ハリウッド映画の終焉

ハリウッド映画の終焉

1,056円 (税込)

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ハリウッド映画が危機に瀕している。
配信プラットフォームの普及、新型コロナウイルスの余波、北米文化の世界的な影響力の低下などが重なって、製作本数も観客動員数も減少が止まらない。
メジャースタジオは、人気シリーズ作品への依存度をますます高めていて、オリジナル脚本や監督主導の作品は足場を失いつつある。
ハリウッド映画は、このまま歴史的役割を終えることになるのか?
ポップカルチャーの最前線を追い続けている著者が、2020年代に入ってから公開された16本の作品を通して、今、映画界で何が起こっているかを詳らかにしていく。

【佐久間宣行 氏 絶賛!】
「何もかもが変わってしまう時代に、それでも希望を見出すためには、ここまで現実を直視し続けることが必要なのだろう。新しい戦いを始めるための知識を詰め込んだ、武器のような本だ」

【目次】
第一章 #MeToo とキャンセルカルチャーの余波
『プロミシング・ヤング・ウーマン』――復讐の天使が教えてくれること
『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』――男性監督が向き合う困難
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』――作品の豊かさと批評の貧しさ
『カモン カモン』――次世代に託された対話の可能性

第二章 スーパーヒーロー映画がもたらした荒廃
『ブラック・ウィドウ』――マーベル映画の「過去」の清算
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』――寡占化の果てにあるもの
『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』――扇動されたファンダム
『ピースメイカー』――疎外された白人中年男性に寄り添うこと

第三章 「最後の映画」を撮る監督たち
『フェイブルマンズ』――映画という「危険物」取扱者としての自画像
『Mank/マンク』――デヴィッド・フィンチャーのハリウッドへの決別宣言
『リコリス・ピザ』――ノスタルジーに隠された最後の抵抗
『トップガン マーヴェリック』――最後の映画スターによる最後のスター映画

第四章 映画の向こう側へ
『TENET テネット』――クリストファー・ノーランが仕掛けた映画の救済劇
『DUNE/デューン 砂の惑星』――砂漠からの映画のリスタート
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』――2010年代なんて存在しなかった?
『TAR/ター』――観客を挑発し続けること

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ハリウッド映画の終焉 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年10月06日

    映画はアートだけど、エンターテインメントだしビジネスでもある。特にビジネスの目処が立たないと成立しない。そんなことはわかっていたつもりでいた。
    でも、本書を読むとその理解がまだまだ浅いということがわかる。特に、マーヴェルを中心としたヒーローものの映画がこの5年くらいで大きく変化していることは感じてい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年10月06日

    9月27日にこの夏ずっと続いた全米脚本家協会のストライキが終了しました。配信とAIという映画が今、直面している問題について脚本家たちは納得のいく譲歩を勝ち取ったと思われます。ただ全米俳優組合のストは年末まで続くと言われているようです。ただ脚本家と俳優の同時のストが行われたのは63年振りらしく、いまい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月17日

    筆者の映画への細かい分析から、深い愛情が見て取れます。確かにハリウッド映画はヒーローものばかりで面白くないですね、最近。

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    Posted by ブクログ 2023年09月13日

    まさかハリウッド映画に終焉の危機が来るなんて。
    確かにトムの後を継ぐハリウッド・スターが思いつかない。『トップガン マーヴェリック』、『MIDRP1』を経た今、特に…。

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    Posted by ブクログ 2023年09月12日

    移りゆくハリウッド映画。
    終わりの始まり。
    ブロックバスター作品の魅力が低下しつつある中、ハウス系の英語は益々とがって細分化していくのかなと思案。

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    Posted by ブクログ 2023年08月13日

    シャープな視点と映画を宇野さん独特なエモーショナルな筆致が滲み出してて、とても良かった。どうしても最近の映画の状況に対してノスタルジックになりがちな映画人に比して、ジャーナリスティックな視点を提示してくれる筆者はとても貴重。

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    Posted by ブクログ 2023年07月23日

    ・面白かった。なるほど〜と、あ、そう言えば、に溢れる本だった。
    ・映画好きだったら、(好き嫌いは別として)無視出来ない現代の作品を20数本を軸に、その評論と背景を通して現在の映画業界とその未来を読んで行く、みたいな内容。作品の評論はあるけれど、それを含むより大きな物、「映画」の現在地とその未来、みた...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月17日

    コロナ禍の影響で(ただし本書を読めば加速装置ではあれど起爆装置ではないと分かる)凄まじい勢いで変容が進んだ映画産業。2020年以降の16作品をガイドに何が起きているかを紐解いていく一冊。作家のキャリアという縦軸と同時代の作品との比較という横軸を通して映画の中身以上に外側の産業的側面が浮かび上がってく...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月16日

    どう足掻いても最早手遅れな「ハリウッド映画」の状況とタイトル通りの行く末を避けられない事実をこれでもかと噛み締めさせられますが、読後感は意外と悪くない。この状況を把握できているからこそ翻弄されずに済むし、立ち向かえる。正に「武器のような本」。

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    Posted by ブクログ 2023年07月14日

    宇野維正は人格は嫌いだけど評論は嫌いになれない。
    SNSや対談で滲み出るエゴや傲慢さが、今作のようなジャーナリズム的文章では出てこないからかな。

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