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教育格差は絶対悪なのか?
機会の平等が実現された先にある「本当の地獄」とは?
【内容紹介】
経済的余裕のない家庭の子どもに勉強を教える「無料塾」は、学歴が収入や地位に直結する現代で子どもを救う存在となっている。
一方、無料塾は重大な問いを社会に投げかける。生育環境による教育格差を埋めることは重要だが、受験戦争のさらなる先鋭化に加担することにならないか。また、仮に機会の平等さえ実現したら、そのなかで競争に負けた者は自己責任でいいのか。
さまざまなタイプの無料塾への取材からそれぞれのジレンマを明らかにし、これまでの教育格差の議論で見落とされてきた点をあぶり出す、迫真のルポルタージュ。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
自分の夢はいつか無料塾の先生になること。しかしその裏には独りよがりの正義感に基づいた不純な動機が隠れている可能性に気付いた。それだけでもこの本を読んだ価値がある。その上でなお有料塾に通えない子供たちに勉強を教えたい気持ちが益々強くなった。
もともと貧困家庭で育ち、中卒の両親に育てられて、中学3年になるまで大学進学なんて考えもしなかった。姉も含めて10人以上いる従兄弟たちも全員高卒で、親から勉強しろと言われたことはなく、もちろん塾にも通っていない。そんな環境下で自宅通学•国立限定という制約はあったものの大学進学できたのは、中3担任が進学校の受験を勧めてくれたことと、学歴がなくて悔しい人生を送ってきた母の後押しによる。親の負担を考えて大学院進学も全く考えていなかったが、現在母校の学長にまで上り詰めた当時の助教授の強い勧めで受験し、トップ合格を果たしてかつて名門と言われる会社に就職するに至った。これらは偶然の産物であり、不思議な巡り合わせの結果でもある。自分の人生に心から満足しており、この境遇を与えてくれた恩を何らかの形でお返ししたいとずっと思ってきた。
とは言え後半で書かれていることは、やはりキレイ事に聞こえる。絶対になくならない学歴社会を前提とし、学歴がないことのメリットとデメリットを秤にかけた上で高卒を選択するのなら良いが、生まれによって選択の機会が与えられないのは残酷だと思う。
能力(この表現も著者に叱られそうだが)はあるのに家庭環境のせいでチャレンジの機会が与えられず、更にはどんな機会が世の中にあるのかも知らされず、機会が与えられていないことにすら気付くことができない、かつての自分のような子供達に可能性を示してあげたい。これって自分が辿ってきた人生を理想化し、子供たちに単線的な『成功』を追い求めさせる余計なおせっかいなのだろうか? この本を読んで自分の信念が揺らいできた。
ミクロ視点のルポルタージュでは限界があるから、もう少しまとまった成書も読んでみたい。
Posted by ブクログ
現場の実例を丁寧に捉えた上で、社会構造としての問題を、無料塾という機能から見える課題や機会から炙り出す。また、組織開発や哲学、教育社会学など多面的な視点で考察しているので、一元的にこれはいい、ダメだとならない視点が学びになった。
・生まれ→学力学歴→収入地位の単線モデルから、より一人一人の強みを活かせる複線のモデルへ
・社会のしくみとして何らかの指標が必要なので、能力や貢献という概念を便宜上仮置きしているが、あくまでもそれは手段であって目的にしてはいけない
・無料塾の子どもたちが得ているものは、学力だけでなくて、世の中にはこれだけ善意が残っているという手触り
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ビジネス・実用
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