なかなか刺激的な議論と、トルコ社会、イスラーム社会の興味深い現況が語られている。三人の鼎談をまとめた新書なので、話が傍に逸れることが多く(特に、内田樹さんの話はページの無駄使いが目立つ)、題名の一神教と帝国について語られる部分が少ない。
中田考さんの歴史認識と「帝国」への期待については理解できる部
...続きを読む分も多いが、人間と社会観について楽観的すぎるし、雑な部分も多い。
山本直輝さんについて初めて知ったが、このような研究者の存在することは嬉しく、期待したい。
全体としては現代日本人が読むに値する新書だと思う。