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Posted by ブクログ
面白かった。
核研究の重要な秘密を持った科学者ウェズリーが隠れるチベットに、終戦を迎え帰国出来るはずの道雄は坂木により強引に捜索に駆り出された。
中国成都から標高4000メートルを超える剣山を超える難関の描写が生々しく、加えて国民党軍、共産党軍、アメリカ軍が三つ巴のようにウェズリーを奪還しようとする場面には緊張感があり肉体的な痛さを感じる。
戦後も謂れなき命令で戦争を継続強いられる側と、富を収奪しアメリカ軍や政治家と優雅に暮らす谷野の対比が、理不尽であるだけに坂木や道雄に気持ちが寄っていく。
核を持つ危険性など場面は戦後2年目でありながら、現代の立場からも納得できる作者の想いが伝わる熱い言葉に、敗戦の8月に読んだ本書は深く心に残る一冊だった。
虐げられる人間が生き残るために、殺人を必要とする戦争の無慈悲を痛感させられた。
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