛んだホガートは、ひとりの女探偵に出会う。彼女が調査しているプラハの連続殺人事件の話を聞くうち、ホガートはとんでもない事実に気づく。『夏を殺す少女』で衝撃的なデビューを飾った、オーストリア・ミステリの名手が仕掛ける巧妙な罠とは?
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3.9バシンデール団地、通称アシッド・ロウ。教育程度が低く、ドラッグが蔓延し、争いが日常茶飯事の場所。そこに引っ越してきたばかりの老人と息子は、小児性愛者だと疑われていた。ふたりを排除しようとする抗議デモは、彼らが以前住んでいた街で十歳の少女が失踪したのをきっかけに、暴動へと発展する。団地をバリケードで封鎖し、石と火焔瓶で武装した二千人の群衆が彼らに襲いかかる。往診のため団地を訪れていた医師のソフィーは、暴徒に襲撃された親子に監禁されてしまい……。血と暴力に満ちた緊迫の一日を描く、英国ミステリの女王の新境地。
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3.4「飯田さん──いらっしゃいませんか? 警察のものなんですけど」相手が『飯田さん』と呼びかけたことに、志穂はぎくりとした。チェーンを掛けたままドアを開くと、相手の女は一枚の紙をドアの隙間から差し入れてきた。『中に誰かいますか? イエスならウインクを』何かあったのかと訝る志穂に、女は『殺人事件の容疑者が、この建物に逃げ込んだんです』と告げる。慌ててチェーンを外しドアを開けた志穂に、女は──。二人の女のスリリングな心理闘争を描く充実の傑作「幻の男」など、サスペンスの名手が贈る七つの巧緻な逆転劇。記憶は、感覚は、秘かにあなたを裏切るかもしれない。
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4.0長閑なフランスの小村、サンドニ。村の唯一の警官にして警察署長であるブルーノは、狩猟仲間であるエルキュールから、トリュフ市に粗悪な中国産トリュフが紛れ込んでいる問題について調査を依頼される。だが聞き込みを始めた矢先、エルキュールが何者かに殺害されてしまう。彼はかつて、情報部に所属する伝説の秘密警察官だった。犯行に及んだ者はその過去を知っていたのか? さらに彼の友人であるヴェトナム人夫婦まで中国人犯罪組織に襲撃され……。圧巻の取材力と緻密な構成、そして驚愕の真相。ベテランジャーナリストが放つ傑作ミステリ!
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4.4【第1位『IN★POCKET』2013文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門/作家部門/読者部門/翻訳家&評論家部門】寒風が肌を刺す一月。デントン署の管内では、いつものように事件が絶えない。二ヶ月以上も行方の知れない8歳の少女に続き、同じ学校に通う7歳の少女も姿を消す。売春婦殺しは連続殺人に発展し、ショットガンを振りまわす強盗犯に、酔ったフーリガンの一団、“怪盗枕カヴァー”といった傍迷惑な輩が好き勝手に振る舞う、半ば無法地帯だ。われらが名物親爺ジャック・フロスト警部は、とことん無能で好色な部下の刑事に手を焼きつつ、人手不足の影響でまたも休みなしの活動を強いられる……。史上最大のヴォリュームで贈る、大人気警察小説第5弾。
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3.1身体も顔も河馬に似ている弁護士に案内され、一登はまだ見ぬ父親に会うため秋庭邸を訪れた。そこで一登は言語能力を持たない弟に出会う。彼は言葉を話せない代わりに、聞くものの心を癒す特殊な能力を持つ〈天使の歌声〉を発することができた。訓練では決して到達し得ない、澄みきった神秘の歌声。その弟をめぐってある悲劇が起きる。そして六年後、一通の手紙によって、一登はふたたび秋庭邸を訪れた──。静かな探偵・嶺原克哉が、調査依頼を通して出合った六つの難事件。不思議な親子関係と複雑に入り組んだ謎、多重どんでん返しが魅力の、著者初のシリーズ連作集。
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3.8人の世はなんとおぞましく、美しいのだろう――。最愛の妹をたった二十二歳で亡くした女は、不思議な葬儀社にあるお願いをする。まるで生きているかのように写真を撮影できる凄腕のカメラマンに、妹のウエディングドレス姿を残してほしい、と。しかしそれは、禁断の行為だった……。雨の渋谷で死んだ同級生を思い出す男、街を彷徨う女子高生、満たされぬ思いから窃盗を繰り返す女、この世のものとは思えない美女と遭遇した少年。赤々とした炎のように何かに身を焦がし、切望する者たちの行く末ははたして──。人間の赤裸々な欲望、妄執を巧みな文章で書き綴った、切ない余韻の残る連作短編集。
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3.5夏の終わりの夜明け前、フランスの長閑な小村サンドニにサイレンが鳴り響いた。遺伝子組み換え作物の試験場が放火されたのだ。過激なエコロジストの犯行が疑われ、村でただひとりの警官にして警察署長のブルーノは、国家警察の刑事たちに協力し、住人への聞き込みをはじめる。だがそんな折、村の青年がワイン農場の大きなワイン桶の中で死んでいるのが発見される。事故か? 殺人か? 放火との繋がりは? 心やさしき警察署長は、村の平穏を取り戻すため不可解な事件に挑む。元英国ガーディアン紙のベテラン記者が贈る、謎に満ちた傑作ミステリ、シリーズ第2弾。
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3.0
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3.4名物はフォアグラ、トリュフ、胡桃。人口約三千人、風光明媚なフランス南西部のサンドニで、長閑な村を揺るがす大事件が発生する。ふたつの戦争で国家のために戦い、戦功十字章を授与された英雄である老人が殺害されたのだ。彼は腹部を裂かれ、胸にナチスの鉤十字を刻まれていた。村でただひとりの警官にして警察署長のブルーノは、村人たちの助けを得て捜査をはじめる。就任以来初めての殺人事件を解決し平穏な村を取り戻すことはできるのか? 元英国ガーディアン紙のベテランジャーナリストが心優しき署長の奮闘を描く、清新な警察ミステリ。
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5.0十四年前に発生した連続放火事件。その中で能勢幸春と竹島千鶴はそれぞれの母を失った。後に再会した二人は交際を始め、千鶴が妊娠、幸春は結婚の承諾を得るため千鶴の父・久信に会いに行くが、久信は交通事故で記憶障害──前向性健忘に陥り、事故以来六年もの間毎日同じ日を繰り返していた。対面の数日後、幸春の知人で放火事件の関係者でもあった木村泰典が、公園で頭から血を流して倒れているのを発見される。当初は強盗事件と思われたものの、悲劇はこれだけでは終わらなかった……。次第に疑心暗鬼に駆られてゆく幸春と千鶴の未来の行方は? 鬼才が放つ驚愕と感動のミステリ。
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3.6
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3.9
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3.6
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4.0酔った元小児科医がマンホールにはまって死亡。市会議員が山道を運転中にエアバッグが作動し、運転をあやまり死亡。どちらもつまらない案件のはずだった。事故の現場に、ひとりの娘の姿がなければ。片方の案件を担当していた先輩弁護士が、謎の死をとげていなければ。一見無関係な出来事の奥に潜むただならぬ気配。弁護士エヴェリーンはしだいに事件に深入りしていく。一方ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。オーストリアの弁護士とドイツの刑事、ふたりの軌跡が出合うとき、事件がその恐るべき真の姿をあらわし始める。ドイツでセンセーションを巻き起こした、衝撃のミステリ登場。
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4.3
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4.3【第1位『週刊文春』2001年傑作ミステリーベスト10/海外部門】新任部長刑事ギルモアが配属されたのは、しけた町だった。まあ、ここは眼も眩む高みに昇りつめるための梯子の一段目にすぎない。こき使われる心配がなさそうなのも幸いだった。だが、いざ出勤してみれば、猛威を振るう流感に、署は壊滅状態。折悪しく、町には中傷の手紙がばらまかれ、老女ばかりを狙う切り裂き犯が暗躍を開始する。なんたる不運。そのうえ、だらしない風体に、悪夢のような下ねたジョークを連発する男、フロスト警部と組む羽目になろうとは……。さすがの名物警部も、今回ばかりは青息吐息。爆走する英国警察小説、大好評第3弾!/解説=霞流一
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4.6【第1位『週刊文春』2008年傑作ミステリーベスト10/海外部門】ハロウィーンの夜、行方不明の少年を捜していた新米巡査が、ゴミに埋もれた少年の死体を発見する。そのうえ連続幼児刺傷犯が新たに罪を重ね、15歳の少女が誘拐され、謎の腐乱死体が見つかるなど、デントン警察はいつも以上に忙しい。よんどころない事情で払底している幹部連の穴埋めをするべく、これら事件の陣頭指揮に精を出すのは、ご存じ天下御免の仕事中毒、ジャック・フロスト警部その人。勝ち気な女性部長刑事や、因縁浅からぬ警部代行とやりあいながら、休暇返上で働く警部の雄姿ここにあり! 警察小説の大人気シリーズ、待望の第4弾。
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4.5【第1位「このミステリーがすごい!1998年版」海外編ベスト10】ウェブスターの眉間の皺は深まる一方だった。切れ者の警部として鳴らしたこの自分が、上司に鉄拳をお見舞いしたばかりに、降格のうえ、役立たずのぼんくら親爺、ジャック・フロストのお守り役を押しつけられる羽目となった。だが、肌寒い秋の季節、連続婦女暴行魔は悪行の限りを尽くし、市内の公衆便所では浮浪者の死体が小便のなかに浮かぶ。ここはひとつ、ロートル警部になりかわって事件解決に邁進しなくては……。皆から無能とそしられながら、名物警部フロストの不眠不休の奮戦は続く。笑いと緊張が堪能できる、まさに得難い個性の第2弾。/解説=温水ゆかり
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3.7
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4.1【第1位『週刊文春』1994年ミステリーベスト10】クライヴは内心腐っていた。刑事に昇進したのも束の間、栄光のロンドンから七十マイル以上離れたこんな田舎町に配属になるとは。だが、悲嘆にくれている暇はない。じきにクリスマスだというのに、日曜学校からの帰途失踪した八歳の少女、銀行の正面玄関を深夜金梃でこじ開けようとする謎の人物など、市には大小様々な難問が持ちあがる。いや。最大の難問は、不撓不屈の仕事中毒にして、死体と女の話をこよなく愛する、上司のフロスト警部であったかもしれない……。続発する難事件をまえに下品きわまる名物警部が奮闘する、風変わりなデビュー作!
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4.3ドイツ、2008年11月。空軍基地跡地にあった空の燃料貯蔵槽から人骨が発見された。検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明する。折しも、犯人として逮捕された男が刑期を終え、生まれ育った土地へ戻ってきていた。彼はふたりの少女を殺害した罪で服役したが、寃罪だと主張しつづけていた。だが村人たちに受け入れてもらえず、正義という名の暴力をふるわれ、母親までも何者かに歩道橋から突き落とされてしまう。捜査にあたる刑事オリヴァーとピア。閉塞的な村社会を舞台に、人間のおぞましさと魅力を描き切った衝撃の警察小説!
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3.9優等生の委員長と不良少女の淡い恋。できすぎたシチュエーションかもしれないけれど、すべてはそこから始まった。彼女が自力で自分の人生を立て直すことができたなら、十年後、あるものを渡そう――そして十年が過ぎ、約束の日がやってきた。しかし彼女は姿を見せず、代わりに彼女の夫と名乗る人物が現われる。彼女は三年前から行方がわからなくなっていた。居場所を捜し出そうと考えたとき、協力者として僕の脳裏にひとりの同級生が思い浮かぶ。かつて僕に、ブックマッチの恰好良い火の点け方を教えてくれた男が――。約束を果たすため、ニューヨークの〈暗闇〉から帰ってきた青年が巡り合う少年少女たち、そして最高の「相棒」。『東京バンドワゴン』で脚光を浴びた名手による、約束と再会の物語。
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3.2桜が満開に咲き誇る4月。帰国子女の栄美にはその美しさを楽しむ余裕はない。何しろ今日、日本での高校生活の初日を迎えるのだ。「アメリカの話はなるべくしないように。日本人は、みんな一緒なのが好きなんだ」パパの忠告はしっかりと胸にしまってある。けれど予想に反して高校生活は心弾むものだった。ある日、栄美は気になる男の子と遊びに行く約束をしたのだが、なぜか二人は必ずすれ違ってしまい……。時は流れ、栄美は大学生となった。ある人との出会いをきっかけに、高校時代の大切な思い出と痛みの記憶はまったく別の形を見せてゆく――。「誰かのために」清廉な願いを名手が鮮やかに描く、忘れられない青春ミステリ。
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4.0JFLから昇格して3年目、今年こそはJ1へと意気込んでみたものの、わがビッグカイト相模原は現在最下位。新人ストライカーだった元気くんはたくましく成長したはずなのに、絶不調で今シーズンはいまだノーゴール。試合を観戦しにくる女性が気になるらしい。ホペイロの僕はといえば、相も変わらず洗濯三昧。いえいえ、クラブのではなく。実はある女性と暮らしてます。でも、いつも慣れているからと掃除洗濯が僕の役目。プロサッカークラブのホペイロ(用具係)を務める坂上栄作のドタバタを、ユーモアと愛嬌たっぷりに描いた、ほのぼの連作ミステリ。第2シーズン、キックオフ!
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3.7同じ中学に通う親友・直海の祖母の住む、浅草の家を訪問した倉西美波。落語の名人の妻だった彼女は、今でも弟子の面倒をみている。二人が訪ねたときも、ちょうど稽古の最中だった。突然の来訪も歓迎してくれた彼女は、お茶うけを出そうと台所へ向かうが、そこには近所の男の子が忍び込んでいた! 家主に見つかった少年はあわてて逃げようとするが、かなわないと見て、思いもよらぬ行動を……(表題作)。周りで起きる奇妙な事件の真相を、「水島のじいちゃん」は華麗に解き明かしていく。修矢編二作、美波・直海編二作に、書き下ろしのかのこ編一作を含む、ライトな本格ミステリ短編集。好評《美波の事件簿》シリーズ、前日譚。
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3.8帰らない母を案じて眠れぬ一夜を明かした塩月令子は、後ろ髪引かれる思いで出社し針谷警部から凶報を受ける。駆けつけた千葉県銚子の霊安室で令子を待っていたのは、変わり果てた姿で横たわる母と耳を掩いたくなるような事実だった。その朝、屏風浦で数十メートルの断崖から海に落ちた車が見つかり、同乗四名の遺体が収容された。その一人が外ならぬ母であり、現場の状況から単なる事故ではなく謀殺に違いないというのである。懸命の捜査にも拘らず被害者間の交友関係は確認できず、容疑者はおろか動機すら判然としない。いったい誰が、何のために? 令子は自力で真相を追うが……。
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3.4
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3.9千九百四十九年も押し詰った鬱陶しい日の午後、汐留駅前交番の電話のベルが鳴り、事件の幕が切って落とされた。トランクに詰められた男の腐乱死体。荷物の送り主は福岡県若松市近松千鶴夫とある。どうせ偽名だろう、という捜査陣の見込みに反し、送り主は実在した。その近松は溺死体となって発見され、事件は呆気なく解決したかに思われた。だが、かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの男が出没し、アリバイの鉄の壁が立ち塞がる……。巨星、鮎川哲也の事実上のデビュー作であり、戦後本格の出発点ともなった里程標的名作。綿密な校訂による決定版!
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3.9ドイツ、2007年春。ホロコーストを生き残り、アメリカで大統領顧問をつとめた著名なユダヤ人の老人が射殺された。凶器は第二次世界大戦期の拳銃で、現場には「16145」という数字が残されていた。しかし司法解剖の結果、遺体の刺青から、被害者がナチスの武装親衛隊員だったという驚愕の事実が判明する。そして第二、第三の殺人が発生。被害者らの隠された過去を探り、犯行に及んだのは何者なのか。刑事オリヴァーとピアは幾多の難局に直面しつつも、凄絶な連続殺人の真相を追い続ける。本国で累計200万部を突破した警察小説シリーズ!
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3.4
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4.0窓ガラスいっぱいに、口紅を使って描かれた落書き。無言の電話。白紙の手紙。冷たい視線。そして彼女は悲鳴を絞り出した。きちんと揃えてあった彼女の靴が五、六足、今はことごとく、裏返しにされて置かれていたのである――そういえば先生、最近六本木界隈で流行っている噂、知ってる? お墓から少し離れた場所に一枚の紙が落ちているのを見つけ、何だろうと思って拾ってみると、それには謎々が書かれてあって――土砂崩れのせいで、地中に埋まっていた屍体が見つかったんだってさ。おや、屍体はふたつだ――いったい何が進行しているのか? 五里霧中の展開に眩暈を覚える異様な力作。少年探偵・牧場智久、第二の事件。
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3.8
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3.5七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された。坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の部屋で偶然行きあわせた遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を始める。一方、ルポライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され、調べを進める内に、坂井がようやくの思いで発表にこぎつけた受賞後第一作が、さる有名作家の短編の盗作である疑惑が持ち上がり、坂井と確執のあった編集者、柳沢邦夫を追及していく。著者が絶対の自信を持って読者に仕掛ける超絶のトリック。記念すべきデビュー長編の改稿決定版!
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3.3月夜の晩に 火事がいて/水もってこーい 木兵衛さん/金玉おとして どろもぶれ/ひろいにいくのは 日曜日――わらべ歌の歌詞どおりに、木兵衛屋敷が火事になり、屋敷の当主は顔を潰され、金玉をとられて死んでいた! 被害者の許には事前に事件を予告するかの如く、この歌の歌詞が届けられていた。調査に当たるのは、東京に出て私立探偵事務所を開いているぼく、山浦歩。旧友からの依頼を受けて久しぶりの故郷、善音寺市に帰ってくるや、待ち受けていたように事件が相次いで起こり、おかげでぼくはすっかり容疑者扱いだ。『ミミズクとオリーブ』『嫁洗い池』の主婦探偵シリーズでお馴染みの著者、初の本格長編推理。
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3.8「東雅彦は嘘つきで女たらしです。東雅彦は2月1日、こんなことをしていました」愛心学園吹奏楽部の部室に貼られた怪文書。こんなものを貼ったのは誰だと騒ぐ部員たちが特定の人物を犯人扱いしそうになったとき、オーボエ主席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出る。渡会千尋。僕の初恋の人だ――。初恋の人の無実を証明すべく、葉山君が懸命に犯人探しに取り組む「中村コンプレックス」ほか、葉山君の小学生時代のエピソード「あの日の蜘蛛男」、探偵役を務める伊神先輩の卒業式の日の出来事を描く「卒業したらもういない」など、〈卒業式編〉は4編を収録。デビュー作『理由あって冬に出る』に続く、ライトでコミカルな学園ミステリ第2弾、前編。
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3.8舞台は、めざましい成長を遂げる宗教団体〈人類協会〉の聖地、神倉。大学に姿を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。とかく噂の神倉へ、何故? 様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、4人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。紆余曲折を経て〈城〉と呼ばれる総本部で江神の安否は確認できたものの、思いがけず殺人事件に直面。外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し……。第8回本格ミステリ大賞に輝いた、江神シリーズ第4作。
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3.7第七期棋幽戦第二局は、〈碁の鬼〉と称される槇野猛章九段の凄まじい妙手で一日目を終えた。翌日の朝、対局の時間に槇野九段は現れず、近くの滝の岩棚で首無し屍体となって発見される。死の二週間前に目撃された「鬼の首を取る」奇妙な詰碁は殺人予告だったのか。槇野九段が首を切断された理由とは。山林で発見された腐乱死体は事件と如何なる関係があるのか。知能指数208の天才少年・牧場智久と姉の典子、そして大脳生理学者・須堂信一郎のトリオが不可解な謎に挑む。名作『匣の中の失楽』に続いて放たれた著者初期の傑作本格推理。ゲーム三部作第一弾、牧場智久シリーズ開幕。
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3.2会社の書類を届けにきただけなのに……。森の奥深くの別荘で幸子が巻き込まれたのは密室殺人だった! 閉ざされた扉の奥で無惨に殺された別荘の主人、そしてそれぞれ被害者とトラブルを抱えた、一癖も二癖もある6人の客。犯人はこの中にいる──。犯人当ての「大きな森の小さな密室」。遺跡の発掘現場で発見されたのは、絞殺された若い女性の遺体。死亡推定時期は150万年前!? 抱腹絶倒の「更新世の殺人」。ミステリでお馴染みの7つの「お題」を天才殺人者やマッドサイエンティストなど一筋縄ではいかない探偵たちが解く。精密な論理が黒い笑いを構築する全7篇のミステリ連作集。
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3.6だあれが殺したコック・ロビン? 「それは私」とスズメが言った――。四月のニューヨーク、マザー・グースの有名な一節を模したかのごとき不気味な殺人事件が勃発した。胸に矢を突き立てられた被害者の名はロビン。現場から立ち去った男の名はスパーリング――ドイツ語読みでシュペルリンク――スズメの意。そして“僧正”を名乗る者が、マザー・グース見立て殺人を示唆する手紙を送りつけてきた……。史上類を見ない陰惨で冷酷な連続殺人に、心理学的手法で挑むファイロ・ヴァンス。江戸川乱歩が称讃し、後世に多大な影響を与えた至高の一品。
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3.4某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――。吹奏楽部は来る送別演奏会のための練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立ち合いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。
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3.8東京郊外に妻と二人で住む作家のぼくの許に、同郷の悪友、河田警部が美味そうな食材を手にやってくる。すると、妻は料理の腕に勝るとも劣らない推理の冴えを見せ、捜査のヒントを示唆する。それに従って、ぼくたちがちょっとした再調査に着手する、とあら不思議!どんな難事件も見事な解決を見るのだ。『ミミズクとオリーブ』でお馴染みになった台所探偵の事件簿第二弾は、さらにパワーアップし、密室内での吹き矢による毒殺事件をはじめ、目撃者もおり、本人も罪を認めているという、どう考えてもこれ以外に真相はないと思われる事件に新たな道筋を示すといった、安楽椅子探偵ものの極致ともいうべき作品六編を収める、シリーズ第二弾。
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3.5私は殿島直紀、弁護士である。今にして思えば、私の事務所の隣に住む綾子が姿を消したことが事件の発端だった。いっしょに暮らしていた孤児たち四人を残して消えた綾子。私が密かに思いを寄せていた彼女は、姿を消す前に米軍接収地でトラブルに巻き込まれていた――。同時期、米軍宛に蒼志馬博士を名乗る人物から脅迫状が届く。「粗暴な米軍は即刻去るべし。さもなくば私の開発した殺人兵器で死にゆく運命にある」と。綾子の失踪に蒼志馬博士なる人物は関係しているのか?キザで眉目秀麗な荒城、学ランの義手探偵・真野原の活躍を洒脱に描く、本格ミステリ連作集。シリーズ第三弾。
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3.8【2012年1月5日スタート、ドラマ「デカ黒川鈴木」原作】町で野生のサルの被害が問題になり、変人学者の主張でサル対策を警察が主動しなければならなくなった。しかも不可解な状況で発生したボスザルの死の謎をも解き明かす必要に迫られ、黒川刑事はしぶしぶ捜査に乗り出す――表題作「田舎の刑事の動物記」をはじめ六編を収録。猿を追いかけ、蜂に追いかけられ、奥さんと台湾旅行に出かけて散々な目にあう黒川、今回は殺人事件にも遭遇します。田舎でだって難事件は起こる。鬼刑事黒川鈴木、今日も奮闘中。ミステリーズ!新人賞受賞作家が描く大好評シリーズ第二弾、肩の力を抜いてお楽しみください。
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3.7八王子の郊外に住む作家のぼくのもとへ、大学時代の友人が相談にやってきた。謎めいた文言の並ぶ書き置きを遺して、奥さんが家出したという。自慢の手料理を給仕しながら友人の話を聞いていたぼくの妻は、たちまち奥さんの所在を突き止めてしまった。さらに、高校時代の友人で刑事をしている男の自慢話を聞いている内に、女社長殺しの捜査のミスを見つけたばかりか、事件の真相をも言い当ててしまう……。ひょっとしてぼくの妻は、料理の腕前ばかりでなく、推理能力にも長けているのだろうか?! 直木賞作家が《安楽椅子探偵》の歴史に新しい一ページを切り拓いたシリーズ第一弾!
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3.7【2012年1月5日スタート、ドラマ「デカ黒川鈴木」原作】彼の名は黒川鈴木。姓名どちらも姓に見える点で、まあ珍名の部類に入る。職業は警察官。階級は巡査部長。既婚で子供はない。酒もタバコもやらない。ギャンブルなど論外。ふだんは大いにヒマながら、事件が起これば無能な白石と真面目な赤木、二人の部下と共に現場に急行する。起こる事件は本ワサビの大量盗難、コンビニ立てこもり、カラス騒動にトーテムポール損壊……のどかな田舎だって難事件は起きる。第三回ミステリーズ!新人賞を受賞した表題作から始まる脱力系ミステリ《田舎の刑事》シリーズ第一集。肩の力を抜いてお楽しみください。