歴史・時代小説 - 胸キュン作品一覧

  • 影帳 半次捕物控
    4.0
    相模屋の店先で雪駄が一足盗まれた。上野山下の助五郎親分は、懸命に追い、下手人・仙八を挙げた。そこで相模屋出入りの岡っ引・判次は、穏便に赦免してもらおうと、親分に頼みこんだ。ところが、うまくいかない。単純に見えた事件は意外な展開をみせはじめ、やがて大きな謎が……。直木賞作家の傑作捕物帳。
  • 半乳捕物帳
    3.5
    半七ならぬ、“半乳”親分登場! 江戸の町はおっぱいが救う!? 性愛小説の女王が放つ、艶笑時代小説! 神田の岡っ引きの娘・お七は、昼は茶屋の看板娘、夜にはぷりぷりした乳房を衿元から覗かせ江戸の事件を追う、人呼んで「半乳親分」。同心の兵衛に頼まれ、江戸の女たちを虜にしている色坊主・丈円を追い江戸城大奥に潜入するお七だが、童貞将軍も巻き込んで事態は思いがけない展開に!?
  • 博徒大名伊丹一家
    3.0
    「博徒と殿様」二足の草鞋 藩財政再建の秘策は 賭場のご開帳!? どん底なんてくそくらえ! 泥を喰らって這い上がった不屈の男 貧困病気挫折、絶望の淵をくぐり抜けてきた作者が、精魂込めて綴った一冊です 出羽国松越藩の外様大名・伊丹阿波守長盛が、継嗣のないまま急逝した。このままでは御家は無嗣子改易の憂き目に遭う。 長盛の「深川黒江町に跡継ぎが」といういまわの際の言葉に、江戸家老高川監物たちは必死の探索を続ける。そしてようやく探し当てた男は、文字通り裸一貫の境遇から二百人の配下を持つ博徒の親分に這いあがった、腕と気風と度胸に才覚を持ち合わせた破天荒な男だった! 〈書下し任侠大名一代記〉 序章 第一章 成りすまし大名 第二章 泥饅頭を食え 第三章 博徒大名伊丹一家 第四章 生きていく術
  • 幕府密命弁財船・疾渡丸(一) 那珂湊 船出の刻
    4.0
    どんな荒波も越える最高の船で 日本中を巡る世直し道中! 新たな痛快時代小説、ここに開幕。 時は慶安。海運の活性化により日本の経済は発展を遂げる一方、各地の湊では犯罪や謀反の兆しが見られるようになる。その最中、水戸藩那珂湊で密かに造られる弁財船、名を疾渡丸(はやとまる)。この船には商船のふりをして諸国を旅しながら、湊の平和を守る密命が幕府より下されていた――! 書き下ろし
  • 化け札
    3.0
    騙して、化けて、また、騙す。戦国の「化け札」=ジョーカー、真田昌幸。武田家滅亡後、織田、北条、上杉という大大名に囲まれながら、策謀をめぐらし、裏切りを繰り返して、天下をうかがう。昌幸の前に立ちはだかるのは、名将徳川家康と大軍勢。あまりに巨大な敵に、どう立ち向かうのか。生き残ることはできるのか。『誉れの赤』で新風を吹き込み、『決戦!関ヶ原』で名を上げた作者が、戦国随一の策士を描く書き下ろし長編。
  • 蜩―慶次郎縁側日記―
    3.5
    「あの吉次親分が、所帯をお持ちなすった」驚いたのは慶次郎だけではない。小柄で貧相、意地の悪さは江戸で一、二の岡っ引・吉次に惚れるとは、どんな女だい? 一方に出現したのは“吉次の義弟”を名乗る不審な男。こいつはどうやら裏がありそうだ…。慶次郎、辰吉、晃之助らお馴染みの面々を巻き込んだひと夏の騒動を描いた「蜩」ほか全十二篇。江戸情緒溢れる好評シリーズ第五弾。
  • 日盛りの蟬(第6回大藪春彦新人賞受賞作)
    3.8
    次々と話題の新人を輩出する大藪春彦新人賞、第6回受賞作! ●今野敏 選評(抜粋) 語り口のうまさに圧倒され、受賞作に推すしかないと思った。 ●馳星周 選評(抜粋) 舞台設定、キャラクター造形、ストーリー展開、文章力、どれをとってもプロの作家顔負けの上手さでケチをつける隙がない。 ●徳間書店文芸編集部編集長 選評(抜粋) オーソドックスなネタに、スワッピングという変化球をうまく掛け合わせている点が見事です。 ●あらすじ 蟬の鳴き声が響いている。 女郎のおさきは楼主に呼ばれ、内所の障子を引き開けた。 そこにいたのは見知らぬ顔の若い侍。 用向きが読めないおさきに、藤岡と呼ばれた侍は頭を下げた。 「おさきとやら。厄介をかけるが、よろしく頼む」 藤岡の敵を討つため、おさきは仮初の夫婦を演じることに――。 ※受賞作のほか、選評および受賞の言葉を収録
  • 飛翔―軍鶏侍
    3.7
    岩倉源太夫の道場で「若軍鶏」と呼ばれる弟子の大村圭二郎が、突如目の色を変え、猛稽古を始めた。不審に思った源太夫が調べると、そこには意外な事実が……。ともに成長する師と弟子を描く感動の傑作時代小説、大好評「軍鶏侍」シリーズ第3弾!

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  • 日溜り勘兵衛極意帖 : 1 眠り猫
    3.3
    根岸の里に土地の者から「黒猫庵」と呼ばれる小さな家があった。そこには中年の浪人がひっそりと暮らしていた。浪人の名は錏(しころ)勘兵衛。年老いた黒猫とともに日がな一日縁側で昼寝をする勘兵衛だが、江戸が闇夜に包まれるとき、その男は盗賊のお頭と化し……。この男は善か、悪か!? ここに新たなるヒーローの誕生! 待望の書き下ろし新シリーズ!
  • ひとめぼれ
    3.7
    累計130万部突破、大人気「まんまこと」シリーズの第6弾。 札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする。そして新たな出会いが?(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。 いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。 解説・紗久楽さわ〈「まんまこと」を自由に漫画で描けた幸福〉 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 火の闇 飴売り三左事件帖
    4.0
    惜しまれつつ逝った著者の遺作。飴売り三左の行くところ、難事件が解決する。江戸の町に、人の心に、飴売りの声が沁み渡る。 金が、金のあるところにしか 回らない。盗人も横行、百姓が逃散する時代、家中の権力争いに巻き込まれ、武士を捨てた飴売り三左。顔はいかついが、笑顔は天下一品。腕が立ち、肝も据わり、頼りになる。市井のもめ事・難事件を鮮やかに処理。殺人事件の下手人捜しから、敵討ちの助っ人、よろず決着。三左がなぜ、武士から飴売りになったのかといういきさつを描いた絶筆118枚の「火の闇」他、5編を収録。 その急逝が惜しまれる珠玉の作品集。
  • 火花散る おいち不思議がたり
    3.9
    この世に思いを残した人の姿が見えるという不思議な能力を持つ娘おいちは、父のような医者になることを夢見て、菖蒲長屋で修業を積んでいた。そんなある日、おいちの前に現れた女が、赤子を産み落としてすぐ姿を消し、殺される。女は一体、どんな事情を抱えていたのか。そして母を亡くした赤子の運命は? 殺された女の、聞こえるはずのない叫びを聞いたおいちは、思わぬ事態に巻き込まれていく。一方、おいちの父のもとには、老舗の薪炭屋の主人と内儀が訪ねてきていた。母・おきくの病を治してほしいという。店を訪ねたおいちは、鬼女の顔を宿したおきくの心の闇を感じ取る。二つの出来事は、思いがけない展開を見せていき……。悩みながらも強く生きたいと願うおいちに想いを寄せる新吉、凄腕の岡っ引・仙五朗、そして個性的なキャラでおいちを見守る伯母おうたも健在。人気の傑作時代ミステリー「おいち不思議がたり」シリーズ第四弾。

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  • 姫君の賦 千姫流流
    3.9
    「千姫」の人生は、大坂城落城から始まった――豊臣秀頼、本多忠刻との哀しき別れ、そして将軍・徳川家光の姉として……時代に翻弄され、いわれなき悪名を浴びながらも凛として生きた千姫の生涯を描く。徳川家康の孫娘であり、2代将軍・秀忠の娘、千姫。天下の泰平のため、幼くして豊臣秀頼のもとへ嫁いだ千姫だったが、徳川、豊臣両家の争いを止めることはできなかった。そして大坂城落城。その後も、千姫の波乱に満ちた人生は続いていく。「夫である秀頼を見捨てた」「坂崎出羽守を嫌い、一目惚れした若侍を選んだ」など、いわれなき悪名がついてまわるも、再嫁した本多忠刻の愛に包まれて穏やかな日々が訪れたかに思えた。しかし――。愛と哀しみに満ちた波乱万丈の人生を描き切った、著者渾身の傑作歴史小説。
  • ひやかし
    3.8
    吉原に身を売られた武士の娘おなつ。我が身の不幸を嘆くばかりで、お茶を挽(ひ)く毎日だったが、あるとき、自分を見つめる浪人がいることに気付く。毎日ただ立ち続けるだけの男のことが気になり、おなつは当てつけるかのように客をとって、売れっ妓へと変わっていく。浪人の真の目当ては!?(「素見(ひやかし)」)もの哀しくも艶(あで)やかに生きる遊女(おんな)たちの矜持(きょうじ)を活き活きと描く全五作。
  • 評定所留役 秘録 父鷹子鷹
    3.0
    天下の法に横槍入れる徳川ゆかりの大身旗本。 評定所の父子鷹が闘う。 幕府の最高裁判所、評定所。 鷹と謳われた父の後を継ぐ若き正義の士、結城新之助。 将軍家斉にも恐れず盾つく旗本松平左京の悪を許さず。 評定所は三奉行(町・勘定・寺社)がそれぞれ独自に裁断しえない案件を老中、大目付、目付と合議する幕府の最高裁判所。留役がその実務処理をした。結城新之助は、鷹と謳われた父の後を継いで留役となった。ある日、新之助に「貰い子殺し」に関する調べが下された。探っていくと五千石の大身旗本松平左京の影が浮かんできた。父、弟小次郎との父子鷹の探索が始まって……。 忖度を排し法を護る! 新シリーズ第1弾
  • 白光
    4.0
    日本初のイコン画家・山下りん その情熱と波瀾の生涯! 明治13年にロシアに留学しイコンを学ぶ。一途さゆえ周囲と衝突し芸術と信仰のはざまでもがきながら生きた女性を描く感動長編。 「絵師になりたき一念どうにも抑え難く」茨城県笠間を飛び出した15歳の山下りん。東京で工部美術学校に入学を果たし、西洋画の道を究めようと決意する。ロシヤ正教の宣教師ニコライに導かれ、明治13年、聖像画制作を学ぶため帝政ロシヤに渡るのだが――情熱に従って生きた日本初のイコン画家を描く圧巻長編。解説・酒井順子 ※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 貧乏神あんど福の神
    3.9
    売れない絵師の家に 厄病神が同居!? 貧乏で災難続き、 おまけに事件まで…… 大名家のお抱え絵師だった葛幸助は、 今、大坂の福島羅漢まえにある 「日暮らし長屋」に逼塞中だ。 貧乏神と呼ばれ、筆作りの内職で糊口を凌ぐ日々。 この暮らしは、部屋に掛かる絵に封じられた 瘟鬼(厄病神)のせいらしいのだが、 幸助は追い出そうともせずに呑気に同居している。 厄病神が次々呼び寄せる事件に、 福の神と呼ばれる謎の若旦那や丁稚の亀吉とともに、 幸助が朗らかに立ち向かう。 (書下し痛快時代小説) 第一話 貧乏神参上 素丁稚捕物帳 妖怪大豆男 第二話 天狗の鼻を折ってやれ
  • 貧乏同心御用帳
    4.5
    独身なのに、14歳から6歳までの孤児9人を同居させているかわり者、江戸町奉行所の町方同心、大和川喜八郎・32歳。めっぽう腕は立つが、情には弱い。同僚の妻をはじめ美女が次々失踪する謎を追う「南蛮船」。巾着切が浪人者からすりとった小判には秘密があり……「埋蔵金十万両」。ほか2編の連作短編を収録。喜八郎を居候の子どもたちが助け、事件解決に大活躍する痛快大江戸人情捕物帳!
  • 風雲真田軍記(上)(電子復刻版)
    3.0
    方広寺鐘銘事件で豊臣方が窮地に陥った頃、紀州九度山に蟄居中の真田幸村のもとに、大坂入城を要請する密使が遣わされた。幸村麾下忍者・羽尾又四郎は徳川方忍者を捕え、すでに大坂城内にまで間者潜入の事実を掴んだ。盟友・猿飛佐助と大阪へ急行秀頼毒殺をからくも防いだが、すでに大坂城中に慧眼の士なく、幸村らの献策はことごとく淀君の斥けるところとなった……。悲劇の鬼将を描く長篇歴史ロマン。

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  • 風流太平記
    値引きあり
    3.6
    紀州徳川家がイスパニアから武器を密輸して幕府転覆をはかっているらしい――前代未聞の大陰謀を解明すべく奔走をはじめた兄たちによって花田万三郎は長崎から江戸に呼びもどされる。しかし、人間への思いやりにあふれ、彼を慕う二人の女性の間で翻弄される万三郎は、事件解明第一の兄たちに叱られてばかり。独特の人間観をにじませながら、波瀾万丈の剣劇をくりひろげる長編小説。

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  • 深川駕籠 クリ粥
    4.3
    作者イチ押しの痛快シリーズ、最新刊! くじけるな。やり直しができるのが、ひとの生涯。 長屋の桶職人の最期の願いを叶えるため、時季外れのクリを手に入れろ! 深川一の疾風駕籠の二人が希望を信じて、 江戸の町を奔る、奔る! 鉄蔵という男は、まこと桜だった。 あんたや番頭のような口先だけで世渡りする手合いが、近頃は大路の真ん中を大きな顔で跋扈している。 鉄蔵も新太郎も尚平も、大口とは縁がない男だ。口数は少ないが、引き受けたことは命がけでこなして生きている。 大きな男は深川の誇りだが、それは身体を張ってひとのために尽くせる男のことだ。 見てくれだけの男はこの土地には無用だ……。(本文より抜粋)
  • 深川黄表紙掛取り帖
    3.8
    元禄バブルの厄介事を若い4人がスカッと解決。カッコイイ奴らが、金に絡んだ江戸の厄介ごとを、知恵で解決する裏稼業。定斎(じょうさい)売りの蔵秀(ぞうしゅう)、長身男装の絵師・雅乃、文師・辰次郎、飾り行灯師・宗佑の若い4人が力をあわせ、豪商・紀伊國屋文左衛門とも渡り合う。大店が桁違いに抱えた大豆を、大掛かりなアイディアで始末する「端午のとうふ」、他4編を収録。(講談社文庫)
  • 深川青春捕物控一 父と子
    3.0
    深川漁師町にある小料理屋「しののめ」の息子・雄太。母のあきは女手一つで育ててくれており、雄太は十七歳になった頃から仕入れなどをして店を手伝っていた。そんなある日、常連であった同心の高柳新之助から己の御用聞きの手先にならないかと誘われる。雄太の父は、新之助の亡き父で、新之助は腹違いの兄だったと告白され、信頼できる手下が欲しいというのだ。漠然としていた将来が雄太の中で見えてくる。雄太は誘いを受け、父の遺した鼻捻棒を手に、深川の平和のため駆ける! 新たな爽快時代小説、誕生!
  • 服装で楽しむ源氏物語
    4.5
    光源氏と女人たちが織り成す恋の絵巻、『源氏物語』。この名作の魅力は千年を経ても色褪せず、大学の講義やカルチャーセンターの講座は、いつも満員だという。本書は、多くの人々を魅了する、その華麗で雅な世界を「服装」という視点で味わう異色作である。性格、身分から美的感覚、深層心理まで、個性豊かな登場人物たちの素顔と魅力が、身にまとった衣装から明らかになる。紫の上が六条院の衣配りで明石の上に嫉妬したのはなぜか? 空蝉の「小袿」に隠された秘密とは? 女三の宮の運命を変えた「桜の細長」が意味するもの。夕顔が人違いした理由とは……など、衣装の謎解きをしながら、王朝人の美意識とエロティシズムに迫る! また、十二単といわれる女装束や、直衣・束帯など男君の装束の構成をイラストとともに詳しく解説するなど、興味深い話題を満載。当時の装束のイメージを再現した艶やかなカラー口絵つき。『服装から見た源氏物語』を改題。
  • 不思議絵師 蓮十 江戸異聞譚
    3.3
    時は文化文政期の江戸。幕末なんてどこ吹く風の太平楽な町の片隅に、駆け出しの浮世絵師がひとり。女性と見紛うばかりの美貌に、優れた才を持つ。名は石蕗蓮十という。 蓮十の筆には不思議な力が宿っている。描くものに命が吹き込まれるのだ。でも、それは内緒。知っているのはごくわずか。 蓮十の周りはいつも賑やかだ。蓮十の世話を焼きたがる地本問屋のお嬢さん小夜に、悪友の歌川国芳。彼らとともに蓮十は、今日もふしぎな筆の力で町で起こる事件を解決することになり?
  • ふたり写楽 もぐら弦斎手控帳2
    3.0
    手習いの師匠・弦斎が住む長屋の大家が東洲斎写楽の浮世絵を手に入れた。だが値が安すぎるうえに、落款が違っている。版元の見立てでは、写楽の絵であることは間違いないというのだが……。深まる謎のなか、「実は写楽は何者かに拐かされたのです」と、版元の主人・蔦屋重三郎が驚くべき秘密を打ち明けた! ミステリー仕立てで江戸の謎に挑む注目の時代小説第2弾!
  • ふたり女房 京都鷹ヶ峰御薬園日録
    3.3
    京都鷹ヶ峰にある幕府直轄の薬草園で働く元岡真葛(まくず)。ある日、紅葉を楽しんでいると侍同士の諍いが耳に入ってきた。「黙らっしゃいッ!」――なんと弁舌を振るっていたのは武士ではなく、その妻女。あげく夫を置いて一人で去ってしまった。真葛は、御典医を務める義兄の匡(ただす)とともに、残された夫から話を聞くことに……。女薬師・真葛が、豊富な薬草の知識で、人のしがらみを解きほぐす。
  • 変わり朝顔 船宿たき川捕り物暦[1]
    3.0
    ままならぬ世で、 出会うは偶然、惚れるは必然―― 目明かしの総元締が住まう船宿を舞台に贈る、読み始めたら止まらない本格時代小説! 元奥州白河藩士の倅・真木倩一郎は、朝顔を育てる優男の風貌とは裏腹に江戸随一の剣客。ある日幼馴染みの天野善次郎が新藩主・松平定信の命で来訪、倩一郎に前藩主のご落胤の噂があるという。 定信からは帰参を乞われる中船宿〈たき川〉の女将で、江戸の目明しの総元締・米造の娘、お葉を助けたことで運命が一変。 倩一郎は幕府も揺るがす暗闘に巻き込まれていく……。 【※本作は『船宿たき川捕物暦』(筑摩書房刊)を著者が改稿・改題したものです】
  • 船を待つ日 - 古物屋お嬢と江戸湊人買い船
    4.0
    ひどい近眼でどんくさい古物屋の娘・翠。ある日、翠の聡さを見抜く大商人・勘兵衛から南蛮の眼鏡を贈られ、図らずも江戸にはびこる大犯罪の渦中に。海に投げ捨てられた子供の変死事件や贋御紋つきの古物を作る人物を追い、侍の子・森之介と奔走するが、次第に幕府さえ脅かす巨大な黒幕が現れる。舶来の古物から謎を解く古物屋お嬢シリーズ第一弾!
  • 降りしきる
    4.3
    激しく降り続ける雨の中、女が一人壬生村の新選組屯所に駈け込んだ。好きで来たわけではない、と自棄ぎみにからむ芹沢鴨の女を、沖田総司や土方歳三は、強引に追い返そうとする。その夜、屯所内では凄惨な斬り合いが――。幕末から明治にかけて、時代の奔流に浮き沈みする男女の哀歓を描く、名作短編集。
  • ヘルンとセツ
    4.0
    小泉八雲とセツ。2人の奇跡の出会いが、異文化を乗り越え、『怪談』を生みだした。 ギリシア生まれのジャーナリスト、ラフカディオ・ハーンと上士の血を引くセツ。2人の宿縁の出会いと文学作品に結実するまでをドラマチックに描く。日本に憧れ東京に上陸したハーンは、英語教師として松江に赴任、誤解からヘルン先生と呼ばれるようになる。版籍奉還により生家は財産を失い、働く場も失ったセツは旅館に滞在中の異国人の女中として奉公する。はじめは会話にも不自由するが、ハーンの日本男性にはない優しさ、セツの武士の娘である毅然とした佇まいに互いに惹かれあうようになる。あるときセツの語る説話にハーンが高い関心を示した…。こうして奇跡的に出会った二人が愛を育み障害を乗り越え、『怪談』を世界に発表する。
  • べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 一
    4.0
    貸本屋から本屋となった若き蔦屋重三郎が、才能を開花させ、ヒット作を手掛けていく 親なし、金なし、画才なし・・・ないない尽くしの生まれから“江戸のメディア王”として時代の寵児となった蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」を完全小説化。 江戸中期、吉原に生まれた蔦重こと蔦屋重三郎は、引手茶屋「駿河屋」の養子となり貸本屋を営む。吉原の妓楼に貸本を運び人気者であったが、さびれていく吉原をなんとかしたいと考えていた。あることがきっかけで『吉原細見』を手掛けた蔦重は、本屋業を始める。しかし経験と実績は浅く、蔦重の前に大きな“壁”が立ちはだかる――。数々の試練に見舞われながらも、蔦重は自らの才能を開花させていく。 折しも、時の権力者・田沼意次が創り出した自由な空気の中で江戸文化が花開き、平賀源内など多彩な文人を輩出していた。蔦重は多くの文化人たちと交流を重ね、ヒット作を次々と連発していくーー。
  • 鳳凰の船
    4.7
    明治初期の函館。洋船造りの名匠と謳われたものの、いまや仏壇師としてひっそり暮らす続豊治。だが若き船大工との邂逅により、再び奮い立つ/表題作。初代北海道庁長官・岩村通俊、イギリス人貿易商・ブラキストンなど、北海道開拓期に名を刻んだ者たちの逡巡や悔恨、決意を叙情豊かに描きあげた五編。第7回歴史時代作家クラブ賞受賞作。
  • ほうき星 上
    3.8
    天保6年、76年に一度現れるほうき星が江戸の空に輝いた夜、気鋭の絵師・黄泉と、日本橋の鰹節問屋の娘・さくら夫婦の間に、さちは生まれた。深川に隠居所を構えた祖母・こよりも加わり、家族の愛情をいっぱいに受け、下町の人情に包まれて育つさちを、思いがけない不幸が襲う。両親の突然の死、そして、慈しんでくれた祖母の死。しかしやがて、絵師としての天分を発揮してゆく。苦難を乗り越え、凜として生きた娘の感動長編!
  • 火影に咲く
    4.0
    「川というのは無慈悲なものよ。絶えず流れて一時たりとも同じ姿を見せぬのだから」(詩人・梁川星巌×妻・張紅蘭「紅蘭」)/「わしにもいつか、そねーな日が来よるかのう。日なたを歩ける日が」(長州藩士・吉田稔麿×小川亭の若女将・てい「薄ら陽」)/「死んだって、生きてるんだよ。なにひとつなくならない。あたしが、あの人を慕っていたことも、あの人があたしを何より大事にしてくれていたことも」(新選組・沖田総司×労咳病みの老女・布来「呑龍」)――。新選組の沖田総司や土方歳三、吉田松陰門下生の高杉晋作や吉田稔麿、西郷隆盛らとともに戊辰戦争へと突き進む中村半次郎……。幕末の京を駆け抜けた志士たちも喜び、哀しみ、そして誰かを愛し、愛された。激動の歴史の陰にひっそりと咲く“かけがえのない一瞬”を鮮やかに描き出す全6編を収録した短編集。
  • 北斎まんだら
    3.3
    信州小布施の豪商、高井家の惣領息子・三九郎は、かの有名な絵師の葛飾北斎に会うために江戸へやって来た。浅草の住まいを訪ねてみると、応対してくれたのは娘のお栄。弟子入りを志願するもまともには取り合ってもらえず、当の北斎はどこかへ出かける始末。美人画で有名な絵師の渓斎英泉こと善次郎にはかまってもらえるが、火事見物につき合わされたり、枕絵のモデルをやらされたりで、弟子入りの話はうやむやのまま。そんな折、北斎の放蕩な孫・重太郎が奥州から江戸に戻ってきたことが伝わる。同じころ、北斎の枕絵や鍾馗の画の贋作が出回る事件が出来し、重太郎に疑いの目が向けられるが……。
  • 星巡る 結実の産婆みならい帖
    4.0
    いつの時代も、女は仕事に恋に忙しい。幕末の江戸で産婆みならいとして働く結実は、仕事に充実を感じながら、幼なじみの医師・源太郎との恋にも悩んでいた。そんな時、源太郎の働く診療所に、薬種問屋の跡取娘・紗江が手伝いにやってきて……。
  • 本能寺の変
    3.0
    信長の天下統一に向けての戦いのなか戦場での武功は目覚ましいものではなかったが、行政処理の敏腕を買われ信長に重用された明智光秀。39歳のときから信長に仕えて15年、なぜ光秀は信長を討とうと決意したのか? 歴史上もっとも有名な謀叛の真実と本能寺の謎を、画期的な視点から解き明かす傑作歴史長編。
  • 迷子石
    3.4
    本業は医師(見習い)、副業はおまけ絵描き。そんな男がお家騒動を解決? 薬売りに託した絵が藩の命運をにぎる!見習い医師・孝之助は、趣味で版画絵を描いている。「富山の薬売り」が売る薬に付けるおまけ絵だ。絵で小遣いを稼ぐ、宙ぶらりんのおまけ者のつもりが、偶然、富山藩の存亡に関わるお家騒動に巻き込まれる。江戸家老の大陰謀を国許に知らせなければ、お国が乗っ取られる!?(講談社文庫)
  • 魔王の黒幕 信長と光秀
    3.7
    天正10年6月、明智光秀は1万2000の軍勢を率いて丹波亀山城より出陣した。天下人・織田信長の命で、備中高松城を包囲する羽柴秀吉の後詰をするためだ。波瀾に満ちた我が人生と、亡き妻・煕子の献身に思いを馳せる光秀。思えば、信長に仕えてからの14年余――魔王の如き主の所業の陰には、常に自分がいた。「今は戦国乱世、闇に覆われた世だ。乱世の闇を掃うには、より巨大で濃い闇が求められる」。第六天魔王・信長の先達として駆け抜けた光秀の胸に、今、去来するものは……。 福井新聞好評連載、書籍化。 【目次】 第一章 疑惑 第二章 信長 第三章 魔王 第四章 決別 第五章 惟任 第六章 献身 第七章 決意 最終章 謀反
  • 又四郎行状記(上)
    5.0
    この「又四郎行状記」は、「鬼姫しぐれ」「美女峠」「又四郎笠」の3部作からなり、戦後の時代小説不遇の折に「夢介千両みやげ」とともに時代小説のエポック・メーキングとなった、山手文学の代表作。剣をとっては滅法つよいが、絶対に人を斬らない笹井又四郎、じつは松平和泉守の若君・源三郎が、深川で辰巳芸者お艶姐さんを助けたばっかりに、養子先の磐城平7万石・内藤丹後守のお家騒動にまきこまれる。多恵姫を育てた国家老・内藤治部右衛門と、八重姫を擁して起つ江戸家老・大島刑部の対立は、江戸と国許の道中双六に正邪入り乱れて暗雲をよび、茫洋とした風貌に似合わぬ又四郎の大活躍! <上下巻>
  • 股旅新八景
    5.0
    縞(しま)の合羽(かっぱ)に三度笠、軒下三寸借り受けての仁義旅――舞台、映画、歌でもおなじみの《股旅もの》。しかし、ここに収めた8編は単なるやくざのアクション・ドラマを越えた人間の物語だ。「股旅者も、武士も、町人も、姿こそ違え、同じ血を打っている人間であることに変りはない」。義理と人情のしがらみ、法の外に打ち捨てられた渡世人の意地と哀愁にそそぐ温かいまなざし。庶民派作家の真骨頂がここにある。
  • 末世炎上
    3.8
    豊かな髪を持つ美貌の娘、髪奈女。記憶を失った髪奈女を拾い上げた、うだつの上がらぬ役人、橘音近。名門に生まれながら、無為に遊び暮らす在原風見。付け火に怯え、末法思想の蔓延る平安京で、大掛かりな政治的陰謀に巻き込まれるなか、三人は、ぎこちなくも、自らの生きる道を選び出す。傑作時代青春小説!
  • まったなし
    3.8
    俳優・福士誠治さんも絶賛! 大好評「まんまこと」シリーズ第5弾! 妻を亡くした悲しみが癒えぬ町名主の跡取り・麻之助、 養子に入った家に年の離れた許婚のいる堅物の吉五郎、 そして彼らを親友と考えている金貸し丸三とその妾のお虎。 いずれも色男・清十郎に運命の人が現れることを願っているが、様々な障害や思わぬ事件に巻きこまれ……。 解説・福士誠治 ※この電子書籍は2015年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 幻の赦免船 居眠り同心影御用26
    3.0
    八丈島からの赦免船が江戸湊に入ってきた時、『幻』の幕が上がった! 流人の濡れ衣を晴らせ──。 南町奉行の内与力と、十万石大名の抱え力士から、居眠り番源之助に影御用! 思いもよらぬ深い闇を暴け。 八丈島で一緒だった瓢吉って男の濡れ衣を晴らしてやってほしい──。この正月に赦免船で十年ぶりに江戸に帰った元関脇の寅吉が、居眠り番・蔵間源之助に頼み込んだ。深川の小間物問屋豊洲屋出入りの飾り職人・瓢吉は五十両を盗んだ咎で八丈に流されたが、無実を訴えつづけていたという。また、北町奉行の内与力からも、同様の依頼が舞い込んで……。
  • 狸穴あいあい坂
    3.3
    結寿(ゆず)は、十七の娘盛り。元火盗改の祖父と麻布狸穴で暮らしている。新春、ムジナを探す八丁堀同心・妻木と出会う。精悍だがどこか飄然とした佇まいに、ほのかな恋心を抱く結寿。だが、火盗改方と同心は、手柄を競い合う仇敵関係だ。その頃、夜道で金品を奪う“ムジナ”が出没し……。二人は、祖父に内緒で、狸穴界隈で起こる不思議な事件の謎を解いていく。恋と捕り物の行方を温かな人情のなかに描く連作時代小説。
  • まりしてんぎん千代姫
    4.0
    筑前立花城の城督・ぎん千代姫が婿に迎えたのは、後の名将・立花宗茂。島津、大友、龍造寺――三つ巴の闘いが繰り広げられる九州で、大友を支える立花家も戦いに明け暮れる。ぎん千代自ら鉄炮隊を率いて闘うなか、父・道雪に続き、宗茂の実父・高橋紹運も命を落とし……。豊臣秀吉の天下、そして関ヶ原の戦いへ。時代の荒波に翻弄される夫を支えつつ、摩利支天の如く、凜々しく、ひたむきに生き、加藤清正にも一目置かれたぎん千代姫の生涯を活き活きと描いた力作長編。『利休にたずねよ』の山本兼一が遺した戦国小説のなかでは珍しく、女性が主人公。解説は作家の植松三十里氏。

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  • まろほし銀次捕物帳 怒り一閃<新装版>
    3.0
    子どもの涙は見捨てておけぬ。おとっつあんの無実は晴らすぜ。幸せ壊した悪党は許せねえ。 「おとっつぁんを返せ」敵意を剥きだしに、幼い伊助は叫んだ。どうやら父親の岩吉が、盗人の汚名を着せられ、無実の罪で何者かに死に追いやられたらしい。本当の下手人を捕まえていない「まぬけな岡っ引き」と銀次を罵る伊助だったが、涙を流していた。心をつき動かされた銀次の、仇討ちに向けた秘策とは―。おめえの優しいおとっつぁんを陥れた悪党は、おれが捕まえてやるからな。 ※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 怒り一閃」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 死狐の怨霊<新装版>
    4.0
    秘武器まろほしと神道無念流の剣が交錯する⁈ 薬種問屋の娘が行方知れずになった。「二百両を出せば勾引した連中と話をつけてやる」と売り込んできた、元御用聞きの常蔵を怪しいと睨んだ銀次。手下の松吉と探索を続けていると、なぜか昵懇である神道無念流の達人、向井に突き当たり……。(大人気書下し時代長篇)※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 死狐の怨霊」を加筆修正した新装版です。
  • マンガ 孫子の兵法
    3.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ロンドンブーツ1号2号 田村淳氏、推薦! 「『孫子』の入門書として深く学べる一冊。 深い洞察力と教養が身に付く最強のマンガだ!」 "戦略書"の名著ついにマンガ化! 春秋戦国時代の歴史ドラマの面白さ& 今に役立つ知恵や教訓が満載! ビル・ゲイツ、前田裕二らも愛読した『孫子』。 2500年経った今でもビジネスの指針に 通ずることが多く、後世に大きな影響を与えています。 本書は、不朽の戦略誕生の謎を 孫武の波乱に満ちた生涯とともに 第一級のエンタテイメント物語に仕上げました。 知られざる『孫子』の成り立ちや時代背景を 早稲田大学・渡邊義浩先生が 楽しく、わかりやすく徹底解説! 身に降りかかる災いの解決策や これからを生き抜くためのヒントが詰まった 必読の書です!
  • 万願堂黄表紙事件帖 一 悪女と悪党
    4.0
    寝食を忘れて書いた原稿を没にされた久平次。地本問屋万願堂が言うには、登場人物が善人すぎるのだという。人間には欲がある。他人に負けたくないし、好き勝手に生きてみたい。その機微を刺激しつつ心揺さぶる物語を書けたら――。久平次が新たに取り組んだのは己の欲望に忠実な男女の騙し合いだった。売れる戯作に仕上がるか? 新シリーズ第一弾!
  • まんぷく旅籠 朝日屋 あつあつ鴨南蛮そばと桜餅
    3.5
    朝日屋の主・怜治の元同僚、火盗改同心の柿崎詩門が盗賊に斬られたらしい。安否を確かめにいった怜治だったが、本人に会うことはできなかった。そんな折、大坂の呉服屋の老番頭・孫兵衛が、長逗留したいと朝日屋を訪ねてきたが……(第一話 新旧)。美味しさと痛快さが胸を満たす――心の活力源を一服どうぞ。文庫書き下ろし 第一話 新旧 第二話 年始のさざ波 第三話 継ぐもの 第四話 朝桜
  • まんぷく旅籠 朝日屋 ぱりとろ秋の包み揚げ
    3.3
    お江戸日本橋に、ちょっとワケありな旅籠が誕生!? 料理屋「夕凪亭」の娘ちはるは、雇われ人の裏切りで両親と店を失い、長屋でひとり借金苦に喘いでいた。そこに元火付盗賊改の工藤怜治が現れ、借金を清算してしまうと、日本橋室町に新しくできた旅籠「朝日屋」を手伝うようちはるに迫るが、ちはるには素直に頷けない事情があり……。 お腹も心も満たされる「朝日屋」の物語、ここに開店! ●主要登場人物● ちはる――17歳。いまはなき料理屋「夕凪亭」の一人娘 工藤怜治――28歳。朝日屋の主。元は腕利きの火付盗賊改で熱血漢 慎介――54歳。朝日屋の料理人頭。朝日屋の前身である料理屋「福籠屋」の主で、料理の腕前はピカイチだったが…… たまお――31歳。水茶屋の茶汲み女。外見はおっとりしているが、客あしらいがうまい。過去に悲惨な事件を経験している 綾人――16歳。乙姫一座の女形。かつての奉公先で事件に遭い、怜治に救われた過去を持つ 慈照――27歳。眉目秀麗な「天龍寺」の住職。幼い頃からちはるに目をかけている。甘党 柿崎詩門――24歳。火付盗賊改で、怜治の元同僚。怜治と違い、品のいい優男だが有能
  • 万葉恋づくし(新潮文庫)
    値引きあり
    3.8
    万葉歌人は、じつは恋愛下手でした――。若い大伴家持から恋歌を贈られた年上女性の、理性と情熱の揺らぎを描く「年下の男」。夫に愛想を尽かした妻が出した結論「しゑやさらさら」。恋の歌が苦手な女の前に現れた庭を愛する男との、不意の出来事が胸を焦がす「恋の奴」。その他、下級役人の滑稽な同棲「紅はかくこそ」など全七編。歌人たちのおおらかで不器用な恋の一瞬を、みずみずしく描く傑作。(解説・上野誠)
  • からころも 万葉集歌解き譚
    3.7
    万葉集の歌の数々が味わえる!新シリーズ。  日本橋の伊勢屋で奉公する助松には、父親の大五郎がいた。しかし、一年半前に伊勢屋の仕事で富山に出かけたまま、行方不明になっていた。父は、助松に日記を残していた。このことは決して他人に話さないように言われた。日記には和歌らしきものがいくつも書かれている。  伊勢屋の一人娘しづ子は助松より六歳上で、和歌が好きで賀茂真淵に学んでいた。そして、店の大切な客人である占い師の葛木多陽人も和歌に造詣が深かった。多陽人は京都生まれの京都育ちで、回りがぽかんと見惚れてしまう程の美男子だった。 助松は、二人に事情を知らせずに日記に記された歌の意味を少しずつ、教わっていた。  ある日、体調を崩した大友主税という若い侍を助けたことがきっかけで、しづ子に和歌を学びに主税が訪れるようになった。しかし、主税がしづ子に近づいたのは別の理由があったのだった。  その後、しづ子は密かに姿をくらましてしまう。  大五郎としづ子の失踪には、関連があったのだ。  日記に記された和歌の数々には、どんな意味があったのか。  一連の謎は解き明かされるのか――。  万葉集の和歌が面白さが判る、新シリーズ!
  • ミカドの淑女
    3.5
    その歌の才により皇后の寵愛を受け、「歌子」と名付けられた女官がいた。しかし、その後女は“妖婦”と新聞で取り上げられる。明治の宮廷を襲った一大スキャンダルの真相を暴く、林真理子最初の歴史小説。
  • 水を出る―軍鶏侍
    4.5
    「まさか、市蔵が」忽然と姿を消した岩倉源太夫の次男市蔵。源太夫が上意討ちした男の息子だった。すべてを覚悟の上で引き取り育てていたのだ。しかし、何者がその真相を告げてしまう。尊敬する父が、実の親を殺した敵…。失踪直前、明るかった市蔵は塞ぎがちになっていた。そして父として源太夫がとった行動は──。人の成長と絆を精緻に描く、傑作時代小説、大好評「軍鶏侍」シリーズ第4弾!
  • 光秀の選択
    3.6
    「本能寺の変」の10年前――織田か、足利か。自由か、安定か。 戦国武将の命運を分ける人生の岐路で光秀はどう動き、何を守ろうとしたのか。 足利義昭上洛(1868)から槇島城の戦い(1573)へ。 信長の迷走と決断。老練・光秀の執念を描き切った傑作戦国小説!
  • 水戸黄門(一)葵獅子(上)
    5.0
    名君の誉れ高い水戸光圀の人間像を浮き彫りにし、その生涯を描く長篇。全8巻。水子にされる運命だった千代松が、気弱な兄にかわって御三家・水戸家の世嗣と決まったのは、寛永11年、7歳のとき――千代松は水戸から江戸に移り、将軍・家光に拝謁し、9歳のときに元服する。そして、徳川左衛門督光国と名乗る……。
  • 暖鳥 見届け人秋月伊織事件帖
    3.5
    見届け人・秋月伊織は、笛の音で女を誘い出そうとする男と、それを阻む老夫の修羅場を目撃した。例幣使(れいへいし)に関わるという笛の男を、父の敵として追っている足袋屋に会った伊織は、許されざる町人の敵討ちを見届けることになるのか? 凍えた心をやさしく溶かす人の情けの温もりに触れる、話題集中の文庫書下ろしシリーズ第3弾。(講談社文庫)
  • 鳴子守 見届け人秋月伊織事件帖
    3.5
    悲運の姉弟の絆を想い、哀しく田に響く鳴子守の音。南原(なんばら)家の埋蔵金騒動に絡んで、穴掘り人足が次々と殺される。真相の見届けにあたっている秋月伊織は、数日前に縄暖簾で「穀潰し」と罵られていた貧相な若い人足・仙吉の豹変ぶりを不審に思い、探索を開始した。苦界に身を沈めた姉と、貧しさに翻弄された弟の運命を描く、大人気文庫書下ろしシリーズ第5弾。(講談社文庫)
  • 夏ほたる 見届け人秋月伊織事件帖
    3.4
    「蛍の舞う頃にはまた戻る」と言い残して去った男を尋ねて上京した、箱根の宿の女主人おみねだが、運悪く持ち金を掏られてしまう。現場に居合わせた見届け人秋月伊織は、途方に暮れるおみねの探索を助け、紙問屋の倅と名乗った男の行方を追う。しかし語られた身の上は偽りであった。文庫書下ろし第六弾! (講談社文庫)
  • 美濃の影軍師
    3.3
    竹中半兵衛と木下藤吉郎を唸らせた遠慮深謀。 時は戦国時代。 不破与三郎は、美濃国主・斎藤龍興に仕える西美濃四人衆のひとり、不破光治の弟だ。ある日、身の覚えのない百姓一家皆殺しの濡れ衣を着せられ、捕縛されてしまう。不破家にとって、貧しい地侍の娘を母に持つ与三郎は家督相続に邪魔な存在なのだ。あやうく斬首されかけられるも、立会人として同座していた菩提山城主・竹中半兵衛の助けを得、真犯人探しを許される。 しかし、与えられた余裕は三日間。 与三郎は身の潔白を証明するため奔走するが、殺しを解く鍵を次々に封じ込められ、ついに八方塞がりに。脱走を図るも絶望する与三郎の前に、謎の男・木下藤吉郎が現れて……。 青雲の志を抱く若武者を描いた、文庫書き下ろし戦国小説。
  • み仏のかんばせ
    4.3
    傷を持つ二人が夫婦になるが…感動人情小説。   貧しい小作の娘だった志乃は、女郎になるのが嫌で江戸に出て行き、首切り浅右衛門のもとで松助という名の「男」として仕えることになった。剣術の腕も磨いていたが、ある日浅右衛門家にとって大切な死人の肝を、強盗に奪われてしまう。責任を取って浅右衛門のもとを去り、名前を戻し針売りの娘として生きはじめた志乃。そこに、志乃が憧れていた壮太があらわれた。「男」として介錯を仕事としてきた志乃はまともな幸せなど考えていなかったが、お互いの気持ちを確かめて、夫婦になった二人。  しかし、壮太にも隠された過去があった――。志乃が奪われた死人の肝を盗んだのが、壮太達だったのだ。そして、仲間の男だった沖次が凶暴になって、江戸の町を震撼させていたのだ。壮太は、沖次と決着を付けようと出かけていく。それを追って、刀を持った志乃が追いかけていく。果たして決着は!?(第一部 「月明かりの面影」)  第二部では、夫婦のその後と沖次の子供が絡んでいく。(「裏庭の陽だまり」)  ささやかな幸せを願う市井の女性が懸命に生きる姿を描いた人情小説。
  • 耳袋秘帖 小石川貧乏神殺人事件
    3.3
    年明け早々、小石川で一家心中が発生したらしい。どうも江戸でもこの界隈に夜逃げや倒産などことさら不景気の風が吹いているようだ。牛天神に祀られていた貧乏神が怒っている。奉行の根岸は配下の宮尾にこの一件の探索を命じた。宮尾の調べが進むにつれ、他にも不可解な出来事がいろいろと起こっているようで……。
  • 耳袋秘帖 品川恋模様殺人事件
    3.5
    ここは、人も猫も幽霊も恋に落ちる場所―― 品川の〈恋祓い神社〉で、若い女が燃えて亡くなった。死体は十三年前に亡くなったはずの遊女!? 稀代の難事件に根岸肥前守が挑む!
  • 耳袋秘帖 谷中黒猫殺人事件
    4.0
    美人姉妹が住む谷中の“猫屋敷”に猫が増えすぎて、近隣から奉行所へ苦情が来た。やがて、姉妹が以前に鬼平が担当して未解決になった押し込み強盗の被害者と分かり……。根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第5弾。根岸の妻・おたかとの日々を描いた、短編「白雲斎のこと」を書き下ろしで特別収録。
  • 無宿人別帳
    4.3
    無宿者は江戸制度の谷間──。人別書き、現代でいえば戸籍から除かれた彼らは町内で住居を定めるのもままならず、ましてや定職など持てようはずがない。食い詰めた無宿人から犯罪が頻発したのは当然である……。賭場の喧嘩で八丈島へ流され、赦免船を待ちわびる忠五郎、牢の火事で思わぬ自由を得た平吉、佐渡から島抜けを図る新平、入墨を暴かれて堅気の暮しを失う卯助など、都市の底辺で喘ぎながらも自由と公正を渇望する男達を描いた傑作時代短篇集。
  • 報復の峠 無茶の勘兵衛日月録7
    3.5
    大野藩次期後継直明の不行跡に端を発する陰謀は、着々と進行しつつあった。その中心に幕府大老酒井忠清があり、越後高田、越前福井の両藩が実行役として牙を剥き始めた……。一方、耳役として江戸在勤の落合勘兵衛に、不吉な一報がもたらされた。勘兵衛を討つ、と富田流小太刀の名手丹生文左衛門父子が大野藩を脱藩したのである。
  • 冥暗の辻 無茶の勘兵衛日月録4
    4.0
    越前大野藩の無茶勘こと落合勘兵衛は嵯峨野典膳との死闘に勝つも深傷を負い床に臥した。一方、彼の親友で小姓組頭の伊波利三は、若殿松平直明の不行跡を諫言し、その激怒から職を解かれ謹慎処分を受ける身となった。暗雲が二人を包み、それはやがて藩全体に広がろうとしていた。大河ビルドンクスロマンの傑作シリーズ第四弾!
  • 残月の剣 無茶の勘兵衛日月録3
    3.5
    無茶勘こと落合勘兵衛は帰途、浅草猿屋町で病に倒れていた一人の老剣客を助けた。医師によれば重い肝の臓の病で、余命は一ヵ月との診立てである。男の名は百笑火風斎。大和国吉野天河郷に住し、後村上天皇から位衆傅御組の名を賜り代々天皇守護の務めをする家柄という。驚く無茶勘だったが、やがて凄絶な藩主後継争いの渦に巻き込まれて……。
  • 紫匂う
    4.1
    心極流の達人ながら、凡庸な勤めに留まる蔵太。二人の子供とともに穏やかに暮らす、その妻・澪。すれちがいの暮らしを送る澪の前に、一度だけ契りをかわした男・笙平があらわれる。側用人にまで出世したかつての想い人との再会に、澪の心は揺れる。今、ここで、心のままに生きられたなら――。直木賞作家が描く、人妻の恋。日本人の心が紡ぐ、美しく、哀しき恋。全国17紙に掲載された大人気連載!
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録
    4.0
    「友よ、お前は強い。だが、俺はどうしても勝たねばならぬ」帝を擁する奸雄・曹操孟徳と名門袁家の王者・袁紹本初。中原の覇者となり天下を望むには、かつての友が最大の障壁となった。劉備、関羽、筍イク、筍攸、許緒、田豊、郭図、文醜、顔良、英雄たちが、荒ぶり謀る三國志前半の大決戦「官渡の戦い」を描いた長編歴史小説。
  • 刺客の海 もぐら弦斎手控帳3
    3.0
    長屋の手習い師匠・弦斎の養女・お春が消えた。まだ這い這いしかできぬ赤ん坊だ。騒ぎのなか、脅迫状が届く。人足寄場から一人の無宿人を逃がせばお春を返すという。差出人には、覚えがあった。かつて縁のあった悪党にちがいない。弦斎は単身、人足寄場に潜り込んだ。そこは脛に傷もつ荒くれ男たちの巣窟だった。
  • ももんじや 御助宿控帳
    3.5
    さまざまな肉を食べさせる店「百獣屋」は肉同様、多士済々の御助人が集う「御助宿」。ある日、剣の遣い手である十四郎が若い兄弟を助ける。彼らは内紛に巻き込まれた父親を同じ藩の者に殺され、敵討ちに上京したのだった……。

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  • もゆる椿
    5.0
    【文庫版限定・書下し短篇収録】 【解説・吉田伸子】 【第六回大藪春彦新人賞受賞作家、長篇デビュー作!】 御役目は必殺!? 刺客となった少女と人斬れぬ御供の武士。 死への旅路の果てにあったのは……。 「無念を晴らす為やったら、鬼にでも夜叉にでも、喜んでなったる」 旗本の次男坊である真木誠二郎は、裏目付の佐野から、ある御役目を言い渡される。 尊王攘夷派の黒幕を誅殺すべく、江戸から京まで刺客の供をせよと。 しかし誠二郎は生来の臆病者。 鬼のような刺客と聞いて怯えるが、現れたのは年端もいかない少女・美津だった。 悲しい過去を持つ彼女を守るため、誠二郎は死力を尽くすことを心に誓うのだが――。 謀略の渦巻く仇討ち旅が幕を開ける!
  • 桃太郎姫七変化
    4.0
    桃太郎が女岡っ引に!? 快刀乱麻を断つ捕物帳界の新ヒロイン誕生!大好評!もんなか紋三捕物帳シリーズ! 〈若君〉が町娘に姿を変えて江戸に巣食う鬼を成敗! 讃岐(さぬき)綾歌(あやうた)藩の若君・桃太郎、実は女である。役目の合間を縫って深川の呉服問屋のご隠居の姪っ子・桃(もも)香(か)に早変わり、十手持ちの紋三親分のもとで、事件に足を突っ込んでいる。仇討、島抜け、連続殺人……次々起こる事件の背後に隠れた鬼を成敗せんと、南町奉行・大岡越前や謎の老女〈花咲か婆さん〉も巻き込んでの大立ち回り!? 大好評痛快捕物帳。
  • もんなか紋三捕物帳 桃太郎姫
    3.7
    眉目秀麗で学問にも優れた若君・桃太郎は、実は跡取りがいないゆえに男として育てられた姫君だった!ときに町場に出ては町娘に変装し、娘気分を楽しんでいたが、次々と不可解な事件に出くわして…。正義の名のもと、十手持ちの紋三親分とともに桃太郎が江戸の町で鬼退治!脇を固める相棒は“犬”“猿”“雉”?大人気・痛快捕物帳シリーズ!
  • 柳生石舟斎
    3.6
    剣の道はかほどに奥深く、玄妙なものであったのか――柳生の里をおとずれた神陰流の流祖上泉伊勢守秀綱と立ち合ったとき、柳生宗厳は己れを愧じた。慢心、うぬぼれ、未熟さ……目からうろこが落ちる思いでそれに気づいた宗厳は即刻秀綱に入門、切磋琢磨を誓う。無刀取り柳生新陰流の開祖石舟斎の半生。
  • 柳生大戦争
    3.5
    高麗の高僧・晦然(かいねん)が得意の絶頂にあったその日、彼を待ち受けていたのは2度の元寇(げんこう)で散った高麗の兵士たちの霊であった。供養のため倭国に渡った晦然は「一然書翰(いちねんしょかん)」を書き記す。この奇書が、345年の時を経て、徳川幕府と李朝を揺るがし、柳生一族をも混乱に陥れたのだった。衝撃の時代小説、文庫化。(講談社文庫)
  • 野菜畑で見る夢は
    4.1
    「日経ヘルス」誌で、健康誌史上初の連載恋愛小説として話題騒然! 耕し、種を蒔き、慈しむ。野菜たちが教えてくれる恋の育て方とは?――同窓会に参加するため帰郷したまゆみは、別れた彼と再会する。プロポーズを退けて東京で働くことを選んだ彼女と、故郷で教師をしながら野菜畑を育てる彼。終わったはずの恋が10年の時を経てふたたび芽吹く……。恋愛小説の名手が描きだす、野菜のようにみずみずしく、栄養と幸せ満点の、3組の恋の物語。「空豆のコロッケ」「イタリアのおっかさん風、アラビアータ」「おばけかぼちゃパイ」など、おいしいレシピも満載!
  • 夜蝶の檻
    4.0
    激動の時代が過ぎ、文明開化の音がそこかしこから聞こえても、未だ江戸時代は続いていた。 妖魔と戦うため幕府が組織した退魔衆の女剣士・桔梗。百人を斬ることで願いを叶える妖刀を手に旅を続ける侍・殿江静馬。幕府への復讐を誓う軍服の鬼。愛するものを奪われた神凪の巫女。 交錯する生き様が浮世の闇を走馬灯のように照らし出す。明治維新が起きなかった仮想の日本を舞台にした、新時代浪漫エンターテイメント小説、ここに開幕!
  • 山内一豊と妻千代 「土佐二十四万石」を築いた夫婦の物語
    3.0
    平成18年度(2006)のNHK大河ドラマ「功名が辻」。一代で土佐二十四万石の大大名に出世した山内一豊と妻千代の物語だ。戦国時代の夫婦二人三脚による成功物語といえば、秀吉とおね、利家とまつなど数例があるばかり。とりわけ一豊と千代に関しては、武辺者の一豊よりも才知ある千代が高く評されてきた。嫁入りの持参金をはたいて夫に駿馬を購入させた逸話などが、広く世に知られるためだろう。しかし本書は、そうした固定的な見方に疑問を投げかけ、「生身の夫婦像」を紡ぎ出すことに挑戦している。ともに合戦による一族離散という悲劇を経て出会った二人は、夫の槍一筋の功名を妻が支え、四百石取りから長浜二万石の城主へ、さらに掛川城六万石へと着実な歩みを続けていく。しかし長く仕えた秀吉が没し、関ケ原の合戦が起こるや、思わぬ幸運と試練が二人を見舞うのだった……。女流作家ならではの視点がさえる会心の長編歴史小説。

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  • 山桜記
    3.8
    全七作からなる歴史小説短編集。 豊臣秀吉による朝鮮征伐の前半・文禄の頃、一通の文箱が博多の津に打ち上げられ、秀吉の許に届けられた。中の手紙は半島に渡った夫を思う妻のものであった。興味を持った秀吉はその女を名護屋に呼び寄せたが……(「汐の恋文」)。 関ヶ原の戦いの前に大坂方の人質になるのを拒み、火を放って果てた細川ガラシャ。その嫁である千代はガラシャと死を共にせず生き残った。細川忠興の嫡男・忠隆は、父の命に背き千代を離縁せずにいたため、遂には廃嫡されてしまう。しかしその後も忠敬は千代と共に暮らし続ける(「花の陰」)。 戦国時代や江戸時代の女性・夫婦の旧来の像に著者独自の新鮮な解釈を投げかける、珠玉の短編集。
  • やまと錦
    4.0
    熊本藩の大秀才、井上多久馬(後の井上毅)は、欧州各国の法律を学び帰国した後、統一した法を持たぬ未開の地として不平等条約を結ばされた日本にも、独自の憲法が必要だと痛感する。憲法草案の研究を進める多久馬だが、諸外国には決してない「二千五百年も続く皇室」の信頼に応えられるか苦悩する……。国のために才を尽くした井上毅の実直な生き方と、家族愛に溢れた人間性を丁寧な筆致で書き下ろした、長編時代小説の傑作誕生!
  • 山彦乙女
    値引きあり
    3.9
    武田家再興――百三十余年にわたる悲願に翻弄される甲州甘利郷のみどう一族。江戸の新御番、安倍半之助は甲府勤番中に失踪した叔父の遺品を調べるうち、叔父を狂気へと導いた武田家の莫大な遺産をめぐる「かんば沢」の妖しい謎のとりことなり、己れもまた甲州へと出奔してゆく。著者の郷里甲州の雄大な自然を舞台に謳いあげた、周五郎文学に特異な位置を占める怪奇幻想の大ロマン。

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  • おたふく 山本周五郎名品館I
    4.4
    没後50年、いまもなお読み継がれる巨匠の傑作短篇から、沢木耕太郎が選び抜いた名品。 山本周五郎の世界へ誘う格好の入門書であり、その作家的本質と高みを知ることができる傑作短篇集の決定版! 生涯、膨大な数の短篇を遺した山本周五郎。 その大半がいまだに読み継がれ、多くの読者に愛され、また後進の作家たちに多大な影響を与え続けている。 市井に生きる庶民の哀歓、弱き者の意地、男と女の不思議など、特に時代小説に傑作が多く、その数も膨大なものがある。 山本周五郎作品に深く傾倒する沢木耕太郎氏が独自の視点と切り口で4巻36篇を選び、各巻の末尾に斬新かつ詳細な解説エッセイを執筆。 第1巻は「一丁目一番地のひと」と題して、周五郎作品に登場する女性像を分析する。 本書の収録作は以下の9篇。 「あだこ」(絶望した武士を立ち直らせるけなげな娘) 「晩秋」(仇である老臣の立派さ) 「おたふく」(かわいい女) 「菊千代抄」(男として育てられた君主の哀しみ) 「その木戸を通って」(ふっと来て、ふっと消えた女) 「ちゃん」(酔っ払いだが腕のいい職人の父親) 「松の花」(妻に死なれて初めて知る妻の偉さ) 「おさん」(自分の性に翻弄される女を追って) 「雨あがる」(おおらかな浪人とその妻)
  • 闇太夫 風烈廻り与力・青柳剣一郎[9] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    深川の中堅材木屋が木材を大量に買い占めていた。不審に思った風烈廻り与力青柳剣一郎が主に訊くと、百年前の明暦大火に匹敵する災厄が起こるという。単なる噂ではない、誰かが途轍もないことを目論んでいると剣一郎は睨む。一方、駿河で残虐な強盗を働いていた闇太夫一味が江戸へ潜入したという報せが。南北両奉行が狼狽えるなか、剣一郎の肩にすべてが掛かった!
  • 闇の狩人(上)
    3.7
    盗賊の小頭、雲津の弥平次は、山奥の湯治場で思いもつかない〔ひろいもの〕をする。記憶を失い、何者かに命を狙われていた若い浪人、谷川弥太郎である。凄まじい剣の腕をもつ弥太郎、彼の素性は、そして何のために命をつけ狙われるのか――。時を経て江戸で再会する二人、記憶が戻らぬままに金で人を殺める仕掛人となっていた弥太郎の身を案じる弥平次、しかし彼自身もまた血なまぐさい盗賊の跡目争いに巻き込まれて行くのだった。江戸を舞台に刺客たちの激しい闘いを描く傑作時代長編。
  • 闇の獄(上)
    4.0
    大坂の街で仲間と共に盗賊稼業を営んでいた男・新之助。彼の役割は、持ち前の器量で女を誑かして得た情報を元に、押し込み強盗の段取りをつけること。だが、ある晩、仲間の裏切りが彼の人生を大きく変えてしまう。顔を裂かれ、光を失い、表社会で生きられない姿となった男に残された道は、按摩師をしながら殺し屋として生きることだけだった!
  • 闇への誘い 居眠り同心影御用19
    3.0
    法で裁けぬ悪を誅して首を晒す「闇奉行」に、いま江戸中が大喝采! 人々の熱狂の陰で進行する闇の力による恐るべき企み。 寺社奉行から特命影御用! 折しも最愛の妻が襲われ居眠り同心に闇からの誘い。 闇奉行の真の目的は? 「この世には、罪を犯しながらも裁きを免れて、大手を振って生きておる連中がおる。そうした悪党に天罰を下すのだ」闇奉行と名乗る者の手で、罪を免れた悪党たちの打ち首が辻々に晒されつづける。北町奉行所の元筆頭同心・蔵間源之助は、今は居眠り番と揶揄される閑職だが、闇奉行を喝采する江戸中の熱狂に、恐るべき危うさを感知しはじめていた……。シリーズ第19弾
  • 雪の果て―人情江戸彩時記―
    4.0
    貞次郎の想い人、弥生は心ならずも目付神崎に嫁いだ。貞次郎は奸計に遭って、神崎の腕を斬り脱藩。江戸での潜伏の日々、神崎の参府と弥生の出奔を知り……(「雪の果て」)。餅菓子を売りながら女手ひとつで幼子を育てるおみさの前に、父親になるはずの男が五年ぶりに現れたのだが、幕吏に追われる身となっていた(「梅香餅」)。女たちのはかなくも強靱な愛の姿を炙り出す傑作人情譚四編。
  • 雪渡の黒つぐみ
    3.0
    【第18回小説現代長編新人賞受賞作】 「一読して、抜きんでている印象を受けました」(中島京子) 「エンターテインメントのツボをきちんとおさえた力作」(薬丸岳) 「物語が進むにつれて状況が二転三転し、先が気になって仕方がない」(塩田武士) ――選考委員、大絶賛! 日本文学史上、最も「優しくて強い」武器を持つ忍びがおくる、驚愕必至の時代・エンターテインメント! 「この忍者、手裏剣も吹き矢も使わない!?」 伴天連教迫害が進む1625年。 東北では過激な新興宗教・大眼宗の台頭に、隣国との領地争いと、いくつもの火種が燻っていた。 南部藩の若き忍者・景信は、この世でただ一人の“声色使い”。 どんな声も完璧に真似できる唯一無二の喉を使えば、 無数の敵も指一本触れず制圧することができる。 隣国・伊達藩の動向を探る命を受け、諜報活動に挑む景信が目にしたのは 信仰にすがる声なき人々と、闇に身を潜める邪教の黒い陰謀。 背負わされた十字架、お上の掌返し、見ぬふりをされる人々の思い。 いま、この時代にこそ突き刺さる、驚愕の時代エンターテインメント!
  • 夢の浮橋 風烈廻り与力・青柳剣一郎[42] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.3
    千両という高額な賞金が人気の、谷中大京寺の富くじに絡む殺しが続く。富札を財布ごと掏り取った男は堀に浮かび、札を預かった小間物商は刺殺される。抽選前なのに、なぜ? 札には何かいわくがあるのか? 同じ頃、風烈廻り与力青柳剣一郎は、陰富と呼ばれる御法度の富くじの取締りを命じられる。老中からのお達しというが…。庶民の夢、富くじの背後に蠢く闇を斬る!
  • 夢の階段
    値引きあり
    4.3
    微禄の若者小森又十郎は、辛夷の花のようだと憧れていた首席家老の娘の再婚相手に指名され、夢見心地。しかし三日後、彼は周囲の猛反対を尻目に縁談を断り、武士を捨て、陶器職人となる道を選んだのだった……表題作他、処女小説「厨房(キッチン)にて」から、直木賞受賞第一作「踏切は知っている」、「忠臣蔵余話 おみちの客」まで、〈作家池波正太郎〉誕生の跡をたどる、ファン必読の未刊行初期短編9編。
  • ゆめ結び むすめ髪結い夢暦
    4.0
    代々八丁堀与力をつとめる浅岡家の娘・卯野は、髪を結うことが大好きで、きれいなものに目がない。武家の娘らしくないと母や周囲にたしなめられながらも、新しい髪型を試したり、町ゆく女たちの髪を眺めるのが何よりの楽しみだ。だがある日、当主である兄が、付け火の濡れ衣を着せられ……。運命に翻弄されながらも「好き」を力に変えて懸命に生きる少女の物語。
  • ゆらやみ(新潮文庫)
    3.8
    幕末の石見銀山。間歩(まぶ)と呼ばれる鉱山の坑道で生まれたお登枝は、美貌を見込まれ女郎屋に引き取られた。初めて客を取る前の晩、想いを寄せる銀掘の伊夫を訪ねるが、別の男に襲われる。とっさに男を殺め、窮地を救ってくれた伊夫と身体を重ねたお登枝。罪と秘密をともに抱えた二人の行く末は――。変わりゆく世を背景に、宿命を背負った男女の灼けつくような恋を官能的に描き切った力作時代長編。
  • 笑う花魁 結わえ師・紋重郎始末記
    4.0
    菊花結び、鶴結び、宝珠結びに五行結び――。あらゆる“結び”から超人的捕縛術までを操る、漢部紋重郎(あやべもんじゅうろう)は、江戸の花街・吉原で仕事をする結師(ゆわえし)である。ある日、金持の座興で花魁を縛るという依頼を受けた紋重郎は、特注の組紐を手に場に臨む。意外な事の成りゆきと、あらゆるものを結び、解く、神業が連続する痛快書下ろし長編時代小説!   (講談社文庫)
  • 妖異金瓶梅 山田風太郎ベストコレクション
    4.6
    性欲絶倫の豪商・西門慶は8人の美女と2人の美童を侍らせ酒池肉林の日々を送っていた。彼の寵をめぐって妻と妾が激しく争う中、両足を切断された第七夫人の屍体が……超絶技巧の伝奇ミステリ!
  • 妖医玄眞 京都備忘録
    4.0
    幕末、妖ながら人の医師を装う玄眞。その助手で刀の化身・マル。彼らと奇妙な友情を結ぶ浪士・カク。三人は神隠し事件を追って妖の支配する世界「裏京都」に足を踏み込む。が、真の敵は?

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