集英社新書作品一覧
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4.5日本と世界のアイスダンス界。その現在地。 2020年に高橋大輔が転向して以来、フィギュアスケートのなかでもアイスダンスという競技に光が当たり始めた。 アイスダンスは「氷上の社交ダンス」とも呼ばれるが、世界的にはシングル競技と同じくらいの人気を得ている。 練習拠点の少なさやカップル競技ならではの難しさなど、アイスダンスをめぐる状況は厳しいものの、日本のアイスダンサーたちの試行錯誤と挑戦のうえに現在の道がある。 五輪出場を果たした歴代の日本の選手たちの証言はもちろん、世界で絶賛された名プログラム解説、日本と世界のアイスダンス界の実情や問題点を細やかに描く!
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4.7田中優子氏・茂木健一郎氏推薦! 第18回開高健ノンフィクション賞で議論を呼んだ、最終候補作 生活保護支援の現場で働いていた著者は、なぜか従来の福祉支援や治療が効果を発揮しにくい人たちが存在することに気づく。 重い精神疾患、社会的孤立、治らないうつ病。 彼ら・彼女らと接し続けた結果、明らかになったのは根底にある幼児期の虐待経験だった。 虐待によって受けた“心の傷”が、その後も被害者たちの人生を呪い続けていたのだ。 「虐待サバイバー」たちの生きづらさの背景には何があるのか。 彼ら・彼女らにとって、真の回復とは何か。 そして、我々の社会が見落としているものの正体とは? 第18回開高健ノンフィクション賞の最終選考会で議論を呼んだ衝撃のルポルタージュ、待望の新書化! 【推薦】 虐待は人の一生をどう変えてしまうのか。 本書は現場からの生々しい報告だ。 ――田中優子氏(法政大学名誉教授) 著者の根本態度は信頼できる。 まさにこの時代に読まれるべき大切な一冊。 ――茂木健一郎氏(脳科学者) 【目次】 はじめに 第一章 虐待のち、生活保護 1 どのような人が生活保護を受けているのか 2 たったひとり、生活保護に流れ着く 第二章 心に深く刻まれた虐待の傷あと 1 解離性障害――繰り返される記憶の空白 2 パニック障害――抱えてきた恐怖があふれでる 3 燃え尽き症候群――治らないうつ病の正体 4 精神科治療が見落としてしまうもの 第三章 愛着関係を理解する 1 愛着関係は心が健全に発達するための基盤 2 愛着関係の恩恵を受けられない人たち 第四章 目には見えない虐待を見る 1 発達障害だと思われた男の子 2 人からのやさしさを「拒絶」する心理 3 思春期がない女子中学生 4 本質的な問題が見落とされてしまう理由 第五章 虐待理解を阻むもの 1 なぜ、児童虐待は起こるのか 2 「支援者側の心理的問題」を考える 第六章 回復――虐待された理由を知る 1 「自分の子どもを好きになれない」という母親 2 回復とは、自分を深いところで理解すること 3 古い生き方が壊れ、新しく生きはじめる 4 「被虐待者」の回復から教わったこと おわりに 参考資料・参考文献
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3.0ルネサンス期の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。芸術家、科学者として有名な彼だが、その素顔は人嫌いで、生涯、鏡文字を使い、若いころは未完作品ばかりで、実力はあるけれども「画家失格」の烙印を押されるほどであった。そのレオナルドが、軍事技術者として自らを売り込み、君主の権謀術数の手先として壮大な宮廷イベントの総合演出を取り仕切り、さらに『白貂を抱く貴婦人』『美しき姫君』『最後の晩餐』などの名画を作った約20年間のミラノ時代の活躍を検証する。同時に彼の残した手稿から、天才の秘めた闇の部分も描き出す。(本書より抜粋)「彼は多くの点で異常な人間であると思う。天才的な直観力、豊かな想像力、卓越したアイデア、頭脳の明敏さ、驚くべき集中力など、褒め言葉はいくらでも思い浮かぶ。だが、それと同時に暗い面での彼の異常さも目につく。社会との奇妙な隔離意識と、善悪の彼岸に立ってこの世を眺めているような態度、密かな孤独癖と、愛想のよさに隠された厭人癖などである。本書の狙いは、ある意味でレオナルドという偉大な偶像を破壊することであり、彼を「万能人」とか「時代を超越した天才」としてではなく、われわれと同じ弱点、いや、われわれよりはるかに大きな人間的弱点を持つ人間として捉え直すことであった。
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4.0自分とは異なる立場や考えの人と、いかに対話し、合意形成していけばよいのか分からない。それどころか、深刻な信念対立を目の当たりにし、対話への希望を失ってしまう。そんな人は多いのではないだろうか。本書は、「本質観取」と呼ばれる哲学の思考法・対話法を、誰もが実践できるようになるための入門書である。「言いっぱなし」でも「論破!」でもない。分断をのりこえ、真に生産的な対話をもたらし、民主主義を成熟させるための対話の極意、奥義とは? 実践で活用できるワークシートや、ファシリテーションのコツなども収録。
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4.0甲子園を沸かせてきた高校野球の「怪物」たち。高校生の時点で球史に名を残した選手たちは、プロ野球選手として大成功した者もいれば、高校時代ほどの成績を残せず引退した者、プロ野球の世界に入れなかった者もいる。甲子園で伝説を残した選手のターニングポイントはどこにあるのか? そしてプロでも活躍する選手たちが持っている力とはなにか? 名選手たちの甲子園の成績や飛躍のきっかけになった出来事の分析を通して、高校野球における「怪物」の条件と、変わりゆくスター選手像、球児たちのキャリアを考える。
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4.0東大生の就職人気ランキング上位をいつのまにか独占するようになった「コンサル」。この状況の背景にある時代の流れとは? 「転職でキャリアアップ」「ポータブルスキルを身につけろ」そんな勇ましい言葉の裏側に見えてきたのは、「仕事で成長」を課せられて不安を募らせるビジネスパーソンたちの姿だった。時代の空気を鋭く切り取った『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』の著者が、我々が本当に向き合うべき成長とは何なのかを鮮やかに描き出す。圧倒的な努力や成長への強迫観念に追い立てられている人たちのための一冊。
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-無関心=空白の30年間が招いた安倍元首相銃撃事件から2年。 闘い続けるジャーナリストが、政界への浸食、北朝鮮との関係、組織の武装化まで教団の素顔を暴く! ◆内容◆ 2022年7月の安倍元首相銃撃事件後、統一教会 (現・世界平和統一家庭連合)と政界の癒着を中心に多くの報道があった。 だが、メディアが報じたのは全体像のごく一部だった。 教団をめぐる多くの問題が残されたまま事件の風化を憂慮したジャーナリストが、教団の政治への浸食の実態、霊感商法の問題はもちろん、「勝共=反共」にもかかわらず北朝鮮に接近していた事実、教団の実態を早くから認識していたアメリカのフレイザー委員会報告書、教団関係者による銃砲店経営、原理研究会の武装組織、「世界日報」編集局長襲撃事件、公安が教団関係者を調査していた事実等、その全貌を公開する。 ◆推薦◆ 青木理氏(ジャーナリスト) 元首相が白昼銃撃され死亡する衝撃的事件の動機となった旧統一教会を、最も長く深く取材してきた第一人者が本書の著者、有田芳生氏であることに異論はないだろう。 政治はカルトとの蜜月を続け、そればかりか利用し利用され、結果として生じた教団をめぐる「失われた30年」。 本書はその「空白」を第一人者が懸命に埋めようと試みた貴重なドキュメントである。
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4.3本邦初! 英国のアングロサクソン七王国時代を描いた新書。 滅ぼすか、滅ぼされるか。八人の王の決断とは――。 栄枯盛衰の道を辿った七つの国々と、その国王らの波瀾万丈な生涯から英国史の出発点が明らかになる。 【主な内容】 イングランド王国成立前、6世紀後半から10世紀前半までの約400年間。 ブリテン島は戦乱の世を迎えていた。 アングロサクソン七王国(ヘプターキー)時代だ。 激しい抗争が繰り返され、7つの王国は栄枯盛衰の道を辿る。裏切りと策略が飛び交う中で、問われる王の決断。 本書では、七王国時代を生きた8人の王の生涯を読み解く。最初にキリスト教に改宗したエゼルベルト王や、イングランド王国の礎を築いたアルフレッド大王といった個性豊かな王の生き様を通じて、英国史の出発点を解き明かす。 【目次】 1:フランクの圧力をかわし、七王国に号令 ―エゼルベルト(ケント王国)― 2:奥さんに尻を叩かれながら、覇王 ―レドワルド(イーストアングリア王国)― 3:もしも、確かさを約束してくれるのなら…… ―エドウィン(ノーサンブリア王国)― 4:覇王になれなかった異教の王 ―ペンダ(マーシア王国)― 5:シャルルマーニュと渡り合った「アングル人の王」 ―オッファ(マーシア王国)― 6:ライバルを制し、新たな戦いの時代へ ―エグバート(ウェセックス王国)― 7:無数の矢を射られ、ハリネズミのようになって殉教 ―セント・エドモンド(イーストアングリア王国)― 8:デーンを叩き、イングランド王国の土台を創った末っ子王 ―アルフレッド(ウェセックス王国)―
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3.0憎悪か? 理性か? 停戦の困難さから考える日本の国防政策。 21世紀の戦争論! ◆内容説明◆ ロシア・ウクライナ戦争は泥沼化し、戦死者の数はふくれあがっている。 戦闘の終わる気配が見えない中、中東ではイスラエルとパレスチナのハマスの間で新たな紛争が起きてしまった。 いずれも歴史的な経緯と国民感情もあり停戦は困難、かつ終戦は遠い状況だ。 そして欧米のウクライナ支援の延長で、「テロとの戦い」と称しガザで民族浄化を行うイスラエル支持に日本はまわっていいのか? 軍事と紛争調停のリアルを知る専門家がふたつの戦争の背景や戦史をひもときつつ、停戦の困難さと可能性を多角的に分析。 そして導き出された教訓をもとに、「非戦」という理念にもとづいた日本の安全保障のあるべきスタンスを提示する。 ◆主な内容◆ 第1章 ウクライナ戦争の終わらせ方を考える ・戦争はどういう時に終わるのか ・戦争の歴史から見た停戦と専守防衛 ・戦争は情報の相互作用である ・即時停戦の必要性と実現可能性 第2章 討論 戦争を理解できなければ停戦もイメージできない 第3章 ガザの戦争・人道危機を考える ・戦争の結果という視点から考える ・まだ「名称」が付けられない「ガザ紛争」 ・厄介な戦争 ・誰がどんな形で停戦をリードできるか 第4章 戦争を終わらせた後の世界に向けて ・分断と戦い停戦を追い求める ・システム論から見える停戦の難しさ ・「三十年戦争」から見る戦争のやめ方 ・なぜ「非戦」にこだわるのか
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3.6「多様性」の時代のヒーローとは―― 【おもな内容】 世界を救う、「正義」の象徴たるヒーローは、圧倒的な“マジョリティ”として表象されてきた。 しかし21世紀を迎え、ジェンダー、加齢、障害、新自由主義といった様々な観点への理解・変化から、留保なしでその存在は認められなくなった。 では、ヒーローたちはどのように「多様性」と向き合うのか? そして、「ポスト真実の時代」とどう対峙していくのか? 本書は、ヒーローの誕生から発展までの歴史的視座を参照し、アメリカと日本のポップカルチャーに登場、活躍する《新しいヒーロー像》を縦横無尽に論じる。 ヒーローを考えることは社会を考えることだ! 【目次】 序章 多様性の時代の正義 第一章 法の外のヒーローたち 第二章 二つのアメリカと現代のテーレマコス 第三章 トランプ時代の「お隣のヒーロー」 第四章 多様性の時代に「悪」はどこにいるのか? 第五章 「オレはまだまだやれる!」――中年ヒーローの分かれ道 第六章 障害、加齢とスーパーヒーロー 第七章 日本のヒーローの昔と今 第八章 正義のパロディとニヒリズムとの戦い 第九章 デスゲームと「市場」という正義、そしてケアの倫理へ 第十章 ポストフェミニズムと新たな「ヒーロー」 終章 私たちの現在地 おわりに 正義はどこへ行くのか?
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4.5教育格差は絶対悪なのか? 機会の平等が実現された先にある「本当の地獄」とは? 【内容紹介】 経済的余裕のない家庭の子どもに勉強を教える「無料塾」は、学歴が収入や地位に直結する現代で子どもを救う存在となっている。 一方、無料塾は重大な問いを社会に投げかける。生育環境による教育格差を埋めることは重要だが、受験戦争のさらなる先鋭化に加担することにならないか。また、仮に機会の平等さえ実現したら、そのなかで競争に負けた者は自己責任でいいのか。 さまざまなタイプの無料塾への取材からそれぞれのジレンマを明らかにし、これまでの教育格差の議論で見落とされてきた点をあぶり出す、迫真のルポルタージュ。
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3.5オスマン帝国の終焉から100年 日本は「帝国」の智慧に学べ 紛争と閉塞を生む「国民国家」の限界を超えるために 第1次世界大戦後、西欧列強が「国民国家」を前提とし中東に引いた国境線。それが今なお凄惨な戦争の原因になっている。そのシステムの限界は明白だ。 トルコ共和国建国から100年。それはオスマン帝国崩壊100年を意味する。以来、世俗主義を国是とし、EU入りをめざしたトルコ。だが、エルドアン政権のもと、穏健なイスラーム主義へと回帰し、近隣国の紛争・難民など国境を超える難局に対処してきた。ウクライナ戦争での仲介外交、金融制裁で経済危機に直面しても折れない、したたかな「帝国再生」から日本が学ぶべきこととは? 政治、宗教からサブカルチャーまで。ひろびろとした今後の日本の道筋を構想する。 ◆目次◆ プロローグ 「帝国」をめぐる、新しい物語を探して 内田樹 第1章 現代トルコの戦国時代的智慧に学ぶ 第2章 国民国家を超えたオスマン的文化戦略を考える 第3章 東洋に通じるスーフィズムの精神的土壌 第4章 多極化する世界でイスラームを見つめ直す 第5章 イスラームのリーダーとしてトルコがめざすもの 第6章 日本再生のために今からできること エピローグI トルコに学ぶ新しい帝国日本の転生 中田考 エピローグII 明日もアニメの話がしたい 山本直輝
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4.0★日々の老化を実感し、不定愁訴に悩む中高年必読! ホルモンを制す者は「老化」を制す。 健康寿命を伸ばす最強ホルモン「DHEA」、その実力とは!? 【内容紹介】 健康診断や人間ドックでは通常、測定されることのない血中のホルモン量が心身の老化と密接に関係している――。 長年、老化のメカニズムの研究と診断・治療に取り組み、患者の「若返り」を実証してきた抗加齢医学の第一人者である著者は、そう明言する。 本書では、50種類以上のホルモン生成に関与する最強ホルモン「DHEA」を軸に、各種ホルモンの多岐にわたる抗加齢力を解き明かす。 日々老化を実感し、不定愁訴に悩む中高年に向け、ホルモンに着目した本物のアンチエイジングを指南する。 【内容一部抜粋】 私がもっともお伝えしたいことは、心身の老化を決めるのが「ホルモン」であるという点です。 (中略) そのホルモンの中でも、今回お話するのは、すべてのホルモンの親玉である「DHEA」です。 アンチエイジングについて医学的に検査、治療を行う「抗加齢学会」では、「ストップ・ザ・老化」の最強アイテムとしてDHEAに大注目していますし、現実として「髪が増えた」「肌に潤いが戻った」「骨密度が上昇した」「悪玉コレステテロールが減少した」など、加齢からくるさまざまな悩みをDHEAが解決してくれているのです。(「はじめに」により) 【目次】 序章 究極のアンチエイジングホルモン 第1章 人はなぜ老化するのか? 第2章 「ホルモンの母」DHEAの実力 第3章 免疫力低下と病的老化に抗う 第4章 老化は検査で数値化できる 第5章 DHEAを減らさない・増やす
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4.1トランスジェンダーとはどのような人たちなのか。 性別を変えるには何をしなければならないのか。 トランスの人たちはどのような差別に苦しめられているのか。 そして、この社会には何が求められているのか。 これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる、本邦初の入門書となる。 トランスジェンダーについて知りたい当事者およびその力になりたい人が、最初に手にしたい一冊。 ◆目次◆ 第1章 トランスジェンダーとは? 第2章 性別移行 第3章 差別 第4章 医療と健康 第5章 法律 第6章 フェミニズムと男性学
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3.8ハリウッド映画が危機に瀕している。 配信プラットフォームの普及、新型コロナウイルスの余波、北米文化の世界的な影響力の低下などが重なって、製作本数も観客動員数も減少が止まらない。 メジャースタジオは、人気シリーズ作品への依存度をますます高めていて、オリジナル脚本や監督主導の作品は足場を失いつつある。 ハリウッド映画は、このまま歴史的役割を終えることになるのか? ポップカルチャーの最前線を追い続けている著者が、2020年代に入ってから公開された16本の作品を通して、今、映画界で何が起こっているかを詳らかにしていく。 【佐久間宣行 氏 絶賛!】 「何もかもが変わってしまう時代に、それでも希望を見出すためには、ここまで現実を直視し続けることが必要なのだろう。新しい戦いを始めるための知識を詰め込んだ、武器のような本だ」 【目次】 第一章 #MeToo とキャンセルカルチャーの余波 『プロミシング・ヤング・ウーマン』――復讐の天使が教えてくれること 『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』――男性監督が向き合う困難 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』――作品の豊かさと批評の貧しさ 『カモン カモン』――次世代に託された対話の可能性 第二章 スーパーヒーロー映画がもたらした荒廃 『ブラック・ウィドウ』――マーベル映画の「過去」の清算 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』――寡占化の果てにあるもの 『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』――扇動されたファンダム 『ピースメイカー』――疎外された白人中年男性に寄り添うこと 第三章 「最後の映画」を撮る監督たち 『フェイブルマンズ』――映画という「危険物」取扱者としての自画像 『Mank/マンク』――デヴィッド・フィンチャーのハリウッドへの決別宣言 『リコリス・ピザ』――ノスタルジーに隠された最後の抵抗 『トップガン マーヴェリック』――最後の映画スターによる最後のスター映画 第四章 映画の向こう側へ 『TENET テネット』――クリストファー・ノーランが仕掛けた映画の救済劇 『DUNE/デューン 砂の惑星』――砂漠からの映画のリスタート 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』――2010年代なんて存在しなかった? 『TAR/ター』――観客を挑発し続けること
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3.7読書会、勉強会、NPO、趣味の集い……あなたのコミュニティは大丈夫? 一人ひとりは心優しい人間だとしても、全てのメンバーが互いをよく知っている小規模で親密な集いには、親密でよく通じ合っているが故に発生してしまう「毒」がある。 その集いは人々の間のミクロな違い、その隙間に巣くうコミュニケーションによって「有害な小集団」と化し、わたしたちを日々毒す。 本書はロシアに由来する小集団「サークル」を、小林多喜二からサークルクラッシャーまであらゆる切り口で再考し、開かれのなかの閉ざされ、閉ざされのなかの開かれという逆説を原理的に問いながら、集団性の解毒法を提示する。 ◆目次◆ 第一章 男女の数は同数に? 第二章 男たちの解毒史 第三章 政治と文学とサークル――人文主義の暗がり(1) 第四章 『サークル村』の周辺――人文主義の暗がり(2) 第五章 鶴見俊輔のサークルイズム 第六章 閉ざされること、開かれること 第七章 プラグマティズムと共同体の問題 第八章 現代の種の論理 終 章 楕円のほうへ
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4.3政権中枢が推し進める横浜市へのカジノ誘致に対し、これを阻止すべく人生最後の闘いに打って出た91歳“ハマのドン”こと藤木幸夫。 そこには横浜のみならず全国の港湾を束ねる者として、「博打は許さない」という信念があった。 カジノの是非について住民投票を求める市民の署名は二〇万筆近くに上ったものの、市議会では否決。 決戦の舞台は2021年夏、横浜市長選となった。菅首相はじめ政権総がかりで来る中、藤木と市民との共闘のゆくえは――。 国内外で高い評価を得たドキュメンタリー制作の舞台裏を明かす。 ◆目次◆ 第一章 保守の大親分が反旗を翻す 第二章 無党派市民の怒りとドンの宣戦布告 第三章 藤木幸夫とは何者か? 第四章 そして、決戦へ 第五章 闘い終えて、映画化へ
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4.0負けるには理由がある この国が今なお抱え込む「失敗の本質」を深掘りした日本人組織論の決定版! 【おもな内容】 太平洋戦争史を振り返れば、日本人特有の「戦い方」が敗因となったと思われる事例は極めて多い。 人間関係で全てが決まる。 成功体験から抜け出せず、同じ戦い方を仕掛け続ける。 恥と面子のために方針転換ができず泥沼にはまり込む。 想定外に弱く、奇襲されると動揺して浮き足立つ。 このような特徴は今日の会社や学校などの組織でも、よく見られる光景ではないだろうか。 本書は改めて太平洋戦争を詳細に見直し、日本軍の「戦い方」を子細に分析する。 日本人の組織ならではの特徴、そしてそこから学ぶ教訓とは。 【目次】 はじめに 第一章 奇襲を好み、奇襲に弱い体質 第二章 一時の戦勝から生まれた妄想の迷走 第三章 習熟していなかった海洋国家の戦い方 第四章 人的戦力の育成・維持・強化を怠った結末 第五章 「特攻」という究極の戦い方 おわりに
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4.0【「教養=ビジネスの役に立つ」が生む息苦しさの正体】 社交スキルアップのために古典を読み、名著の内容をYouTubeでチェック、財テクや論破術をインフルエンサーから学び「自分の価値」を上げろ――このような「教養論」がビジネスパーソンの間で広まっている。 その状況を一般企業に勤めながらライターとして活動する著者は「ファスト教養」と名付けた。 「教養」に刺激を取り込んで発信するYouTuber、「稼ぐが勝ち」と言い切る起業家、「スキルアップ」を説くカリスマ、「自己責任」を説く政治家、他人を簡単に「バカ」と分類する論客……2000年代以降にビジネスパーソンから支持されてきた言説を分析し、社会に広まる「息苦しさ」の正体を明らかにする。 【おもな内容】 第一章 ファスト教養とは?―「人生」ではなく「財布」を豊かにする 「ファスト教養」と「教養はビジネスの役に立つ」/「教養」と「金儲け」をつなぐ「出し抜く」 第二章 不安な時代のファスト教養 「脅し」としての教養論/読書代行サービスとしての「中田敦彦のYouTube大学」/世界のエリートのように「美意識」を鍛える必要はあるか/ファスト教養は「オウム」への対抗策になるか 第三章 自己責任論の台頭が教養を変えた 「ホリエモンリアルタイム世代」が支えるファスト教養/勝間和代は自分の話しかしない/教養×スキルアップ=NewsPicks/橋下徹と教養の微妙な関係/ひろゆきが受け入れられた必然/ファスト教養に欠落しているもの 第四章 「成長」を信仰するビジネスパーソン インタビュー1 着々とキャリアアップする三〇代/インタビュー2 大企業で自問自答する二〇代 第五章 文化を侵食するファスト教養 「ファスト映画」と「ファスト教養」/ファスト教養視点で読み解く『花束みたいな恋をした』/AKB48と「ネオリベ」/利用される本田圭佑/「コスパとエンターテインメント」の先に何を見出すか 第六章 ファスト教養を解毒する ファスト教養をのぞくとき、ファスト教養もまたこちらをのぞいているのだ/リベラルアーツとしての雑談、思考に必要なノイズ/「ジョブズ」を理解する受け皿になる
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3.0タリバンはなぜ復権したのか? タリバンの勝利、ウクライナ戦争という冷戦後秩序のゆらぎに迫る 2021年8月、アフガニスタンの首都カブールはタリバンに制圧された。9・11事件に端を発する2001年のアメリカを中心とする多国籍軍の侵攻でタリバンが政権を追われ20年。国連、欧米の支援下、自由と民主主義を掲げた共和国政府はなぜ支持を得られず、イスラーム主義勢力が政権奪回できたのか? アフガニスタン情勢のみならず、ロシアのウクライナ侵攻など、国際秩序への挑戦が相次ぐ中、国連事務総長特別代表を務め、国連アフガニスタン支援ミッションを率いて諸勢力と交渉をしてきた山本氏と中東学者が問題の深層と教訓、日本のあるべき外交姿勢を語る。揺らぐ世界情勢を読み解くための必読書。 ◆推薦◆ 「山本忠通、内藤正典両氏はアフガニスタン研究の双璧。 一人は国連における権威、もう一人は国内学会の第一人者。 この二人のタリバンの本質、I.S.やアルカイダとの関係などに肉薄する追及は、読者の興味を引かないはずはない」 明石康氏(元国連事務次長) 「国際社会がおのれと立場を異にする人々の言葉に耳を傾け、 そこに“一理ある”ことを受け入れない限り、 イスラームをめぐる問題は絶対に解決しない」 内田樹氏(思想家)
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4.0【第66回JCJ賞受賞!】なぜ、被爆者たちは切り捨てられたのか――。 広島の原爆投下から70年以上を経て、ようやく語られ始めた真実の数々。 「黒い雨」による被ばく問題を記録した、初めてのノンフィクション。 ---------- 原爆投下直後、広島に降った「黒い雨」。 多くの人がその放射線を帯びた雨による深刻な健康被害に苦しめられていながら、「被爆者」と認めて救済する制度はなかった。 雨を浴びた住民らは国に援護を求めて訴訟提起したが、解決までの道のりは長く険しいものだった。 なぜ、国は黒い雨被爆者を切り捨てたのか――。 本書は当事者の歩みをたどるとともに、米軍の被害軽視に追従した国の怠慢、非科学的な態度をあぶり出していく。 戦後70年以上を経て、ようやく語られ始めた真実の数々。 「黒い雨」による被ばく問題、その訴訟の全容を記録した初めてのノンフィクション。 ---------- なぜ、黒い雨被爆者は戦後七五年余りもの間、置き去りにされてきたのか。 そこには、被ばくの影響を訴える声を「切り捨てる」論理があった。 これに疑義を唱え、被ばくを巡る救済のあり方を問うたのが、「黒い雨」訴訟だった。 黒い雨被爆者がなぜ、どのように切り捨てられ、そして何を訴えて援護を勝ち得たのか。 本書は、黒い雨被爆者が「切り捨てられてきた」戦後を記録した、初めてのノンフィクションである。 その記録は長崎で、福島で、そして世界中で今も置き去りにされている放射線による被害者を救う道しるべになると確信している。 (「序章 終わらない戦後」より)
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-心震わす3人の若者の感動の青春群像。『映画 太陽の子』の背景となった事実に迫る! 太平洋戦争開戦直後、アメリカ軍の上層部にはある疑問があった。それは日本の“原爆開発”。終戦後、その実態を明らかにするため、アメリカは調査団を派遣し、大戦中の日本の核開発の実態を調べた。しかし、その調査結果は機密扱いとなり、長い間、すべてが謎に包まれてきた。NHK取材班は、当時の関係者や歴史家の取材を通じ、アメリカに没収され、戦後埋もれていた歴史的資料を発掘し検証した。そこから、激化する戦争の波に巻き込まれていった核物理学者たちの姿が見えてきた。本書では、知られざる京都帝国大学による原爆研究の真相に迫り、科学研究の「原罪」について考える。
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4.0東日本大震災・原発事故の2011年からコロナ禍の2020年まで、日本と世界が変容し、混乱した「激動の10年」に書き続けられた時事コラム集成。この間、著者はニューヨーク、ロンドン、パリ、北京、ソウル、香港、台北、キューバ、イスタンブール、リオデジャネイロ、サハラ以南のアフリカ諸国、そして緊急事態宣言下の東京など、様々な場所と視点から世界の変貌=凋落の風景を見つめた。私たちの生きる世界は、そして私たち人間は、どのように変わったのか。全99本のコラムが「激動の10年」を記録する! 【目次より抜粋】 原発を語らず/北京の変貌/吉本隆明さんの思い出/ハバナの三島由紀夫/誰がテロリストなのか/ザハ・ハディト問題/ゴダールのFacebook?/慰安婦と赦し/日本死ね/佐村河内守は詐欺師なのか/非常事態発令下のパリ/サハラ砂漠の南へ/〈1968〉から50年/香港の天安門事件追悼集会/ジョギングの社会階層/コロナウイルスの日々/感染者はケガレか
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-50代に入っても国内大会で連続優勝し、世界の舞台に返り咲いたスキージャンパー葛西紀明。1992年のアルベールビル五輪に19歳で初出場して以後、8度の五輪出場を果たし、冬季五輪スキージャンプ最年長メダリストなど7つのギネス記録を保持する「レジェンド」は、ランニングをはじめとした練習法、習慣を工夫することで心技体を整え、現役選手として年齢の壁を超え続けている。「負けたくない」気持ちを原動力に、妥協せず積み重ねた努力とは? 自らの限界を外してきた軌跡、そして年齢を重ねても成果を出し、挑戦し続けるための思考法、セルフマネジメントの極意を語る。
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3.7未曽有のコロナ禍を経て、誰もが食卓の囲み方や外食産業のあり方など食生活について一度は考え、見つめ直した今日だからこそ、食とともに生きるための羅針盤が必要だ。料理人であり実業家であり文筆家でもある、自称「活字中毒」の著者が、小説からエッセイ、漫画にいたるまで、食べ物にまつわる古今東西の25作品を厳選。仕事観や死生観にも影響しうる「食の名著」の読みどころを考察し、作者の世界と自身の人生を交錯させながら、食を〈読んで〉味わう醍醐味を綴る。食べるだけが「食」じゃない! 人生に必要なことはすべて「食べ物の本」が教えてくれる!!
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4.0西田幾多郎『善の研究』、阿部次郎『三太郎の日記』、倉田百三『愛と認識との出発』、九鬼周造『「いき」の構造』、和辻哲郎『風土』、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』――中高生から大人まで、誰もが一度は聞いたことのある日本の教養書たち。しかし、名前だけ知っていてもページすら開いたことのない人がほとんどでは? そんな「読んだふり」をしてしまいがちな作品を、東京大学教養学部長を務めた著者が再読。自身も約半世紀ぶりに読む教養書たちは、現代を生きる私たちにどのような示唆を与えてくれるのか。名著の熱を味わいながら教養とはなにかを考える。
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4.0日々の鍛錬を積み重ねることで、体力と年齢の壁を超える――日本武道は今や国境を超えて世界的な注目を集め、実践者を増やしている稀有な身体、精神文化であり、人生百年時代といわれる現代に必須の実践の道だ。勝敗を超えた「品格」を身につけること、相手への感謝と反省の気持ちを忘れないこと、そして常に向上心を持って修行を続けること…。17歳で日本に留学して以来、武道に魅せられたニュージーランド人の著者は、剣道七段をはじめ、なぎなた、銃剣道等各種武道合わせて三十段を超える武道家にして関西大学教授。NHK「明鏡止水」シリーズにも出演した武道家が説く、身体と心の作法!
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3.8他者と働くということは、一体どういうことか? なぜわたしたちは「能力」が足りないのではと煽られ、自己責任感を抱かされるのか? 著者は大学院で教育社会学を専攻し、「敵情視察」のため外資系コンサルティングファーム勤務を経て、現在は独立し、企業などの「組織開発」を支援中。本書は教育社会学の知見をもとに、著者が経験した現場でのエピソードをちりばめながら、わたしたちに生きづらさをもたらす、人を「選び」「選ばれる」能力主義に疑問を呈す。そこから人と人との関係を捉え直す新たな組織論の地平が見えてくる一冊。 「著者は企業コンサルタントでありながら(!)能力と選抜を否定する。本書は働く人の不安につけこんで個人のスキルアップを謳う凡百のビジネス本とは一線を画する」――村上靖彦氏(大阪大学大学院教授、『ケアとは何か』『客観性の落とし穴』著者)推薦! ◆目次◆ 序章 「選ばれたい」の興りと違和感 第一章 「選ぶ」「選ばれる」の実相――「能力」の急所 第二章 「関係性」の勘所――働くとはどういうことか 第三章 実践のモメント 終章 「選ばれし者」の幕切れへ――労働、教育、社会
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4.81923年9月1日に発生した関東大震災は、東京近郊に大きな被害をもたらしたばかりか、近代日本の精神にも大きな傷跡と罪科を刻み込んだ。 民間人らによる朝鮮人虐殺や憲兵らによる無政府主義者殺害である。 シベリア抑留体験のある父を持ち、ドラマ・映画化された小説『風よ あらしよ』でアナキスト伊藤野枝・大杉栄と、大震災での彼らの殺害を描いた村山由佳、祖父が関東大震災で殺されかけ、家父長制の色濃い在日家庭に育ち、自らも様々な形での差別を経験してきた朴慶南。 ふたりが、戦争と植民地支配、災害と虐殺が日本人社会に与えた影響、そして、いまだ女性やマイノリティへの差別と偏見が根強く残るこの国の100年を語り尽くす。
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3.3エッセイスト・酒井順子氏 推薦! 「ここまで書いてしまっていいの?」と思わせるほどの筆致が清々しい。 部活動での体罰や、勝利至上主義、アスリートのメンタルヘルスなど、近年スポーツに関する様々な問題が浮上している。 この構造を温存させてきたのが、理不尽なことにも従順に従う風土である。 それによって「体育会系」学生は、無理な仕事も拒まないと見なされ、就職活動でも有利に働き、組織の中で重宝されてきた側面がある。 しかし、スポーツの価値はそこにあるのではない。 スポーツによって磨かれるのは、論理的かつ戦略的な思考、コミュニケーション能力、そして何より忖度なくフェアにプレー(行動)する精神である。 これらは社会の分断を乗り越え、コミュニティを支える基盤ともなる。 つまりスポーツには、社会を変革する力がある――。 本書では日本のスポーツ界に潜む病根を忖度なく指摘し、スポーツの真の価値を提言する。 【「はじめに」より】 スポーツを通して自分とは異なる他者と出会い、力を合わせて競技する中で、多様性の重要性を理解したり、コミュニケーション能力が高まります。 スポーツを介したつながりは、コミュニティを支える基盤にもなり得ます。また、スポーツによって鍛えられる分析力や行動力、戦略性は、学業やビジネスにも役立ちます。 本書では、このような「スポーツの多様な価値」を考えたいと思います。 【目次】 はじめに…スポーツは感動の「打ち上げ花火」?/スポーツが変われば社会が変わる 序章――東京五輪の「レガシー」とは何だったのか?…東京五輪検証の意義/勝利至上主義が選手を追い詰める/アスリートのメンタルヘルスを守るために/希望の萌芽 第1章――子どもが輝くスポーツのあり方…若年層の全国大会は必要ない/フランスの親はなぜ子どもに柔道をさせるのか/自己評価できれば弱くても続けられる 第2章――スポーツから考えるジェンダー平等…指導者の資質に男女差はない/「数」から「質」へ 第3章――沈黙するアスリートたち…声を上げる海外の選手たち/毅然とした態度が取れない日本のスポーツ界 終章――スポーツの価値とは何か…スポーツは社会を映す鏡/「体育会系」がもてはやされる時代の終焉/スポーツが文化となるために おわりに
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4.0ロシアによるウクライナ侵攻。 この暴挙は明らかな侵略戦争にもかかわらず、アフリカやアジアなどのグローバル・サウス諸国の一部は、ロシアに対して明確な非難姿勢を見せず、欧米と一線を画す態度をみせている。 この分断は、グローバル・サウスのグローバル・ノースに対する不信感、さらには植民地主義時代から始まった西洋の軍事、経済による世界支配の終焉の表れなのではないだろうか。 ウクライナ戦争が浮き彫りにした、この大きな歴史的うねり・変化の深層を、ウクライナの戦場とアフリカ諸国の現地ルポを通して、NHK記者が立体的に描き出す。
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4.3前著『韓国カルチャー 隣人の素顔と現在』に続く待望の第二弾。 本著では「歴史」に重点を置き、韓国社会の変化を考察する! 本書で取り上げる作品は『今、私たちの学校は…』『未成年裁判』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』『ブラザーフッド』『スウィング・キッズ』『リトル・フォレスト 春夏秋冬』『子猫をお願い』『シークレット・サンシャイン』『私たちのブルース』『シスターズ』『D.P.―脱走兵追跡官―』『猫たちのアパートメント』『はちどり』『別れる決心』など。 Netflix配信で世界的に人気となったドラマからカンヌ国際映画祭受賞作品まで、全25作品以上を掲載。 【主な内容】 韓国と日本の教育制度の違い、部活動も大学入試のため 韓国人が考える、「大人の責任」とは? 韓国での「オルン(大人)」の意味 ソウルの南北問題――江南と江北 韓国映画における女性監督の草分け、イム・スルレとはどんな人なのか 子猫がリードした「ワラナコ運動」 映画『サバハ』が描いた、韓国のカルト宗教 韓国人にも難しい済州島の言葉 済州島のアイデンティティ、「サムチュン」とは? 入隊したBTSのJIN 出演者たちにも軍生活のトラウマが…… 富裕層はなぜ江南に引っ越したか? パク・チャヌクが主題歌『霧』にこだわった理由
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3.5サラリーマン川柳のように、現代では風刺や批判をユーモラスに表現するものとして親しまれている川柳。 しかし、「万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た」「手と足をもいだ丸太にしてかへし」といった川柳を通じて、 昭和初期、軍国主義に走る政府を真正面から批判し反戦を訴え続けた作家がいた。 鶴彬、享年二十九。 官憲に捕らえられ、獄中でなお抵抗を続けて憤死した〈川柳界の小林多喜二〉と称される鶴彬とはどのような人物だったのか。 戦後約八十年、再び戦争の空気が漂い始めた今の日本に、反骨の評論家・佐高信が、鶴の生きた時代とその短い生涯、精神を突き付ける!
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3.8炎上を超えて、小山田圭吾と出会いなおすために。 コーネリアスの小山田圭吾が東京五輪開会式の楽曲担当であることが発表された途端、過去の障害者「いじめ」問題がSNSで炎上。 数日間で辞任を余儀なくされた。 これは誤情報を多く含み、社会全体に感染症のように広がる「インフォデミック」であった。 本書は当該の雑誌記事から小山田圭吾の「いじめ」がどのように生まれ、歪んだ形で伝わってきたのかを検証するジャーナリスティックな側面と、日本におけるいじめ言説を丁寧に分析するアカデミックな側面から、いまの情報流通様式が招く深刻な「災い」を考察する現代批評である。
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3.0日本では相続事例の実に8割が“争族”になっているという。 そのため、巷には損をしない、トラブルにならないための“相続ハウツー本”があふれているのだが、 そもそも「相続」とは何なのかを考えたことはあるだろうか。 相続を遺産分割・財産分与というお金の面だけ考えるせいで、争いごとが起こるのではないだろうか。 本書はこの「相続という行為」を、根本的な考え方や歴史、先人たちの例を引きながら、幅広く解説していく。 これを読めば、家族や一族の法的立場や関係性、税の歴史、徳川家康から太宰治、田中角栄など先人の相続話、 相続税と贈与税の存在理由と違い、次世代に遺すべきものは何か…相続のいろいろな側面が見えてくる。 「死に様は生き様」と言うが、相続は死に際して、その人の「人生を映し出す鏡」となるのである!
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4.0日本では1990年代にいったん注目を集めた男性学が、近年再び盛り上がりを見せている。家父長制による男性優位の社会構造を明らかにするフェミニズムに対し、その理解が進む一方で、アンチフェミニズム的な声も目立つ。また一枚岩的に男性を「強者」として把握できない実像もある。構造の理解と実存の不安、加害と疎外のねじれの中で、男たちはどう生きていけばいいのか。本書は、批評家、研究者、実践者など4人が集まり、それぞれの視点から男性学の「名著」を持ち寄り内容を紹介・解説した後、存分に語り合う。多様で魅力的な男性学の世界にようこそ。
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3.5妊娠・出産したいか、したくないか。いつ産むか、何人産むか――。そのほか、中絶、避妊、月経、更年期に伴う心身の負担など、生殖関連の出来事全般に関し、当事者がどのような選択をしても不利益なく生きることのできる権利を「リプロの権利」という。1990年代、女性にとって特に重要な権利として国際的に定義・周知されたこの人権について、日本でほぼ知られていないのはなぜなのか。中絶問題研究の第一人者が国内外での議論の軌跡をたどり解説する。少子化対策と称し「出産すること」への圧力が強まる今、必読の書!
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4.5戦後の住宅インフラを支えてきた団地。日本においても、戦後すぐは先進的な生活の象徴として、現代では20世紀へのノスタルジーの対象として、70年以上にわたってあらゆる世代の人びとがこの集合住宅に想いを託してきた。そうした時代の流れは団地が登場するフィクション=「団地作品」にも反映されている。 本書では15年にわたって団地作品について語るイベントを50回開催してきた集団=「団地団」が、団地作品の歴史を通覧。社会、風俗、家族、ジェンダー、創作などさまざまな観点から、戦後社会の変遷とフィクションの役割を考える。 【著者略歴】 団地団(だんちだん) 団地トークユニット。2010年結成。ライター・編集者の稲田豊史、写真家の大山顕、脚本家の佐藤大、漫画家の妹尾朝子(うめ)、ライター・編集者の速水健朗、小説家の山内マリコが中心メンバー。著書に『団地団 ベランダから見渡す映画論』(キネマ旬報社)。2025年3月12日から8月24日にかけて高島屋史料館TOKYO 4階展示室で「団地と映画――世界は団地でできている」を開催。
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3.8ショーケンこと萩原健一と水谷豊との名コンビが躍動した伝説のテレビドラマ『傷だらけの天使』。 1974年10月から1975年3月まで放送された本作は、鬼才・気鋭の映画監督や脚本家が招聘され、斬新な演出とセンシブルな物語を紡いでいく不朽の名作となった。 本書では、ファッションや音楽など当時の若者カルチャーの最先端を行き、現在に至るまで多くのクリエイターにも影響を及ぼしたこの番組の多くの関係者へ、新たに取材を敢行。 放送開始から50年の節目に、なぜ『傷だらけの天使』はいまだわたしたちの心に残り続けるのか、その理由と価値を問う。 ◆目次◆ 第1章 『傷だらけの天使』前夜 第2章 企画と制作準備――今までなかったテレビドラマを 第3章 嵐のシリーズ前半――鬼才監督たちの競演 第4章 路線変更――そして、伝説に 第5章 『傷だらけの天使』全26話あらすじと解説 第6章 その後の『傷だらけの天使』
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3.8「男が8割」の衝撃――。女性の“いない”キャンパス。 現役の東大教授による懺悔と決意。 これは大学だけじゃない、日本全体の問題だ! 2023年現在、東大生の男女比は8:2である。 日本のジェンダー・ギャップ指数が世界最下位レベルであることはよく知られているが、将来的な社会のリーダーを輩出する高等教育機関がこのように旧弊的なままでは、真に多様性ある未来など訪れないだろう。 現状を打開するには何が必要なのか。 現役の副学長でもある著者が、「女性の“いない”東大」を改革するべく声を上げる! 東大の知られざるジェンダー史をつまびらかにし、アメリカでの取り組み例も独自取材。 自身の経験や反省もふまえて、日本の大学、そして日本社会のあり方そのものを問いなおす覚悟の書。 【目次】 序 章 男だらけの現状 第一章 東大は男が八割 第二章 女性のいない東大キャンパス――戦前 第三章 男のための男の大学――戦後 第四章 アメリカ名門大学の共学化 第五章 東大のあるべき姿 終 章
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3.0日本にも忍び寄る「非科学主義信仰」という異常現象 2024年アメリカ大統領選挙の有力候補がトランプ前大統領だ。 トランプの岩盤支持層は保守派だけでない。 自分たちにとって都合のよい“ファクト”をつまみ食いする「非科学主義信仰」を有する人々からの支持も集めている。 Qアノン、極右組織など所属は様々だが、単なるカルト集団ではなく、彼らは既得権益層への怒りと独特の正義感を持った実効力をともなう集団だ。 反ワクチン・反マスク論争、移民受け入れの是非、銃規制問題など、NHKロサンゼルス支局長として全米各地で取材を続けてきた記者の緊急レポート。 日本にも忍び寄る「非科学主義信仰」という異常現象をあぶりだす。 【主な内容】 ・ワクチン接種に反対する人々 ・気候変動と非科学主義 ・Qアノンの素顔 ・ウクライナ侵攻で生じた「ルッソフォビア」 ・「トランプの幻影」におびえる民主党 ・幽霊銃をめぐる政治対立 ・学校・図書館向けの「禁書リスト」発出も ・トランプ前大統領の復権 ・トーク・ラジオにのめり込む運転手 ・信者を五倍に増やしたカリスマ牧師 ・教育現場の危機感 ・「真実」を求めてさまよう人々
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3.5外出のチャンスも、人に会う機会も減ると、スマホやパソコンを手放すことの出来ない時間が爆発的に増えてしまう。だが、持て余した時間をSNSに費やしネットサーフィンを繰り返すことで、貴重な資源が次々と権力者や大企業に奪われているのだ。トロント大学哲学科教授であり名エッセイストの著者が、「退屈の哲学的評価」「SNS依存と退屈の関係」などの今日的なテーマについて、鋭い洞察と規制の必要性を小気味良い筆致で綴る。訳者はロス、デリーロらの翻訳で名高いアメリカ文学者、上岡伸雄。
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-脳と腸は互いに影響し合っており、これを「脳腸相関」と呼ぶ。脳と腸をつなぐ経路には「神経系」「内分泌(ホルモン)系」「免疫系」があり、近年では「腸内細菌叢(腸内フローラ)」が深く関わることもわかってきた。これにより、胃腸のストレス関連不調に「認知行動療法」という新たな心理療法の道が開かれつつある。その研究者である消化器病専門医が、脳腸のしくみや過敏性腸症候群、糖尿病、肥満症、アレルギー、さらにはうつ病やアルツハイマー病との関係などについて最新の知見を示しながら、日常に役立つセルフケア法をわかりやすく伝える。
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4.5日本では女性の12人に1人が性犯罪の被害者になり、1年間で350人に1人が交通事故により死傷している。犯罪は、いつどこでも起こりうる。思いがけず犯罪に巻き込まれた時、被害者側に立って司法手続きやマスコミ対応などに尽力する弁護士が「犯罪被害者代理人」だ。犯罪、交通事故、連続殺人など、さまざまな事件の被害者を支援している弁護士の著者が、日本ではあまり知られていないその仕事について実例とともに紹介。被害者が直面する厳しい現実から、メディアの功罪、警察や司法の問題点にいたるまで解説する。誰もが当事者になりうる現代における必携の書!
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4.3福島県のある町で、「企業版ふるさと納税」を財源に不可解な事業が始まろうとしていた。著者の取材から浮かび上がったのは、過疎にあえぐ小さな自治体に近づき公金を食い物にする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策を企業に丸投げし、問題が発生すると責任逃れに終始する「限界役場」の実態だった。福島県国見町、宮城県亘理町、北海道むかわ町などへの取材をもとに、著者は「地方創生」の現実を突きつけていく。本書は「新聞労連ジャーナリズム大賞」受賞の河北新報の調査報道をもとに、さらなる追加取材によって新たに構成、「コンサル栄えて、国滅ぶ」実態を暴く。
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4.1二宮和也による初めての〈新書〉。あえて文字だけの表現に挑戦し、さまざまなテーマで縦横無尽に語る。40代になった著者二宮が、これまで考えてきたこと、いま考えていることを凝縮した一冊。最新の“ニノ流哲学”がここに! <著者コメント> 「最初に“新書で”というお話をいただいたとき、単純に写真ナシで文字だけという形態が自分にとっては新しい試みで面白そうだな、と。また、学問やビジネス向けのイメージが強い新書そのものの枠を広げて、読者層を厚くしたいという意図もいいなと思いました。さまざまなテーマについて自由に話しています。ぜひ読んでみてください」
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3.51975年4月30日。かつて「アメリカ史上最長の戦争」だったヴェトナム戦争が、大きな挫折に終わった日から50年。その一部は新たな「最長の戦争」となったアフガン戦争終結までの日々とも重なる。ケネディ政権時代に始まり、ニクソン/フォード政権期に終わったはずの戦争は、その後も長く遺恨を残していまに至る。ふたつの「いちばん長い戦争」のあいだに起こったことは何か。そこで残されたものは何か。現代アメリカの「分断」の源流をたどる、新たな視角から直視したアメリカの政治文化と社会の現代史。
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4.0生成AIを筆頭に新しい技術の進歩は増すばかりの昨今。SNSや検索エンジンなどの情報は「アルゴリズム」によって選別されている。しかし私たちはそのしくみを知らないままで利用していることも多い。アルゴリズムを紐解くことは、偏った情報摂取に気づき、主体的にメディアを利用する第一歩なのである。本書は、GoogleやAmazon、X、食べログなどを例に、デジタル・メディアやAIのしくみを解説。ブラックボックス化している内部構造への想像力を高めることを通じて、アルゴリズム・AIを疑うための視点をわかりやすく解説、提示する。メディア・リテラシーのアップデートを図る書。
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3.52022年以降、小中高生の自殺者数が3年連続で年間500人を超え、2024年は過去最多となった。大人の自殺者数が減少傾向にあるなか、なぜ子どもの自殺だけが増え続けているのか。虐待、市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)、いじめ、「指導死」・・・。長年にわたり、生きづらさを抱える子ども・若者たちのリアルな声に耳を傾けてきたフリーライターが、その背景を詳細にレポート。こども家庭庁の設立など日本がとってきた政策史もたどり、対策の課題を考察する。いま知るべき現実が詰まった必読の一冊!
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3.893年に発表された「文明の衝突」理論は、その後のコソボ紛争、さらに東ティモール紛争でその予見性の確かさを証明した。アメリカ合衆国の「21世紀外交政策の本音」を示して世界的ベストセラーとなった「原著」の後継版として、本書は理論の真髄を豊富なCG図版、概念図で表現。難解だったハンチントン理論の本質が、一目のもとに理解できる構成とした。その後99年に発表された二論文を収録、とくに日本版読者向けに加えた「21世紀日本の選択」は必読の論文。2000年に刊行された名著を電子版で復刻! 解題・中西輝政。
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-ウクライナへの軍事侵攻開始後わずか25時間で結成された反戦運動の最大勢力「フェミニスト反戦レジスタンス」をはじめ、ロシアにおける女たちの反戦・反体制運動はさまざまな形で存在してきたが、日本ではあまり知られていない。帝政時代からロシア革命、スターリン時代の大テロル、ペレストロイカを経て現在のプーチン政権に至るまで、著名な作家・詩人・活動家・ジャーナリストから無名の市民まで、女たちはずっと声をあげて闘ってきた。本書は、公式の歴史の中では埋もれてきた「もう一つのロシア史」を浮かび上がらせる試みである。
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3.9『ともぐい』で第170回直木三十五賞を受賞し、10年にわたって自然や動物と対峙する作品を書き続けてきた作家、河崎秋子。実家は父・崇が公務員を「脱サラ」し開業をした「河崎牧場」である。なぜ、父は牧場経営を始めたのか。その謎を辿るため戦国時代からの家系図を遡る。金沢で武士だった先祖、満洲で薬剤師をしていた祖父、満洲から大阪、そして北海道へと移り住んだ父、そして牧場経営の苦労を背負った祖母と母・・・・・・400年以上に及ぶファミリーヒストリーが、20世紀の日本と戦後の北海道の酪農史へと繋がっていくノンフィクション。
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4.2LGBTに関する議論から取りこぼされてきたものがある。それが「アセクシュアル」「アロマンティック」などのセクシュアリティだ。アセクシュアルとは「他者に性的に惹かれない」という指向で、アロマンティックとは「他者に恋愛的に惹かれない」指向をいう。私たちは「誰しも他者を恋愛的な意味で『好き』になったり、性的な関係を持ちたいと思ったりするはずだ」という前提で日々を過ごしがちだが、そういった思い込みは彼らの存在を否定することになる。本書ではアセクシュアルやアロマンティックの人々の経験や置かれている状況、歴史、そして関連する用語や概念を詳細に解説し、性愛や恋愛の「常識」を再考する。
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3.8人は生まれ育った環境に大きな影響を受ける。今の日本はとりわけ経済的要因で人生が左右される。飢え、住む場所がない、非正規雇用の増加など「見える貧困」も問題だが、習い事や修学旅行に行けない、誕生日のお祝いをしないなどの「体験格差」、さらに自己肯定感や忍耐力、協調性などの非認知能力が育たない「見えない貧困」も蔓延している。自ら貧困家庭で育ち、その体験を書籍化した著者が、貧困が連鎖するメカニズムや、そこからの脱出がいかに困難かを、実体験やデータを交えて分析。同時に東京大学大学院教授山口慎太郎との対談で、「親から子に受け継がれるもの」を考察し、貧困を断ち切るための政策・方法を検討していく。
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3.2資本主義に代わる次世代の経済として、EUを中心に今、世界で推進される「社会的連帯経済」。みんなが経営者となって働く労働者協同組合、NPOや社会的企業、地域通貨など利益追求を目的としない組織が連携し、新しい経済圏を形作る経済を指す。そこにあるのは「競争ではなく自分らしく」「会社ではなくコミュニティのために」という働き方だ。世界の格差・貧困問題を取材し続けてきたジャーナリストが日本各地での取り組み・事例を紹介。資本主義によって失われた人のつながりや小さなコモンを育む人々を描く、希望のルポルタージュ。
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4.0「国債」とは何か。おそらく多くの人が「国の借金」と答え、いい印象は抱いていないだろう。しかし、国債が経済においてどのような役割を果たしているかはあまり知られていない。実は国債の仕組みがわかれば、いま日本経済で起こっている変化を理解するのが容易になるのである。国債の定義、価格決定メカニズム、発行方法、主要投資家(日銀、銀行、生命保険会社等)の役割、そして金融政策との関連性について等、日本における国債の仕組みを入り口に、債券や証券、日銀の市場操作などの金融政策、銀行や生命保険の運用などの解説を通して、日本経済の見方が身に着く入門書。
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4.4年商100億を超えるIT企業のCEOをつとめた小野龍光は、インドで仏教を牽引する日本出身の僧・佐々井秀嶺上人のもとで突如仏門に入り、資産、社会的地位、名声を捨てた。立教大学教授退官後、都会生活を離れ、総合診療医として北海道穂別でのへき地医療の道を選んだ香山リカ。仏門をくぐった男と精神科医。自分自身の人生とは? 師とは? とらわれとは? 利他とは? 死とは? 仏教の教えをベースに、科学的視点や現代社会の分析も取り入れて読者に新たな生き方のヒントを提供する。あえて「捨てる」選択をしたふたりが語り合う、限られた人生を納得して生きるための思索的問答。
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4.5仏教の経典や僧侶たちの説法を紐解くと、意外にも恋愛話や言葉遊びがいたるところに見られる。インドから中国・朝鮮半島を経て日本に伝わった仏教は、宗教そのものだけでなく、恋愛文学や言葉遊びも育てたのだ。洒落や掛詞、ちょっとしたおふざけなど、エンタメ要素満載! 身近なようで実は知らなかった仏教の本当の姿、そして日本の古典文学に与えた影響とは? 仏教と周辺文化研究の第一人者である著者が、膨大な資料から仏教と恋愛文学の関係性を明らかにする新しくて面白い仏教読本!
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3.7安倍政権以降、「学力向上」や「愛国」の名の下に政治が教育に介入し始めている。その結果、教育現場は萎縮し、教育のマニュアル化と公教育の市場化が進んだ。学校はサービス業化、教員は「使い捨て労働者」と化し、コロナ禍で公教育の民営化も加速した。日本の教育はこの先どうなってしまうのか? その答えは、米国の歴史にある。『崩壊するアメリカの公教育』で新自由主義に侵された米国の教育教育「改革」の惨状を告発した著者が、米国に追随する日本の教育政策の誤りを指摘し、あるべき改革の道を提示する!
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-2030年秋、大阪の万博跡地でカジノを含む統合型リゾート(IR)の開業が予定されている。初期投資額だけでも1兆円を超える、この超巨大プロジェクトは年間来場者数約2000万人、売り上げは約5200億円を見込んでいる。カジノ・IRに関しては大阪のほか、市長選の結果により撤退した横浜をはじめ、長崎、和歌山でも開設の動きがあり、そして本丸は東京と見られている。20代から海外にわたってカジノを経験してきたジャーナリストが、国内外での取材を踏まえ、現在進行形の「カジノ列島ニッポン」に警鐘を鳴らす。
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-文化交流で日韓関係は改善するのか? K-POPや韓流ドラマへの関心の高まりが、隣国関係を変えていくのか。韓国における日本アニメ・文学の普及や韓流ファンが抱える葛藤、韓国の日本製品不買運動、BTSの騒動、日韓世論の変容……“文化”という新たな眺めから、日韓関係の現在・過去・未来を考察する。
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5.0盧武鉉政権時代の2004年、軍事独裁政権下で起こった不可解な事件を調査する「国家情報院過去事件真実糾明発展委員会(真実委)」が設置され、情報部(KCIA)の秘密資料の調査や、当時の関係者へのヒアリングなどから、金大中拉致事件、大韓航空機爆破事件などに政府がどう関わっていたか、その真相が明らかになった。この資料に加え、文献・史実、さらには著者自身が金泳三、金大中と直に交流した実体験も交え、朴正煕大統領暗殺事件、光州事件、ラングーン事件、東亜日報記者拷問事件…など、民主化を勝ち取るまでの激動の韓国現代政治史を、表と裏から振り返る。
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4.2日本の食を守るための、 想像を絶する戦いの記録。 数十年前まで、九州以北では南西諸島で採れる農作物の多くを食べることができなかった。 当時、ウリ類や熱帯果樹をむさぼり食う“特殊害虫”が蔓延し、法律でこれら作物の移動が禁止されていたのだ。 それが今、ゴーヤやマンゴーが日本全国の食卓に並ぶようになったのは、 害虫根絶に人生をかけた現地職員の、想像を絶する戦いがあったからだ。 本書は、根絶事業に自ら携わり、死闘の現場を間近で見てきた現役昆虫学者による奮闘の記録である。 日本の食を支えた名もなき戦士たちの、努力と情熱と執念をぜひ知ってもらいたい。
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4.2【人類の永遠の悩みに挑む!】 「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。 「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。 自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。 そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは? すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。 【目次】 まえがき 本が読めなかったから、会社をやめました 序章 労働と読書は両立しない? 第一章 労働を煽る自己啓発書の誕生――明治時代 第二章 「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級――大正時代 第三章 戦前サラリーマンはなぜ「円本」を買ったのか?――昭和戦前・戦中 第四章 「ビジネスマン」に読まれたベストセラー――1950~60年代 第五章 司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン――1970年代 第六章 女たちのカルチャーセンターとミリオンセラー――1980年代 第七章 行動と経済の時代への転換点――1990年代 第八章 仕事がアイデンティティになる社会――2000年代 第九章 読書は人生の「ノイズ」なのか?――2010年代 最終章 「全身全霊」をやめませんか あとがき 働きながら本を読むコツをお伝えします
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4.5中東、欧州移民社会研究の第一人者と新進気鋭のアメリカ政治学者が警告! ガザのジェノサイドを黙殺するリベラルの欺瞞が世界のモラルを破壊する。 もう、殺すな! ◆内容◆ 2023年10月7日、パレスチナ・ガザのイスラム主義勢力ハマスが、占領を強いるイスラエルに対して大規模な攻撃を行った。 イスラエルは直ちに反撃を開始。 しかし、その「自衛」の攻撃は一般市民を巻き込むジェノサイド(大量虐殺)となり、女性、子供を問わない数万の犠牲を生み出している。 「自由・平等・博愛」そして人権を謳(うた)いながら、イスラエルへの支援をやめず、民族浄化を黙認し、イスラエル批判を封じる欧米のダブルスタンダードを、中東、欧州移民社会の研究者とアメリカ政治、外交の専門家が告発。 世界秩序の行方とあるべき日本の立ち位置について議論する。 ◆目次◆ 序 章 イスラエル・ハマス戦争という世界の亀裂 内藤正典 第1章 対談 欧米のダブルスタンダードを考える 第2章 対談 世界秩序の行方 終 章 リベラルが崩壊する時代のモラル・コンパスを求めて 三牧聖子 ◆主な内容◆ ・パレスチナ問題での暴力の応酬と「テロ」 ・ガザから世界に暴力の連鎖を広げてはならない ・ダブルスタンダードがリスクを拡大する ・戦争を後押しするホワイト・フェミニズム ・反ジェノサイドが「反ユダヤ」にされる欧米の現状 ・アメリカとイスラエルの共犯関係 ・ドイツは反ユダヤ主義を克服できたか ・「パレスチナに自由を」と言ったグレタさんに起きたこと ・反ユダヤ主義の変奏としての反イスラム主義 ・民主主義のための殺戮の歴史を直視できない欧米の問題 ・バイデンとシオニズム ・トランプとバイデン ・欧米がなぜか不問に付すイスラエルの核問題 ・誰がイスラエルの戦争犯罪を止められるのか? ・「人殺しをしない」を民主主義の指標に
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4.6「抑止力」という考えはもうやめよう――。 イスラエル空軍で兵役を務めた著者が、イスラエルとアラブ諸国、パレスチナとの間で長く続けられてきた戦争を見つめていくうちに、「国のために死ぬのはすばらしい」と説く愛国教育の洗脳から覚め、やがて武力による平和実現を根底から疑うようになる、その思考の足跡を辿る。武力放棄を謳う憲法九条の価値を誰よりも評価するのは、平和ボケとは程遠い、リアルな戦争が絶えない国から来た外国人アクティビストなのである。母国のさまざまな矛盾点を指摘しつつ、軍備増強の道を進む日本の在り方にも異議を唱える一冊。 望月衣塑子氏(東京新聞記者)、推薦! ◆目次◆ 第1章 罪深い教育 第2章 軍隊を疑う 第3章 虐殺された民族が虐殺する 第4章 「全ての暴力に反対します」
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4.0なぜ私たちは「推す」のか? 秘蔵エピソード満載のアイドル人生論! 篠山紀信さん(写真家)推薦! アイドルを論じ続けて40年超。 「推す」という生き方を貫き、時代とそのアイコンを見つめてきた稀代の評論家が〈アイドル×ニッポン〉の半世紀を描き出す。 彼女たちはどこからやってきたのか? あのブームは何だったのか? 推しの未来はどうなるのか? 芸能界のキーパーソン、とっておきのディープな会話、いま初めて明かされる真相――そのエピソードのどれもが悶絶級の懐かしさと新鮮な発見に満ちている。 戦後日本を彩った光と闇の文化史とともに、“虚構”の正体が浮かびあがるアイドル批評の決定版! 【目次】 まえがき――「推す力」を生きて 序章 それは南沙織から始まった 第一章 1970年代のアイドル体験 note 天皇陛下のアイドル論 第二章 山口百恵から松田聖子へ――1980年の女王位継承 第三章 小泉今日子と中森明菜――1982年組の二つの星 note 後藤久美子と宮沢りえ 第四章 〈チャイドル〉ブーム始末記 第五章 さらば、沖縄の光 note 加護亜依は勝新太郎である 第六章 『時をかける少女』の40年 第七章 竹内結子の肖像 note アイドルの未来 第八章 2010年代のアイドル復活 第九章 あいみょんと「下降する時代」 note 平手友梨奈とは何だったのか? 終章 アイドルを「推す」ということ
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5.0現代日本人を読み解くキーワード 世界を襲ったコロナ禍により、さまざまな形で私たちの心のありようは変わったと言える。 他人と接触することがはばかられた時間を経て、他人との交流が増えたいま、人とうまくつながれず表面的な関わりしか持てなくなってしまった人や「みんなと同じ」からはずれる恐怖を感じる人は実に多い。 これは若い人だけの問題ではなく中高年でも多く見られる現象でもある。 本書では日本人を蝕む「疎外感」という病理を心理学的、精神医学的に考察。 どう対応すれば心の健康につながるのかを提案する。 【主な内容】 ・「みんなと同じ」現象の蔓延 ・コロナに続くウクライナ情勢を疎外感から読み解く ・あぶり出された人と会うのがストレスの人 ・8050の嘘 ・高齢者の「かくあるべし」思考と福祉拒否・介護拒否 ・ホワイトカラーの老後と疎外感 ・スマホの普及という新たな依存症のパラダイム ・コミュ力という呪縛 ・共感という圧力 ・疎外感とカルト型宗教 ・周囲が心の世界の主役のシゾフレ人間 ・対極的なシゾフレ人間とメランコ人間 ・人と接していなくてもいいという開き直り ・ひとりを楽しむ能力を与える
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3.9大増税、物価高、公共事業依存、超少子高齢化の放置… 社会の好循環を絶対生まない「政治の病(やまい)」をえぐり出す 泉流ケンカ政治学のエッセンス! ◆内容紹介◆ 3期12年にわたり兵庫県明石市長をつとめた著者。 「所得制限なしの5つの無料化」など子育て施策の充実を図った結果、明石市は10年連続の人口増、7年連続の地価上昇、8年連続の税収増などを実現した。 しかし、日本全体を見渡せばこの間、出生率も人口も減り続け、「失われた30年」といわれる経済事情を背景に賃金も生活水準も上がらず、物価高、大増税の中、疲弊ムードが漂っている。 なぜこうなってしまったのか? 著者が直言する閉塞打破に必要なこと、日本再生の道とは? 市民にやさしい社会を実現するための泉流ケンカ政治学、そのエッセンスが詰まった希望の一冊。 ◆目次◆ 第1章 シルバー民主主義から子育て民主主義へ 第2章 「明石モデル」をつくれた理由 第3章 地方再生に方程式はない 第4章 「地方」と「国」の関係をつくり直す 第5章 日本が滅びる前に ◆「はじめに」より◆ 2023年になってから、 全国の市町村でこれまでにない新しい動きが起こっています。 明石市が実施した子育て支援の施策を取り入れる動きが、 ドミノを倒すかのように広がり始めているのです。 子どもの存在を無視してきた社会。 その社会がようやく子どもに目を向け始めています。 この動きは、今後地方から国を変えていく 大きな流れを形づくっていくのではないか。 安心して子育てができる社会が実現すれば、 絶望的なまでに落ち込んだ出生率は必ず回復するはず。 将来、歴史を後から振り返ってみるならば、 この流れは日本社会が転換するひとつの大きなきっかけになるやもしれません。
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3.7【熱戦の裏側にあった戦略と戦術】 打撃記録を塗り替え複数枚の投手陣が起こした革命――2000年の智弁和歌山 1試合平均8点以上の打撃力と二枚看板――2001年の日大三 本塁打ゼロでも「木内マジック」で全国制覇――2003年の常総学院 「勝負強さ」が呼んだ春夏連覇の挑戦――2004年の済美 斎藤佑樹vs.田中将大で見えた「圧倒力」――2006年の早稲田実業vs.駒大苫小牧 強力打線とエースが前年の課題をデータから改善し春夏連覇――2010年の興南 高校野球100年、プロ級の投手陣と強力打線で栄冠に――2015年の東海大相模 投打の運用力で春2連覇と春夏連覇を達成した「最強世代」――2018年の大阪桐蔭 盤石な投手陣と抜群の運用力で「白河の関」越え――2022年の仙台育英 【2000年以降の優勝校の全データ収録!】 「しごき」のような練習で選手を鍛え、ひとりのエースが完投し、スモールベースボールで勝利をもぎ取る……高校野球の強豪校といえば、このようなイメージを持たれがちである。 しかし、2020年代に入り、指導法や戦略、戦術が大きく変わりつつある。 気鋭の野球著作家が、2000年以降に甲子園を制したチームの戦略や戦績、個人成績などを多角的な視点から分析。 戦略のトレンドの変遷から、選手育成の価値観の変化までを考える。 「いま」の甲子園を観るうえで、必携のガイド。 【目次】 第一章 変貌する高校野球――データ化と制度化がもたらしたもの 第二章 ゼロ年代の強豪校の戦略・戦術の変化(2000~2009年) 第三章 強豪校の戦略・戦術の変化(2010~2022年) 第四章「真の勝利至上主義」がもたらすもの
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4.4兵庫県豊岡市は、市内にある城崎温泉が「ロンリープラネット」のベスト温泉タウンナンバー1に選ばれ、インバウンドが急増。 豊岡演劇祭では1億3700万円の経済効果を達成。 移住したい街ランキングでも上位に入り、近年、国内外から注目を集める。 なぜそれが実現したのか。 人口が減少し、産業も衰退する中で、地方が輝きを放つ方法とは? 前市長が全国の自治体にも応用可能な視点を示しながら、その秘策を綴る。 【推薦コメント】 小島慶子氏(エッセイスト) 広まれ、豊岡モデル!「女、子どもは黙ってろ」で故郷が滅ぶと気づいた市長の本気のジェンダーギャップ解消作戦。胸熱です。子どもたちが、給食のお米をコウノトリ米にすることや震災の被災地にお米を送ることを思い立ち、真剣に大人に掛け合って実現するくだりでは涙が出ました。ここで子育てをしたいと思う人は多いのでは。 内田樹氏(思想家・芸術文化観光専門職大学客員教授) コウノトリ、有機農業、演劇、ジェンダーギャップの解消…着眼点はどれもすばらしいのですが、何よりもそれらを貫くのが「深さをもったまちづくり」という哲学である点を僕は高く評価します。その土地の土着の文化と整合しなければ、どんな「正しい」政策も成果を得ることはできません。中貝さんは豊岡の土着の文化が何を求めているのかを皮膚感覚でとらえ、それを政策的に展開できた例外的な市長だったと思います。 藻谷浩介氏(地域エコノミスト) 突き抜けた文化、世界とつながる地下水脈、経済力ある女性と生活力ある男性。小さな世界都市・豊岡に、ワクワクが止まらない。巨大化する東京でガラパゴス化する日本と心中するか。小さな世界都市で、世界に通じる文化と暮らしを担うか。あなたはどっちだ? 【目次】 序章 「小さな世界都市」の萌芽 第1章 コウノトリ「も」住めるまちを創る 第2章 受け継いできた大切なものを守り、育て、引き継ぐ 第3章 深さをもった演劇のまちづくり 第4章 ジェンダーギャップの解消 終章 これからのこと――子どもたちへ
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-体質は変わる、変えられる! 最新の研究とテクノロジーによって、体質は遺伝だけでなく多様な環境との相互作用によって決まるものであり、体質に関わる遺伝子は環境の影響を受けやすいことが分かってきた。 それにはどのくらいの時間がかかるのか。 そこで著者が提唱するのが「体質3年説」だ。 その有力な科学的根拠と考えられるのが、「細胞には寿命があり、3年くらいで体の多くの細胞が入れかわる」という点にある。 エピジェネティクス研究を進める医師が、体質とは何かを知ることで、健康と病気をコントロールする方法を丁寧に解説する一冊。 【主な内容】 ・東洋医学と西洋医学では病気の考え方が違う ・「遺伝的素因」と「環境的要因」 ・体質を決める5つのしくみ ・身長、体重、血圧、知能などを決める「ポリジーン遺伝」 ・一卵性双生児の研究が体質のしくみを解明 ・多くの細胞は3年で入れかわる ・病気にかかりやすい体質がある ・肥満になりやすい体質(家系)はあるか ・体質医学からエピジェネティクス
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4.0人の心に貼りつく差別の「種」は、いつ、どこで生まれるのか。 死にかけた人は差別しないか――? 新聞社の特派員としてアフリカ、ヨーロッパ、南米を渡り歩いてきた著者は、差別を乗り越えるために、自身の過去の体験を見つめ、差別とどう関わってきたか振り返ることの重要性を訴える。 本書では、コロナ禍の時期に大学で行われた人気講義をもとに、差別の問題を考え続けるヒントを提示。 熟練のノンフィクション作家が世界を旅して掘り下げる、新しい差別論。 【おもな内容】 はじめに 第1章:死にかけた人は差別をしないか 加藤典洋さんとの共鳴/人間はいつ死ぬかわからない?/人間は有限であると気づくことがもたらす変化/臨死体験がもたらす恥ずかしさ 第2章:アジア人の中にあるアジア人差別 「一般論」の弊害/『マイナー・フィーリングス』との出会い/アイデンティティーにからめとられる/中国でも日本でもどっちでもいいよ 第3章:日系アメリカ人作家の慧眼 ステレオタイプの受け止め方/白人視線の内面化/不朽の名作『ノーノー・ボーイ』 第4章:ジョージ・フロイド事件と奴隷貿易 ジョージ・フロイド事件とロドニー・キング事件/報道する側にある差別/母語を失うということ 第5章:日本にアフリカ人差別はあるか 東京のアフリカ人/マルクス・ガブリエルさんとの対話 第6章:アフリカ――遠望と条件反射 11歳のときに上野で渡された栞/条件反射の根底にあるもの/助けるってどういうことなんだろう 第7章:名誉白人、属性に閉じ込められる不幸 アパルトヘイト撤廃直後の南アフリカで/中国人老女との出会い/「名誉白人」の起源 第8章:心に貼りついたものと差別と 足立区で過ごした時代/もんじゃってなんだ?/『砂の器』とハンセン病 第9章:感受性と属性と――学生の問いに答える ビリー・アイリッシュは差別的か/若いうちに海外に行くべきか/差別を生む「種」を探る/差別した人に会いに行く おわりに
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-【推薦!】 蓮實重彦 氏(映画評論家) 「ネオレアリズモ」をいかに相対化するか。 古賀太は、イタリア映画を語る者に求められるこの最低限の資質を、ディーヴァ映画の優雅さや、デ・シーカ主演のカメリーニの秀逸なコメディを語ることで、軽々と超えて見せた。 【豊かな映画文化はなぜ生まれたのか?】 『無防備都市』『自転車泥棒』『道』『8 1/2』『情事』『山猫』『荒野の用心棒』『木靴の樹』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ライフ・イズ・ビューティフル』『君の名前で僕を呼んで』…… 数々の名作を生み、日本でも絶大な人気を誇るイタリア映画。 アメリカやフランスに比べて、その文化の全容が語られる機会は少ないものの、世界の映画史に大きな影響を与えてきた。 本書ではイタリア映画の歴史を、19世紀から現代までの120年を、約800の作品とともに通覧。 「イタリア映画祭」を立ち上げた著者がその豊かな文化的土壌と、映画の本質を明らかにする。
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-愛と哀しみの100年史。 歌手・クミコさん推薦! 「悪魔と神と天国と地獄が一緒くたにある音楽、それがシャンソンなのです」 東京五輪2020の閉会式で歌われた「愛の讃歌」をはじめ、老若男女が一度は聴いたことのある名曲がそろい、越路吹雪、菅原洋一、美輪明宏など不世出の歌手を生み出したシャンソン。 戦後間もなくの大ブームとその後の人気下降の謎に、作家のなかにし礼や歌手の芦野宏といったキーパーソンの軌跡をたどりながら迫る。 シャンソンがいかに日本のポピュラー音楽の礎となり、日本人の音楽観に影響を与えてきたか。 100年にわたる歴史と変遷、そこに躍動するアーティストたちのヒューマンドラマにスポットを当てた初めての書。
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3.5全共闘に代表される若者たちの社会変革の運動が、国内のみならず世界で最高潮に達した「1968年」。 あれから現在に至るまで、国内ではいまだに当時を超える規模の若者の叛乱は出現していない。 そもそも、あの叛乱は何だったのか。 そして現在の日本に何をもたらしたのか。 メディアに流布される「1968年」の物語の外側から、その意義を洞察してきた笠井潔とスガ秀実。 同世代の批評家同士であり、かつ時に互いを批判し合ったこともある二人。 この論敵同士による、最初で最後の「対話」の行方は――。 聞き手は外山恒一。 ◆目次◆ 序章 対話の前に 第一章 1968 第二章 1968以後 終章 国家と運動のこれから
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4.3【推薦!】 「『思いやり』に頼らず『国際人権』の実現を! 日本を世界と未来へと拓く道標がここに。」 中野晃一 氏(政治学者、上智大学国際教養学部教授) 「人権後進国を変えるためには、差別を放置せず、権利保障のため声を上げなければならない。それには国際人権の正しい理解が『武器』になる。」 望月衣塑子 氏(東京新聞記者) 【国際人権の視点から日本を考える】 私たちは、生活のあらゆる場面において人権を「行使」している。 しかし、国際的な人権基準と照らし合わせてみると、日本では人権が守られていない。 コロナによって拡大した貧困問題、損なわれ続ける報道の自由、なくならない女性の差別や入管の問題……そうした問題の根幹には、政府が人権を保障する義務を守っていないことがある。 その状況を変えるためにはどうすればいいのか。 国際人権機関を使って日本の問題に取り組む第一人者が、実例を挙げながらひもとく。 【目次】 第一部 国際人権とは何か 第一章 人権とは?――「思いやり」と「人権」は別物だ 第二章 国際人権をどう使うか 第二部 国際人権から見た日本の問題 第三章 もっとも深刻な人権侵害は貧困 第四章 発展・開発・経済活動と人権 第五章 情報・表現の自由 第六章 男性の問題でもある女性の権利 第七章 なくならない入管収容の人権問題 【おもな内容】 ◆生活保護のアクセスのしにくさが抱える問題 ◆国連から問題視されている秘密保護法・共謀罪 ◆メディアに必要な「独立性」と「連帯」 ◆夫婦同一姓の強制は条約違反 ◆国際人権法に反する日本の入管法 ◆国連からの勧告を知ることで、これからの日本を変える
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-軽んじられ、遮られ、虐げられた者たちが立ち上がったとき、社会の何が変わり、歴史はどう動いたのか――。 BLM運動や#MeToo運動など、不条理に抗う波が次々と生まれている近年のアメリカ。 全世界的に広がるこれらの動きの原点には、勇気をもって声を上げた女性たちの軌跡があった。 本書では、アメリカ現代史に刻まれた10の“瞬間”を取り上げ、「声を上げる」ことで何が起きたのか、今の私たちに問われていることは何かを、5人の女性アメリカ研究者が連帯しながら分析・論考する。 ローザ・パークスからルース・ベイダー・ギンズバーグ、大坂なおみにいたるまで、彼女たちの言動の背景、状況、影響について知り、社会と歴史を変えた信念に学び、世界に蔓延する差別や不正義を他人事ではなく当事者として捉えるための一冊。 【著者プロフィール】 和泉真澄(いずみ ますみ)同志社大学教授。著書に『日系カナダ人の移動と運動』ほか 坂下史子(さかした ふみこ)立命館大学教授。著書に『よくわかるアメリカ史』(共編著)ほか 土屋和代(つちや かずよ)東京大学大学院准教授。著書にReinventing Citizenshipほか 三牧聖子(みまき せいこ)同志社大学大学院准教授。著書に『戦争違法化運動の時代』ほか 吉原真里(よしはら まり)ハワイ大学教授。著書に『ドット・コム・ラヴァーズ』ほか
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4.5日本には七万以上の寺院が存在する。 これらの建築様式は様々だが、その源流は奈良に見ることができる。 なかでも工匠の知恵と工夫と技術革新を直に堪能できるのが、唐招提寺、薬師寺、興福寺、東大寺の四寺だ。 そこで、建物の基本骨格や建築の基礎知識を説明し、各寺院建築の具体的な造られ方を、図版や写真をふんだんに使いながらわかりやすく解説。 そうすることで、各技術にこめられた職人の想いばかりか、天皇・藤原氏や僧侶の権勢・思想といった歴史も見えてくる。 建築という視点から、新しい奈良の魅力を照らし出す、今までになかった寺院鑑賞ガイド本。
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4.1「80年代」と書いて、「EPICソニー」と読む――。先進的な音楽性により80年代の音楽シーンを席捲したレコード会社「EPICソニー」。レーベルの個性が見えにくい日本の音楽業界の中で、なぜEPICだけがひと際異彩を放つレーベルとして君臨できたのか? そして、なぜその煌めきは失われていったのか? 佐野元春《SOMEDAY》、渡辺美里《My Revolution》、ドリカム《うれしはずかし朝帰り》など名曲の数々を分析する中でレーベルの特異性はもちろん、当時の音楽シーンや「80年代」の時代性が浮かび上がっていく。佐野元春ロングインタビュー収録。
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4.0テレビ放映から55年、映画『シン・ウルトラマン』も公開予定など、いまだ幅広い世代に人気を誇る『ウルトラマン』。だが、「怪獣と戦う空想特撮作品」にもかかわらず、そのバトル自体にフォーカスした本はこれまでなかった。そこで小学生時代に本放送を見て以来の大ファン、漫画家のやくみつる氏が「10大決戦」を選出し、ライター佐々木徹氏とともに、〈ウルトラマンになった男〉スーツアクターの古谷敏氏に、戦いの舞台裏を聞いていく。ゼットン、ジャミラ、ゴモラ…はもちろん、意外な怪獣も登場。さらに、ウルトラマンが新世紀エヴァンゲリオンやブルース・リーの映画に影響を与えた話、スペシウム光線誕生に力道山が関係していた裏話、ウルトラマンがなぜあの怪獣にあの技を使ったのか、なぜあの怪獣を倒さなかったのか…など、鼎談は思いがけない展開に。巻頭カラー口絵では、ウルトラマンと10大決戦怪獣の、懐かしのバトルシーンも掲載!
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3.0「黒は、豊饒の証である」ドストエフスキー生誕から200年目の2021年、世界は新型コロナウイルスの感染拡大という誰も予想しなかったかたちで転換期を迎えている。激動の時代を生き、コレラ蔓延というパンデミックも経験した作家が鋭い直感と深い洞察から生み出した言葉には、今を生き抜くためのヒントが含まれているのではないか。資本主義の行方、暴力、信仰などについて残された言葉の数々は、予言のようにも響く。ドストエフスキー初心者にも、熟読者にも衝撃的な現代への提言。
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3.0生きるために、なぜ我々はこんなにも頑張らなければならないのか? 大学に馴染めず、ひきこもり生活を送った著者は、この問いの答えを求め、「何もしない」ことを目的に1年間スペインに滞在。 帰国後、無職のまま、日本社会を包み込む生きづらさの原因を、映画『プーと大人になった僕』『パディントン』、『バトル・ロワイヤル』『仁義なき戦い』シリーズなどの深作欣二作品、『安心引きこもりライフ』『みちくさ日記』『ナリワイをつくる――人生を盗まれない働き方』などの書籍・漫画、そして作家・朝井リョウの小説などをもとに解き明かしていく。 競争に勝って生き残らなければならないと「思い込み」、しんどい思いをしている人へ、自分らしい生き方を送るために「おりる」ことを提案した一冊。
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4.0「文学作品はもういい! 実社会で使われるような文章を読ませるべきだ!」 そんな声に押され、国語教育の大改造が始まった。 文科省が重視したのは実用性。 文学はこの枠には入らないという。 しかし、この考え方は正しいのか? 文章を読む際に大事なのはことばの「形」を見極める力だと著者は言う。 そこを鍛えるトレーニングをしたい。 その助けになるのが文学作品を読む技術なのだ。 本書では契約書、料理本のレシピ、広告、ワクチン接種の注意書き、小説、詩など幅広い実例を用いて「形」を読む方法を指南する。 それは、生成AIが生み出す「文章」と渡り合う際にも格好の助けになるだろう。 画期的な日本語読本の誕生! 【目次】 第1章 学習指導要領を読む 第2章 料理本を読む 第3章 広告を読む 第4章 断片を読む 第5章 注意書きを読む 第6章 挨拶を読む 第7章 契約書を読む(1) 第8章 契約書を読む(2) 第9章 小説を読む 第10章 詩を読む
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3.0日本を代表する知識人のひとりとして、非常に広い分野の著作を残し続けてきた吉見俊哉。その業績は、各分野の研究者たちに多大な影響を与えてきた。2023年3月に東京大学を退官するにあたり、これまでの学問遍歴を振り返る「特別ゼミ」を実施。都市、メディア、文化、アメリカ、大学……著者が探求し続けた5つの論点を、かつての教え子たちと徹底討論。そこから浮かび上がった、戦後日本社会の本質とは。1か月で15万回再生を記録した最終講義「東大紛争1968-69」の完全版も収録。 【目次】 前口上 吉見俊哉とは誰か(吉見ゼミ 門下生有志) 序 章 演劇から都市へ――虚構としての社会 第一章 都市をめぐるドラマ・政治・権力 第二章 メディアと身体――資本主義と聴覚・視覚 第三章 文化と社会――祝祭祭と権力 第四章 アメリカと戦後日本――帝国とアメリカ化 第五章 都市としての大学――日本の知の現在地 終 章 東大紛争 1968-69
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4.2「為政者に都合の悪い政治や社会の歪みをスポーツを利用して覆い隠す行為」として、2020東京オリンピックの頃から日本でも注目され始めたスポーツウォッシング。 スポーツはなぜ“悪事の洗濯”に利用されるのか。 その歴史やメカニズムをひもとき、識者への取材を通して考察したところ、スポーツに対する我々の認識が類型的で旧態依然としていることが原因の一端だと見えてきた。 洪水のように連日報じられるスポーツニュース。 我々は知らないうちに“洗濯”の渦の中に巻き込まれている! 「なぜスポーツに政治を持ち込むなと言われるのか」「なぜ日本のアスリートは声をあげないのか」「ナショナリズムとヘテロセクシャルを基本とした現代スポーツの旧さ」「スポーツと国家の関係」「スポーツと人権・差別・ジェンダー・平和の望ましいあり方」などを考える、日本初「スポーツウォッシング」をタイトルに冠した一冊。 第一部 スポーツウォッシングとは何か 身近に潜むスポーツウォッシング スポーツウォッシングの歴史 スポーツウォッシングのメカニズム 第二部 スポーツウォッシングについて考える 「社会にとってスポーツとは何か」を問い直す必要がある ――平尾剛 「国家によるスポーツの目的外使用」オリンピックのあり方を考える ――二宮清純 テレビがスポーツウォッシングを報道しない理由 ――本間龍 植民地主義的オリンピックは<オワコン>である ――山本敦久 スポーツをとりまく旧い考えを変えるべきとき ――山口香
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-オスマン帝国、エルドアン政権… イスラーム世界を動かす求道的一大潮流! 日本の武士道や少年マンガの師弟関係にも通じる修行の世界 ◆内容説明◆ 「イスラーム神秘主義」とも訳されるスーフィズム。 それは今も神学、法学とならび伝統イスラームの一角をなす哲学や修行道の総称である。 その究極目的は「イスラーム」を味わうこと。 かつて井筒俊彦はスーフィズムの哲学的、神秘主義的な側面に光をあてた。 だが、個人の精神的営みであると同時に、スーフィズムは日本の芸道や武士道、少年マンガで描かれる師弟関係にも通じる修行の世界であり、時にはオスマン帝国、トルコの政権をはじめとしたイスラーム世界を動かす政治思想運動でもある。 本書はトルコで教鞭を執る著者が、思想、修行法から、食、武術、音楽をも射程におさめ、よく生きるための「実践の道」としてのスーフィズムを解説する。 ◆推薦◆ スーフィズムを著者はこう定義する。 「その中心的ストーリーは、 “人は弱く、間違いを犯す存在である。 しかし修行者は師の助けを通じて 人間の精神的完成をひたすら目指す中で、 人間を見捨てず絶えず導こうとしている アッラーの愛に気づく”ことである。」 その修行の体系はまさにわれわれが「道」というものに近い。 ――内田樹(思想家・武道家) ◆目次◆ 序章 イスラーム神秘主義とは何か? 第一章 学問としてのスーフィズム 第二章 師匠と弟子――スーフィズムの学びのネットワーク 第三章 西欧とスーフィー――中東を越えるスーフィズムのネットワーク 第四章 スーフィズムの修行(1)心の型 第五章 スーフィズムの修行(2)心を練り上げる祈祷 第六章 心の境地(1) 第七章 心の境地(2) 第八章 修行者の心構え――ナクシュバンディー教団「十一の言葉」 第九章 五功の心――神・自然・人をつなぐ修行 第十章 心を味わう――修行者の食卓 第十一章 武の心――スーフィーとマーシャル・アーツ 第十二章 心の詩、心の音色、詩と音楽 第十三章 人の心――絶望と希望
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-自動車という乗り物が「EV」「自動運転」「シェア」という方向に急激に動いている現代は、 自動車誕生一四〇年の歴史の中でも最も大きなパラダイムシフトであり、 同時に機械の塊を操る悦び、モノを所有し愛でるという自動車が培ってきた文化の危機でもある。 だからこそ今、日本一のロールスロイスとベントレーのクラシックカーコレクターで販売も行う涌井が、 自動車の歴史、文化・機械遺産としてのクラシックカーの存在意義、 大量生産・消費・廃棄の時代に一台を大事に乗り継ぐ生き方や、顔の見える商いへのこだわりを語る。 現代社会が「効率」の名の下に見失ってきた大事な物語が、ここにはまだ生きている。
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3.0一九二一年三月、講道館の嘉納治五郎の制止を振り切る形で柔道家と米国の強豪プロレスラーが靖国神社境内にて相まみえた。試合後に嘉納が門下生に処分を科して幕引きとなった一連の出来事は、「サンテル事件」と呼ばれる。本書はまず二〇世紀初頭に米国で人気を博した異種格闘技の興行に遡り、なぜ「サンテル事件」に至ったのかを明らかにする。それは同時に、やがてアントニオ猪木の異種格闘技戦が大きな流れをつくり現在のMMA(総合格闘技)に到達する原点ともなった、この歴史的一戦の意義を問い直す試みである。プロとは、興行とは、真剣勝負とは?
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3.4日本で1番多くの歌い手と共演した音楽家が語るかつてない“究極のボーカル論”――。真の「優れた歌い手」は何が凄いのか? 音程やリズムが正確な「うまい歌い手」であっても、それだけでは時代も世代も超えて人々の心を揺さぶる「優れた歌い手」ではない。彼らはテクニックではなく、もっと大切なものを音楽に宿しているのだ。1970年代から音楽界の第一線でアレンジャー・プロデューサーとして活躍し、日本で一番多くの歌い手と共演した著者が、松任谷由実や吉田拓郎、松田聖子、中森明菜、斉藤由貴、玉置浩二、MISIA、一青窈など、優れた歌い手たちの魅力の本質を解き明かす。
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4.2世襲、裏金、カルトとの癒着、経済失政、そして、アメリカに何もものが言えない自民党政治。この自民党の源流は岸信介・清和会にあると言える。しかし戦後、岸やGHQとも一線を画す、保守本流の源流となった政治家がいた。石橋湛山。その湛山に今、国内外から注目が集まっている。そこで湛山の孫弟子である元衆議院議員の田中秀征と、湛山に関する著作もある評論家の佐高信が、彼の思想や真髄を語り、日本政治に必要な保守本流の考え方、政治家像、日本はこの先世界でどうふるまって行くべきかという改革の方向性を語り尽くす。
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3.5有史以来、アルメニアは次々と勃興する帝国のはざまで侵略を受け、「ディアスポラ(離散)」という運命に晒されてきた。 離散したアルメニア人たちは、近世のユーラシア大陸では「陸の巡回商人」として活躍していたが、近代になると「海の商人」に変貌し、インド・東南アジアを経て、香港や上海、日本にまで到来していたことが調査により明らかになった。 彼らは各地でどのようにコミュニティを築き、いかに生き抜いてきたのか――。 インド、マレーシアなどでの資料収集、墓碑調査、インタヴューをもとに、アルメニア商人たちの姿をアジア交易の視点から鮮やかに描き出す。
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-今の「不安感」を解くカギは、100年前の「言葉」にあった! 新型コロナウイルスの流行、東日本大震災、ウクライナ侵攻…など、人々を「鬱屈」とさせる未曾有の混乱に見舞われている現代。 我々は、内面に生じるモヤモヤした感情とどう付き合うべきか。 そのヒントは、100年前にあった! 本書では、スペイン風邪や関東大震災、そして第一次世界大戦の時代における、「災後」の言語空間に着目。 夏目漱石や太宰治、芥川龍之介、田山花袋などの有名文学作品をはじめ、雑誌、辞書、詩といった膨大な資料を引きながら、「鬱屈」の時代を読み解く。
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-日本独自の芸術文化。 その謎が、いま明かされる。 なぜ全国各地の市民社会はオペラを愛してきたのか――。 音楽を愛する市民が中心となり、プロとともにオペラ公演を運営する「市民オペラ」。 この日本固有の文化は、全国各地の地域ごとに芸術と社会の接点として形づくられ、半世紀にわたり醸成されてきた。 一回の上演に数百人もの市民が携わる一大文化。 オペラ自体が総合芸術であるため、その公演のあり方は社会状況を映しだす鏡にもなる。 しかし、行政とも複雑に絡みあっているがゆえに、これまで全容が読み解かれることはなかった。 なぜ、日本の市民社会はオペラを求めてきたのか――。 オペラ上演研究の第一人者が満を持して論じる、初のドキュメンタリー的解説書。 【本書に登場するおもな市民オペラ団体(登場順)】 藤沢市民オペラ/伊丹市民オペラ/立川市民オペラ/みつなかオペラ/ひたち市民オペラによるまちづくりの会/ひろしまオペラルネッサンス/まつもと市民オペラ/オペラ彩/堺シティオペラ/三河市民オペラ and more…
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3.81巻1,166円 (税込)あいちトリエンナーレ2019、日本学術会議 会員任命拒否、検察官定年延長、加計学園問題……今、起きている出来事の本質を見抜くための論考集。 「百人組手で知性を鍛え、不当性に抗う訓練になる一冊」――荻上チキ(評論家) あらゆる「自由」が失われつつある中で、研究者・作家・芸術家・記者などが理不尽な権力の介入に対して異議申し立てを行う。少しでも声を上げやすい世の中になるようにと願って26名の論者が集い、「自由」について根源的に掘り下げる。 批判的思考を養うための書! 【本文より】 表現の範囲がどんどん狭まっている――ヤマザキマリ 批判精神に欠けた学者に囲まれた政府は、端的にいって災厄――藤原辰史 アーティストやタレントが政治的な発言をするたびに、猛バッシングを受けますが、彼らも市民の一人です。政治的発言をしてはならない理由がわかりません――上野千鶴子 私たち日本人は「自由は取扱いの難しいものだ」という実感に乏しいように思われる――内田樹
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3.0ヌーヴェル・ヴァーグ(N・V=新しい波)は、ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーらを中心に1950年代末のフランスで生起した映画の革新運動だが、それにとどまらず、日本も含めた「世界同時多発現象」として、新しい映画表現や製作スタイルを生み出した。本書は、国境や時代を超えたN・Vの広がりとその担い手について解説。映画の創始者であるリュミエール兄弟から現代の映画作家に至るまで、「N・Vの精神」に満ちた作り手たちによる約800本の作品を紹介する。
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5.0世界は支配する側とされる側に分かれつつある。その武器はインターネットとAIだ。シリコンバレーはAIによる大失業の恐怖を煽り、ベーシックインカムを救済策と称するが背後に支配拡大の意図が潜む。人は専制的ディストピアを受け入れるしかないのか? しかし、オードリー・タンやE・グレン・ワイルらが提唱する多元技術PLURALITY(プルラリティ)とそこから導き出されるデジタル民主主義は、市民が協働してコモンを築く未来を選ぶための希望かもしれない。人間の労働には今も確かな価値がある。あなたは無価値ではない。テクノロジーによる支配ではなく、健全な懐疑心を保ち、多元性にひらかれた社会への道を示す一冊。