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下谷にある〈出直し神社〉には、人生を仕切り直したいと願う人々が訪れる。縁起の良い〈たね銭〉を授かりに来るのだ。神社を守るのは、うしろ戸の婆と呼ばれる老女。その手伝いをすることになった十六歳の娘おけいは、器量はよくないが気の利く働き者だ。ある日、神社にお妙と名乗る美女が現れる。蔵茶屋の商売繁盛を望む彼女が授かったのは大枚金八両。さらにうしろ戸の婆は、お妙に相談役としておけいを連れていくように言い、おけいには「蔵に閉じ込められたものをすべて解き放ってくるように」と耳打ちして──。読み応え抜群の時代小説。(解説・吉田伸子)
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Posted by ブクログ
表紙イラストの可愛い巫女姿の女の子、この子がタイトルの〈くら姫〉かと思いきや、「おけい」ちゃん。〈くら姫〉はお蔵茶屋の店名でした。おけいの〈くら姫〉での日々が描かれます。
不遇な少女・おけいは、下働き先を探している時に、閑古鳥に導かれるように貧乏神を祀る〈出直し神社〉に辿り着きます。
そして社殿を守る婆さまに、これまでの不運と不幸だらけの人生を語ると、良い巡り合わせと婆さまを手伝わされることになるのでした。
この神社では、「たね銭」(商いの元手となる縁起の良いお金)を客に授け、借りた客は一年後に元手の倍の額を返す約束で、これが本書の副題意味です。
単調でほのぼの系の時代小説と思ったら結構複雑で、様々な事情を抱えた人物が登場し、伏線が張り巡らされたミステリー要素もありました。終盤の伏線回収へ向けて、読ませます。
おけいの魅力が一番ですね。美少女でなくても真っ直ぐで、人を恨んだり自分を嘆いたりしません。自分の役目を一生懸命果たそうと、出会った人々の手助けをする姿は、誰もが応援したくなります。
なんか、おけいの存在そのものが、神様の思し召し? あの婆さまは何者? と思っちゃいます。少なくとも、高利貸しのサラ金や悪徳ヤミ金とは雲泥の差ですね。夢のある話で、シリーズが5作まで出ているのも頷けました。
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