あらすじ
福島県のある町で、「企業版ふるさと納税」を財源に不可解な事業が始まろうとしていた。著者の取材から浮かび上がったのは、過疎にあえぐ小さな自治体に近づき公金を食い物にする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策を企業に丸投げし、問題が発生すると責任逃れに終始する「限界役場」の実態だった。福島県国見町、宮城県亘理町、北海道むかわ町などへの取材をもとに、著者は「地方創生」の現実を突きつけていく。本書は「新聞労連ジャーナリズム大賞」受賞の河北新報の調査報道をもとに、さらなる追加取材によって新たに構成、「コンサル栄えて、国滅ぶ」実態を暴く。
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Posted by ブクログ
この本は面白い。世の中には頭のいい悪党がいるもんだと感心するよ。ふるさと納税制度を使って違法スレスレの脱法行為で金儲けをする。よく出来たカラクリで、内部通報者がいなければ違法行為は明らかにならなかったろう。
同じように、国の仕組みを消化しきれない地方自治体に入り込んで公金を掠め取る悪党は、表に出ないだけで山ほどいるんだろうな。今でも。
ここには腹が立つが、一方でこれに似たスキームを合法的に使って地方活性化や過疎地支援を行うスキームが組めないものかとも思う。鍵は地方自治体の提案力となるので、やはり無理かな。なんて、いろいろ考えさせられる。悪党になりたい人にも、善人になりたい人にも読んでほしいね。
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あれ?おかしいんじゃない?と思うかどうかが、人として正しい道に進んでいけるかどうかの分かれ道になる。著者は新聞記者であり、受け取ったタレコミから、どうやって取材して、事実を明らかにしていくか、その手法まで教えてくれる。プレスリリースされたものをただまとめるだけの記事を書くのか、あれ?と思ったことを丁寧に取材して記事にするのか。著者は後者だ。公開されてる情報を丹念に丹念に調べていく。取材対象の企業人、公務員、町長などについても、その人の立場ならどうするべきなのか、どうするべきだったのか、考えながら読んだ。
公共の福祉という視点を忘れてはならない。
地方自治体は民主主義の学校というらしい。大事にしたい。
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目から鱗の一冊。
恥ずかしながら、「企業版ふるさと納税」という制度も、この本を読んで初めて知った。まさか、この制度を利用して小さな自治体の公費を狙い、利益を得ようとする企業がいるなんて、想像もつかなかった。
ワンテーブル前社長の録音内容も衝撃的だった。地方議員を「雑魚」と呼んで見下し、「自分たちのほうが行政のことを分かっている」と考え、「行政をぶんどる」ことまで企んでいた。その姿勢には本当に驚かされた。
一方で、地方活性化の施策を十分に考えず、東京のコンサル会社に丸投げしてしまった自治体側にも責任があると思う。高齢化はどの地域でも進んでいるからこそ、その地域の特徴や住民の声を丁寧に分析し、その地域ならではの施策を考えることが大切なのではないか。
もちろん、国の側でも企業版ふるさと納税の制度をさらに改善し、企業による制度の悪用を防ぐ仕組みを整える必要があると思う。
そして、この問題を長い時間をかけて、諦めずに取材し続けた河北新報の記者の方々にも、心から敬意を表したい。
Posted by ブクログ
企業版ふるさと納税の抜け穴を利用した脱法ビジネスを克明に記したノンフィクションである。
「過疎ビジネス」というタイトルと、「コンサル栄えて国滅ぶ」の惹句が極めて秀逸だ。
始まりは特別職員の給料アップの条例が可決された事から始まる。また当該自治体に不釣り合いな高規格救急車を12台購入するという一見関係ない事実が一つに繋がる。上質なミステリのような導入。
最終的にはふるさと納税で税額控除を受けつつ、同グループの企業が事業を受注する「循環売上」。さらに入札仕様を自ら固め、通常より高額で落札させるというスキームということが判明する。
国がコンサルタントにお墨付きを与えたため自治体側も信じ込んでしまった側面はあるが、職員の専門知識不足や議会との相互監視の欠如も大きな要因である。平成の大合併の際、他自治体と合併していれば国見町でこの事態は起こらなかったかもしれない。これは国見町に限らず、0.5以下の財政指数の自治体のみを狙い撃ちにした「還流ビジネス」なのが始末に置けない。
現在も似たようなスキームでコンサルが潜り込んでいるのではないかと、疑念を禁じ得ない。
権力の監視こそがマスコミ本来の役割である。ファクトを泥臭く積み上げ、世間に問いかける——政争の不毛な報道ではなく、政策の妥当性に焦点を当てたこうした骨太なレポートをもっと読みたい。
Posted by ブクログ
地方の過疎地域のふるさと納税の制度を悪用したコンサルビジネスの実態を描いた内容である。
正直、読んでて腹正しい内容だった。
腹正しいかったのは舞台の福島県の国見町を食い物にしようしたコンサル。
正直、最近の企業の経営者てここまで倫理観がないのかと驚いた。やってることはxでイキってる経営者崩れと同じだった。
次はこの町の議会、議長、そして役所。
正直、地方の議会はひどく、小さな町の議会もどうしようもない有様なのは知っていたが、読んでここまでとは驚いた。民主主義の学校である地方自治がここまで衰えたとは…
最後は他人任せ体質。結局は地方創生や地域活性など聞こえいいが他人任せ、無責任体質。
この体質は地方だけではなく、日本社会の根本な気がする。
これでは果たして地方よくなるのか?
考えさせられる内容だった。
正直、ドキュメンタリー映画にしてもよい内容だと思う。
地方自治の実態ちゃんとみないと無駄な税金がバカなコンサルと頭の悪い議員に食われる。
#読書
#読書記録
#読書ノート
#読書垢さんと繋がりたい
#過疎ビジネス
Posted by ブクログ
抜群に面白い。今年1番かも。河北新報という地方紙のプライドを感じる。所詮税金なんてこんな訳のわからないコンサルとグルになってる地方の権力者により無駄に使われ、権力者とそれに群がる連中の懐を増やすだけだ。
Posted by ブクログ
時系列に沿って語られ、自分自身もドキドキしながら読み進めました。
とてつもない取材量、ペンの力をとても感じた本でした。一方で新聞の部数が減り、支局が統合し、記者が減りきめ細やかな取材がしにくくなっているのも確か。これから先の新聞記者的な役割はどのように担われるべきなのだろうか。SNSを通じて我々が質の高い情報を発していけるものなのだろうか。そんなことも考えさせられた。
Posted by ブクログ
経験上、偉そうにしているコンサルに限って実が伴っていない。
今回の生地はベンチャー企業のコンサルとのことだが、大手コンサルでも注意が必要。
しかし、この本で紹介された町、企業は酷いな。。。
過疎地域の地方創生に王道なしだと思うので、過疎地域こそ、知名度だとか観光需要だとか飛び道具に頼るのではなく、住民目線で地に足ついた地方創生をしてほしい。
Posted by ブクログ
地方の過疎化が進み、自治体への補助金や交付金がコンサルに狙われてしまう。
自分の会社においても、他人事でない話である。
上の方針にただ従うだけでなく、疑うことが大事だと感じた。
Posted by ブクログ
勉強をやめてはいけない。学ぶ事をやめてしまうと情弱になり食い物にされてしまう。
また、組織が誤った方向に進んでいるとき、どのように声を上げるのか。自分の身を守りながら、組織の中で正しい事をする難しさを思う。
Posted by ブクログ
徹底した取材を前提に纏められていました。
令和になってからは何事もひかめえに、オブラートにする事を世間から求められるが、要所要所をしっかりと踏み抜いた一冊。
Posted by ブクログ
著者と協力者の奮闘に拍手の一冊。他の方も感想に書かれていましたが、この手の案件は氷山の一角だと思いました。タイトルと帯を見て、あなたが想像したような話となっています。そして、今回のような問題予備軍の自治体もたくさんあるのではないでしょうか。本書は勧善懲悪の方向で終わりましたが、同じことを起こさないためにも市民が市政に興味を持つって書くのは簡単すぎるのですが、実際は難しいのでスッキリとした気持ちでは終われませんでした。
■著者と協力者の方々の奮闘
他の仕事もあるだろうに、よくぞここまで調べてくれた。これで終わりではないでしょうが、これからも活動していってほしいと思わされました。
協力者は市民でもある方もいるのですが、行政との関わりは予防接種くらいみたいな人も多い方も事実。現役世代はバタバタしていて行政の関わりが薄いので、シニアの方にぜひ活躍してもらいたい場面だなと思いました。
■自治体の焦りが少しわかる気がした
わたしが通っていた小学校は今はありません。過疎化一直線の町で育ちました。その町は今や、駅前のコンビニも撤退し、バスは2時間に1本。そんな自治体に専門的な優秀な人がこぞって就職する?その自治体の近くに住んでいる人でやりくりしないといけないであろう現実。
どうにか町おこししないと町の魅力はどんどん失われていく。人口が減っていく。。
そんなとき、「優秀なわたしたちにお任せください」と来たら、「あーよかった、自分たちよりうまくやってくれるだろう」と自治体職員が任せる構図。
わたしは人口増や予算増を是とする雰囲気が自治体、政府、企業にあるため、このような歪みが生じるのではと思っていますが、資本主義だから是正できないのでしょうか。人口減を前提としたやりかたはないのだろうかと思わされました。
本書に出てくるコンサルがズルいと言うのは簡単なのですが、その背景に金や人が増えることに価値がある価値観があるのではと思いました。
世の中、お金のために働いているのに矛盾しているのですが、そんな感想を持ちました。
■余談
河北新報の名前の由来が負けん気が感じられて好きでした。
Posted by ブクログ
企業版ふるさと納税の制度の穴をついて利益を還流するビジネスモデルにはむしろ頭が下がるくらい。その頭があったら自分の利益だけじゃなくてもっと他のことに費やせばいいのに。
ただ、本質はそういう穴のある制度をなくしたいっていうのと、一人一人が制度や税金の使い道について無関心だから起こるんだということを警鐘したいんだと感じた。
地方にかかわることが増えて過疎ビジネスでどんな学びがあるのかなと思って手に取ったから思ってた内容とは違ったけど、逆に都市部の人間が地方に入り込むってのはこれから警戒されることにもなるんだろうなと。
あと、補助金とか延命策といったものだけ与えて何もしないというのは「やってあげた気」になってるだけで、地方には何の力も残らないんだなと思った。それよりも時間はかかるかもしれないけど、自分たちで内製化できるところまで一緒に作り上げるってことが本質で、そのための関わり方、考え方をしていく必要があると感じた。
Posted by ブクログ
本書では、福島県国見町での寄付金環流疑惑を題材に、過疎化していく地方と国の支援制度の落とし穴につけ込むコンサルの実態をまとめている。
著者が記者として、国見町の寄付金疑惑に関する取材記録や、議会の成り行きなど、一つの事例を事細かくまとめたものである。
寄付金疑惑に関する様々な事例を俯瞰するというよりは、一つの事例について掘り下げている。
関係者間の「言った◦言ってない」だったり、法律に「違反している◦してない」といった泥沼試合が繰り広げられており、問題を収束させることがどれほど面倒であるかを感じた。
Posted by ブクログ
●官民連携という甘い響きの裏で過疎自治体をむさぼる「利権構造」と、地方の未来を丸投げする行政の落とし穴を暴いた一冊。
●過疎ビジネスの実態を知る。→地方新聞社の役割は非常に重要だなと強く感心した。
●「過疎自治体に寄り添う親切な企業」という顔の裏で、国の公金が巧みに吸い上げられていく仕組みに、よくこのスキームを練り上げたものだと妙に感心してしまった。本書が描くのは、過疎に悩む自治体に接近して甘い蜜を吸うビジネスと、主体性を失って頼り切ってしまう役所の生々しい実態である。特に手口が洗練されていると思ったのは、自前で消防署すら持たない町が、議会のチェックをすり抜けるために救急車の「購入」ではなく「研究開発」という名目を立ててプロポーザルに持ち込んだというからくりだ。ルールをすり抜ける巧妙さと、それを許してしまう行政の「間違いを認めない(無謬主義)」体質に、日本の未来に対して危機感を覚える。地方創生という言葉の影に隠れた歪みを教えてくれる、誰もが他人事ではいられない一作。
Posted by ブクログ
過疎自治体に付け入るコンサルの悪意とガバナンス不足で機能不全の地方自治体に著者が執念で切り込んだ本。
関係者の実名開示、徹底的な取材と追求はノンフィクションエンタメとして読んでも面白かった。
とはいえ、自分の仕事にも釘を刺されているみたいで終始変な汗が出ながら読んでた。
Posted by ブクログ
新聞の書評を読んで興味が沸き手に取りました。
まるでドキュメンタリー映画を観ているような展開で、特に、著者が入手した録音データの場面はあまりに生々しく、地方自治体を“狙う対象”としか見ていない当事者の言葉に唖然としました。
本書では、福島県国見町で行われた「救急車12台スキーム」を中心に巧妙な手口をつまびらかにしていきます。
企業版ふるさと納税で匿名で寄付された4億円超の資金を使い、高規格救急車を製造して他自治体にリースするという事業ですが、実際には寄付した企業がグループ子会社を使い、グループとして利益を得る構造になっていました。それに、事業を受託したコンサル会社は公募前から救急車を発注していたり、市長が強引に話を進めたり、不自然な人事発令や昇給など、簡単に疑われる材料が揃っているのです。ナメすぎ!!
こうした不正の背景には、人口減少と財政難のため、役場職員の不足、議会の機能不全から、役場が外部コンサルに依存せざるを得ない状況に問題がありました。その隙間に過疎ビジネスは巧妙に入っていくのです。それに住民の無関心が重なり、今回のようなことが起きました。
読み終えて最も強く感じたのは、「もし自分の住む街で同じことが起きても、私も気づけないだろう」という思いです。
行政の動きに無関心でいることは、結果的に不正を許す土壌をつくってしまいます。無関心は罪、というか悪だと痛感しました。
本書は地方創生の裏側を暴くだけでなく、当事者として地域を見ているか、と問いかけられる作品でした。耳が痛い・・・
Posted by ブクログ
地方の産業施策に関わる身として、大変身につまされ
かつ、こうなるのも容易に想像できる話でとても興味深かった。
中央が地方に割く予算を減らしたい気持ちと
地方のマンパワー不足感は恒常的で、
そこにコンサルが付け込む余地は今後も発生するだろうなーと感じる
Posted by ブクログ
これぞ新聞記者の仕事って感心した。これからも調査報道の手を緩めないでいただきたい。地方紙の方が頑張ってる気がする。
企業版ふるさと納税って、ほんとに甘い設計だったのだな。儲けようと思う人(企業)はその弱点を攻める形で、いくらでも儲けられるようになっていた。
給付金や交付金っていうのも常々なんかすごく闇がある感じがしている。大体仕事を外注してるし。公務員の数を減らし、その少ない数で処理できないようなお金を自治体に下ろすのだから、外注せざるを得ない。間で抜かれるお金の額はバカにならない。
地方の過疎化はどうしたらいいのだろう。
国全体の人口減少はどうしたらいいのだろう。
利権とは関係なしに大きな視野でものを考えてくれる政治家や官僚はいない気がする。
お上に任せっぱなしみたいな、多くの私たち国民も良くない。
いろいろ考えさせられる本だった。
繰り返しになるが、新聞記者の方には権力を持つ者の監視者として、これからも頑張ってほしい。
不正を発見し追及すると良い方向に進むという結果になった。そのことは無力感に打ちひしがれそうになりがちな昨今の情勢ではあるが、希望がないわけではないということの証明になった。あきらめてはいけない。
Posted by ブクログ
そりゃこんな責任転嫁ばっかの大人がいるのだったら若い子とか女の人とかはいなくなるよね過疎るよねーとおもってしまった。
ひたすら胸糞悪くて読むのに気が滅入ってしまったけど丁寧にまとめてくださっていてわかりやすかった。
そして全然本筋じゃない感想が最後に残ってしまった。
二〇二四年に生まれた子どもの数は六八万六〇六一人で、一八九九年の統計開始以来、初めて七〇万人を割った。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、出生数が六八万人台になるのは二〇三九年の見込みだった。恐ろしいほどのスピードで少子化が進んでいる。
というところに驚いてしまった。
サッカー選手が性犯罪をしてもワールドカップに出られる国で、何人の女の人が子供をたくさん産もうと思うだろう。
とか全然関係ない方に気持ちが向いてしまった。これはこの本の本筋ではない。
女の話を聞くところから始めたら地方にも、女が残るんじゃないかとは思うものの結局、男が困るから話を聞くだけであって、男都合で社会が動くよなと思う。
女が困ってるから話を聞くわけじゃないのよね。
この構造が変わらない限り地方創生は無理だし、そんな地方は滅びてもいいと女として思う。
Posted by ブクログ
調査報道がいかに大事か。ただそれには時間とお金と労力がどれだけかかるのか。それでも
それを支えていかなければバカ扱いされて
食い物にされてしまう。というか今だって
されている人達がいるし、それが絶対的に
自分ではないとどうして言いきれるだろうか
Posted by ブクログ
どこの自治体にも起こり得る企業版ふるさと納税を巡るきな臭いテーマ、とても興味深く読ませてもらった。
公務員自らが考え出すのではなく、企業のうまい口車に乗せられる首長に問題があると思うが、うまいこと言って職員に責任を押し付けようとするケースもあるのでは?と心配になってきた。マスコミには目を光らせてもらいたいと切に願う。
Posted by ブクログ
地方自治体の問題がここまで深刻とは知らず、ショッキングだった。少数の悪者だけの責任というわけではなくて根深い。
手広くビジネス展開して利益を出す人がもてはやされる時代はもう終わってほしい。
法律で禁じられていなければ何をやってもいいわけはない。
高齢者への詐欺事件を思わせる狡猾な手口。
地方創生の難しさ。日本中の多くの小さな市町村が困難に直面している。
報道の重要さも再認識した。
Posted by ブクログ
積読チャンネルでの紹介から拝読。率直に面白かった。河北新報は東日本大震災の時にも色々な出版物を見てきて優れた記者が多いなと感じていたが、筆者の気骨溢れる取材にこれが本来のジャーナリズムだよなと目を見張った。
別の著書も受賞した作品があるようなので読んでみたい。
Posted by ブクログ
企業版ふるさと納税を隠れ蓑に実質的な寄付金還流(脱税&自社グループへの利益)スキームが構築されている?という疑念を元に取材を重ね、自治体と企業との関係性を暴いていく本です。食い物にされる自治体。知らぬふりの職員。無能な議員。救いのない「限界役場」の現実がわかりやすく書かれています。
本書の構成も取材の過程を丁寧に描いているので、仮説→取材→報道という流れがすごくよく理解できます。インタビューの際の相手の息遣いがわかるような、ヒリヒリとした緊張感がわかるような、そんな筆致で書かれています。
まるでミステリーのような、事実を紐解いていく流れが素晴らしく、先が気になって読むのを止められなくなる。また、コンサルに「雑魚」と呼ばれた地方議員の奮闘、筆者のジャーナリストとしての矜持についての記述も胸を熱くさせる。
地方自治の限界と現実をこれでもかと示されるのでゲンナリするが、それと同時に踏ん張って藻掻いている人たちがいるという事実もある。この本を読んで、自分も自分の住んでいる地域のことくらいはしっかり勉強して考えようと、この本を読んで思った。
Posted by ブクログ
Youtubeで動画を見て興味が出てきたので購入~。
ニュースとか普段見ないのだけど、確かに去年そんなことが言われてた……ような……(ニュースは見よう!)
内容や地方自治体の杜撰さはともかくとして、やはりこの手の話はシステムの甘さとインセンティブの違いから生まれるよなぁ。
自治体は人手を何とかしたい(お金は比較的どうでもいい)し、企業はお金を儲けたい(物事の成否はどうでもいい)。
これが重なると、まぁこういう話が生まれるのは必然なわけで。
(だからこの手の話はその”人”が悪かったというより、そういうモノが生まれる土壌があった、という見方が正しいんだろうなぁ)
こういったことをしっかりと追ってまとめ上げた横山氏には尊敬ですね。
私たちがこういった「不正」に敏感になって、マスメディアのインセンティブを「不正を暴く」方向にもっていかないと、それこそ自浄作用が働かなくなる……ということを感じました。
Posted by ブクログ
企業版ふるさと納税の制度を悪用し、寄付したお金で自社のサービスの購入に誘導、即ち環流させるという実際に起こった話。馬鹿なコンサル企業に、幾つかの地方の自治体が騙された。取材した報道陣に感謝です。
Posted by ブクログ
過疎地域に都市部のコンサルが介入して金を稼ごうとするビジネスを暴く内容。
作者は河北新聞の記者、国見町の町長らの給料が引き上げられるという内容から取材が始まり事件が発覚していく。救急車十二台を購入し、リースするという不可解な事業から企業版ふるさと納税制度を利用したビジネスがあることが発覚。匿名で自治体にふるさと納税として寄付してそのお金で関連企業にお金を払う仕組みを利用して節税に加え利益を得ようとするような全体像。そこにコンサルが介入している。過疎地域であるがために人材不足に陥り、コンサル企業に乗っ取られているのが大きな問題。現代社会の問題が克明に描かれていて面白かった。東京一極集中を解消したいが地方にはそれを解決するだけの人材も資金もないんだなと感じた。これを解消しないと本当に滅びるだろうな。あと企業だけでなく監視する地方議会が機能していないのも問題。