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自叙伝 ジャン=リュック・ピカード
宇宙艦隊史上屈指の偉大な艦長であるジャン=リュック・ピカード氏による初の自叙伝! 今初めて、 ここに綴る。 家族との確執、軍法会議、報われぬ愛、 エンタープライズ艦長就任、そしてボーグによる同化、 宇宙で遭遇した数々の思い出を―― 〈U.S.S エンタープライズ〉元艦長・ジャン=リュック・ピカードの波乱の人生が語られる、初の自叙伝! ワイン農家に生まれ、宇宙にあこがれた少年は、いかにして“宇宙艦隊で最も偉大な艦長”として名を残したのか。 宇宙艦隊史上屈指の偉大な艦長であるジャン=リュック・ピカード氏の人生が、自身の言葉によってついに語られる。 著者の波瀾万丈の人生とキャリアは、読む者の心を強く突き動かす。 家族との確執、軍法会議、報われぬ愛、カーデシア軍による監禁と拷問、そしてボーグによる同化、宇宙で遭遇した数々の出来事が、ジャン=リュック・ピカードの物語を真に忘れがたいものにしている。 ピカードは、ご存知のように探検家、外交官、なかでも〈U.S.S.エンタープライズ NCC1701-D及びE〉艦長時代の功績により、銀河史にその名を永遠に刻んでいる。 本書では、幼少時代に宇宙に夢を馳せるようになったきっかけ、兄ロベール及び父親との長きに渡る確執、そして宇宙アカデミーへの入学に至る経緯が明らかにされている。 そして、〈U.S.S.リライアント〉での勤務から艦長として率いた初の船〈U.S.S.スターゲイザー〉での様々な冒険、惑星連邦宇宙艦隊の旗艦であるギャラクシー級戦艦〈U.S.S.エンタープライズ NCC1701-D〉艦長就任とその数々の任務についても触れている。 また幼少期やアカデミー卒業時など、彼の人生における決定的瞬間を切り抜いている貴重な写真も収録。 「法が絶対である限り、正義は存在しえない。 人生そのものでさえ例外でできている」 ――ジャン=リュック・ピカード 難破し、命の尽きた“老嬢”を振り返る。山ほどの思い出の源泉。ロートン、マザーラと彼の子どもたち……艦長に就任し、ウォーカーとジャックが船に乗り組み……ビバリー……。 感傷に浸っているひまはない。やるべきことがある。日誌を開いた。その時だった、日付に気づいたのは。 クイン艦長が「メイク・イット・ソー」というのを初めて聞いたときのことを思い出した。二三五五年七月十三日。 わたしの五十歳の誕生日。そして、すべてを失った日だ。 ――第七章 再び宇宙へ――五十歳の誕生日、老嬢との別れ(本文より) 著者について [著者プロフィール] ジャン=リュック・ピカード Jean-Luc Picard 2305年生まれ。地球・フランス出身の地球人。惑星連邦の宇宙艦隊大佐。 [編者プロフィール] デイヴィッド・A・グッドマン David A. Goodman メモリー・アルファの歴史家でもある。ジャン=リュック・ピカードの引退後、自叙伝の編集を依頼され、彼とともに本書を書きあげた。 作家・脚本家・プロデューサー。一九八八年、『ゴールデン・ガールズ』の脚本家としてキャリアをスタート。これまでに『スター・トレック エンタープライズ』『アメリカン・ダッド』『フューチュラマ』など、二〇作あまりのテレビシリーズを手がけてきた。『フューチュラマ』では、『スター・トレック』へのオマージュとなるエピソード「Where No Fan Has Gone Before」の脚本を執筆。 代表作『ファミリー・ガイ』では、エグゼクティブ・プロデューサー兼ヘッドライターを担当し、一〇〇本以上のエピソードを手がけている。 『スター・トレック』のパロディ版ともいえる『宇宙探査艦オーヴィル』ではエグゼクティヴ・プロデューサーを努めている。カリフォルニア州パシフィックパリセーズに家族と住んでいる。 -
【合本版】北方謙三 「挑戦」シリーズ(全5冊)
『危険な夏』から『いつか友よ』まで、水野竜一の魂の軌跡を辿る〈挑戦シリーズ五部作〉電子合本版! ○『挑戦シリーズ1 危険な夏』…ヤバイからおもしろい、人生ってヤツは―。死の恐怖とは無縁の竜一と復讐を誓った男・深江。頼れるのは男としての誇りだけ。巨大な企業を相手に、危険な夏を駆け抜ける。○『挑戦シリーズ2 冬の狼』…3年ぶりの日本。硝煙の臭いを漂わせて竜一が帰って来た。血に染めた心、身につけたゲリラの殺人術。姿を消した友、深江の行方を追って、獣の怒りが都会の闇を切り裂く。○『挑戦シリーズ3 風の聖衣』…地の果て、ペルー。風吹きすさぶ高山地帯。獣の血に目ざめた男たちの銃弾が、岩肌を打ち砕く! ゲリラの指導者になった「狼」竜一と、彼を追う傭兵・村沢のあくなき執念と闘い。○『挑戦シリーズ4 風群の荒野』…コマンド石本一幸がフランス外人部隊から戻ってきた。血にまみれた戦争のプロフェッショナルを連れて。硝煙と血、友情と憎悪。灼熱のジャマイカに、迎え撃つ狼(ロボ)の血がたぎる。○『挑戦シリーズ5 いつか友よ』…吹き荒れる雪。うなる銃弾。「闘え」と死者たちの叫びが響くロッキー山脈。流れついた“狼(ロボ)”竜一。父の復讐を誓う少年。2人はコマンドと化して強大な敵を追う。 -
東日本大震災後文学論
「震災後」は終わっていない。いまだつづいている。 3・11で人々が受けた大きな抑圧、傷そして失望 創作者(クリエイター)は物語を用いて希望を再稼働させる!! 3・11以降、おびただしい数の「震災後文学」が書かれた。故郷と肉親・友人・知人の喪失、原発問題、放射線による生物の変容、被災地と非・被災地の温度差、東北と東京の温度差、政権への批判、真偽不明の情報と感情の洪水としてのSNS、記憶や時間感覚の混乱、死者との対話、「書けない自分」「無力な自分」へのフォーカス、復旧・復興、言論統制や自主規制、ディストピア化した日本、テロやデモや群衆蜂起、戦争文学との接続……さまざまな作品、さまざまなテーマがうまれた。3・11以降にうみだされた「震災後文学」を扱う渾身の評論集。 -
最も遠い銀河 春夏秋冬 完結四巻セット【電子版限定】
白川道のミステリー巨編『最も遠い銀河』全4巻が電子版限定で、合本になって登場! ■『最も遠い銀河<1>冬』 建築家・桐生晴之は焦れていた。名を売るほどの大きな仕事ができていない現実に。最愛の女との約束、そして彼女を死に追いやった男への復讐心。激情を胸に秘め、成功を目指す晴之。だが、小樽署の元刑事・渡誠一郎が、隠し続けた彼の過去に迫る。出会うはずのない二人が追う者と追われる者になった時、それぞれの宿命が彼らを飲み込んでいく――。 ■『最も遠い銀河<2>春』 渡誠一郎は悔いていた。八年前に小樽の海に遺棄された女性の身元を割り出せなかったことを。死体が揚がったのは、愛娘が不運な事故で命を落とした場所でもあった。退官してなお消えない執念は、事件解決への僅かな手がかりから再燃する。そして、名前すらわからぬ一人の男を追い詰めていく。だが、既に誠一郎の肉体は癌に深く蝕まれていた……。 ■『最も遠い銀河<3>夏』 ついに晴之の名前を突き止めた誠一郎。一方の晴之は、大きなチャンスを前にしていた。超巨大企業「サンライズ実業」が極秘で進めるホテル建設のプロジェクト。彼は、金と欲と思惑が渦巻くその企業の中枢に食い込み、設計の仕事を得ようとする。だが、不良時代からの親友が、自らの命を犠牲にして起こした事件が運命を大きく狂わせてしまう……。 ■『最も遠い銀河<4>秋』 信じた友の、命を賭した凶行。晴之の成功は、日陰に生まれ落ちた者たちの悲願に変わった。哀しみと期待を一身に背負い、悲壮な決意で道を切り開く晴之。そして、彼に対して深い理解を示しながらも執拗に追い詰めていく誠一郎。ついに二人が対峙した時、運命は優しく微笑むのか、それとも――。人が人として生きる意味を問う感動巨編、完結! -
枕草子[能因本]
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『枕草子』の言葉は鮮烈なきらめきを放つ。「三巻本」に比べて、いまでは入手しにくくなった学習院大学蔵「能因本」の本文と現代語訳を提供。解説・年表・関係系図・校訂付記・三巻本系統諸本逸文・栞(月報より)付き。 -
地中海遊覧記
トウェインを空前のベストセラー作家にしたアメリカの“お上りさん”の旅。豪華蒸気船に乗りジブラルタル海峡を渡り、フランス、イタリア、ギリシア、トルコ、パレスチナ、エジプト、スペインなど地中海沿岸を回遊した紀行文学の傑作。 -
マーク・トウェイン新研究 夢と晩年のファンタジー
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 名作『ハックルベリィ・フィンの冒険』の「脱出のエピソード」から、後期に多数書かれた未完の作品、『ミステリアス・ストレンジャー44号』までの作品を通し、トウェインの「ファンタジーの世界」を今注目の研究者が初めて明かす。日本におけるトウェイン関係の詳細な文献目録付き。 -
赤道に沿って
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 事業に失敗したトウェインは借金返済のため一年間にわたる世界講演旅行に出かける。その訪問先はフィジー、オーストラリア、ニュージーランド、セイロン、インド、南アフリカである。好奇心旺盛な彼はここでも鋭い観察力を発揮する。本邦初訳。 -
西部放浪記
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 トウェインが銀鉱採掘ブームにわく西部のネヴァダへ向け兄と共に出発するところから始まる本書は、カーソン、ヴァージニア、サンフランシスコ、ハワイと5年半にわたる旅で見た西部の自然と生活を文学者の眼で鋭く描く。本邦初の完訳。 -
王子と乞食
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 歴史上実在の英国国王ヘンリー8世の死からその息子エドワード6世即位までの期間を背景に、人間の残酷さと優しさを、皇太子エドワードと少年トムを主人公に“とりかえばや物語”として描いた初の歴史小説。 -
アメリカの爵位権主張者
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 産業社会が開花する19世紀末のアメリカ社会の混乱を鋭く体現した奇想天外な物語。『金メッキ時代』の15年後の2カ月間を描く本書は、空想癖のある爵位権主張者と、平等主義に憧れる英国の子爵との奇妙な出会いを描く傑作。本邦初訳。 -
ハンス・カロッサ全集 第4巻 美しい惑いの年/学位授与/ミュンヒェンへの移住
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 第1次世界大戦に取材した文学のうち、『ルーマニア日記』をはじめ、その真摯な生き方の記録ともいえる文章で、人々に勇気と希望を与えてきたカロッサの作品を、初邦訳作も含め全篇新訳でおくる決定版全集。各作品には原則として、原注・訳注をあわせた後注を付し、さらに翻訳担当者による解説を付した。第4巻には、カロッサの幼年時代から青春時代を自伝的に描いた作品群の中から『美しい惑いの年』(相良憲一・濱中春共訳)と、二つの小品『学位授与』『ミュンヒェンへの移住』(相良憲一訳)を収録。 -
実存と人生[新装版]
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 カフカ、没後100年 カフカの世界、それは名状しがたい不安の告白であり、日常生活における〈ある闘い〉の記録である。深い実存の寓意は、あらゆる解釈を受け入れると同時に鋭く拒否する。それは一面では、難解さを表わすものかもしれないが、汲めどもつきぬ豊かさ、魅惑の証でもある。 本書はブロート版全集の『田舎の婚礼準備』と『日記』の巻から、アフォリズムのすべてと、比喩、そして生活表明に関する文章を訳者によるオリジナル編集でおくる。カフカのテクストは、長いものにせよ短いものにせよそれぞれが独自の振幅と強度を有すると同時に、それらすべてに「カフカ的」としか言いようのない何かが通底している。本書に収められた小さなことばの群れもまた、そうした「カフカ的」なものの結晶である。生きることと書くこととが相即不離のカフカにとって、本書はいわば、「彼自身によるカフカ」であり、その箴言と比喩の迷宮へとわたしたちをいざなう。 一六 籠が鳥をさがしに出かけた 二二 おまえはやらなければならない宿題そのものなのだ。あたりにはどこにも生徒はいない。(本文より) -
小さくも重要ないくつもの場面
いくつもの秘密は家族をどこへ連れていくのか 『マグヌス』で知られるフランスの著名な小説家が、互いの関係を模索する再構成家族の姿と秘密を詩的に描いた中篇小説。 幼い頃から母のいないリリは、赤ん坊の頃の自分の写真を見て、自分はいったいどこから来たのか、母はどこへなぜ行ってしまったのかと疑問を抱いてきた。父の再婚により、新たに四人の兄姉ができるが、継母ヴィヴィアンや異母兄姉との関係を模索しながらも心からは馴染めずにいた。 ある日、家族そろって出かけたピクニックで写真を撮るため、子どもたちはぎゅうぎゅうに身を寄せ合った。それが悲劇につながるとは知らずに……。 やがて兄姉たちがそれぞれの道に進んでいく一方、リリはどこへ向かえばいいのかわからず、左翼グループと共同生活をしてみたり彫刻に打ち込んでみたりするものの、どれも長続きせずさまよう。 タイトルが示すとおり、小さいがひとつひとつが何らかの働きや意味をもつ多くの出来事の連なりで構成されている。リリは愛する人を見つけ、自分の居場所にたどり着けるのか。知りたかった秘密は明らかになるのか。喪失を抱えながらも、時の重なりを感じ、自己や他者と向き合うことの尊さを静謐に描く。 -
氷上旅日記[新装版]:ミュンヘン―パリを歩いて
「あのひとを死なせるわけにはいかない。ぼくが自分の足で歩いていけば助かるんだ」――重病の親友の快復を願かけて、ミュンヘンからパリへ向かい、雪と氷のなかを彷徨し、魂に呼応するような風景と忘れられたような人びとに出会う……。ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才が綴る孤高の幻視行。 最新作『歩いて見た世界』の監督による孤高の幻視行 鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督は、人間と自然の壮大なドラマをテーマにした映画で広く知られる。『アギーレ・神の怒り』『フィツカラルド』など初期の代表作から最新作『歩いて見た世界』まで、野心的な作品は高い評価を受け、数々の映画賞を受賞している。 一九七四年十一月、ヘルツォークはパリにいる友人の映画評論家ロッテ・アイスナーが重篤と知らされる。自分の足でパリまで歩いていけば、アイスナーの病は治る……と願をかけ、真冬のミュンヘンを発つところからこの日記は始まる。 痛む足をひきずりながら、死んだような小さな村をいくつも通り過ぎ、空き家に泊まり、田舎道を彷徨する。あるときは、自分がまだ人間の姿をしているのを確かめようとガソリンスタンドのトイレに駆け込む。やがて寒さに凍えるカラスを兄弟のような感情を抱くようになり、リンゴの実がすべて落ちるまで木を揺さぶった直後の静寂に、孤独と疲労が頂点に達する…… 研ぎ澄まされた感覚で、魂を震わすような自然に身を投じるヘルツォークならではの眼差し。極寒のなかをひたすら歩く真摯な姿と、狂おしいまでの思いが読者の心を打つだろう。 -
平原のモーセ
中国東北部発世界文学行き。 中国現代工業の一大拠点だった瀋陽市鉄西区は、90年代の改革開放の波に乗れず経営破綻が相次いだ。地元出身の著者が土地に息づく5つの物語を掬った初の邦訳短編集。新文芸誌「GOAT meets」掲載で大反響! 文革の記憶を引き摺る家族と、工場にリストラされた父娘。 連続殺人事件を機に運命は交わる。(「平原のモーセ」) 貧民街に暮らす少年はある日、非行少女と石炭工場に忍び込む。(「グラードを出る」) その冬、僕は父と離れて街外れの教会に住む叔母のもとへ向かった。(「光明堂」) 亡き父の言葉を残し、伯父は闇夜に飛び立った。(「飛行家」) 小説家は、他人の未発表原稿に、自分しか知らぬはずの真実を見た。(「北方は無に帰す」) -
ブリス・モンタージュ
全米批評家協会賞受賞作品 本書は、中国出身の米国作家リン・マーの長篇『断絶』に続く第一短篇集。前作は、移民の女性が米国のミレニアル世代の一員として根無し草的な生活を送るなか、パンデミックとゾンビという物語形式を借りて、グローバル資本主義の制度に組み込まれた人生の虚無感、今世紀の米国社会の空気を巧みに切り取ってみせた。 同様に若い女性を主人公とする本書においても、移民にとっての「ホーム」はどこなのかという問いや、醒めた距離感を保つ一人称の語り口など、マーの作風は前作から連続している。ただし本書では、人間関係における暴力や、存在の孤独という、マーの中核的主題がより前景化され、人と時代に対する鋭い観察眼と、物語を組み立てていく手腕の凄みが際立っている。 本書の評価は非常に高く、〈全米批評家協会賞〉と〈ストーリー・プライズ〉を受賞、『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』では、「予測不可能な展開を見せ、読了後も心に残る」と評され、短篇の名手としてもマーの才能を確かなものとしている。「ロサンゼルス」「オフィスアワー」「明日」ほか、不可思議な語り口と冷徹な観察眼が冴える8編を収録。 [目次] ロサンゼルス オレンジ G イエティの愛の交わし方 戻ること オフィスアワー 北京ダック 明日 謝辞 訳者あとがき -
彼女はマリウポリからやってきた
半世紀以上を経て娘が探し当てた亡き母の生 ロシアとウクライナの血を引くドイツ語作家が、亡き母の痕跡と自らのルーツを見いだす瞠目の書。 母エウゲニアは、著者が10歳のとき若くして世を去った。幼い娘が知っていたのは、母がマリウポリで生まれたこと、第二次世界大戦中、両親が強制労働者としてウクライナからドイツに連行されたこと、曾祖父が石炭商人、祖母がイタリア人だったらしいことくらい。母の運命を辿ろうとこれまで何度か試みたが、成果はなかった。ところが、2013年のある夏の夜、ふと思い立ってロシア語の検索サイトに母の名前を打ち込んでみたところ、思いがけずヒットする。ここから手探りの調査と驚くべき物語が始まる。 「ここ一年ほど悲しい姿ばかりが報道されたウクライナのマリウポリだが、その多文化都市としての輝かしい歴史と、そこに生きた作者の親族の運命が、この小説には知的なユーモアと息苦しいほどの好奇心をもって描かれている」(多和田葉子氏) ウクライナの船主、バルト・ドイツの貴族、裕福なイタリア商人、学者、オペラ歌手など、存在すら知らなかった親類縁者の過去が次々と顕わになり、その思いもよらぬ光景に著者は息を呑み、読者もそれを追体験する。忘却に抗い、沈黙に耳をすませ、失われた家族の歴史(ファミリーストーリー)を永遠にとどめる世紀の小説。ライプツィヒ書籍見本市賞受賞作。 -
レーモン・クノー 〈与太郎〉的叡智
与太郎は、ほんとうに馬鹿なのか? 馬鹿げた話やデタラメな話を「与太話(噺)」というが、これは古典落語にしばしば登場する〈与太郎〉から来ている。与太郎とは、定職にもつかずブラブラしていつも失敗ばかりの粗忽者、なのになぜかのんきで楽天的なお調子者といったところか。 フランスにも、この与太郎キャラを描くのが抜群に巧い作家がいる。レーモン・クノー(1903-76)である。代表作は映画化もされたスラップスティック・コメディ『地下鉄のザジ』や、たった一つの出来事を99通りの文体で書き分けた『文体練習』など。実験的文学集団「ウリポ」の中心的メンバーとしても知られ、ガリマールの『プレイヤード百科事典』の監修責任も務めた。 深刻ぶったり難解ぶったりするのが大好きなフランス現代小説において、しかも第二次世界大戦前後という切実な時代に、知の巨人のようなクノーは『わが友ピエロ』、『ルイユから遠くはなれて』、『人生の日曜日』といった作品で、「世の中ついでに生きている」ようなのんきな男たちを次々に創り出した。それはいったいなぜか──。クノー小説における愛すべき〈与太郎〉たちを通し、我々の通念を揺さぶる「知」や「真実」を問う。 -
禅と浪漫の哲学者・前田利鎌:大正時代にみる愛と宗教
荘子をひもとく、新宗教と自由恋愛の時代! 夏目漱石の「最後の弟子」が愛したのは、平塚らいてうの姉だった──。自由を欣求した前田利鎌の遺稿をもとに、近代日本の思潮をさぐる評伝。 東工大教授になってまもなく32歳で夭折した前田利鎌は、東京帝大哲学科卒。スピノザやニーチェなど西洋哲学、荘子や禅などの仏教哲学を幅広く研究した宗教哲学者だった。 〈利鎌は漱石の門に最年少で入り、学び、書き、淪落の恋を識り、座禅に我を忘れ、生に身を焦がし、燃え盛りながら死んでいった。/孝子とらいてうも同様だ。大正の爛熟したデカダンスの徒花というなかれ。3人は旧弊な社会風紀や硬直した倫理、常識に抗った。自らに由って立つ近代人の肖像、自由と解放、照応と合一、天才と超人、各々がそれらを希求した〉(諏訪哲史「推薦者の言」より)。 らいてふの姉・孝子、漱石ら知識人─日本のフェミニズムと近代文学のはじまりとが画されたところで懊悩した人々を、貴重な資料をもとに書き上げたノンフィクション。 -
ハムレット! ハムレット!!
花やかな文豪達による<新>ハムレット競演。 収録作品は以下の通り。 巻頭8ページ口絵(4色)「ハムレット」をテーマにした銅版画=描き下ろし 巻頭詩 谷川俊太郎「初夏のハムレット」=書き下ろし * 太宰治「新ハムレット」(長篇小説) 芥川比呂志「ハムレット役者」(「タイツ」「三度目の正直」「太宰治とともに」エッセイ三篇) 志賀直哉「クローディアスの日記」(短篇小説) 小林秀雄「おふえりや遺文」(短篇小説) * ランボオ(小林秀雄訳)「オフェリヤ」*詩 (ランボオの同じ詩を二人の訳者で収録) ランボオ(中原中也訳)「オフェリア」*詩 * 大岡昇平「オフィーリアの埋葬」(短篇小説) ラフォルグ(吉田健一訳)「ハムレット――或る親孝行の話」(中篇小説) 福田恆存「ホレイショー日記」(中篇小説) * 小栗虫太郎「オフェリヤ殺し」(最後に異色ミステリ二作=中篇小説) 久生十蘭「ハムレット」 ※この作品はカラーが含まれます。 -
まんが 星の王子さま
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 「まんが」で読み直す世界的ベストセラー。 世界的ベストセラー『星の王子さま』の翻訳まんがです。 原文を読み解き、その作品世界を「まんが」として表現しました。 翻訳・文は、長年この企画をあたためていた奥本大三郎。『ファーブル昆虫記』の完訳でおなじみのフランス文学者です。今回のまんが化にあたり一般に流布されている表現をあらため、より物語世界がわかりやすい自然なニュアンスにしました。 「まんが」は、絵本作家でありイラストレーター、そして本書のデザインも担当した、やましたこうへいです。関連資料にあたっては細部の正確さにこだわり、詩情豊かな珠玉の作品となりました。 文章では読み飛ばされがちな場面も、絵があればこそ、原作者の想いに気づくことがあります。たとえば王子さまは夕陽を見ることが好きで、パイロットと砂漠の夕陽を見に行くという短い章があります。このシーンの美しさや、夕陽を浴びた王子さまの寂しさは、まんがだからこそより伝わり、理解されます。 そのほかにキツネとの哲学的な会話、砂漠から帰ってきたパイロットの日常など、文章ではなかなか想像できない、美しくも切ない新たな「星の王子さま」をお届けします。 ※この作品はカラー版です。 -
黄金の軍鶏
賭けに飛び込め! 運命を挑発しろ! ガルシア=マルケスをはじめ数多の作家に影響を与えたラテンアメリカ文学ブームの先駆者にして、メキシコの国民的作家フアン・ルルフォ。 デビュー作『燃える平原』、不朽の名作『ペドロ・パラモ』に続く、その文学的終着点が、本邦初訳でついに登場!! メキシコのとある田舎町。片腕の不自由なディオニシオ・ピンソンは、町の知らせを大声で触れ回るお触れ屋をささやかな生業として、病身の母と貧しく暮らしている。 ある夜、闘鶏で深手を負った一羽の軍鶏を譲り受けたところから、彼の人生は思いもよらぬ方向へと転がりはじめることとなる。 やがて息を吹き返した"黄金の軍鶏"は、闘鶏で勝ち続け、富と名声を彼にもたらす。 こうして町から町へと渡り歩き、賭けと歓声の中に生きる道を見出したディオニシオは、ある日、妖艶で抜け目のない巡業歌手ラ・カポネーラと出会う。世知に長け、男たちの欲と金のにおいを嗅ぎ分ける彼女と行動をともにして、彼は勝負の世界の裏側を知り、ますます運に身を委ねてゆくのであった。 欲望と勝利の陶酔、目に見えぬ運命の鎖に引きずられ、孤独な男が行き着く先は……。 巨星が放つ最後の閃光! ガルシア=マルケスとカルロス・フエンテスの脚本によって映画化もされた、欲望と宿命の物語。 -
羽族の国―思草(佐々木信綱歌集)評釈
敗戦直後の、精神的、物質的貧困の中で、却て高揚した精神によって書かれたもの。鶏、百舌、雲雀、千鳥…長年作句の対象にした山禽野鳥の姿を、歌、散文で描く書。 (※本書は1994/7/1に発売し、2022/6/9に電子化をいたしました) -
願うのは私に禁じられたこと
だから私は、彼を監禁する──。 韓国で累計150万部。 20代30代の女性読者に支持され続け、 破壊力では『82年生まれ、キム・ジヨン』を超える と評される韓国女性文学最大の問題作。 女性のための電話相談員を務める大学院生カン・そんな彼女には大きな計画があった。男に対する幻想を女に抱かせる男に復讐するために、人気男優ペク・スンハを拉致し、監禁する。それは男たちが女たちにやってきたことであり、知性に秀でる自分が挑むに足る完全犯罪だから。そう彼女は信じる。 そして周到な準備が完了したある日、カン・ミンジュはペク・スンハを誘拐する。ソウルの集合住宅の一室で、奇妙な監禁生活がはじまって……。 1992年に発表されるや、韓国で激烈な賛否両論を引き起こした本書は、刊行以来、韓国の若い女性読者の支持を受けて版を重ね、現在では累計150万部を達成。韓国女性文学最大の問題作、ついに日本解禁です。 -
長安のライチ
「このミス」1位のエンタメ王の映画化原作 映画化! 中国で興収150億円突破の大ヒット! 『両京十五日』で「このミス」1位となった中国のエンタメ王、 いまもっとも注目されるエンタメ作家・馬伯庸の最新作。 『三体』を手がけた訳者が太鼓判を押し、 『超高速!参勤交代』の原作者・脚本家、土橋章宏氏も感嘆、 誰が読んでも面白いノンストップ不可能任務エンタメ! 長安の下級官吏・李善徳に大出世のチャンスが舞い込んだ。近々おこなわれる楊貴妃の誕生を祝う宴に合わせて、妃の大好物であるライチの蜜漬(レイ枝煎)を調達し、長安の王宮に届ければよいだけ。簡単なプロジェクトだ。だが命令を受託した李は、おそるべき事実に気づく。 命令書が改竄されていたのである。届けねばならないのは「レイ枝鮮」、すなわち生のライチ。ライチは1日で変色、2日で香りが変じ、3日で腐るという。産地から長安まで2500km。こんな命令を実行するのは、神にも仙人にも不可能ッ――! 刻々と迫る楊貴妃の誕生日。李善徳は産地に出張し、輸送ルートを踏破し、地方官僚の妨害に苦しめられながらも、知恵と努力を振り絞る李善徳。任務に失敗したら文字通り首が飛ぶ。 そしてついに、プロジェクト決行の時が来た! だが計画を裏切るアクシデントが次々に襲いかかる! 唐代の社畜が挑む長安までの2500kmライチ急送作戦。 このインポッシブル・ミッション、果たして成るか?
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