過疎ビジネス

過疎ビジネス

小説・文芸
1,100円 (税込)

5pt

福島県のある町で、「企業版ふるさと納税」を財源に不可解な事業が始まろうとしていた。著者の取材から浮かび上がったのは、過疎にあえぐ小さな自治体に近づき公金を食い物にする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策を企業に丸投げし、問題が発生すると責任逃れに終始する「限界役場」の実態だった。福島県国見町、宮城県亘理町、北海道むかわ町などへの取材をもとに、著者は「地方創生」の現実を突きつけていく。本書は「新聞労連ジャーナリズム大賞」受賞の河北新報の調査報道をもとに、さらなる追加取材によって新たに構成、「コンサル栄えて、国滅ぶ」実態を暴く。

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過疎ビジネス のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    この本は面白い。世の中には頭のいい悪党がいるもんだと感心するよ。ふるさと納税制度を使って違法スレスレの脱法行為で金儲けをする。よく出来たカラクリで、内部通報者がいなければ違法行為は明らかにならなかったろう。

    同じように、国の仕組みを消化しきれない地方自治体に入り込んで公金を掠め取る悪党は、表に出ないだけで山ほどいるんだろうな。今でも。

    ここには腹が立つが、一方でこれに似たスキームを合法的に使って地方活性化や過疎地支援を行うスキームが組めないものかとも思う。鍵は地方自治体の提案力となるので、やはり無理かな。なんて、いろいろ考えさせられる。悪党になりたい人にも、善人になりたい人にも読んでほしいね。

    0
    2026年09月23日

    Posted by ブクログ

    あれ?おかしいんじゃない?と思うかどうかが、人として正しい道に進んでいけるかどうかの分かれ道になる。著者は新聞記者であり、受け取ったタレコミから、どうやって取材して、事実を明らかにしていくか、その手法まで教えてくれる。プレスリリースされたものをただまとめるだけの記事を書くのか、あれ?と思ったことを丁寧に取材して記事にするのか。著者は後者だ。公開されてる情報を丹念に丹念に調べていく。取材対象の企業人、公務員、町長などについても、その人の立場ならどうするべきなのか、どうするべきだったのか、考えながら読んだ。
    公共の福祉という視点を忘れてはならない。
    地方自治体は民主主義の学校というらしい。大事にしたい。

    0
    2026年08月31日

    Posted by ブクログ

    目から鱗の一冊。

    恥ずかしながら、「企業版ふるさと納税」という制度も、この本を読んで初めて知った。まさか、この制度を利用して小さな自治体の公費を狙い、利益を得ようとする企業がいるなんて、想像もつかなかった。

    ワンテーブル前社長の録音内容も衝撃的だった。地方議員を「雑魚」と呼んで見下し、「自分たちのほうが行政のことを分かっている」と考え、「行政をぶんどる」ことまで企んでいた。その姿勢には本当に驚かされた。

    一方で、地方活性化の施策を十分に考えず、東京のコンサル会社に丸投げしてしまった自治体側にも責任があると思う。高齢化はどの地域でも進んでいるからこそ、その地域の特徴や住民の声を丁寧に分析し、その地域ならではの施策を考えることが大切なのではないか。

    もちろん、国の側でも企業版ふるさと納税の制度をさらに改善し、企業による制度の悪用を防ぐ仕組みを整える必要があると思う。

    そして、この問題を長い時間をかけて、諦めずに取材し続けた河北新報の記者の方々にも、心から敬意を表したい。

    0
    2026年08月20日

    Posted by ブクログ

    企業版ふるさと納税の抜け穴を利用した脱法ビジネスを克明に記したノンフィクションである。
    「過疎ビジネス」というタイトルと、「コンサル栄えて国滅ぶ」の惹句が極めて秀逸だ。
    始まりは特別職員の給料アップの条例が可決された事から始まる。また当該自治体に不釣り合いな高規格救急車を12台購入するという一見関係ない事実が一つに繋がる。上質なミステリのような導入。
    最終的にはふるさと納税で税額控除を受けつつ、同グループの企業が事業を受注する「循環売上」。さらに入札仕様を自ら固め、通常より高額で落札させるというスキームということが判明する。
    国がコンサルタントにお墨付きを与えたため自治体側も信じ込んでしまった側面はあるが、職員の専門知識不足や議会との相互監視の欠如も大きな要因である。平成の大合併の際、他自治体と合併していれば国見町でこの事態は起こらなかったかもしれない。これは国見町に限らず、0.5以下の財政指数の自治体のみを狙い撃ちにした「還流ビジネス」なのが始末に置けない。
    現在も似たようなスキームでコンサルが潜り込んでいるのではないかと、疑念を禁じ得ない。
    権力の監視こそがマスコミ本来の役割である。ファクトを泥臭く積み上げ、世間に問いかける——政争の不毛な報道ではなく、政策の妥当性に焦点を当てたこうした骨太なレポートをもっと読みたい。

    0
    2026年08月18日

    Posted by ブクログ

    地方の過疎地域のふるさと納税の制度を悪用したコンサルビジネスの実態を描いた内容である。
    正直、読んでて腹正しい内容だった。
    腹正しいかったのは舞台の福島県の国見町を食い物にしようしたコンサル。
    正直、最近の企業の経営者てここまで倫理観がないのかと驚いた。やってることはxでイキってる経営者崩れと同じだった。
    次はこの町の議会、議長、そして役所。
    正直、地方の議会はひどく、小さな町の議会もどうしようもない有様なのは知っていたが、読んでここまでとは驚いた。民主主義の学校である地方自治がここまで衰えたとは…
    最後は他人任せ体質。結局は地方創生や地域活性など聞こえいいが他人任せ、無責任体質。
    この体質は地方だけではなく、日本社会の根本な気がする。
    これでは果たして地方よくなるのか?
    考えさせられる内容だった。
    正直、ドキュメンタリー映画にしてもよい内容だと思う。
    地方自治の実態ちゃんとみないと無駄な税金がバカなコンサルと頭の悪い議員に食われる。
    #読書
    #読書記録
    #読書ノート
    #読書垢さんと繋がりたい
    #過疎ビジネス

    0
    2026年08月13日

    Posted by ブクログ

    抜群に面白い。今年1番かも。河北新報という地方紙のプライドを感じる。所詮税金なんてこんな訳のわからないコンサルとグルになってる地方の権力者により無駄に使われ、権力者とそれに群がる連中の懐を増やすだけだ。

    0
    2026年07月25日

    Posted by ブクログ

    時系列に沿って語られ、自分自身もドキドキしながら読み進めました。
    とてつもない取材量、ペンの力をとても感じた本でした。一方で新聞の部数が減り、支局が統合し、記者が減りきめ細やかな取材がしにくくなっているのも確か。これから先の新聞記者的な役割はどのように担われるべきなのだろうか。SNSを通じて我々が質の高い情報を発していけるものなのだろうか。そんなことも考えさせられた。

    0
    2026年07月21日

    Posted by ブクログ

    地方の過疎化が進み、自治体への補助金や交付金がコンサルに狙われてしまう。
    自分の会社においても、他人事でない話である。
    上の方針にただ従うだけでなく、疑うことが大事だと感じた。

    0
    2026年06月27日

    Posted by ブクログ

    勉強をやめてはいけない。学ぶ事をやめてしまうと情弱になり食い物にされてしまう。
    また、組織が誤った方向に進んでいるとき、どのように声を上げるのか。自分の身を守りながら、組織の中で正しい事をする難しさを思う。

    0
    2026年06月14日

    Posted by ブクログ

    日本の現実を突きつけられる一冊。見たくないところまで刮目して見せつけられる拷問でしょうか。気骨のある記者さんの今後に注目します。町長を糾弾する議員たちにすら呆れる。地方自治の崩壊は進行中です。

    0
    2026年06月12日

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