人物評伝 - 文藝春秋作品一覧

  • ホンダ神話(上) 教祖のなき後で
    5.0
    鍛冶屋の息子として生まれ、自動車修理工場の丁稚から身を興した天才技術者・本田宗一郎。金を集めることにかけては天才的な経営者・藤沢武夫。二人の運命的な出会いがホンダを創り、ホンダを独自の文化を持つ世界企業に育て上げた。ところがF1の世界チャンピオンを目指すホンダの足元を欠陥車騒動が揺るがした。藤沢は、水冷エンジンを嫌って、あくまでも空冷エンジンに固執する宗一郎への”クーデター”を敢行せざるを得なかった――。第27回大宅賞受賞作品。
  • のるかそるか
    -
    明智光秀、宮本武蔵、蜂須賀小六、塚原卜伝、木下藤吉郎、近藤勇、竹中半兵衛、坂本龍馬、前田利家、山岡鉄舟、黒田官兵衛、清水次郎長、佐々成政、紀伊国屋文左衛門、織田信長、渋沢栄一、豊臣秀吉、徳川慶喜、徳川家康……。 いずれも時流に乗り、運を開いた男ばかり。 ある者は天下を取り、ある者は財を成し、ある者は天下の剣豪となった。現代にも通じる処世とその決断。だから歴史はこうなった。
  • 検屍 M・モンローのヘア
    4.0
    マリリン・モンローの死は自殺か他殺か。世紀の美女の急死にマスコミは騒然、好奇心が突出した取材攻勢に検視官は沈黙の反抗を起こす。奇遇なことにアメリカで冤罪事件を調査していた著者は、くだんの検視官へと到達することになる。大宅賞受賞作家がシャロン・テート、ロバート・ケネディの担当官でもあったトーマス野口に取材し、その謎を探る「M・モンローのヘア」他、人種差別のからむアメリカの実情をひもとくとともに日本の冤罪事件を取り上げ、刑事司法のあり方を問う注目作。
  • 懐しき文士たち 戦後篇
    -
    昭和二十年八月十五日、天皇の玉音放送によって戦争は終結、「戦後」が始まった。二十一歳の若さで三島由紀夫が颯爽と登場し、新風を文壇に吹きこむ一方では、文豪幸田露伴が八十一年の生涯を静かに閉じた。『近代文学』の創刊、昭和十九年を最後に中止されていた芥川賞・直木賞も昭和二十四年には復活、伊藤整のチャタレイ裁判、川端康成がノーベル賞受賞にあたって語ったこと等、戦後の文壇を彩った作家と文学の全貌を、興味深いエピソードで描き出す、生きた戦後文壇史。
  • 日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学 花のタネは真夏に播くな
    4.0
    かつて、会社四季報をめくれば、上場会社の株主欄のいたるところに「竹田和平」という名前を見つけることができた。生前、上場会社百数十社の大株主であり、和製バフェットと呼ばれた竹田和平さん。貧しい菓子職人だった竹田さんはタマゴボーロで成功し、後に日本一の大投資家として名を馳せるようになる。彼の投資の神髄は、意外なほどシンプルなものだった。 「値上がりを期待して株を買ってはいけない」 「情報源はひとつで充分。会社四季報を熟読せよ」 「投資とは結局、経営者の資質を見極めること」などなど。 しかし、まっとうすぎるからこそ、みんなが見落とす盲点なのだ。さあ、今日からあなたも竹田さん流の旦那的投資術で、豊かで楽しく喜びに包まれた人生を送ってみようではないか。 解説・真田英里(竹田和平さんの最後の個人秘書)
  • ムッシュ!
    4.0
    戦後日本のポップスシーンとともに生きたポップスター、はじめての自伝。 日系2世のジャズ・ミュージシャンを父に持ち、十代のはじめからジャズを聴き始め、カントリー&ウェスタン、ロカビリーといった戦後復興期の音楽シーンをミュージシャンとして体験。 グループサウンズの全盛時代には、ザ・スパイダースのメンバーとして、堺正章や井上順らとともにポップスシーンの頂点に立つ。 その後もロックンロール、フォークと、さまざまな音楽に取り組み、そのハイレベルな音楽性は、小西康陽や小山田圭吾といった後進のミュージシャンからリスペクトされている。 本書では、親友で早世した俳優の赤木圭一郎や、ミュージシャン、俳優、作家、デザイナーなどが出入りした東京・飯倉「キャンティ」の思い出、松任谷由実や吉田拓郎といったミュージシャンとの交遊を、都会育ちらしく洒脱に語る。 2017年3月にがんで逝去するまで、つねに音楽活動やカルチャーシーンで強い存在感を発揮し、多くの人から「ムッシュ!」と愛された男の輝かしいクロニクル。 ※単行本・文庫収録写真のうち、一部、電子版には収録されていないものがあります。※
  • 龍馬史
    4.1
    坂本龍馬を斬ったのは誰か? 黒幕は? 幕末最大のミステリーに挑んだ 気鋭の歴史家が、史料の丹念な読解と巧みな推理でついに謎を解きあかした。 自筆の書状から龍馬の内面に迫り、龍馬が生きた幕末という時代、土佐藩の事情などを一つ一つ検証。既成の枠にとらわれない自由な発想の持ち主が生まれた背景にも迫ります。 坂本龍馬の生涯をたどることで、複雑な幕末史が分かる。
  • 妖怪と歩く ドキュメント・水木しげる
    3.0
    大ヒット作『ゲゲゲの鬼太郎』を描いた漫画家。ラバウル島の戦闘で負傷し、隻腕となった水木上等兵。意外にも別荘評論家の水木さん。アシスタントや一族を養う経営者。世界中の妖怪を研究したいと情熱を迸らせる大正生まれ。「水木しげるという人はいつどこにいても自分の心を楽しませるものを即座に見つけだすことができる、だから幸せ」。アメリカへ、故郷・境港へ、パプアニューギニアへ、二年間の密着取材で、手塚治虫と並ぶ巨匠の実像を描く傑作ノンフィクション!
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯
    3.8
    三井物産に35年間在職し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった“ヤング・ソルジャー”──自らを山猿(マンキー)と称し、欧米流の経営手腕を発揮した高齢のビジネスマンは、誰もが敬遠した不遇のポストにあえて飛び込む。問題の山積する国鉄の改革を通し、明治人の一徹さと30年に及ぶ海外生活で培われた合理主義から“卑ではない”ほんものの人間の堂々たる人生を、著者は克明な取材と温かな視線で描いた。ベストセラー作品を電子書籍化。
  • 殉死
    3.6
    乃木希典――第三軍司令官、陸軍大将として日露戦争の勝利に貢献。戦後は伯爵となり、学習院院長、軍事参議官、宮内省御用掛などを歴任し、英雄として称えられた。そんな彼が明治帝の崩御に殉じて、妻とともに自らの命を断ったのはなぜなのか? “軍神”と呼ばれた男の内面に迫り、人間像を浮き彫りにした問題作。
  • 琥珀の技 三船十段物語
    -
    「三船久蔵は単なる選手ではなくて、求道的であったという点でも真の柔道家であった。……書き終えて、一業に秀でた人間のすさまじい闘志にふれた感動が、ずっしり胸底に残っている」(あとがき)。一五九センチ、五十六キロの体ながら、あくなき技の追求者として空気投げ、球車、踵返し、諸手刈、三角固めなどをつぎつぎに発明し、生涯無敗を誇った三船久蔵十段。負けじ魂と精妙な技で日本柔道を造りあげた不世出の柔道家の堂々の一生を、同郷の直木賞受賞作家が熱愛をこめて綴る。
  • 恋の華・白蓮事件
    4.5
    有夫の身でありながら年下の青年弁護士・宮崎竜介の子を身ごもった歌人・柳原白蓮の人生。天皇のいとこという高貴な身分、類まれな美貌と文学の才に恵まれた彼女は、大正十年十月のある日、二回り年上の二度目の夫、無学だが九州の炭鉱王と呼ばれた伊藤伝右衛門のもとから奔り、しかも前代未聞の“女からの絶縁状”を新聞に公開する。夫の出方しだいでは白蓮も竜介も姦通罪に問われる……。小説のような人生を情熱的に生きた白蓮の生涯を、丁寧な取材で描き出す。
  • 蜷川実花になるまで
    4.0
    写真家としてのみならず、「さくらん」「ヘルタースケルター」といった映画の監督、AKB48「ヘビーローテーション」のMV監督など、多方面で活躍している著者が、プロの写真家になって10周年という区切りに人生を振り返った。 子どものころ、美大生のころ、初仕事、「木村伊兵衛写真賞」を受賞したころ、仕事が急増したころ、出産後・・・人生の節目において、クリエイターとして、女性として、何を考え、どんな行動を起こしたのか。そして、父である演出家・蜷川幸雄氏のことも語った。 人生を豊かにするヒントがつまった一冊。 ※この本は『ラッキースターの探し方』(2006年、DAI-X出版刊)を改題、加筆したものです。
  • 尾崎豊 夢のかたち
    5.0
    尾崎豊は26歳で世を去った。1992年4月25日未明に、民家の軒先で瀕死の姿で発見されたとき、彼は全裸で、全身に傷を負っていた。全力で走りつづけ、自ら傷つき、周囲を傷つけつづけたその軌跡。少年少女の代弁者にまつり上げられ、プロダクションやレコード会社に裏切られ、覚醒剤に救いを求めて破滅していった“カリスマ”の孤独な肖像を、彼自身の言葉、スタッフ達の証言、ファンの声によって浮き彫りにする。NYでの生活、死後の署名運動の経過についても補筆。
  • 謎の独裁者・金正日 テポドン・諜報・テロ・拉致
    3.5
    日本人拉致、潜水艦侵入事件、テポドン発射など、北朝鮮が企てる対日浸透・有害工作を阻止するため、日夜闘い続けている外事警察。世間に知られることのない彼らの活動とはいかなるものか? KGBはじめ練達のスパイとわたりあい、ときに煮え湯を飲まされ、ときに人間的なおかしみを表出させるドラマの数々は興趣つきず、テロが頻発する国際社会への警鐘ともとれる。「あさま山荘」はじめ、未曾有の事件で現場を指揮した著者が綴った緊迫のルポルタージュ。実録危機管理。
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界
    4.0
    無事是貴人――何事も無いのが最上の人生。この言葉を信条としながらも、頼まれたらどんな難事も引き受け取り組んだ実業家・石坂泰三。第一生命を日本有数の保険会社にし、労働争議で危機を迎えた戦後の東芝を立て直し、経団連会長として日本経済の復興を任され、国家事業となった大阪万国博覧会を成功に導く。まるで流れのままに身をゆだねるような人生を歩みながら、一方で、どんな権力者にもおもねらず、あくまで自由競争を旨としたその経営哲学を、城山三郎が描く。
  • 南洲残影
    3.0
    日本人の心情を深く揺り動かして止まない 「西郷南洲」という思想 軍資金は薩軍七十万に対し官軍四千二百万円。兵力は終には四百対五万。 西郷隆盛はなぜ、滅亡が明らかな西南戦争に立ったのか? 何に対して戦おうとしたのか? 「城山」、「抜刀隊」、わらべ唄……。いまなお日本の近代に対峙する「西郷という思想」の意味が、嫋々たる歌の調べにのせて明らかにされる。 解説・上村希美雄
  • リリー・マルレーンを聴いたことがありますか
    -
    私は万博会場で初めてマレーネ・ディートリッヒの歌う「リリー・マルレーン」を聴いた。なぜか心に残る歌だった。私はその歌に誘われてヨーロッパへの旅に出た。そこで第二次大戦中、ドイツ軍兵士が熱烈に愛唱し、やがて戦線を越えてイギリス兵やアメリカ兵にも歌われたことを知った……。一曲のラブソングがくり広げる壮大な人間ドラマを、ひとりの日本人が冷戦当時のヨーロッパの地を歩いて探りだす。欧州独特の情景と国境を越えて邂逅する多彩なひとびととの交流。
  • 合気を極めた男・佐川幸義 孤塁の名人
    3.0
    指1本で大男を吹き飛ばす合気を極めた男・佐川幸義。 「大東流合気柔術」を実際に体験した著者が名人の生涯と合気の秘密に迫る。 わずかに身体を動かすだけで、つかみかかる猛者たちを宙に吹き飛ばす「大東流合気柔術」。 その創始者である武田惣角から直伝を受け、さらに高みを目指した伝説的師範・佐川幸義。 彼の魔法のような強さはどこから来たのか? 1998年に95歳で亡くなるまで、10年にわたって師事した著者が、高弟たちの証言をもとに描いた本格評伝。
  • 槍ヶ岳開山
    4.4
    百姓一揆にまきこまれ、過って妻のおはまを刺殺した岩松は、国を捨てて出家する。しかし、罪の償いにきびしい修行をみずから求めた彼を絶え間なく襲うのは、おはまへの未練と煩悩だった。いっぽう、清貧と無欲の極地で庶民救済に生きようとする彼を俗世へと駆りたてることに執念を燃やす奇妙な男がつきまとう。大飢饉や一揆、打ちこわしといった江戸後期の乱世に、妻殺しの呵責に苦しみつつ、未踏の岩峰・槍ヶ岳初登攀に成功した修行僧播隆の苛烈な生きざまを、雄渾に描く長篇伝記小説。
  • 政治と情念 権力・カネ・女
    3.8
    2016年、ときならぬ角栄ブームが起きた。 1974年に「田中角栄研究ーその金脈と人脈」を発表し、田中総理退陣の先鞭をつけた著者はこう書く。 「田中角栄になぜそれほどのパワーがあったのか。(中略)なんといってもその根底にあったのは、角栄の不思議な人間的魅力だったといえるだろう」  また、こうも言う。 「田中角栄は情念の人だった」 本書は発表当時、世間の耳目を集めていた角栄の長女、真紀子元外相の分析を入り口に田中角栄の人生を振り返り、さらには日本政治における「角栄の遺伝子」問題を研究した書である。
  • 無私の日本人
    4.2
    2016年5月に映画化! 「殿、利息でござる!」の原作。 清廉な生き方を貫いた三人を、歴史の中から掘り起こした感動作。 穀田屋十三郎-伊達藩の貧しい宿場町に生まれた商人。同志をあつめて一家離散を覚悟で大金を集め、それを伊達藩に貸し付けて、その利息で、滅びようとする郷里を救おうと奔走。 中根東里-江戸時代を通じて空前絶後の詩才の持ち主ながら、栄達を求めず、極貧のうちに村儒者として死す。 大田垣蓮月-津藩家老の娘として京都の花街に生まれた絶世の美女。家庭に恵まれず、尼僧として京都郊外に庵をむすび、当代一流の文人墨客と交流。 大ヒット映画「武士の家計簿」に続き、気鋭の歴史家が描く日本人の誇るべき美徳。
  • 硫黄島 栗林中将の最期
    4.0
    名将の死の真相を解き明かす、傑作ノンフィクション 硫黄島総指揮官栗林の「ノイローゼ→投降→部下による斬殺」説は本当か? 名将の死の真相が遂に明らかに。感動のノンフィクション。
  • エイズ治療薬を発見した男 満屋裕明
    4.3
    「死の病」と恐れられたエイズ。その治療薬を世界で初めて開発したのは日本人だった!  熊本大学医学部を卒業し、アメリカの国立衛生研究所に勤務していたときの快挙である。リスクの高い研究に生命を賭して取り組んだ日々、巻き込まれた特許紛争など、いまやノーベル賞候補ともいわれる研究者の半生を描いたノンフィクション。
  • 儲けすぎた男  小説・安田善次郎
    3.5
    富山の最下級藩士の家に生まれながら、一代で大財閥を築き上げた安田善次郎。幕末明治の激動期、貨幣価値の変化の機を捉え、莫大な巨利を手中に収めて、日本一の大銀行家へと昇りつめた男がみせた、ここ一番の勝負勘とは? 東大安田講堂を寄付し、近代日本金融界の礎を作った傑物の生涯を活写した歴史経済小説。
  • さらば、愛しき藝人たち
    -
    アダチ竜光、牧野周一、広沢虎造、大辻伺郎、吾妻ひな子、石田一松、シミキン、可楽、馬風……比類なき芸ゆえにいかなる奇矯も許された古き良き時代。ずらりと並んだ15人は誰を見ても二度と現れそうもないキャラクターばかりである。筆者は、すでに鬼籍に入って見ることも聞くこともかなわぬ芸をいとおしみ、愛すべき素顔を懐しむ。その優しい目と、巧緻な筆で描いた「しがない」芸術家への鎮魂歌は、同時にもうひとつの昭和史になっている。
  • 古代女王ものがたり
    -
    人類文明の故郷である古代オリエントには、輝かしい名を残した女王と王妃が少くない。クレオパトラやハトシェプストなど、おなじみの古代エジプトの女王から、シバの女王ビルキス、ローマに挑戦したパルミラの女王ゼノビア、最高の美女といわれた王妃ネフェルティティ、ツタンカーメン王の最愛の王妃アンケセナーメンなど、紀元前十五世紀から紀元後三世紀に至る古代オリエントの歴史の中で、波乱万丈の生涯を華やかにたどった六人の女性たちの、ロマンにみちた劇的な生涯を描く。
  • ナポレオン その情熱的生涯
    -
    「女を探せ」は犯人追跡の極意である。男性の伝記を書く場合も同じではあるまいか。およそ、伝記の主人公になるくらいの男なら、女を愛し女に愛されなかったはずはない……。コルシカ生まれの一砲兵士官が、フランス革命後の風雲に乗じ、軍事的天才を揮って全ヨーロッパを席捲し、ついにフランス皇帝の座をかちとる。絢爛たるナポレオンの生涯を一層華やかに飾ったのは、戦争と同様の情熱をそそいだ多彩なる恋愛遍歴である。英雄の人間的側面をドラマチックに描く異色の伝記。
  • 志ん生のいる風景
    -
    没後何年たっても志ん生のレコード、テープの売れ行きは、他の追随を許さない。「去る者日々に疎し」の古諺は、この人には当てはまらない。戦争も、売れない芸人の悲哀も、すべてを芸のこやしにして、見事に開花させた闊達さ。名前を覚えてもらうのがなにより大事な仕事で十六回も高座名を変え、師匠まで何度も取り替えた自由奔放さ。極貧時代の思い出を自伝『びんぼう自慢』にしてしまう諧謔精神。思うままに生きた八十三年の人生を、生前の面影ありありと活写した評伝文学の傑作。
  • 小説吉本興業
    -
    古くはエンタツ・アチャコから、明石家さんま、桂三枝、笑福亭仁鶴、西川きよし、横山やすし、島田紳助、松本竜介、オール阪神・巨人、今いくよ・くるよなど、人気タレントを擁する<笑いの王国>吉本興業の「笑売繁盛」の秘密。大正から昭和にかけて大阪の寄席を次々と手中に収めていき、さらには関東にも進出、現在にいたる長い歴史をもつ興行師、上方の演芸とともに生き、「吉本ブーム」を支えてきた演芸界のドン、林正之助の夢と野望を描く長篇小説。
  • 辛夷の花 ――父 小泉信三の思い出――
    -
    日本の知識人の代表だった小泉信三──父であり夫である家庭でのふだん着の姿を、長女の著者が「掌編小説の趣がある」と評された名文でつづった追憶記です。最近、子供の問題で父親の人間像が問われていますが、昭和の骨太紳士はいったいどのような父親像を家族に見せていたのでしょう。戦後日本人の教養を、稀有な指導力でたかめ導いた小泉の意外な側面から、「見事な父親」としてのひとつの具体的な答を、あなたは本書の中に見出すでしょう。
  • 赤塚不二夫のことを書いたのだ!!
    4.1
    『おそ松くん』『天才バカボン』『レッツラゴン』…生涯じつに8万枚の漫画を執筆した天才漫画家・赤塚不二夫に、35年間連れ添った小学館の編集者がいる。“武居記者”というキャラクターで赤塚漫画にも登場する本人が、天才との濃厚すぎる日々を語る。ニャロメのモデル、『天才バカボン』引き抜き事件、新婚そうそう5日間泊り込み、ヤクザに追われてふぐ三昧、崇拝する美空ひばりと新宿デートなど、はちゃめちゃで抱腹絶倒の秘話満載! 浅野忠信主演で、映画化。
  • 昭和芸人 七人の最期
    4.0
    絶頂に登りつめた後は、下っていくしかない・・・。笑わせることができなくなった芸人には逃げ道がないのである。 エノケン、ロッパ、エンタツ、石田一松、シミキン、金語楼、トニー谷。頂点をきわめた七人のお笑い芸人たちは、どのような晩年を生きたのか。「最後の喜劇人」伊東四朗の特別インタビューを収録。 「喜劇人は同情されたらおしまい」(エノケン)
  • 昭和天皇 第一部 日露戦争と乃木希典の死
    4.0
    ときに悲しいほどに小さく、ときに仰ぐように巨きい。さびしき「彼(か)の人」と、彼の人と同時代を生きた人々の相貌を通して激動の歴史全体を高密度で描く傑作評伝。これぞ福田和也のライフワーク! 明治34年4月29日、迪宮(みちのみや)裕仁親王は誕生した。チャーチル、スターリン、ルーズベルトら後の敵手よりも20も若く。日露戦争、第一次大戦を背景に少年は乃木希典による厳格な教育を受けて成長。しかし、その結婚をめぐって「宮中某重大事件」が起きる――。
  • 泥のカネ 裏金王・水谷功と権力者の饗宴
    4.0
    福島原発から胆沢ダムに至るまで、ダーティ・マネーの臭いがするところには「平成の政商」と呼ばれた水谷功の影がある。小沢一郎との関係、東電のトラブルの裏処理、裏金のつくり方、談合の実態、北朝鮮利権、有名演歌歌手を招いたディナーショー……。その卓越した取材力で日本のタブーに切り込んできた著者が「政官業」癒着の実態を暴いた傑作ノンフィクション。
  • 花森安治の編集室 「暮しの手帖」ですごした日々
    -
    「文章は話すように書け」「ひとの身になって考えろ」「編集者は、芸人でなくてはならない」「編集者にとって、字はいのちだ」「眼は高く、手は低く」 ――伝説の編集者・花森安治はきわめつきの頑固でワンマン、そして自由でしなやかな精神をもつ、天才肌の職人だった。 「暮しの手帖」編集部で花森安治、創業者の大橋鎭子と6年間を過ごし、雑誌作りを一から叩き込まれ、だれよりも怒られた元編集部員がつづる回想。 NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」が、より楽しめる一冊!
  • 春秋名臣列伝
    3.4
    中原の覇者を目指す者たちの深謀遠慮 中国最古の年代記『春秋』を孔子が編み、呉越が戦った時代。管仲や子産、孫子など二十人の名臣を軸に、各国の興亡のドラマを描く
  • 指揮官
    4.0
    山本五十六は真に名将であったのか? マッカーサー元帥の統率力の根源は何であったか? 第一部は太平洋戦争史に名を残す日本帝国の将官たち十四人を、第二部では、第二次世界大戦に活躍した外国の指揮官、指導者十三人をとりあげた。これら指揮官の参加した様々な局面に即して、とくにその重要事態時の姿に、著者は注目する。求められた判断の機会にいかなる決定がなされたか。そこには戦争という歴史の形成と個人との関りが明瞭に示されている。
  • エリザベート ハプスブルク家最後の皇女 上
    3.5
    二十世紀中欧の動乱と悲劇を描く一大叙事詩 世紀末ウィーンのハプスブルク王家の嫡流に生まれ、帝国崩壊と二度の大戦を経て、社民党闘士と再婚した美しき大公女の波瀾の人生。 ◎祖母は人気ミュージカル「エリザベート」で有名なエリザベート皇后 ◎父は男爵令嬢と謎の自殺を遂げたルドルフ皇太子 ◎一目惚れのあげく、祖父・皇帝の力で得た初婚の不幸な結果 ◎貴賤結婚を忌んだ宮廷儀礼の末に起きたサライェヴォの悲劇 ◎オーストリア=ハンガリー帝国の崩壊に至った第一次世界大戦 ◎一市民となった後の、社会民主主義運動家との出会い ◎「同じドイツ民族」を旗じるしにナチスの恫喝で進むオーストリア併合の一部始終 ハプスブルグ家最後の皇女のたどった波乱万丈な八十年の人生を通して、激動のヨーロッパを読む。 ※この電子書籍は、2003年6月に刊行された文春文庫版を底本にしています。
  • 世界禁断愛大全 「官能」と「耽美」と「倒錯」の愛
    3.8
    金髪美少年を愛したせいで破滅した作家オスカー・ワイルド、意外なロリコン遍歴をもつ独裁者ヒトラー、拷問フルコースで街ごと死の沈黙に包んだ暴君イヴァン雷帝、「特に上腕二頭筋が美味」と尋問官にうそぶいた主食=人肉のジェフリー・ダーマー……。タブーを犯す悦楽とはどんなものか? 人類の歴史とともに古くからある、近親相姦、ロリコン、カニバリズムなど<禁断の愛>に身を捧げた彼らの凄まじい生き方。シリーズ史上、最もグロいエピソード満載の傑作人物伝!
  • 戦国名臣列伝
    3.2
    戦国の七大国が、秦によって統一されるまで 越の范蠡、秦の商鞅、燕の楽毅、楚の屈原など、中国四千年の歴史の中で、本当に自由な発想が許された戦国時代の名臣たちの生涯
  • 世界を変えた10人の女性 お茶の水女子大学特別講義
    4.3
    近現代において大きな足跡を残した10人の女性たち。その生涯と業績について、著者が名門女子大で講義した上で、学生たちと徹底討論! 取り上げられたのは以下の女性たち。 ミャンマーの民主活動家アウンサンスーチー 「ザ・ボディショップ」を起業したアニータ・ロディック インドで救済活動に身をささげたマザー・テレサ アメリカの女性解放運動リーダー、ベティ・フリーダン イギリスの元首相マーガレット・サッチャー 近代的な看護の概念を生み出したフローレンス・ナイチンゲール 物理学者・化学者マリー・キュリー 国連難民高等弁務官、緒方貞子 環境保護活動家ワンガリ・マータイ 元GHQ職員ベアテ・シロタ・ゴードン ※このコンテンツは文庫版に使用されている写真の一部が掲載されていません。
  • 習近平 なぜ暴走するのか
    4.3
    習近平は2012年秋、中国の最高指導者に就任した。軍の台頭、少数民族との対立、汚職問題、民主化への対応……。いまや世界2位の経済大国になりながら、共産党の独裁を続ける矛盾が吹き荒れるこの国を、彼は御してゆくことができるのか。それとも、覇権国家「最後の皇帝」となるのか。一流ジャーナリストが詳細をレポートする。
  • 江戸の名奉行 43人の実録列伝
    3.3
    鬼平、大岡越前、遠山の金さん……。時代小説や時代劇で知られる実在した町奉行、勘定奉行、火付盗賊改など名奉行43人の実像とは? 「名裁き」から生まれた泣ける人情話から、厳酷なる取り調べ、火あぶりの拷問、島流しの実態まで、豊富な史料から明らかにする。読めばさらに深く楽しめる、時代小説ファン必携の1冊。
  • 田中角栄 その巨善と巨悪
    3.5
    田中真紀子の父、田中角栄は、戦後日本の生んだ、まぎれもない天才である。雪ぶかい新潟の田舎の貧しい出身、小学校卒業の学歴、すべてのハンディを跳ね除けて総理大臣の座を掴みとった、まるで小説のような人生。悲願の日中国交回復を実現し、「日本列島改造」をブチあげ、ロッキード事件で失脚した後もなお、隠然たる権力と資力を持っていた。スケール大きく生きた、毀誉褒貶相半ばする男。悪と共存する善、田中角栄の真実の姿を、膨大な取材に基づくエピソードで描き出す。
  • 北の富士流
    3.7
    いまや「日本一着物が似合う男」としてNHKの大相撲解説で人気の北の富士勝昭。第52代横綱であり、親方として千代の富士、北勝海の二人の横綱を育て上げた名伯楽であります。そんな北の富士の男としての魅力を余すところなく綴ったのが本書であります。老若男女全ての大相撲ファン、いや全日本国民、必読の一冊! 【目次より】 第1章 北の富士前夜、北海道のけしき 第2章 私と相撲の遠距離交際 第3章 猛稽古と遊びの方程式 第4章 出世みち三歩進んで二歩下がる 第5章 破門から初優勝への大逆転 第6章 ライバル玉の海との出世競争と熱き友情 第7章 「夜の帝王」と「ネオン無情」の極彩色 第8章 横綱時代の万華鏡 第9章 二横綱を育てた名伯楽の奥行き 第10章 北の富士流の試練 第11章 テレビ解説席の粋、華、情 ※この電子書籍は2016年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 人間、やっぱり情でんなぁ
    4.0
    自分の仕事をもっともっと好きになれ! “文楽の鬼”最後の言葉 「死ぬまで稽古、死んでも稽古せなあきまへんなぁ」人形浄瑠璃「文楽」の大夫として義理人情を語りつづけて68年。“文楽の鬼”と呼ばれ、語りの力で人びとを泣き笑いさせてきた住大夫師匠が語る、文楽と日本のこれから、そして「自分の仕事をもっともっと好きになれ!」という熱き仕事論。平成30年逝去、その最後の言葉は。
  • 父・金正日と私 金正男独占告白
    3.6
    故・金正日(キムジョンイル)総書記の正男(キムジョムナム)の肉声を世界で初めてスクープした新聞記者による衝撃の記録! 2001年に初めてその存在が報じられて以来、たびたびあらわれては、その言動やファッションがディープなインパクトを残してきた金正男。“自由人”として面白ライフを満喫する北朝鮮のプリンスに隠れファンが急増した。しかしここ数年は姿を現さず、異母弟の正恩(ジョンウン)が後継者となってからは動静がめったに表には出てこない。 2004年9月25日、北京国際空港の1階ロビーで日朝協議に出席する北朝鮮代表の到着を待っていた著者は、金正男と思われる男性と遭遇し、声をかけます。後日、正男は著者をはじめ、そのとき渡された記者へメールを送信。このときから著者と正男の、あわせて150通にもおよぶメールの交換が始まった。その内容や、2回の面会など、正男の肉声が克明に記される。 「三代世襲には反対」「父上には国家元首という点を離れて、厳しいながらも情が多かった記憶しかありません」「異腹の弟正恩の成長過程は知りません」などと率直に語る正男。ホテルのエレベーターでは日本語で「お先にどうぞ」と先を譲るなど、本書を読めば知的で冷静、ユーモアのセンスにあふれた彼の実像をあまさず伝えるのみならず、正男を温存する中国の意図を著者は鋭く洞察する。 日朝関係を考える上で外すことのできない一冊。
  • 姉・米原万里
    4.3
    アレルギーを起こすほど卵好き、お便所に三回落ちたなど、「トットちゃんより変わっていた」伝説のロシア語会議通訳、米原万里。プラハでの少女時代を共に過ごした三歳年下の妹が、名エッセイの舞台裏やさまざまな武勇伝の真相を明かす。「旅行者の朝食」「ハルヴァ」など食をめぐる美味しい話と秘蔵写真満載! 解説・福岡伸一 【目次】 卵が大好き 米原家の大食い伝説 プラハの黒パン クネードリキ ソビエト学校のキャンプ 赤いエリートの避暑地 父の料理、母の料理 大好きな写真 米原万里が詩人だったころ 職業は「踊り子」 きれいな一重まぶた 飲まない万里のまっ茶な真実 毛深い家族 わたしは料理の道へ いつも本を読んでいた 「旅行者の朝食」 あとがき 文庫版のためのあとがき 解説 福岡伸一 文庫版のための付録、その1、その2
  • はじめは駄馬のごとく ナンバー2の人間学
    4.3
    歴史エッセイの名手が紡ぐ「わが愛する男たちの肖像」 SNSで話題。累計15万部の伝説の名著が、緊急復刊! 『炎環』『雲と風と』『北条政子』『つわものの賦』……多くの歴史小説を著した著者が、歴史上はほとんど無名・英雄の陰に隠れながらも実力を持ったしたたかな仕事師、〈ナンバー2の男〉の生き方を描きます。 『鎌倉殿の13人』ですっかり有名になった北条義時は、永遠のナンバー2.根っからの権力・政治好きにもかかわらず、あえて表には立たず、したたかに、ナンバー2の生涯を全うした。 源義経。同じくナンバー2でありながら、組織のなかの自分の位置づけが出来ず。華やかなスタンドプレーを繰り広げ、ナンバー1が霞むなど数々の致命的失敗をおかした。 徳川秀忠。家康と三代家光の陰にかくれた秀忠こそが、徳川家の最大の功労者。大名の転封、改易、人員の配置転換など重要な施策を行い、幕府の基礎を固めた。メシよりイロより政治が好き。 他、平家政権の仕掛人「平時忠」、途中入社ゆえに栄光と挫折を味わった「明智光秀」、など。 巻末の城山三郎氏との対談には、2024年大河ドラマ『光る君へ』で注目の関白・藤原道長も登場。「この世をば」と詠った彼はナンバー1志向と思いきや、意外にも……。 歴史好きはもちろんのこと、今を生きるビジネスパーソンも必読! 「組織論」本としても読める名エッセイです。
  • 清原和博 告白
    4.3
    一体どこから、何が狂い始めたのか。 堕ちた英雄が見た栄光と地獄。 10万部突破の衝撃の書、ついに文庫化。 「自分の人生を振り返って、どこからおかしくなったのかとか、 狂い始めたんだろうとか。苦しかったですね……」 覚醒剤取締法違反で逮捕され、2020年6月15日に執行猶予が満了した清原和博。 怪物の名をほしいままにした甲子園のヒーローは、なぜ覚醒剤という悪魔の手に堕ちたのか。 岸和田のやんちゃな野球少年がPL学園に入学、ドラフト事件で盟友・桑田と訣別。 西武の4番として輝いた日々、巨人移籍後の重圧と屈辱。 “番長”を演じ、ピアス、刺青、肉体改造……そして覚醒剤に出遭う。 「僕は、そこから闇の世界に入っていきました」 栄光と転落の半生と、自らの罪を悔いながら、鬱病、薬物依存症とたたかう日々を赤裸々に綴る。 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 実力者の条件 この人たちのエッセンス
    -
    「実力者」と呼ばれる人間に共通する条件はなにか。昭和四十四年から四十七年にかけて、田中角栄、鹿内信隆、川上哲治、小林秀雄、今西錦司、糸川英夫、丹下健三、黒沢明、東山魁夷、武満徹など、一時代を画した実力者たちの周辺を徹底的に取材し、その人間的条件、および彼らをとりまく社会的条件を分析して、実力者たりうるためには何が必要か、すぐれた日本的実力者とはいかなる人間か、を追求した日本人論。「時代の質を語り続ける人物論」として、不朽の書といえる。
  • トウ小平秘録(上)
    4.5
    トウ小平が敷いた中国の改革開放路線がはじまり30年。中国はGDPでアメリカに次ぐ世界第2位、巨大な貧富の格差がある社会になった。文革以降も重きをなす保守派と経済開放、民主化を急ぐ改革派、その狭間で自らの権力を維持しつつ、トウ小平はどのように決断していったのか? 毛沢東死去、天安門事件、南巡講話など、中国の現代へと至るトウ小平決断のポイントを、産経新聞中国総局長(当時)・伊藤正氏が内外の資料を駆使して活写。
  • 愛の顛末 恋と死と文学と
    4.5
    悲恋、秘められた恋、ストーカー的熱情など、文学者たちの知られざる愛のかたちを追った珠玉のノンフィクション。 ●小林多喜二――沈黙を貫いて亡くなった小林多喜二の恋人、田口タキ。多喜二に深く愛されながらも、自分は彼にふさわしくないと身を引き、それゆえ伝説的な存在になった。 ●近松秋江――女性に対する尋常でない恋着を描いて明治・大正の文学史に特異な足跡を残した近松秋江。いまでいうストーカーのごとき執着と妄執は、「非常識」「破廉恥」と評された。 ●三浦綾子――旭川の小学校教師であった三浦綾子は、敗戦による価値観の転倒に打ちのめされ退職、自死を図る。光を与えたのはクリスチャンである一人の青年だったが、彼は結核で逝き――。 ●中島敦――母の愛、家庭のぬくもりを知らずに育った中島敦が選んだ女性は、ふくよかで母性的な人だった。だが彼女には親同士が決めた婚約者がいた。そこから中島の大奮闘が始まる。 ●原民喜――最愛の妻を失ったときから、原民喜はその半身を死の側に置いていた。だが広島で被爆しその惨状を目の当たりにしたことで、彼は自らの死を延期したのだった。 ●梶井基次郎――宇野千代をめぐって、その夫、尾崎士郎と決闘-そんな噂が流れるほど話題になった梶井基次郎の恋。では、千代はどう思っていたのか。二人の出会いから別れを丹念にたどると、恋多き女の心情が浮かび上がる。 他に取り上げたのは、鈴木しづ子、中城ふみ子、寺田寅彦、八木重吉、宮柊二、吉野せい。 解説・永田和宏
  • サムライ 評伝 三船敏郎
    3.5
    映画化! MIFUNE:THE LAST SAMURAI 「七人の侍」「用心棒」「赤ひげ」などで今もなお世界の映画人から尊敬される「世界のミフネ」。その栄光の一方で、酒を飲んでの狼藉や、三船プロの内紛劇、離婚裁判、愛人問題など数々のスキャンダルを抱えていた。 日本が生んだ世界的映画スターのスケールの大きな生涯を、不仲が噂された黒澤明監督との関係や、晩年の認知症を患った姿も含め、徹底した取材で浮き彫りにする。
  • 福沢諭吉の真実
    3.3
    福沢諭吉はアジア蔑視の侵略主義者である――左翼論壇の一部からはこんな主張が絶えません。確かに『福沢諭吉全集』(岩波書店)には清国や朝鮮を下品な言葉で批判した文章がたくさん収録されています。しかし、それを書いたのは実は福沢ではなく、ある人物が福沢が書いたと偽って全集にもぐりこませたのだとしたら……? 一体、誰がそんなまねをしたのか。その目的は何だったのか。前代未聞の「思想犯罪」の謎を解明する、推理小説のように面白い画期的労作!
  • 楚漢名臣列伝
    3.8
    乱世を彩った異才・俊才10人の肖像 秦の始皇帝の死後、勃興してきた楚の項羽と漢の劉邦。覇を競う彼らに仕え、乱世で活躍した様々な異才・俊才十人の知られざる肖像。
  • 昭和が明るかった頃
    3.5
    昭和三十年代、人々は映画の中に「明日」を夢見ていた。日活とそこに集ったスター達を通じ経済成長前夜の時代精神を描いた長篇評伝
  • 天才 藤井聡太
    4.7
    「ひふみん」こと加藤一二三九段とのデビュー戦から、新記録となる破竹の29連勝。 棋界のトップ、佐藤天彦名人、羽生善治竜王を連破して 全棋士参加の「朝日杯将棋オープン戦」で優勝。 わずか1年余りで四段から七段へ異例の三段階昇段……。 史上最年少でプロ棋士となった藤井聡太の活躍は、私たちの想像のはるか上を行く。 幼い日から彼を育んだ師匠・杉本昌隆、迎え撃つ王者・羽生善治、渡辺明、 斎藤慎太郎、永瀬拓矢、三枚堂達也をはじめとする 精鋭揃いのライバルたちの証言が明らかにする天才の素顔。 文庫化にあたり、原稿用紙100枚、60ページの書き下ろし新章を収録! 【目次】 第一章 師匠・杉本昌隆との九年間 文●中村徹 完全保存版 不滅の二九連勝を辿る 文●松本博文 第二章 【連続インタビュー】若手棋士たちの矜持 文●松本博文 第三章 迎え撃つ王者 羽生善治「すごい人が現れた」 渡辺明「底の見えないものに一般論は通じない」
  • Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔
    4.0
    日本初刊行、天才のすべてがわかる決定版がついに文庫化 IQ180以上、中学校中退。起業、AppleでSiriの開発に関わり20代で性を変えた無政府主義者が台湾政府で活躍するまで。 ※この電子書籍は2022年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 植村直己・夢の軌跡
    4.0
    稀代の大冒険家の伝記〈決定版〉! 日本人初のエベレスト登頂に続き、世界初の5大陸最高峰登頂を果たした1ヵ月後、植村は1枚のたたんだ紙を畳の上に広げ「南極の地図です」と言った。ここを単独で横断するのが自分の次の目標だ、とも。16年にわたり植村の活動を支え、夢を共に追ってきた著者がつづる冒険家の肖像。見たい、体験したい欲求を、植村は生涯追い続けた――。
  • ドナルド・トランプ 劇画化するアメリカと世界の悪夢
    3.5
    空虚なポピュリストか? それともアメリカの歴史に残る大統領 レーガンの再来か? 現実味を帯びてきた「トランプ米大統領」の誕生。 異端視される彼の孤立主義・反知性主義も、実は米国の“国是”であることを明らかにする。 【おもな目次】 <序章 トランプとレーガン> 道化師から本命候補へ/リアリティショー/生来の演技力 など <第1章 トランプ家創業者はドイツ貧農> ルーツ隠し/ゴールドラッシュ/故郷に錦を飾る など <第2章 トランプをつくった男> 上昇志向を飢え付ける/鬼気迫るケチの哲学/人種差別の系譜 など <第3章 トランプはやはり問題児だった> 教師を殴る/軍隊式学校へ/徴兵逃れ疑惑 など <第4章 トランプの結婚> 婚前契約/ゲレンデの決闘/夫婦間レイプ疑惑?/根底に女性不信 など <第5章 トランプのビジネス> 命懸けの家賃取立て/親の七光り/「無視よりも悪評がよい」 など <第6章 政治家トランプの肖像> 「死刑復活」煽る/「黒人になりたい」/選挙戦で金儲け? など <第7章 トランプと「怒りの時代精神」> 白人の反乱/アメリカの自虐史観/「逆差別」に不満 など <第8章 トランプの宗教戦争> 行き過ぎたPCに反感/イスラモフォビアを梃子に/日系人強制収容は正しい? など <第9章 福音派とトランプ> 動き始めた福音派/トランプの信仰/カトリックの謎 など <第10章 「封じ込めドクトリン」> 「ネオ棍棒外交」の一面?/「トランプ政権」を願う中国 など <あとがきに代えて 二一世紀の「アメリカ問題」> 壁を崩す人、築く人/ヒトラーとトランプ/トランピズムの来襲 など
  • 世界最強の女帝 メルケルの謎
    3.9
    東ドイツ出身の地味な物理学者は、 いかにしてドイツ初の女性宰相という地位を得たのか。 東ドイツの秘密警察との関係は? 外遊先で、また閣議中に流した涙のわけ。 恩人コール首相を追い落とした権力闘争、 オバマ、プーチン、サルコジとの駆け引き…… ヨーロッパの頂点に位置する「ドイツ帝国」最高権力者の 知られざる実像に、熟練ジャーナリストが挑む。
  • イタリア「色悪党」列伝 カエサルからムッソリーニまで
    4.0
    イタリア男といえば、軽いノリの女好き「ちょい悪オヤジ」ばかり? 「史上最強」とされる古代ローマ帝国が誕生し、ルネサンスの文化・芸術が花ひらいたかの地には、世界史を動かし、時代を騒がせた男たちが歴史上に多く存在する。 文字通り「英雄色を好む」だったカエサル、ベッドの上でも天才だったダヴィンチ、華麗なる夜の外交官カサノヴァ、セックスと権力におぼれた独裁者ムッソリーニなど、なみはずれた才能と実行力を持ち、なおかつ華やかな女性遍歴がつきまとった「色悪党」たちの物語。
  • 永田鉄山 昭和陸軍「運命の男」
    3.9
    陸軍士官学校を主席で卒業し、陸軍大学では成績優等者として恩賜の軍刀を授与された「陸軍の至宝」永田鉄山。 50歳にして陸軍省の要職、軍務局長に抜擢されたが、その1年後、白昼の陸軍省内で現役の中佐に斬殺されてしまう。 後年、「永田がいれば大東亜戦争は起きなかった」とまで評された男は、なぜ殺されたのか。怪文書が飛びかい、クーデター計画が相次いだ陸軍内の「派閥抗争」の渦中で、永田が闘い続けたものとは何か。 日本近代史上、類のない衝撃的な事件の真相に迫るノンフィクション評伝。
  • 中上健次の生涯 エレクトラ
    5.0
    文学の獣が、叫び、泣き、疾駆する 現代文学の巨人、中上健次はいかにして作家になり、いかにして死んでいったか。幼少期から最期までを丹念な取材で描いた傑作評伝
  • 麻原彰晃の誕生
    3.6
    宗教団体が狂気を帯びた、そのルーツは何か? 地下鉄サリン事件などで死刑判決を受けたオウム真理教の教祖に狂気が宿った原因は何だったのか。幼年期に遡る徹底取材で闇を描く
  • 松下幸之助の憂鬱
    3.8
    創業者精神を忘れた企業は衰退する! 松下幸之助の精神は、なぜパナソニックに引き継がれなかったのか? カリスマを失った松下電器は、幸之助の薫陶に与らない四代の経営トップの下で迷走を続ける。四半世紀の取材を基に、稀代の企業家を余すところなく描き出す。ビジネスマン必読!
  • 茜色の空 哲人政治家・大平正芳の生涯
    4.1
    スマートとはいえない風貌に「鈍牛」「アーウー」と渾名された訥弁。だが遺した言葉は「環太平洋連帯」「文化の時代」「地域の自主性」等、21世紀の日本を見通していた。青年期から、大蔵官僚として戦後日本の復興に尽くした壮年期、総理大臣の座につくも権力闘争の波に翻弄され壮絶な最期を遂げるまでを描いた長篇小説。
  • 牧水の恋
    3.0
    旅と酒の歌人・若山牧水は、恋の歌人でもあった――。 白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 幾山河越えさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞけふも旅ゆく これらの名歌が生まれた背景には、小枝子という女性との痛切な恋があった。 若き日をささげた恋人の持つ秘密とは? 恋の絶頂から疑惑、別れまでの秀歌を、高校時代から牧水の短歌に共感し、 影響を受けてきた俵万智が丁寧に読みこみ、徹底した調査と鋭い読みで、二人の恋をよみがえらせる。 スリリングな評伝文学。 第29回宮日出版文化賞特別大賞受賞作。 『ぼく、牧水!』の対談集がある俳優・堺雅人氏も絶賛。 「解説」は牧水研究の第一人者・伊藤一彦氏(堺氏の高校時代の恩師で、『ぼく、牧水!』の共著者)。 ※この電子書籍は2018年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ベラ・チャスラフスカ 最も美しく
    4.5
    祝・2020年東京五輪開催決定! 4年に一度、スポーツヒロインを生み出してきたオリンピック。1964年、前回の東京五輪の華といえば女子体操個人総合金メダルのベラ・チャスラフスカです。しかし、東欧社会主義圏のチェコに生まれ育った体操の女神のその後の人生は、あまりにも過酷なものでした。時代の荒波に翻弄されながらも自分の生き方を貫き通そうとした女性の個人史を丹念な取材によって描いた、大宅賞作家・後藤正治渾身の力作!
  • 辞書になった男 ケンボー先生と山田先生
    4.5
    「三省堂国語辞典」略して「三国(サンコク)」。 そして 「新明解国語辞典」略して「新明解」(赤瀬川原平著『新解さんの謎』でブームとなった辞書である)。 二冊ともに戦後、三省堂から刊行された辞書で、あわせて累計4000万部の知られざる国民的ベストセラーだ。 しかし、この辞書を作った(書いた)二人の人物のことは、ほとんど知られていない。 「三国」を書いたのが、ケンボー先生こと見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)。 「新明解」を書いたのは、山田先生こと山田忠雄(やまだ・ただお)。 二人とも国語学者だが、「三国」と「新明解」の性格はまったく異なる。 「三国」が簡潔にして、「現代的」であるとすれば、「新明解」は独断とも思える語釈に満ち、 「規範的」。そこには二人の言語観・辞書が反映されている。 本書は、二人の国語学者がいかにして日本辞書史に屹立する二つの辞書を作り上げたかを 二人の生涯をたどりながら、追いかけたノンフィクション。 著者は同じテーマで「ケンボー先生と山田先生」(NHKBS)という番組を制作したディレクター。 同番組はATP賞最優秀賞、放送文化基金賞最優秀賞を受賞。番組には盛り込めなかった新事実や こぼれおちた興味深いエピソード、取材秘話なども含めて一冊の本にまとめた。 本書で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞している。
  • 小澤征爾 覇者の法則
    4.0
    なぜ彼だけが「世界のオザワ」となり得たのか。構想十数年、カリスマの秘密を徹底解明。 ラグビーに夢中だった子供時代、無鉄砲な海外武者修行に飛び出した青年時代。カラヤン、バーンスタインといった巨匠からの絶賛。N響との対立という試練。数多の浮沈を経て、音楽界の最高峰・ウィーン国立歌劇場音楽監督に登りつめた世界のマエストロ・小澤征爾。その知られざるエピソードを辿りながら、「説得力という不可解なオーラ」「文法的に正しい正確で論理的な思考法」「動物的な意志」など、指揮者としての成功を生んだ秘密に迫ります。小澤流「逆境を味方にする力」の方法論です。
  • 評伝 川島芳子 男装のエトランゼ
    3.0
    「男装の麗人」は日中のはざまで不器用にもがいた 男装の麗人とも、東洋のマタ・ハリとも呼ばれたその数奇な一生を、 新進女性シンガーソングライターが十年以上の歳月を費やして探り当てた「川島芳子」の実像。 東大修士論文を元に描き尽くした一女性の数奇な生涯。 日中のはざまで妖しく乱舞し、無器用にもがき、遂には刑場の露と消えた「男装の王女」川島芳子。 「武士道精神が消えたから、日本は滅びた」という最後の指摘は何を意味する?
  • 指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎
    4.3
    ユダヤ人「命のビザ」救出劇はもう一つ存在した! リトアニアの外交官、杉原千畝(ちうね)が逃げてきた約六千人ものユダヤ人難民に対して特別ビザを発給し、その命を救った救出劇は多くの人に知られている。 しかし、その二年半前、満州のハルビン特務機関長だった樋口季一郎が、ナチスの迫害からソ満国境の地まで逃げてきたユダヤ人難民に対し特別ビザの発給を実現させた「オトポール事件」は歴史の中に埋没してしまった。 そのユダヤ人救出劇から5年、北方軍司令官となっていた樋口は札幌・月寒の軍司令部にいた。 彼の指揮下にあるアッツ島には無数の米軍上陸部隊が押し寄せていた。樋口は現地軍に対して一度は「増援部隊」を送ることを伝えた。しかし大本営の決定により、増援部隊の派遣は中止となる。樋口は涙を流しながら、その命令を現地に伝えたという。 アッツ島は玉砕。かつて満州の地において多くのユダヤ人を救った男は部下の命を助けることができなかった。オトポール事件の立役者は「日本初の玉砕戦の指揮官」という汚名をかぶることとなってしまう。 本書は運命に翻弄された元陸軍中将、樋口季一郎の生涯を追ったノンフィクションである。
  • 美しい日本人
    -
    現在の日本と日本人を見つめ直す 明治以来、日本には数多くの、無私の人、潔い人、天晴れな人――、ひと言で言うなら「美しい日本人」がいました。 そうした人々の生き方を知ると、そうそう、日本人ってこうだったんだよなあとしみじみ胸に迫るものがあります。歴史に名を残さないまでも、こうした日本人は市井にたくさんいたはずです。 ましてや、殖財と私利私欲に走る人たちのニュースが連日のように報じられる昨今だからこそ、そんな“偉人”たちの片鱗に触れれば、痛快な思いがしたり考え直したりするのではないでしょうか。 “偉人”の人生は、我が身を映す鏡でもあるのです。 本書では、かつて『文藝春秋』で記事になった数百人の人物のなかから、“美しく生きた日本人”73人を厳選しました。 たとえば、政官界からは鈴木貫太郎、白洲次郎、土光敏夫……、国際社会からは緒方貞子、杉原千畝、植村直己、盛田昭夫……、実業界からは本田宗一郎、星一、井深大……、文化からは小津安二郎、城山三郎、淀川長治、兼高かおる……、学問からは柳田國男、白川静、牧野富太郎……、芸能からは高峰秀子、渥美清、坂本九……と多岐の分野にひろがっています。ときにその恩恵は、現在の私たちにも及んでいます。文芸や芸能であれば、大多数の国民がその恩恵を享受していることでしょう。 本書が読者諸兄の人生と思考にとって、良き一助になれば幸いです。
  • 金子みすゞと詩の王国
    5.0
    「人間・金子みすゞ」の真の姿に迫る 新しいみすゞ像と名詩60作を徹底解説! 金子みすゞの詩というと、優しくて可愛らしい作風を連想します。しかし残された五百余編は幅広いテーマを含み、意欲的に創作されたものです。一人で生まれ、一人で死んでいく人間の根源的な孤独、子ども心のあどけなさと寂しさ、小さな命の愛しさ、宇宙の成り立ち、さらに童謡詩の範疇(はんちゅう)を超えて、女性の生き方にも筆を広げています。これらの詩は、みすゞの人生の哀歓とも関わっているのです。 金子みすゞの希望と挫折の生涯、大正デモクラシーの理想から生まれた童謡詩の盛衰をたどりながら、珠玉の名詩60編を文学の視点から読解する新しいみすゞ論。NHK「100分de名著 金子みすゞ詩集」で指南役を務めた著者が、番組テキストに大幅に加筆。図版写真97点、実弟の日記を収載の決定版。心に響く暖かな言葉の王国へいざなう。 ◆金子みすゞ(かねこ・みすず) 詩人。本名テル。1903(明治36)年、山口県生まれ。下関の書店員だった20歳で詩作を始め、雑誌「童話」「赤い鳥」に投稿。詩人の西條八十に絶賛されるも、生前に詩集はなく、1930(昭和5)年に自死。代表作「私と小鳥と鈴と」「大漁」「蜂と神さま」「こだまでしょうか」。 ◆松本侑子(まつもと・ゆうこ) 作家・翻訳家。『巨食症の明けない夜明け』すばる文学賞。『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』新田次郎文学賞。訳書に日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)。著書に、金子みすゞの弟で脚本家の上山雅輔(かみやまがすけ)の日記から判明した新事実に基づいた伝記小説『みすゞと雅輔』。
  • ずばり池波正太郎
    4.0
    日本最強の池波ファンによる評伝と文芸評論の融合! 現役河合塾英語講師が、30余年に亘り心の支えとしてきた池波エッセイ、池波小説のすべてを語る。生誕100年を寿ぐ名作誕生!
  • 少女漫画家 「家」の履歴書
    4.0
    あの傑作は、こんな「家」から生まれた! 少女漫画家12人が明かす、家族・仲間との忘れえぬ日々 水野英子 赤塚不二夫、石ノ森章太郎と過ごしたトキワ荘と、『ファイヤー!』が私の青春 青池保子  「結婚せず仕事を」。『エロイカより愛をこめて』で覚悟を決めて購入したマンション 一条ゆかり  まるで『砂の城』のヒロイン。自ら設計した吹き抜けと煉瓦の台所のある家 美内すずえ  『ガラスの仮面』のような「劇団」体験をした、女ばかりのカンヅメ旅館 庄司陽子  デッサンの基礎を養ってくれた母のために作った『生徒諸君!』御殿 山岸凉子  鬼門に玄関が……“奇妙なこと”が続く国分寺の家で描いた『日出処の天子』 木原敏江  『摩利と新吾』から命名。蓼科の「縞りんご荘」の自然が生んだ数々の名作 有吉京子  『SWAN―白鳥―』を四十年以上描き続ける体力を培った築二百年の古民家と金峰山 くらもちふさこ 描けば描くほど元気に。母の故郷を描いた『天然コケッコー』で克服した病 魔夜峰央  『翔んで埼玉』の所沢、パタリロ的諧謔とバンコラン的美意識を宿した家 池野恋  幼い頃から多世代同居。「見守られている安心感」が生んだ『ときめきトゥナイト』 いくえみ綾  『潔く柔く』執筆中の父の死。気分転換で作ったイングリッシュガーデン
  • 伊賀の人・松尾芭蕉
    -
    「忘れなかった『武士の品格』」、「美食家」、「月オタク」、「大ヤマ師」、「お伊勢参りは生涯で六度」 "忍者の里"から江戸へ――俳聖「芭蕉」誕生の秘密とは。そしていかに煩悩と戦い理想に生きたか。その人間味に迫る。 生涯の大半を旅に費やした芭蕉。しかし、生まれ育った伊賀に頻繁に帰るなど、心の拠り所は常に故郷にあった。 芭蕉はいかにして「俳聖」となり、俳句という文学で何を成し遂げようとしたのか――。人間芭蕉の旅の軌跡と素顔を紐解く。 序章  俳諧師「芭蕉」誕生前夜 第一章 江戸で決意した行脚詩人の道 第二章 野垂れ死に覚悟の旅 第三章 神様か、大山師か 第四章 俳聖の神髄とライバル井原西鶴 第五章 無頼の門人たち 終章  芭蕉の最期
  • 婆娑羅大名 佐々木道誉
    3.5
    「婆娑羅」という言葉をご存じでしょうか。室町時代初期に上級武士の間で猖獗を極めた乱暴な行動様式のことで、 戦国末期に流行った「傾奇」の先輩と考えるとわかりやすいでしょう。この婆娑羅の代表が、本書の主人公、佐々木(京極)道誉です。 『太平記』の中で、楠木正成と並んでもっとも魅力的に描かれるこの男の生涯を通じて、日本人の美意識、出処進退の源流に 迫ろうというのが本書の目的です。  なぜ美意識か。現代で「道」とつく芸術、たとえば茶道や香道、花道といったものの源流は、すべてこの男にあるからです。 花道では池坊専慶が花道書を記す200年以上も前に、道誉はそれを書き残しています。  また、婆娑羅は「乱暴狼藉」と同意語のように思われていますが、さにあらず。意のままに振舞っても、 そこに確固たる美意識があれば、それは狼藉ではなく、「道」に通じる。ここに筆者の「男の生き方の理想」すなわち「自由」の境地を 道誉で示そうという目論見があります。後半では、婆娑羅の後継者ではあるが、どんどん矮小化されていった傾奇者、 さらに三島由紀夫の自決の美意識も取り上げ、「見事に死ぬこと」しか男ぶりを示すことができなくなった時代の悲哀にも迫ります。  ゲーム「戦国BASARA」などの影響で、BASARAもしくはバサラという言葉は今の若い人たちにも親しみがあるようですが、 本物の婆娑羅を楽しんでみてください。
  • ベートーヴェン 音楽の革命はいかに成し遂げられたか
    4.2
    不世出の巨匠の人生と作品の凄みとは 生誕250周年――他の音楽家の創作意欲を失わせるほど、すべてのジャンルにおいて史上最高の傑作を作り上げた、その偉業を振り返る
  • Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた男
    4.0
    彼がいなければ、世界の空は安全に飛べなかった! 科学ジャーナリスト賞受賞のNHK番組『ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード 気象学で世界を救った男」』を書籍化。 1975年6月。NYでイースンタ航空機が墜落した。誰も解明できなかった事故の原因を突き止めたのが、日本人科学者・藤田哲也だった。事故原因をダウンバーストという気象現象だと突き止めたのだ。 「気象学の世界にノーベル賞があったら間違いなく受賞していた」と言われた天才科学者は、人類史に偉大な功績を残した。 日本ではほとんど知られていない、「テツヤ・テオドール・フジタ」の数奇な運命をたどる。 解説・元村有希子(毎日新聞記者) ※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 渋沢家三代
    4.2
    新1万円札の肖像に決定した渋沢栄一とは一体、何者だったのか? 日本銀行、第一国立銀行(みずほ銀行)、日本郵船、東京電燈(東京電力)、東京瓦斯(東京ガス)、大日本麦酒(サッポロビール、アサヒビール)、商法講習所(一橋大学)、東京ホテル(帝国ホテル)など、日本を代表する約650の企業や団体をつくった「日本資本主義の育ての親」。それにも関わらず、三井、三菱、住友のような財閥となることを拒み、静かに没落していった──。人物ノンフィクションの第一人者が、栄一・篤二・敬三と続いた渋沢一族三代の真実の姿を描く。 わが国に資本主義を産み落とし根づかせた栄一、それを継承し育んだ嫡孫・敬三。その狭間にあって、廃嫡の憂き目にあった篤二。勤勉と遊蕩の血が織りなす渋沢家の人間模様をたどることは、拝金思想に冒されるはるか以前の「忘れられた日本人」の生き生きとした息吹を伝えることにも重なる。この一族は、なにゆえに「財なき財閥」と呼ばれたのか? なぜ実業家を輩出しなかったのか? いま新たな資料を得て、大宅賞受賞作家が渋沢家三代の謎を解き明かす。 「私はこの本で“偉人伝”を書いたつもりはない。それより意図したのは、栄一という人物の偉大さに押しつぶされた渋沢家の人々の悲劇を、明治、大正、昭和の時代相に重ねて描くことだった。これはまったく類書がない着眼点だといまも自負している」 (本書より) 電子書籍化にあたり、新稿「渋沢家の真相」を収録した。
  • 天邪鬼のすすめ
    -
    「壮大なまわり道の中で研ぎ澄ました私の感性……頼れるものは、それしかない」 不安の時代を生き抜くヒントに富む、 ベストセラー作家の自伝的エッセイ 厳格な軍人家族に生まれた著者は、敗戦によってすべての価値観が根底から覆ってしまう。凛として「恥を知る」ことを説いた父が、戦後は見る影もなく落魄。そのくせ世の中が落ち着くと、徐々に昔の価値観に戻っていく……。そんな父と、暁子は確執を深める。家の中はぎくしゃくし、母とも心が通じなくなっていく。 また、結核を患ったせいで、幼い暁子は長期の入院を強いられた。外で遊ぶこともならず、彼女はおのずと自分自身に向き合うようになる。敗戦と結核、これが原点となった。 家族と離れて自由を謳歌した高校・大学時代。NHK入局後、野際陽子との出会いで悟った「私は私」という境地。そして、ある音楽家の男性との運命的な出会いと大失恋。さらに、パートナーを得た後にも暁子に影を落とす父と母の存在……。 波瀾万丈の来し方を振り返りながら、著者はあるヒントを投げかける。「天邪鬼」であること。そして「おめでたさ」を失わないことの大切さ。挫折と思えたものを逆転してこられたのは、天邪鬼とおめでたさがあったからこそ。 自分で考え、反骨を忘れない。自分で食べる。自分で決める……その大原則さえ守っていれば、人は自由に生きることができる。切れ味鋭く、かつ滋味深い著者の言葉は、不透明な時代を生き抜くための力を与えてくれる。
  • フレンチの王道 シェ・イノの流儀 電子特別版
    3.0
    まだ日本に本物のフランス料理が知られていなかった1960年代、単身、本場で修業した日本人がいた! それが東京・京橋にある自分の店『シェ・イノ』で、30年以上にわたり本物を供してきた井上旭である。 名店『トロワグロ』の調理場でトロワグロ兄弟から薫陶をうけ、フランス料理の新しい潮流「ヌーベル・キュイジーヌ」の正統な系譜に連なる。全盛期のパリ『マキシム』でレストラン文化の頂点を体験・・・こうした日本人ばなれした体験から生み出された井上の料理哲学とは。伝説のシェフ、初の著書。 電子書籍では新書に収録されていない代表的な料理の写真を収録しています。
  • 新選組 粛清の組織論
    3.9
    殺した敵は26人、殺した「味方」は40人!  近藤勇、土方歳三、沖田総司らが、京都で剣を振るい、最期は武士らしく散っていった――そうした新選組のストーリーは「勝者」による一面的なものにすぎない。 新選組約520人の隊士のうち、40人が内部粛清や・暗殺で命を落としたとされる。そのなかには創設者の芹沢鴨や、新見錦、副長の山南敬助、参謀の伊東甲子太郎、隊長・藤堂平助といった幹部クラスも含まれる。 主導権争い、路線対立、裏切り・・・粛清された“敗者”の視点から、組織が抱える暗部をえぐり出す、全く新しい新選組論!
  • 天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎
    -
    名門の天才坊やとして早くから注目された中村勘三郎。 渋い脇役の家に重い期待を背負って生まれた坂東三津五郎。 二人の名役者はくしくも同学年に生まれた。 生前、親交の深かった劇作家が、ライバルでもあったふたりを交互に書き継ぎ、藝風の違いやユニークな生き方を浮かび上がらせた。
  • チェ・ゲバラ伝 増補版
    3.6
    1冊でたどる「チェ・ゲバラ」の生涯 南米アルゼンチンの裕福な家に生まれ、医師になるも、貧困と圧政と腐敗の覆う現実を憂い、キューバ革命へと身を投じたチェ・ゲバラ。彼はどのように行生き、どのように死んだのか。いまなお全世界で語られる伝説の男、ゲバラを描いた不朽の傑作評伝、増補版。
  • 現代中国悪女列伝
    4.2
    中国に、美女は多いが「悪女」も多い……。中国で悪女と呼ばれるには4つの条件があります。1、美女であること。2、才媛であること。3、世間を驚愕させる事件を起こすこと。4、政治権力とかかわりがあること。つまり美人で、頭も良くなければ悪女になれません。 彼女らは、なぜ悪女になったのでしょうか? 悪女にならずには生きていけなかったからです。薄煕来の妻・谷開来、“公共情婦”李薇、ネット上の露悪女、そして江青、葉群。中国を陰で動かした悪女たちそれぞれの人生には、恐ろしいけれど、どこか物悲しさ、痛ましさを覚えます。彼女らの素顔を通じて、現代中国の本質に迫ります。
  • ドリフターズとその時代
    4.5
    国民をテレビの前に集合させた男たち 視聴率五〇%を超えた「全員集合」はどのようにして生まれたのか。ザ・ドリフターズを気鋭の論者が舞台・演劇の視点から読み解く。
  • 独裁者プーチン
    3.6
    世界の注目を集めつづけるプーチンだが、この「隣国の独裁者」の素顔は意外に知られていない。本書では豊富なエピソードや肉声を通じ、その人物像に迫る。貧しい労働者階級の家庭で育ったプーチンは、子供のころからの夢であったKGBに入るが、鳴かず飛ばずの中佐止まりだった。その後、ひょんなことからサンクト・ペテルブルクの副市長となり、中央政界に出てとんとん拍子に出世する。長年ノーマークの存在だったために、その経歴には謎も多い。資源依存型の経済運営で国策企業に側近たちを送り込むなど、あらゆる利権をクレムリンで掌握、外交面でも徹底した首脳外交で武器輸出のセールスマンとしても活躍してきた。一方、ジェット機を操縦したり虎退治をしたり、あるいは「国民との対話」という4時間以上のテレビ出演といった派手なパフォーマンスなどをみせるなど、メディア操作にも長けている。――世界の運命のカギを握る「黒い皇帝」の野望の原点がここに。 ※この電子書籍は、2012年5月に刊行された文春新書を底本としています。また電子書籍版では、収録されていない写真があります。
  • 旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三
    4.3
    第28回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 民俗学者・宮本常一の人と業績を、財界人・渋沢敬三との交流から描いた傑作評伝。 日本中の村と島を歩き尽くした男がいた――。 瀬戸内海の貧しい島で生まれ、日本列島を隅から隅まで旅し、柳田国男以来最大の業績を上げた民俗学者・宮本常一。 「日本資本主義の父」渋沢栄一の孫として生まれ、財界人として活動する一方で、パトロンとして物心両面で宮本を支え続けた渋沢敬三。 対照的なふたりの30年に及ぶ交流を描き、宮本民俗学の輝かしい業績に改めて光を当てた傑作評伝。 第28回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 解説・稲泉連 電子書籍化にあたり、新稿「素晴しき「助平」たち――渋沢栄一と宮本常一」を収録した。
  • 皇后雅子さま物語
    4.0
    痛みを知るから勁くなれる――令和の新皇后、雅子さま。その皇太子妃としての道のりは決して平坦ではなかった。ご成婚パレードでの笑顔はなぜ失われたのか? お世継ぎ問題、「適応障害」の真相は何だったのか? 長年にわたり雅子さまの実像を追う唯一のジャーナリストが描く、新皇后の素顔とは。半生を網羅した決定版! 【目次より】 序章 幸せの黄色いワンピース 第1章 帰国子女の憂鬱 第2章 「根無し草にはなりたくない」 第3章 新人外交官の悩み お妃候補への戸惑い 第4章 皇太子妃選定「極秘プロジェクト」 第5章 ご成婚──雅子さんのいちばん長い日 第6章 「新皇太子妃」に差す影 第7章 長官が尋ねた「お身体のこと」 第8章 愛子さまご誕生までの全舞台裏 第9章 涙が止まらない 第10章 「人格否定発言」初めて語られる真相 第11章 ようやく治療がはじまった 第12章 悠仁さまご誕生──急転する皇室の運命 第13章 愛子さまが学校に行けなくなった日 第14章 ご成婚二十年──雅子妃はお幸せだったのか 終章 令和の皇后として ※この電子書籍は、2015年1月に文藝春秋より刊行された単行本『ザ・プリンセス 雅子妃物語』を改題、新章を増補した文庫版を底本としています。
  • 渋沢栄一 上 算盤篇
    3.9
    新1万円札の肖像画に選ばれた、「日本資本主義の育ての親」渋沢栄一。幕末から明治、大正、昭和へと至る91年の激動の生涯を、博覧強記の才人・鹿島茂が描いた傑作評伝、ついに電子書籍化! 近代日本の「資本主義」をつくりだした渋沢栄一。彼がその経済思想を学んだのは、「産業皇帝」ことナポレオン3世の統べる19世紀フランスからだった。豪農の家に生まれ、尊皇攘夷に燃えた彼は、一転、武士として徳川慶喜に仕えることになり、パリ万博へと派遣される。かの地で渋沢に影響を与えたのが、産業を拡大することで労働者の福利厚生を充実させるという「サン=シモン主義」の思想だった。帰国後、維新政府に迎えられるが、日本に資本主義を興すため、民間人として生きることを選ぶ……波瀾万丈の評伝、その上巻・算盤篇。 「近代日本は、世界に類を見ないほどの幸運に恵まれていたといえる。なんのことかというと、日本の資本主義は、この「損して得取れ」という思想をバトル・ロワイヤルが行われる以前にすでに体得し、血肉化していた渋沢栄一という例外的な人物によって領導され、実に効率よく高度資本主義の段階に入ることができたからである」 (本文より)
  • 田中角栄 最後のインタビュー
    3.5
    抜群の記憶力、発想、決断力、そして人情…… 未公開インタビュー記録をもとによみがえる天才宰相の知性と魅力! 没後23年を経てもなお日本人の心を惹きつけてやまない田中角栄。 その角栄はロッキード事件発覚後、マスコミをシャットアウトし、「闇将軍」として権勢を振るっていたが、ひそかに13時間半ものロングインタビューに応じ、みずからの思いを世に出そうとしていた。当時、海外通信社の記者を務めていた著者は、ロングインタビューに立ち会ったほか、約4年間、講演や会議における角栄の発言を記録してきた。 本書はそれらの記録をもとに、著者独自の目線で「天才・角栄」の政治理念を解き明かした作品である。 全編、角栄の名調子が冴え渡る。 「合理性だけを追求してきた日本の頭脳集団は、人間の本質を忘れている」 「総理大臣になってから『勉強します』は許されない」 「外交は“叩き上げ”同士で」 「道徳観のない政治家に人はついてこない」 「俺は自分の選挙区のことは5メートル単位で把握している」 「恋人の電話番号は手帳に書くな。手帳を見ながらダイヤルを回すのでは、恋の成就もおぼつかない」 現代日本の閉塞的な経済状況や、東アジアの安全保障危機をズバリ予言している指摘もあり、角栄の慧眼には驚くばかりだ。人情の機微を知り尽くした滋味深い言葉も、読む人の心にしみわたる。 脳梗塞に倒れる10カ月ほど前におこなわれた最後のインタビューでは、政治と人生に対する達観した思いを吐露しており、枯淡の境地を感じさせる。 どこから読んでも面白くためになり、すべての人に勇気を与えてくれる一冊である。
  • 外国人レスラー最強列伝
    4.0
    取材歴50年以上! 伝説のプロレス記者による昭和プロレス回顧録3部作の完結編。 取り上げたのは以下の14人。 ●鉄人ルー・テーズ ・・・来日中、酔った男に額をピシャピシャと叩かれたとき、人格的にも世界最高のプロレスラーがとった行動とは。 ●神様カール・ゴッチ ・・・東京・渋谷のリキ・スポーツパレスで開かれた「ゴッチ教室」。 ●噛みつき魔フレッド・ブラッシー ・・・記者でさえ近づきたくなかったヒール(悪役)の結婚秘話。 ●黒い魔神ボボ・ブラジル ・・・「真面目で誠実」と馬場に評された男の素顔。 ●鉄の爪フリッツ・フォン・エリック ・・・著者が身をもって味わったアイアン・クローの威力。 ●生傷男ディック・ザ・ブルーザー・アフィルス ・・・「世界一の無法男」の意外なファッション・センス。 ●荒法師ジン・キニスキー ・・・和式トイレを自分で掃除した未来のNWA世界チャンピオン。 ●人間発電所ブルーノ・サンマルチノ ・・・「ニューヨークの帝王」の頭髪に隠された秘密。 ●狂犬ディック・マードック ・・・「ビールを飲むためにプロレスをやっている」愛すべき天然バカ。 ●オランダの赤鬼ウィレム・ルスカ ・・・世界最強は誰か? と問われたら、即座にその名前を挙げる。 ●人間風車ビル・ロビンソン ・・・東スポの1面をかざった「夜の帝王」との大阪・北新地の夜。 ●放浪の殺し屋ジプシー・ジョー ・・・国際プロレスの末期を支えたタフネス。 ●韓国の猛牛・大木金太郎 ・・・放った頭突きは5万発の元祖韓流スター。
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち
    4.3
    2016年3月公開 映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』原作 世界中が、アメリカ発の住宅好況に酔っていた2000年代半ば、そのまやかしを見抜き、世界経済が破綻する方に賭けた男達がいた。投資銀行、格付機関、米政府の裏をかき、彼らはいかに世紀の空売りと呼ばれる大相場をはったのか。『マネー・ボール』の著者マイケル・ルイスが世界同時金融危機の実相を描く痛快ノンフィクション。解説・藤沢数希 電子書籍では、マイケル・ルイス氏が映画化の経緯や、その見所について述べた「映画化記念 著者特別エッセイ」を収録。
  • 小さな家の思想 方丈記を建築で読み解く
    -
    戦乱の世、方丈庵に込められた思想とは? 一辺約3メートル、組み立て式のモバイル住宅「方丈庵」は鴨長明の集大成だった。誰もが知る古典を建築として読み解く新たな試み。
  • 清張地獄八景
    4.3
    みうらじゅんの清張愛炸裂! 人間の業や深い闇を暴き出す清張は、ホラー作家だ! 押したら最後、底無しの「生き地獄」へ転落してしまう「清張ボタン」とは? 松本清張の大ファンであるみうらじゅんが様々な媒体で書いてきた清張論や対談などの記事、イラスト、なりきり小説を中心に、 「文藝春秋」や「週刊文春」、「オール讀物」に掲載された清張に関する記事を厳選して一冊に。 数多くの清張原作作品に出演している岩下志麻、船越英一郎のインタビューや対談をはじめ、 佐藤愛子、京極夏彦、大沢在昌、宮部みゆき、北村薫、有栖川有栖、岩井志麻子、佐野洋、山村正夫、泉麻人、春日太一……ほか、著名な作家の再録記事も多数掲載。 清張原作のNHK土曜ドラマの演出家だった和田勉の随筆、『砂の器』など清張原作映画の脚本家である橋本忍のインタビュー、 清張が井上ひさしや女性ファンに書いた手紙、清張による江戸川乱歩への弔辞、直子夫人へのインタビュー、 朝日新聞勤務時代の同僚による清張の思い出、清張が描いたエッセイ漫画や絵など、貴重な原稿や写真も収録。 松本清張の小説世界、人柄、映像作品の魅力がよくわかるので、清張ファンはもちろん、未読の人の入門書としてもおすすめ。 「清張地獄」に堕ちたくない人はぜひ! *巻末に文庫特典としてみうらじゅんのインタビューを収録。 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行されたムック『みうらじゅんの松本清張ファンブック 清張地獄八景』を文庫化したものを底本としています。

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