【感想・ネタバレ】過疎ビジネスのレビュー

あらすじ

福島県のある町で、「企業版ふるさと納税」を財源に不可解な事業が始まろうとしていた。著者の取材から浮かび上がったのは、過疎にあえぐ小さな自治体に近づき公金を食い物にする「過疎ビジネス」と、地域の重要施策を企業に丸投げし、問題が発生すると責任逃れに終始する「限界役場」の実態だった。福島県国見町、宮城県亘理町、北海道むかわ町などへの取材をもとに、著者は「地方創生」の現実を突きつけていく。本書は「新聞労連ジャーナリズム大賞」受賞の河北新報の調査報道をもとに、さらなる追加取材によって新たに構成、「コンサル栄えて、国滅ぶ」実態を暴く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

企業版ふるさと納税や防災ベンチャーといった現代的なスキームを隠れ蓑に、狡猾に公金を還流させる洗練された搾取の構図。プロポーザルの仕様書を巧みに操る手口など、生々しい解像度で暴かれる地方の闇。本書の真骨頂は、中盤以降に展開される報道のリアル。巨悪を暴いて終わりではなく、いかに世論を巻き込み、沈黙していた人々を動かしていくかという実践的プロセス。単なる勧善懲悪の枠を超越した、泥臭くも熱を帯びたジャーナリズムのダイナミズム。現場記者ならではの圧倒的な説得力。地方創生の美辞麗句に潜む構造的欠陥を突きつけ、読者に社会への当事者意識を迫る骨太な一冊。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

調査報道の話なのでノンフィクションだが、内容が面白く(といったら不謹慎になるのか?)、先が読みたくて仕方なくなる本だった。
本当に地方の為になる施策であれば「安かろう悪かろう」に公共入札が陥らないよう制度は必要なのだろうが、この件は不要なものを押し付けて金をむしり取る悪質な話だった。けど、世の中はこういう戦いで溢れているのかもしれない。
地方在住で、しかも出身地はさらに田舎の過疎地域である自分は地元の過疎に目を背けて外で働いていることに罪悪感があるので、この内容は故郷でも起こり得る、もしかしたら起きているのではと思わせられた。
また、お金のバラマキだけで地方丸投げを疑問視する論調もあったが、仕事においても似たようなものだと思った。課題を報告すれば予算だけ付けて(ひどければ予算もないが)、人手は増えない、上部組織の「支援はする、頑張れ」の言葉だけ。いざ相談すれば現場での対応を責められることもある。そんな中で甘い言葉に惑わされずに居られるか、自分の身に置き換えたら…を考えながら読んだ。
これはかなり当たりの本です、間違いない。

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2026年03月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・あらすじ
福島県国見町で「企業版ふるさと納税」を財源にした事業が始まろうとしていたがその事業に正当性はあるのか?本当に町民のためになるのか?

過疎地域に目をつけ自治体を食いものにし、公金を掠め取る私企業と過疎地域の現実的な問題を取材した河北新報記者の記事をまとめた新書。

・感想
素晴らしい新聞記者さんだなと思った。
そしてこの件を「問題なのではないか」ときちんと取り上げて戦った議員、市民の人々もすごい。

民主主義は、選挙で投票するだけじゃなくてその後も継続的に監視しなければ十全に機能しないもの。
でもそれを意識している、そして実行できている人なんて本当にごく少数なんだよなぁ。

私個人で言うと数年前から社会保険料の問題について関心が高く、(それに伴いSNSではややリバタリアン寄りのTLを構成してしまっている自覚はある)一般の人よりかは社会問題に対して関心のある方だとは思う。
でもじゃあ議会を傍聴したりまでしてるかというとそこまではない…なのでこうやってきちんと監視してる人には負い目があるわぁ。

医療福祉介護など人命に関わることになればこの国の人たちは思考停止して「善いことなんだからもっとお金と人を使おう」とする。
その結果がこの現状なんだけど…。
もっともっとって求めるけど、いや十分医療福祉介護にはリソース使ってますけどね、何ならそのせいで日本は滅びますけどね、と思ってる。

この本を読んでから数年前から思ってる「撤退戦」の必要性を改めて感じた。
もはや現状維持は不可能なのに、この話はあまり理解されないんだよね。
撤退戦の時期なんだって訴えてもあまり響かない。

「もっと補助金を」「もっと国が支援を」とか言うばかりで自分がお金を出す、自分で動くことをしない人は多い。
他人の金、他人の労働力で善いことしたこと気になってる奴やお客様気分の人たち。

ていうか補助金の申請も難解なんだよ。
結局活用できるのは補助金にたかるハエどもばっかり。
本来なら公で行うべき政策を民間に委託しなければならない現状。
公僕を減らし、奴隷のように考えてた結果成り手が減って自分たちを苦しめてる。
(大きな塊が動くからこそ複雑になって誰も対処できなくなるんだからもっと小さく簡便にすべきなんだよなー。だからリバタリアン寄りのTLになってしまう)

それにしても他人事、何かあれば「万能な国パパ、政府パパ」が何とかしてくれるはず。と思ってる人が多すぎない?
当事者意識が欠如し、やりたくないことや面倒なこと、嫌なことは自分じゃない誰かがやってくれる。
そんな社会はもう維持できない。持続可能性皆無!

この手の話題になると不平不満が多くなるけど、そんな自分だって出来てないくせにねって。

健全な民主主義を実現するためには一人一人が当事者意識を持って、勉強して討論し、利害を調整しあっていく地味で面倒くさくって時間のかかる作業が必要。
甘えや怠惰は許されない。
とっても困難な道なんだな、と思う。

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2026年03月22日

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