小説・文芸 - 講談社作品一覧

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  • 感触的昭和文壇史
    -
    言語的な数々の実験、あくなき芸術性追求、社会的不公正の告発、政治と文学の諸問題、卑小な自らの眼に映る事象の描写、経済成長を背景に叢生した新感覚……と昭和の文学における主潮流は移ろってきた。時代に翻弄される作家たちの姿を身近に見聞きし肌で感じつつ、文壇の主流と距離をおき自らの小説世界を追い求めた野口冨士男がその晩年身を削り書き継いだ、文字通り切れば血の出る生々しい文学史。
  • しあわせな死の桜
    3.5
    1巻2,299円 (税込)
    『このミステリーがすごい! 2017年版』国内編第1位『涙香迷宮』の竹本健治が贈る、軽やかにして深遠なミステリの精華12篇。非日常への裂け目はすぐそばにある。優美な文章で綴られる、奇想と幻想が入り交じり、妖しい夢のような綺譚がずらり。待望の「トリック芸者」シリーズ最新短編「いなか・の・じけん篇」を書き下ろし収録! まさに最高水準の短編集。ミステリ評論家・千街晶之氏による懇切な解説も必読。
  • 戦後的思考
    5.0
    1995年、戦後50年目に発表された「敗戦後論」は、単行本刊行後、百を越える批判を左右両翼から浴びた。本書はその反響の醒めぬなか、それらを正面から受け止め、「批判者たちの『息の根』をとめるつもり」で書き始められた。「戦後的思考」とは何か。戦前と戦後はなぜ「つながらない」のか? 今こそ我々に必要な、生きた思想と格闘する画期的論考を、増補改訂を施し、21世紀に再度問う。*解説は収録されていません。
  • 原民喜戦後全小説
    -
    広島への原爆投下の惨劇を克明に描いた傑作「夏の花」三部作、亡妻への痛切な思いが滲む「美しき死の岸に」ほか、壮絶な体験と苦悩を刻んだ小説群。戦後70年を経て尚鮮烈な光を放つ戦争文学の金字塔を、文芸文庫スタンダードとして新装版刊行。
  • 皐の民
    3.0
    遣唐使船に乗り込み唐に渡った日本僧・円仁は、海を自在に駆けめぐる皐の民の力に圧倒され、彼らの手を借りて受難を克服し密教をきわめる。新羅王をも震撼させた皐の民の首領・張保皐、妖艶さと知性を兼ね備えた妓生楼の主・蘭香、したたかな策士の僧・妙珍、最新戦闘船を次々に作り出す天才青年・兵六、美しくそして逞しい女船長・メーカナーなど、魅力的な登場人物が壮大な物語を織りなす。
  • 東と西 横光利一の旅愁
    4.0
    1巻2,299円 (税込)
    横光利一は昭和11年、半年にわたってヨーロッパを旅した。その経験をもとに、自らを投影した登場人物を配し、小説『旅愁』を書きはじめる。優柔不断な男と大胆な女が、ヨーロッパを舞台にすれ違う様は、西洋文明になじみ得ぬ横光の精神の現れであった。戦争の世になっても、横光は戦前の欧州に滞在した人々の社交を描き続けた。『旅愁』『欧州日記』を検証しつつ、横光の精神の軌跡を辿る。
  • 完全解読 カント『純粋理性批判』
    3.7
    世界初のこころみ 超難解哲学書を原典に忠実に、かつ平易に解読 大好評、知の高峰を読み平らげるメチエ「完全解読」シリーズ第2弾。 古代ギリシア以来の哲学をコペルニクス的に転回し、近代哲学の礎を築いたカント三批判書の第1書。「物自体」「カテゴリー」「アンチノミー」などのキー概念を中心に、難解でなる著作の理路を徹底的かつ平易に解読する。
  • 醒睡笑 全訳注
    4.0
    誓願寺法主の安楽庵策伝が江戸初期に編纂し、板倉重宗京都所司代に献呈した笑話集。うつけ・文字知顔・堕落僧・上戸・うそつきなど、多様な庶民の登場人物がつくる、豊かな笑いの世界。のちの落語、近世笑話集や小咄集に大きな影響を与えた。慶安元年版・全8巻42章311話の翻刻文に、現代語訳、語注、鑑賞、解説を付した、はじめての書。(講談社学術文庫)
  • プリンセスのロイヤルペット絵本 シンデレラと こいぬの パンプキン ほか 全7冊合本
    -
    ディズニー・プリンセスとロイヤルペットの物語が合本で登場! 愛らしいペットたちのお話がたっぷり読める、お子様大満足の合本です!<収録タイトル> 1)ラプンツェルとこうまのブロンディ 2)シンデレラとこいぬのパンプキン 3)白雪姫とうさぎのベリー 4)アリエルとこねこのトレジャー 5)ベルとこいぬのティーカップ 6)オーロラ姫とこねこのビューティ 7)ジャスミンととらのスルタン※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 時計泥棒と悪人たち
    3.5
    1巻2,244円 (税込)
    実業家・加右衛門氏へ贋物の置時計を売ってしまった事実を知った伊口。 泥棒に転職をした蓮野とともに、その置時計は加右衛門氏へ所有する美術館にあるという情報を得、盗むことを計画するがーー? (第1章 加右衛門氏の置時計) 激動の大正時代を泥棒たちが大暴れ! 『絞首商會』『サーカスから来た執達吏』にも繋がる連作短編集。 『方舟』で「週刊文春ミステリーベスト10」「MRC2022」をダブル受賞し話題沸騰の夕木春央、待望の新作!
  • 進化の時計
    -
    1巻2,222円 (税込)
    一匹の猿に魅せられた僕たちの青春冒険小説。それは、かわいらしい猿との出会いから始まった。東京から九州の延岡へと繰りひろげられるある計画とは? 愛しいジョウジ-を捜し続ける僕の哀しくも楽しい長篇。
  • Disney メアリー・ブレア イッツ・ア・スモールワールドができるまで
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【メアリー・ブレア生誕110周年】 【イッツ・ア・スモールワールド誕生55周年】 Wメモリアルイヤー記念刊行!!! 「メアリー・ブレア」の生涯を描いた世界中で人気の絵本が、ついに翻訳刊行! シンデレラ、ふしぎの国のアリス、ダンボやピーター・パンなど、 ディズニークラシック映画のコンセプトアートを手掛けた ディズニー社伝説のアーティスト、メアリー・ブレア。 人気のパークアトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」の デザイナーとしても知られる彼女は、どのように生き、どのように色を選び、 あの、みんなを幸せにする「イッツ・ア・スモールワールド」を生み出したのでしょうか。 『メアリー・ブレアに影響されていないディズニーのアーティストなんていない』 そう言わしめるほどに唯一無二の才能を輝かせたメアリーも、 はじめは【絵を描くこと】が大好きな一人の女の子でした。 そんな彼女が夢を叶え、ディズニーレジェンドになるまでのおはなしです。 夢を抱くすべての人へ贈る一冊。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 丹波哲郎 見事な生涯
    -
    「人間、死ぬとなぁ、魂がぐぅーっと浮き上がっていくんだよ。それで、どんどんどんどん上昇していく。ところが、天井でぶつかって、一度反転するんだ。すると、ベッドの上には自分の骸(むくろ)がある」 「やがて、かなたに小さな光が見えてくる。その光に向かって、どんどんどんどん走っていく。どんどんどんどん走っていく。でも、息切れしないんだ。なぜか? ……死んでるから」 大俳優・丹波哲郎は「霊界の宣伝マン」を自称し、映画撮影の合間には、西田敏行ら共演者をつかまえて「あの世」について語りつづけた。中年期以降、霊界研究に入れ込み、ついに『大霊界』という映画を制作するほど「死後の世界」に没頭した。 「死ぬってのはなぁ、隣町に引っ越していくようなことなんだ。死ぬことをいつも考えていないと、人間、ちゃんとした仕事はできないぞ。おまえも、いつでも死ぬ覚悟、死ぬ準備をしといたほうが、自分も楽だろう」―― 丹波は1922年(大正11年)、都内の資産家の家に生まれ、中央大学に進んだ。同世代の多くが戦地に送られ、生死の極限に立たされているとき、奇跡的に前線への出征を逃れ、内地で終戦を迎える。 その理由は、激しい吃音だった。 終戦後、俳優を志した丹波は、舞台俳優を経て映画デビューし、さらに鬼才・深作欣二らと組んでテレビドラマに進出して大成功を収めた。 高度成長期の東京をジェームス・ボンドが縦横に駆け抜ける1967年の映画『007は二度死ぬ』で日本の秘密組織トップ「タイガー・タナカ」を演じ、「日本を代表する国際俳優」と目されるようになる。 テレビドラマ「キイハンター」、「Gメン’75」で土曜午後9時の「顔」となり、抜群の存在感で「太陽にほえろ!」の石原裕次郎のライバルと目された。 『日本沈没』『砂の器』『八甲田山』『人間革命』など大作映画にも主役級として次々出演し、出演者リストの最後に名前が登場する「留めのスター」と言われた。 その丹波が、なぜそれほど霊界と死後の世界に夢中になったのか。 数々の名作ノンフィクションを発表してきた筆者が、5年以上に及ぶ取材をかけてその秘密に挑む。 丹波哲郎が抱えた、誰にも言えない「闇」とはなんだったのか。 若かりし頃に書かれた熱烈な手紙の数々。 そして、終生背負った「原罪」――。 「死は待ち遠しい」と言いつづけ、「霊界」「あの世」の素晴らしさを説きつづけた大俳優の到達した境地を解き明かすことで、生きること、そして人生を閉じることについて洞察する、最上の評伝文学。
  • 白い拷問 自由のために闘うイラン女性の記録
    -
    「私はいま、家を去る最後の瞬間にこの文章を書いています。このあとすぐに私は刑務所に再び入れられます」 2023年に獄中でノーベル平和賞を受賞したナルゲス・モハンマディの手記と、ナルゲスによる13人の女性受刑者へのインタビューをまとめた衝撃のノンフィクション。 ●白い拷問とは? イランのエヴィーン刑務所は、悪臭と恐怖に満ちた悪名高き場所。そこで繰り返されるのは、看守による自白の強要、鞭打ち、性的虐待、家族への脅迫、そして「白い拷問」だ。照明を操作した独房で昼夜の感覚を奪い、睡眠パターンを妨げ、時に目隠しをし、身体的接触をすべて奪うことで、囚人の身体と精神を蝕む非人道的な拷問である。 ●突然の逮捕と奪われた日常 「女性にも権利を」「民主主義と人権を」「好きなことを言い、好きな服を着たい!」自由を求めて思いを表すだけで、服装が不適切というだけで、思想犯・政治犯として逮捕されてしまうイラン。ヒジャブ着用が不適切だと拘束されたのち死亡したマフサ・アミニ氏問題を巡り、国連調査委員会は「違法でありイラン政府に責任がある」と発表している。 本書に登場する女性たちも一方的な容疑をかけられ、拘束されている。幼いわが子を道端に置き去りにするかたちで逮捕・投獄された女性までいる。 著者ナルゲス自身、夫は政治亡命し、10代になった双子の子どもたちも父のもとで暮らし、孤独な闘いを強いられている。13回逮捕され、5回の有罪判決を受け、31回の禁固刑と154回の鞭うち刑を言い渡されても、ナルゲスが闘いをあきらめない理由は、女性の権利と暴力や死刑の廃止を求める信念に他ならない。 ●世界選挙年とジェンダーの平等 ある囚人はインタビューでこう明かす。「独裁者が支配する不平等な世界で、人々は支配されるか従うか、どちらかしかないが、女性は普段からさまざまな不平等に傷ついているので、日々の経験を足掛かりに抵抗のレベルを一段あげることができる」と。さらに「男性優位の社会でヒエラルキーからこぼれ落ちた男性は、女性以上に弱い存在になってしまう」と喝破する。 本書は「遠い国のイスラム世界の物語」ではない。今、現実に起こっている人間の権利とジェンダーの平等の問題でもある。専制政治の支配と家父長制度の支配のなかでがんじがらめの女性たちの闘志は、すべての人に勇気を与える。 ●推薦の言葉および海外での反響 ・安藤優子――全人格を奪う「白い拷問」。その実態をつぶさに告発したナルゲスさんと証言者たち。彼女らが闘っているのは、この地球上の人権を踏みにじられているすべての人々のためだ。                     ・ニューヨーク・タイムズ絶賛。世界16か国で緊急出版。
  • 生涯弁護人  事件ファイル1 村木厚子 小澤一郎 鈴木宗男 三浦和義・・・・・・
    4.5
    村木厚子事件(厚労省郵便不正事件)、小澤一郎事件(陸山会政治資金規正法違反事件)、鈴木宗男事件、マクリーン事件、クロマイ・クロロキン薬害訴訟、医療過誤訴訟、三浦和義事件(ロス疑惑)など、日本の戦後刑事司法史に残る大事件を手がけてきた、伝説の弁護士、弘中淳一郎。「絶対有罪」の窮地から幾度となく無罪判決を勝ち取ってきた「無罪請負人」と呼ばれるその男は、歴史的なそれらの裁判をどのように闘ったのか? 受任の経緯から、鉄壁といわれる特捜検察の立証を突き崩した緻密な検証と巧みな法廷戦術、そして裁判の過程で繰り広げられるスリリングな人間ドラマまで、余すところなく書き尽くす。稀代の弁護士による、法廷を舞台にした唯一無二の思考の指南書にして、類稀なる現代史。 安部英医師薬害エイズ事件、野村沙知代事件、 中森明菜プライバシー侵害事件、加勢大周事件、中島知子事件、「噂の眞相」名誉毀損事件、痴漢冤罪事件、カルロス・ゴーン事件などを扱った「事件ファイル2」も同時刊行。
  • 名探偵・信濃譲二シリーズ 全3冊合本版
    -
    消失死体がまた元に戻る!? 完璧の「密室」と「アリバイ」のもとで発生する、学生バンド“メイプル・リーフ”殺人劇――。「ミステリー史上に残ってしかるべき大胆なアイデア、ミステリーの原点」と島田荘司氏が激賛。この恐るべき謎を、あなたは解けるか? 大型新人として注目を浴びた鮮烈なデビュー作。 「長い家の殺人」「白い家の殺人」「動く家の殺人」 信濃譲治シリーズ合本版
  • 高杉晋作 全3巻合本版
    -
    黒船をひきいて、一八五三年、ペルリが浦賀に来航した。開国佐幕派と勤皇攘夷派に二分された国内は混乱をきわめた。そのさなか、革新を叫ぶ吉田松陰の刑死は、松下村塾の塾生たちを動揺させた。師の志をどうしたら活かせるのか? 欧米列強の脅威におののく日本を遊歴するうち、高杉晋作は勤皇の志士として開眼していく。やがて上海へ渡って海外事情にも目覚めた長州の“鼻輪のない暴れ牛”は、松陰の志を継いで倒幕への道を歩み始めた。動乱の世を生き、奇兵隊を結成し、内外からの攻撃に遭いながらも、維新回天の偉業に尽力した若き志士高杉晋作の生涯。
  • 坂本龍馬 全3巻合本版
    -
    坂本龍馬、19歳。ふるさと土佐をあとに江戸は北辰一刀流の名門千葉貞吉の道場で修業中の身だ。1853年夏、ペルリ来航し江戸の町は大騒ぎ。黒船撃退を叫ぶ仲間たちの激論珍論をよそに、龍馬はひとり茫洋と構え、その天稟(てんぴん)の資質にまだめざめない。望郷の念にかられ、高知に帰った彼の身に何かが起こる。
  • 新装版 捨て童子・松平忠輝 上中下合本版
    -
    捨て童子とは、この世ならぬ途方もないエネルギーを持ち、人を戦慄せしめる人物! 徳川家康の第六子でありながら、容貌怪異なため、生まれ落ちてすぐ家康に「捨てよ」と言われた“鬼っ子”松平忠輝の異形の生涯を描く、傑作伝奇ロマン小説。新鮮な発想や史観、壮大なスケールで完結をみた、著者最後の長編。一気に読める合本版。
  • ルパンの娘シリーズ 3冊合本版
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    テレビドラマで話題沸騰!  「ルパンの娘」シリーズ3冊(『ルパンの娘』『ルパンの帰還』『ホームズの娘』)をセットにした合本
  • 美智子さま あの日 あのとき
    4.0
    平成も残すところわずか。あらためて美智子さまの凛とした表情、上品なたたずまい、華やかな着こなしが注目されています。講談社所蔵の3万点以上の写真の中から、1960年代~1970年の若き日の美智子さまの選びに選び抜いた写真152点を掲載。何年たっても多くの女性にとって憧れの存在。素敵な着こなしだけでなく、温かい家庭や思いやり溢れる夫婦のお姿は写真を通して伝わります。オールカラー。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 少年Nの長い長い旅 01~03合本版
    -
    異世界の宇宙にちりぢりになった仲間を見つけだすことができるか。五島野依の旅が始まる――。反響続々!新感覚ファンタジー!都市伝説だったはずの〈猫殺し13きっぷ〉は現実となり、御図第一小学校6年1組の五島野依は、クラスメイト6人とともに異世界に飛ばされてしまう。はじめは一緒だった幼なじみの糸川音色を、何者かに連れさられた野依は、音色を、そして他の仲間を探すために、長い長い旅に出る――。3冊合本版。
  • 小説 日本興業銀行 全5冊合本版
    5.0
    1巻2,200円 (税込)
    実力者が、肚を据えて証券不況のたてなおしをはかる虚々実々の駆けひき。かくして日銀特融は実行された――企業小説の旗手高杉良が、産業金融の雄、日本興業銀行にスポットをあて、豊かな構想力に万全の取材を加え、戦後の日本経済界を彩る幾多の人材を縦糸に、実名で描く、会心の経済大河ドラマ。
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実
    4.6
    中曽根康弘、井手正敬、松田昌士、葛西敬之……重大証言と新資料が予言する「借金1000兆円をかかえた国家の未来」――本書は国鉄が崩壊、消滅に向けて突き進んだ歴史に再検証を試みたものである。昭和最後の二十年の歳月は、薩長下級武士が決起、さまざまな人物を巻き込んで徳川幕藩体制を崩壊させたあの「明治維新」にも似た、昭和の時代の「国鉄維新」であったのか。それはまた敗戦から始まった「昭和」の解体を意味していた
  • 芭蕉全発句
    -
    国文学に通暁し、実作と研究双方のよき理解者たる文芸評論家が、渾身の情熱を注いで正面から俳聖に挑む。全句の訓詁注釈を通して実景、実感、伝記的事実、言葉の意味、詩性――芭蕉の世界に迫り、「軽み」論から「いのち」と「かたち」へ、日本人の魂に根ざす文学的本質へと読者を誘う。今日の俳句・短歌隆盛の礎となった不朽の一冊。(解説・尾形 仂)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 終戦のローレライ 全4冊合本版
    5.0
    昭和20年、日本が滅亡に瀕していた夏。崩壊したナチスドイツからもたらされた戦利潜水艦・伊507が、男たちの、国家の運命をねじ曲げてゆく。五島列島沖に沈む特殊兵器・ローレライとはなにか。終戦という歴史の分岐点を駆け抜けた魂の記録が、この国の現在を問い直す。第24回吉川英治文学新人賞を受賞し、映画化もされた大作が合本に!
  • 探偵の探偵1~4合本版
    4.5
    調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校に、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵の全てを知りたいが探偵にはなりたくない、という彼女はなぜ探偵学校に入校したのか? スマ・リサーチ社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う"対探偵課探偵"となる。 2015年エンタメ小説界の話題をさらった傑作サスペンス、待望の合本化。
  • 黄金宮(1巻~4巻合本版)
    -
    1巻2,200円 (税込)
    欲望と人混みの街・新宿――アフリカ人の戦士が現れ、いきなり槍で中年男を刺し殺す。通りかかった都内最強の男・地虫(じむし)平八郎の腕の中で息絶えた男は奇妙な黄金の勃起仏と地図を持っていた。さらに地虫の前にブードゥーの呪術師が立ちふさがる。地虫は拳法で銀髪の呪術師を迎え撃つ。
  • 戦争よりも本がいい
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    こんな世の中だからこそ、読んでおきたい本がある! 愛の詩集からオナラの文化史まで、江戸の奇人から戦時の無名歌人まで、幻の名著・奇書・傑作をいっきょに紹介。一般にはほとんど知られることのなかった幻の本の数々には、時代の風に流されることなく、ひたむきに綴った著者たちの、つよくやさしい心が透けてみえてくる。
  • 芸能人の帽子 アナログTV時代のタレントと芸能記事
    4.5
    芸能人とは何だったか? 名子役出身でたちまち一世を風靡した中山千夏の「芸能人」時代。議員転身までの、疾風怒濤の60年後半~70年代を、自身が描かれた週刊誌・芸能誌をひもときつつ分析していく前代未聞の1500枚! スリリングすぎて、哀しすぎて、笑いが止まらない衝撃の書。
  • 源氏物語湖月抄(上)増注
    -
    本書は『源氏物語』の時代からますます遠ざかりゆく現代に生きているわれわれが、この第一級の古典を原文によって味読するための、唯一のしかも最高の伴侶である。読者は、この一書によって、万巻の注釈書をたよりに『源氏』を読むに等しい満足感を味わえるであろう。上巻には『源氏』の考証を行った首巻と、本文桐壷の巻から明石の巻までを、中巻には澪標の巻から柏木の巻までを、下巻には横笛の巻から夢浮橋の巻までを収載する。(講談社学術文庫)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • セッシュウ! 世界を魅了した日本人スター・早川雪洲
    3.5
    全米を代表するアイドルとなり、ブロードウェーで主役を張り、フランスで国賓待遇として映画を作り、「永遠に保存されるべき名画」の主演俳優でもある――世界を舞台に一流スターとして君臨し続けた男。日本人が知らない超有名日本人を知るため、7年を費やして完成した超大型評伝。
  • ベトナムから遠く離れて(上) 【小田実全集】
    -
    1~3巻2,200円 (税込)
    1980年代、世界初の海上埋め立て都市をもつ一港都に、異人館で高級仕立屋を営む女主人公と家族、縁者、風変りな外国人が蠢く。抱腹絶倒の過剰な性の倒錯、欲望、虚栄が渦まく中、人は何のために生きているのか? と問うようにベトナム戦争の影がつきまとう。かつて「ベトナム」は世界の中心だったがもう誰もふれようとしない。ベトナムから遠く離れた世界、人間はどこへ行くのか? ディエンビエンフー、パリ、カマウ岬、メコン河……。バブル時代と人間の悲喜劇を描いた傑作長編。
  • 評伝 永井龍男 ─芥川賞・直木賞の育ての親─
    -
    最後の鎌倉文士、名文家、名編集者、そして芥川賞・直木賞の育ての親として著名な永井龍男の日本初の本格的評伝である。その人生を詳細にたどりながら語られる昭和文壇史と作品紹介。芥川龍之介と永井家の意外な接点。菊池寛・横光利一らに文才を愛された少年時代。小林秀雄・堀辰雄・中原中也・青山二郎らとの青春の日々が、ここに甦る。講談社から刊行されている全集未収録作品も含めた永井の小説の全容を示す、最初の試みとなる。本書は、昭和文学に関して専門的な知識を持つ読者だけではなく、より一般的な文学愛好者も対象とする。学術書としての資料的価値と、読み物としての面白さ・判りやすさを兼ね備えた本格評伝である。 (※本書は2017/4/17に青山ライフ出版株式会社より発売された書籍を電子化したものです)
  • ボイジャーに伝えて
    -
    1巻2,200円 (税込)
    世界の本質を鮮やかに描いた慧眼の作家 駒沢敏器が遺した幻の長編小説が、没後10年を経てついに刊行。 世界の自然音を録音しながら音の向こうの世界を見出そうとする公平と、レコーディングスタジオで働く恭子。 セント・ギガ(実在したラジオ局)に感銘を受けて自然音を採取し録音作品を作り始めた公平は、見えない音の向こう側にある世界を見出そうと日本を旅し、沖縄にたどり着く。その旅路を見守る恭子。2人は、お互いの存在を通してそれぞれ自分自身のあり方について真摯に模索し続けていく。 世界中を巡りながら紀行文を書いてきた駒沢氏の抱えていたテーマや思想が、フィクションという形で展開された作品。 【著者】 駒沢敏器 1961年東京都生まれ。雑誌『SWITCH』の編集者を経て、作家・翻訳家に。主な著書は、小説に『人生は彼女の腹筋』(小学館)、『夜はもう明けている』(角川書店)、ノンフィクションに『語るに足る、ささやかな人生』(NHK出版/小学館文庫)、『地球を抱いて眠る』(NTT出版/小学館文庫)、『アメリカのパイを買って帰ろう』(日本経済新聞出版)、翻訳に『空から光が降りてくる』(著:ジェイ・マキナニー/講談社)、『魔空の森 ヘックスウッド』(著:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/小学館)など。2012年逝去。
  • 「㐂寿司」のすべて。――本当の江戸前鮨を食べたことがありますか?
    -
    【内容紹介】 「與兵衛鮨」の流れを汲む江戸前鮨の名店、東京・日本橋人形町「㐂寿司(きずし)」。明治の終わりに暖簾を掲げ、東京・日本橋人形町で四代にわたって続く江戸前の技、艶、粋。 マグロ、カジキ、印籠詰め、蛤、鯛、初鰹、小肌、穴子、干瓢巻き、玉子焼き――。 ノンフィクション作家が1年以上にわたって密着取材し、暦をめくるように移りゆく時季の鮨種、その仕入れと仕事、門外不出のツメづくりにいたるまでを追いかけた!鮨好きから職人までを惹き付ける細やかな描写で伝える。「江戸前鮨とは」?の答えが詰まった一冊。 【著者紹介】 [著]中原一歩 1977年、佐賀県生まれ。ノンフィクション作家。地方の鮨屋をめぐる旅鮨がライフワーク。 著書に『最後の職人 池波正太郎が愛した近藤文夫』(講談社)、『私が死んでもレシピは残る 小林カツ代伝』(文藝春秋)、『マグロの最高峰』(NHK出版新書)などがある。 2012年より、“津軽海峡”で漁船に乗ってマグロ漁の取材を続けている。 いつか遠洋漁業のマグロ船に乗り、大西洋に繰り出すことが夢。 【目次抜粋】 人形町で、もうすぐ百年。 「㐂寿司」のマグロは美しい。 カジキが呼んでいる。 鮨ツウの心をときめかせる印籠詰め。 口いっぱいに多幸が満ちるたこ。 蛤が春の訪れを告げる。 ちらしは、吹き寄せる波のように。 春の貝づくし。 最高の鯛に逢う。 ひときわ可憐な小鯛。 月も朧に白魚の。 心躍る初鰹。 鰯は梅雨間の一瞬の光。 鮑には「クロ」と幻の「マダカ」がある。 星がれいは夏の白身の王様。 かれいに縞鯵にすずき。夏の白身は綺羅星のごとく。 光り物の概念が変わる鯵。 車海老の紅白は歌舞伎の隈取のごとく。 「㐂寿司」にはハート形の海老がいる。 眩く光る。仕事が光る。新子と小肌のこと。 新いかは、儚く甘い。 江戸前鮨、穴子に極まりけり。 門外不出のツメづくりに密着。 いくらは握りも小丼も風味絶佳。 さばは、ぽってり柔らか。 干瓢は、ぶれない〆。 玉子焼きと大晦日。 「㐂寿司」の三六五日を追いかけた。
  • スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで(上)
    4.0
    1985年、スティーブ・ジョブズは自身が創立したアップルから追放される。問題行動も多く、社内を混乱に陥れたとされている。その「変人」は、なぜ96年にアップルに復帰するや、「現代を代表する経営者」、「ビジョナリー」となったのか? 講談社から発売された公認伝記『スティーブ・ジョブズ』には、詳しく語られなかった部分がある。それは、ジョブズがアップルから追放され、ピクサーとNeXTを立ち上げていた時代である。その間にどのような人間的変化があったのか。 NeXTに移ると、ジョブズへの世間からの注目度は低くなり、人材を含めたリソースも、アップルほどではなくなる。そうなると、彼はこれまで正面から向き合ってこなかった「会社経営」を学ばないといけなくなった。 新会社に移って真剣に取り組んだのがマーケティングだ。アップル時代は会社が大きかったので、こういったことは他人に任せて、自分は商品開発に打ち込んでいた。また、人心掌握にもたけるようになる。時を同じくしてローリーンと結婚したことも大きい。「人」への関心が高まっていった時代だ。 ジョブズというと、その個人の発想力、企画力、ちょっとずれると、その「変人」ぶりばかり注目されるが、本書からは意外にもその「ビジョナリー・リーダー」の姿がはっきり見えてくる。その後、アップルに戻ると世間の予想をくつがえす能力を発揮し、iPhone、iPad、iTunesといった革新的アイデアを次々と実現させていく。その姿は、80年代の「マックの美しさに固執する変人」ではなかった。 本書は、フォーチュン誌記者としてジョブズと25年以上にわたる親交を持つ著者が、折々に取材したテープ(30本以上)を再構成し、さらに公認伝記には協力しなかった人物にもアクセスして書き下ろした話題作。すでに世界20カ国以上で翻訳されている。
  • サロメの断頭台
    3.7
    1巻2,189円 (税込)
    油絵画家の井口は、泥棒に転職した蓮野を連れて、数十年前に置時計を譲ってもらった、ロデウィック氏という発明家の富豪の元へ訪れる。 芸術に造詣の深いロデウィック氏は後日、井口の絵を見るために彼のアトリエに訪れるが、立てかけてあった絵を見て、「この絵とそっくりな作品を見た憶えがある」と気が付いてーー? 未発表の絵の謎を追って、井口と蓮野が大正時代を駆け回る! 『方舟』『十戒』で話題の夕木春央、最新作!
  • 君が代は千代に八千代に
    3.5
    20世紀末に連載が開始された2作の長篇小説『日本文学盛衰史』『官能小説化』とほぼ同時期、文芸誌「文學界」に毎回短距離走のように連載された短篇小説群。 明治の作家たちを登場人物とした先の2篇とは真逆の方向で、現代日本にあふれる空虚な賑やかさと残された希望の乏しさを、そして愛と日常を、どこまでも真正面から受けとめ表現しつづける短篇小説が13篇。 『さようなら、ギャングたち』で鮮烈なデビューを飾り、『日本文学盛衰史』で作家としての評価をさらに高めた高橋源一郎の、新たなる転換点としての傑作短篇集。
  • 一万両の首  鍵屋ノ辻始末異聞
    4.0
    時は寛永、戦乱の世からわずか15年。 男たちが自らの生き様を貫けた最後の時代。 「日本三大仇討ち」の裏にあったのは ここでしか生きられなかった武士(もののふ)の矜持(プライド)。 生きるため、命はとうに棄てた男たち。 たったひとりの小姓の命から巻き起こる、 旗本8万騎vs.外様大名31万石vs.浪人(アウトロー)10万人の激突。 寛永7年。事の始まりは備前岡山藩で起きた殺人事件だった。主君の寵愛を受ける小姓を惨殺し、追われる身となった河合又五郎は江戸に逃れ、旗本・兼松又四郎に匿われる。 一方、江戸の長屋に暮らす浪人の市岡誠一郎。用心棒などで糊口を凌ぐ日々の中「腕の立つ剣客を探している」という呼びかけで、ある屋敷を訪れることになる。 河合又五郎、兼松又四郎、そして市岡誠一郎。 3人の武士がそれぞれの矜持が相まみえるとき、本当の「戦国」が終わる。 日本三代仇討ち「鍵屋ノ辻の決闘」の背景には、本物の侍がいた。 『藁の楯』『アウト&アウト』の著者が初めて挑む 「もうひとつ」の真実を描く「新・時代小説」
  • 春秋の花
    -
    妥協を許さぬ小説や批評の書き手で知られる大西巨人は幼少期より古今東西の詩文を愛好してきた。成長し老境に至るまで折りに触れ愛唱してきた断章は、柿本人麻呂、西行、正岡子規、石川啄木、与謝野晶子、斎藤茂吉、斎藤史、松尾芭蕉、西東三鬼、金子兜太、島崎藤村、三好達治、佐藤春夫、茨木のり子、森鴎外、夏目漱石、樋口一葉、有島武郎、中野重治、小林秀雄、吉本隆明、柄谷行人…と、万葉の世から現代まで幅広く、また意外性すら湛えて季節毎に丁寧に並べ置かれている。 文学を愛する者として人後に落ちない大西巨人が年月をかけ丹精して選んだ詩文の精髄がここにある。
  • 記憶書店 殺人者を待つ空間
    3.3
    1巻2,189円 (税込)
    残忍な男によって、目の前で妻と娘の命を奪われたユ・ミョンウ。犯人は捕まらず、未解決のまま15年を迎えた。犯人が古書に異常な執着を持っていることを見抜いたユ・ミョンウは、犯人をおびき出すために古書だけを扱う〈記憶書店〉を開店した。そこに現れた4人の怪しい客。「この中に犯人がいる」と確信し、調査をはじめるが……。 家族を失った怒れる男のかつてない復讐劇が、いま始まる。
  • 石の聲 完全版
    -
    芥川賞受賞後、苦しみながら構想した大長編『石の聲』。没後発表され、単行本として刊行された第一章、その後新たに見つかった第二章と第三章の一部、『石の聲』執筆の苦心と意気込みが伝わる編集者への書簡、作家になる前に綴った胸を打つエッセイ、作家からの追悼文を収録した、オリジナル決定版。
  • 故郷へ、友へ、恩師へ、 風の便り 山田風太郎書簡集
    -
    1巻2,189円 (税込)
    「サッパリ、書けん。」 悪友親友への便りに垣間見せる素顔の風太郎。 早くに両親を亡くして世話になった親戚への消息、恩師との交流。 最も気が合った高木彬光氏との合作の相談、横溝正史氏ともども家族ぐるみの付き合い。 江戸川乱歩をはじめ、角田喜久雄、鮎川哲也、中井英夫、色川武大、筒井康隆、髙峰秀子、安野光雅、横尾忠則、中島河太郎の各氏から届いた書簡、ドイツ文学者西義之氏との往復書簡もあわせて収録。 「医者より小説の方が小生の本性には合致している」 戦時中に単身上京して、軍需工場に勤めながら受験勉強を続けて医学専門学校に合格。1947年に「宝石」の短編懸賞に応募した「達磨峠の事件」が入選。50年に新制医科大学を卒業するも作家の道を選択し、忍法帖シリーズで大人気作家に。世相に対する鋭い批評から、気のおけない仲間に漏らす本音まで飾らない魅力が満載。 山田風太郎生誕一〇〇年記念
  • ラフォルグ抄
    -
    19世紀末フランスの夭折詩人ラフォルグ。象徴派が勃興する中、近代の倦怠を知的な抒情とした天才が遺した散文集『伝説的な道徳劇』は、若き日をヨーロッパで過ごした吉田健一にとって「前世か何かで自分が書いたことをそれまで忘れていた感じだった」と語らしめ、耽読して止まなかった魂の邂逅の書であった。同じく遺作の詩集『最後の詩』と共に名訳で贈る。
  • 天使よ故郷を見よ 上
    -
    フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、フォークナーらと同時代に生まれ、1929年、本書発表後、一躍アメリカ文壇の寵児となったウルフ。長身で冷蔵庫を机に立ったまま執筆した、10年で5万冊を読破した等、様々な逸話に彩られ、37歳で夭逝する。本書は主人公ユウジーンの誕生から両親との確執、兄の死、恋愛の悦びや青春の苦悩を越え成長していく孤独な魂を、詩情溢れる描写で情熱的に謳い上げた自伝的小説。
  • 銀座巡礼 夜のうたかた交友録
    -
    松本白鴎氏推薦 「銀座は木挽町への通り道だった。私がおそめやエスポワールに連れて行ってもらったのは川口松太郎先生。 人は交流しなければならない。人は交流から育っていく」 古き良き銀座で飲み、遊んだ銀座ボーイズの粋な回想録。延江浩氏による「銀座百点」の名物連載を単行本化。 高度成長期から令和にいたるまで、ホンモノの大人たちはどんな店で、どんなふうに遊んでいたのだろう。江戸の粋、東京の恰好よさを知る、この街の達人たちが極上の思い出話を開陳する。 読めば、きっと銀座の街へ足を向けたくなること、あのカウンターで一杯ひっかけたくなること必至の最高の銀座案内です。 〈登場する方々〉 佐々木忠(JUN会長)、磯野計一(明治屋相談役)、ゴーラン・三好・玲子、小林麻美(モデル、歌手)、村井邦彦(作曲家、プロデューサー)、久世朋子(元バー店主)、北島義俊(大日本印刷会長)、福澤武(三菱地所)、石﨑孟(マガジンハウス会長)、藤田元(藤田商会会長)、奥山忠(東京ニュース通信社会長)、コッペリアの静香(元バー店主)、渡辺佳英(大崎電気工業会長)、沢知美(元歌手、女優)、小坂敬(小松ストアー)
  • 〈序文〉の戦略 文学作品をめぐる攻防
    -
    文学作品が刊行されたあと非難や攻撃や異議を受けるというのは今日でも目にする光景です。学術的な論文や書籍でも、文学作品でも、盗用の疑惑をもたれたり、実際に告発されたりすることは決して稀ではありません。そういうとき、後ろめたさゆえに無言を貫く著者もいるでしょう。告発はあたらないと思いつつ、言い訳をしないのが美徳だと考えて、あえて反論しないケースもあるでしょう。その一方で、批判は間違っていると確信して反論する著者ももちろんいます。 こうした光景はめずらしくないだけに、あらかじめ弁明や正当化、謝罪や説明を表明する著者がいることにも不思議はありません。本書は「序文」に注目して、作家たちが序文でいかなる戦略を展開しているのかを紹介しつつ、個々の戦略を分類しつつ説明していきます。すでに起きているものであれ、まだ起きていないものであれ、攻撃に対する防御のために利用される戦場が序文であり、そこには文学者たちが編み出した戦略と戦術があるのです。 目次を見ていただければお分かりのように、想定されている「攻撃」は実に多種多様であり、それに応じて「防御」の戦術も多種多様です。西洋古典から近代文学に至るヨーロッパ文学に造詣が深いだけでなく、修辞理論にも通じた著者が、渉猟した膨大な作品から実例を選りすぐりました。そこで繰り広げられている作家たちの戦いの場に、本書で立ち会ってください。文学作品を読んでいる時には見過ごしてしまう巧妙なテクニックの数々を目撃し、驚愕すること、請け合いです。 [本書の内容] 第I部 序文の防御戦略を記述するさまざまな理論 第1章 伝統レトリック 第2章 メタ談話 第3章 ポリフォニー 第4章 読 者 第5章 言語行為 第6章 ポライトネス 第II部 攻撃側のさまざまな訴因 第7章 涜 神 第8章 猥 褻 第9章 剽 窃 第10章 背徳と反体制 第11章 性別や人種に関する規範に違反 第12章 有害無益 第13章 虚偽と実在指示 第14章 ジャンルの規則に違反 第15章 悪 文 第16章 不出来
  • 山河在り 全三冊合本版
    -
    戦争前夜の日本と中国、荒波を生きる青年! 25歳の華僑青年・温世航は、関東大震災で被災。失踪した仲間を追う。巨匠が描く日中近代史ーー華僑貿易商の一族として、上海に生まれ日本で育った温世航(おん・せいこう)。25歳の時、関東大震災に遭う。未曾有の天災に、緊張状態にあった日中関係も良好になるかと思われた。だが朝鮮人虐殺の報は、両国関係に再び暗い影を落とす。仲間の青年の失踪事件を追って、世航は旅立つ。日中十五年戦争前夜を描く大河小説!  『山河在り(上)』『山河在り(中)』『山河在り(下)』全3冊合本版
  • 甦る昭和脇役名画館
    4.0
    東映ヤクザ映画、日活ロマンポルノ、新東宝怪奇映画……、3000本以上のプログラム・ピクチャーから厳選36本! あの懐かしの個性派俳優たちが帰って来た! ◎プログラム・ピクチャーにおいては、主役は代われど、脇役陣は常に同じである。一例をあげると、悪親分役の脇役は、多少のバリエーションを伴いつつ、ほとんど同じ役を演じ続ける。その結果、劇中の様々なキャラクターが俳優その人のパーソナリティーに重なって、一種独特の人格が形成されることになる。 ◎それはいってみれば、モンタージュ写真のようなもので、劇中のそれぞれのキャラクターとも、俳優の素顔とも異なる第三の人格である。 ◎私は、脇役特有のこの第三人格の形成にとりわけ興味をもった。というのも、これこそは、映画の製作側と受容者側とのコラボレーションによって初めて生まれる、文字通りのインタラクティブ(相互干渉)芸術にほかならないからである。――<「開館の辞」より>
  • 霧のむこうのふしぎな町 地下室からのふしぎな旅 天井うらのふしぎな友だち 復刻合本版
    4.8
    大切に持っていたい、そして、大切な人に贈りたい特別な1冊です。根強い人気のタケカワこう氏の挿絵を再録した、柏葉幸子「ふしぎな」物語3部作の愛蔵版です。●「霧のむこうのふしぎな町」夏休み、電車をのりつぎ一人旅に出たリナ。おとうさんのいった「霧の谷」はどこ? 森の中で泣きそうになっていると、霧の中から風変わりなかわいい町があらわれて--。めちゃくちゃ通りに住んでいる、へんてこりんでやさしい人たちと、リナのひと夏の物語。映画『千と千尋の神隠し』にも影響を与えた物語。はじめてのファンタジーにもおすすめ。●「地下室からのふしぎな旅」アカネが薬をもらいにきたチィおばさんの薬局の地下室に、ふしぎなお客さんが。「木の芽時の国」の錬金術師だというその人につれられて、アカネとチィおばさんは、となりの世界へーー。さあ、ふしぎな旅のはじまりです! 映画『バースデー・ワンダーランド』原作。●「天井うらのふしぎな友だち」紅と了が引っ越してきたのは、日だまり村の古い大きな家。その夜、二人はふしぎな四人組に出会います。メリィさんとゴフジョとジュピとユリアンは、自分たちの部屋を作って、勝手に住みついてしまいーー。<小学中級から すべての漢字にふりがなつき>
  • 伊藤博文 近代日本を創った男
    4.5
    初代総理大臣として内閣制度を創設し、みずから中心となって大日本帝国憲法を制定しながら、木戸孝允や岩倉具視らの間をたくみに世渡りして出世した「軽佻浮薄」な人物、あるいは、旧憲法によって民主化の道を狭め、韓国では民族運動を弾圧した権力者、といったイメージで語られてきた伊藤博文。日本近代政治史の第一人者である著者が、歴史学の最新成果をふまえて、伊藤の全生涯と「剛凌強直」たる真の姿を描き切る、決定版評伝。(講談社学術文庫)
  • アンノウン・アルヴ ―禁断の妖精たち―
    -
    『アルヴ・レズル―機械仕掛けの妖精たち―』に待望の続編登場!30万人の魂が消失した大災害ER(アーリー・ラプチャー)より2年。平凡な大学生活を送っていた御影詩希の前に、ERの黒幕といわれる謎の組織・国際携挙教会が姿を現す。再び大災害を起こそうとする彼らの野望を潰すため、詩希は兄・礼望、友人のアルヴとともに世界で戦う!
  • 控えよ小十郎
    NEW
    -
    歴史小説界、最注目の逸材、 3年半ぶりの新作! 戦国屈指の「懐刀」には、 誰にも言えない夢があった――。 片倉小十郎景綱が伊達政宗を支え続けた、 その理由とは? 秀吉の逆鱗に触れ、家康には妬まれる。 「天下人」たちに恐れられた奥羽の王、政宗。 秀吉から家臣にと乞われ、家康にも求められた、奥羽随一の智将、小十郎。 なぜ、ふたりは離れなかった? 身分の差をのりこえて、己の持つ智と力、すべてを政宗に捧げた男が、最後に辿りついた境地とは。 「歴史」を知っているからこそ、 この物語は、胸にしみる――。
  • 走れ、若き五右衛門
    -
    遠江に生まれた虎太は母親・右(ゆう)に女手一つで育てられていた。『論語』や『孟子』、算術や刀槍の使い方まで教え込む厳しい母だった。ところが15歳のときに転機が訪れる。家の近所で戦ごっこをしていたところを人攫いに遭ってしまうのだ。同じ境涯の少年たちと西へ向かって連行されていく虎太。人攫いの男たちは京阪から来た盗賊のようだ。天竜川や木曽川の難所を越えて盗賊の本拠にたどり着くと、人買いに売られるのではなく命を懸けた訓練が始まった。どうやら盗賊に育て上げられるらしい。虎太は母・右に鍛えられた勉学や身体能力によってめきめきと頭角を現していった……。
  • ブラックペアンシリーズ【全3冊合本版】
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    「神の手」か「新兵器」か。天才と凡人、技術と最新機器。医師たちの戦いを描き、海堂尊「桜宮サーガ」の原点となるシリーズ3作合本版(『ブラックペアン1988』『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』)。
  • 妻の温泉
    -
    家業の理髪店で理髪師として出発し、石田波郷門下で句作の道へ。その後、横光利一に師事して小説を書き始め、55年に本書が直木賞候補作となる。選考会では小島政二郎から「ホンモノのリズムが打っている」と絶賛されるが、他の選考委員から「エッセイではないか」「自然すぎる」と批判され、落選。しかしその文章が放つ独特なユーモアと哀感が多くの読者を魅了しつづけ、「名文家」として根強いファンを持つ。「氏の筆の巧妙な幻術に引っかかって(中略)一々事実であると鵜呑みにしないよう」(山本健吉「跋」)ご用心のうえ、この「不世出の作家」が編み出す小説の醍醐味をご堪能あれ。
  • 悪魔の審判
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    ミステリー界「無冠の帝王」が放つサイコサスペンス 闇を葬るために、闇になれ。我が身を顧みず人を守る男がここにいる。 カニバリズム、白骨化死体、議員自殺、カルト宗教団体・・・止まらぬ最悪事件の連鎖。自らを悪魔に貶める男と悪魔に縛られる者たち、最後の闘い。腐敗隠蔽止まぬ大組織と、孤立無縁の「特殊犯罪捜査室」。この「悪魔」は事件に引き寄せられるのか、自ら事件を呼ぶのか? 誰かの苦しみを共に苦しむことは、人間が人間であるからこそ生み出されてしまう悲劇であると同時に、希望にもなり得る。 これまでとこれから繋ぐシリーズ最大の転換点の作品。悲劇と希望と戦いはどのような決着を見せるのか?ーライター吉田大助
  • ドグラ・マグラの世界/夢野久作 迷宮の住人
    5.0
    巻頭に置かれるのは、夢野久作が読書界から顧みられることのほとんどなかった1962年に鶴見俊輔が雑誌「思想の科学」に発表した「ドグラ・マグラの世界」である。この評論により、日本の戦後期には忘れられた存在となっていた夢野久作は「再発見」される。 「ドグラ・マグラの世界」の発表がきっかけとなり、鶴見と夢野久作の長男である杉山龍丸の交流が生ずる。やがて杉山龍丸の著書や杉山が編纂した夢野久作の日記などを資料としてじゅうぶんに咀嚼したうえで、鶴見は夢野久作論『夢野久作 迷宮の住人』が書き下ろされる 夢野久作について少年期の鶴見俊輔が出会った夢野久作の『犬神博士』の紹介から、『夢野久作 迷宮の住人』の第一部は始まる。そして『氷の涯』という日本軍のシベリア出兵をモチーフにした作品、さらに異色の長篇推理小説『ドグラ・マグラ』へ。そして、これらの作品が昭和初期の読者にどのように受けとめられたのかと問いが生まれる。 第二部では作家夢野久作の本名である杉山泰道の側からその生涯が辿られる。泰道の伝記的事実の多くは、さらにその長男杉山龍丸の著書によるが、伝記的事実と時代背景を結びつけて読み解くことで、より作品世界に深くわけ入ることができる。 第三部では、夢野作品受容の変遷が綴られる。江戸川乱歩ほか同時代の探偵作家たちにはやはり異形のものとして解されている。しかし年少の読者だった福永武彦や中井英夫たちには強烈な印象が残っていた。敗戦後、占領期に夢野久作が思いおこされることはなかったが、1960年を境にふたたび関心が寄せられるようになり、作品研究・分析が進む。そこで見えてきたものは、中央から遠い地方で、土地の日常言語を駆使して人間の根本問題に迫る、きわめて独創的な作家の姿であった。 本書により、夢野久作というきわめて独自性に満ちた作家に多角的に光が当てられ、読者にとってもそのイメージが鮮明となることが期待される。
  • 凜の人 井上準之助
    3.0
    命を賭して昭和軍閥に抗した国際派群像!――「外を救い、内を共に救う唯一の途」を求めて、浜口首相の両輪となった「弊原外交」と「井上財政」――昭和動乱の夜明けを彩った悲劇と栄光がここに甦る。 【金解禁】それは「バブル経済」を収束し、「国際化」を推進する乾坤一擲の方策だった。――金解禁を断行。日本の国際化へ道を拓く。首相・浜口雄幸、外相・幣原喜重郎、蔵相・井上準之助。この三者の指導のもとに、日本は国際化への道を歩むかに見えた。が、昭和軍閥の抬頭が日本の歴史を暗転させた。いまこそ歴史の教訓を活かすとき!
  • ゴッホの犬と耳とひまわり
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    古いフランス製の家計簿に書きこまれた膨大な文書を翻訳してほしい、と文化人類学者河島からの依頼。最後にVincent van Goghと署名があって、ゴッホ直筆かもしれない。しかも署名付き家計簿は二冊存在するという。贋作ならば、なぜ複数必要だったのか。ぼくは翻訳を進めるいっぽう、家計簿の来歴を追った。だが、謎は深まるばかりだった。
  • 根津権現前より 藤澤清造随筆集
    4.5
    昭和7年1月、芝公園内で窮死した私小説作家・藤澤清造。その35年後に生まれた西村賢太はみずから「没後の弟子」を名乗り、作品の文学的価値を説き、顕彰に努めた。師の人生をなぞるかのように急逝する直前まで、手ずから諸雑誌を収集し、なめるように編集配列に意を用いつづけた随筆の数々。本書は時空を超えた「魂の感応」の産物というにふさわしい。
  • 戒厳
    5.0
    1巻2,090円 (税込)
    ソウルの大学への就職話というのもそれほど悪いものではないかもしれない。なにしろ自分はこの2年というもの、横文字ばかり読んできて、すっかり頭が欧米向きになってしまった。フランス語も英語も存在しない、この不思議な文字の連なりからなる国に足を向けるというのも、考えようによっては面白いに違いない。焼肉もキムチも好きだ。焼肉は食べ放題だっていうではないか。きっとこれは真の意味で冒険となるだろう。何しろまったく予備知識のない社会に、白紙同然の状態で行こうとするのだからな。となれば、ぐずぐずはしていられない。今すぐパスポートを申請し、ヴィザの発給を受け、この文字に少しでも親しんでおくことだ。わたしはそう決意した。わたしはパスポートを受け取ると、その足で南麻布にある大韓民国大使館に向かった。  1970年代に日本人が韓国を訪問するには、理由と期間の如何を問わず、ヴィザの発給を受ける必要があった。とりわけわたしの場合には、観光や就学のヴィザではない。一年間を外国人教師として過ごすには労働ヴィザを取得しておかねばならない。それは極めて稀なことだったのである。…… 「ところで皆さん、韓国に行ったことはありますか。」宴会のなかで梁さんの発したひと言が「わたし」の運命を大きく変えた。20代前半の「わたし」は日本語教師として、ソウルの大学に赴任し、そこで朴正煕大統領暗殺、戒厳令の施行に遭遇する。『ソウルの風景』(岩波新書)の著者による渾身作。
  • 憂国の文学者たちに 60年安保・全共闘論集
    -
    冒頭に置かれた「死の国の世代へ」は「闘争開始宣言」という副題を持つ詩である。そこでは誰の保護も受けずに生きた個人のイメージが描かれる。 60年安保闘争での敗北を経て書かれた「擬制の終焉」では社会党や共産党などの党派的な左翼運動や市民・民主主義的な啓蒙主義を完全に否定し、真の前衛運動ないし市民運動の成長に期待を寄せた。 1969年、東大安田講堂に籠もった学生が警察力によって排除された直後に書かれた「収拾の論理」において、丸山真男に代表される大学の知識人の欺瞞を批判し、徹底的に論争を続ける旨宣言して結ばれる。 日本がバブル景気で沸き立っていた1988年に書かれた「七〇年代のアメリカまで」では、その後の東西冷戦終結でアメリカ合衆国が唯一の超大国となる……というあまりに単純化された物言いとまったく異なるアメリカへの視線が浮かび上がっている。 本書に収録された13篇がモチーフとするのは60年安保闘争や全共闘運動といった過去の出来事だが、むしろ執筆当時の文脈から切り離されて現代において読まれてこそ、個人と権力の関係をより切実に感ずることができ、その真価を発揮するものと思われる。
  • 初期植物シリーズ 全3冊合本版
    -
    二枚目だが色事に疎い旦那、彼に出会い恋を知った女房。 江戸の花師夫婦のさざ波を、やわらかく凛々しく描いた「職人小説」。 花競(はなくら)べ――最も優れた名花名木に与えられる称号・玄妙を目指し、江戸中の花師が育種の技を競い合う三年に一度の“祭”。恩ある人に懇願されて出品した「なずな屋」の新次は、そこでかつて共に修業した理世と再会する。江戸市井の春夏秋冬をいきいきと描く傑作「職人小説」。 『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』『ちゃんちゃら』『すかたん』3冊合本版。
  • 源頼朝 全3巻合本版
    -
    平氏一門の横暴に抗して立った源氏最後の反乱は失敗に終わる。平治の乱に初陣した十三歳の頼朝は、落武者となって吹雪の近江路をさまよう。父義朝は非業の死、兄の義平も捕われて斬られた。源氏一統の血を残らず絶やし、後顧の憂いを除かんとする平清盛の断は、むろん斬首。だが池禅尼の涙の嘆願で命を救われた頼朝は、伊豆に流され仏道三昧の日々に身をやつして再起の時を待つ。平家の権勢の下、二十一年の苦渋にみちた歳月ののち、ついに決起の時は来た。
  • 與謝蕪村
    -
    1巻2,090円 (税込)
    俳諧の目で絵画を観る、絵画の心で俳諧を読む。古今独歩の蕪村芸術を、創造性豊かな視点から説きあかす、著者初の蕪村論集。――画俳両面から初めて論じた、巨星・蕪村の真髄。蕪村名画「夜色楼台図」と三好達治の詩「雪」(太郎を眠らせ~)の交叉を示し、興趣つきない「蕪村の画と俳意」など、斬新な視点から精緻に分析し、縦横に展開する、鑑賞と評論。
  • 仮往生伝試文
    3.8
    寺の厠でとつぜん無常を悟りそのまま出奔した僧、初めての賭博で稼いだ金で遁世を果たした宮仕えの俗人―平安の極楽往生譚を生きた古人の日常から、中山競馬場へ、人間の営みは時空の切れ目なくつながっていく。生と死、虚と実、古(いにしえ)と現代(いま)。古典世界と現在の日常が、類い稀な文学言語の相を自在に往来し、日本文学の可動域を、限りなく押しひろげた文学史上の傑作。読売文学賞受賞。
  • ガンダーラ 大唐西域記の旅
    -
    1~2巻2,090~3,036円 (税込)
    大乘佛教のふるさと・ガンダーラ……奈良薬師寺の高田好胤管長とともに辿る玄奘三蔵求法(ぐほう)の道――空に飛ぶ鳥もなく地に走る獣もいない、ただ白骨を道標とする熱砂のタクラマカン砂漠を渡り、氷雪に閉ざされたパミールを越えて、佛道の正法をインドに求めた玄奘三蔵の、前後18年、3万キロの旅の記録「大唐西域記」に導かれ、玄奘三蔵の御頂骨を抱いて感動の旅は続く。
  • 海獣・呼ぶ植物・夢の死体  初期幻視小説集
    5.0
    痛みと不遇が憧憬を輝かせた。 二十五歳でデビュー後、十年間本は出ず、八〇年代の片隅風呂なし四畳半送金あり、痛みと希死念慮をかかえた独居の歳月。 不屈の思考と憧憬で紡いだ、幻の初期作品群。 現在から過去を振り返る書下ろし「記憶カメラ」併録。 〈収録作品〉 海獣 柘榴の底 呼ぶ植物 夢の死体 背中の穴 記憶カメラ(書下ろし)
  • 砂粒の私記
    -
    1巻2,090円 (税込)
    文学の旅人・秋山駿、珠玉の評論――1945年の敗戦は、大人たちの敗戦。そのとき、少年は思索の輝ける荒野へ旅立った! 互いに聴(ゆる)すことないまま、別れを告げにきた前衛党の友、語り尽くして尚、竭(つ)きることのなかった文学の友、ウィスキーの滴りの、眩惑を誘った町よ。一人の文学者の青春と思惟の風景。
  • 会いに行って 静流藤娘紀行
    5.0
    1巻2,090円 (税込)
    師匠は私を作家にしてくれた 二度目に会った時はお骨になっていた 苦節の十年、彼はずっと後ろに「いて」くれた 私淑する宇宙的私小説作家・藤枝静男。その深淵を新エピソードとともに読み解く。 他の誰にも書けない、敬慕の情に満ちた「師匠説」。 師匠!師匠! 戦争、拷問、結核を超え キリストもマルクスも彼は信じない 仏像を床の間に置き天皇を叱る 一日に四百人の眼球を診察し 茶碗が空を飛ぶ私小説を書いた
  • 掌篇歳時記 秋冬
    3.6
    綿柎開(わたのはなしべひらく)、水始涸(みずはじめてかるる)、朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)――。季節を表す言葉を鍵に、物語は膨らんでゆく。十二人の作家の想像力で、旧暦「二十四節気七十二候」が現代の物語に生まれ変わった。六世紀ごろに大陸から伝わり、改暦を重ねながら明治の初めまで用いられてきた旧暦。そこには春夏秋冬の四季に留まらない、さらにこまやかな季節が織り込まれている。大暑や立秋、大寒といった季節の節目を表す二十四節気と、「地始凍」「熊蟄穴」など、動植物や空模様がそのまま季節の呼び名に採り入れられている七十二候。古来伝わる“季節の名前”が現代の作家たちを刺激し、味わい豊かな掌篇に結晶した。<旧暦の魅力を知る解説つき>」*電子版には筒井康隆「蒙霧升降」は収録されていません。西村賢太「乃東枯」重松清「鷹乃学習」町田康「大雨時行」長野まゆみ「綿柎開」柴崎友香「玄鳥去」山下澄人「水始涸」川上弘美「蟋蟀在戸」藤野千夜「霎時施」松浦寿輝「地始凍」柳 美里「朔風払葉」堀江敏幸「熊蟄穴」白井明大「輪のようにめぐる季節のさなかで 二十四節気七十二候について」
  • 掌篇歳時記 春夏
    3.3
    麋角解(さわしかのつのおつる)、東風解凍(とうふうこおりをとく)、桃始笑(ももはじめてわらう)――あまりにも美しい、四季を彩る"季節の名前"。古来伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)七十二候(しちじゅうにこう)」に導かれ、手練れの十二人がつむぐ匂やかな小説集。
  • 山海記
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    東北の大震災後、水辺の災害の歴史と土地の記憶を辿る旅を続ける彼は、その締めくくりとすべく、大震災と同じ年に台風12号による記録的な豪雨に襲われた紀伊半島に向かった。バスの車窓から見える土砂災害の傷跡を眺める彼の胸中には、クラシック好きで自死した友・唐谷のことなど、さまざまな思いが去来する。現代日本における私小説の名手が、地誌と人びとの営みを見つめて紡ぐ、人生後半のたしかで静謐な姿。
  • 「心霊科学捜査官」シリーズ 3冊合本版
    -
    SF界の鬼才・柴田勝家の名物シリーズがお得な合本版に!地下アイドルが歌うと人が死ぬ……!? 呪いのCDを"心霊"科学で解き明かした『ゴーストケース 心霊科学捜査官』。出演者が次々にバラバラ死体で発見される因縁の映画を一刀両断にする『デッドマンズショウ 心霊科学捜査官』。女子校で流行する心霊ゲームアプリが思わぬ呪術に結びつき、その奥の黒幕へと導く『ファントムレイヤー 心霊科学捜査官』。
  • 今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇
    3.7
    1巻2,090円 (税込)
    文学史そのものを小説にする「日本文学盛衰史」の次なるテーマは「戦後文学」。誰にも読まれなくなった難物を、ロックンロールやパンク、ラップにのせ、ブログやtwitter、YouTubeまで使って揉みほぐす。そんなある日、タカハシさんは「戦災」に遭う……。
  • 海舟余波 わが読史余滴
    -
    鳥羽・伏見の戦で「朝敵」の汚名をこうむったことで、天朝への恭順の意を固めた徳川最後の将軍・慶喜の代ににわかに幕府の全権を担い、誰一人理解者のいないまま江戸城無血開城、幕府消滅まで戦意を秘めつつ「鎮静」を貫き、見事火消し役を務めた勝海舟。新政府での立身を福沢諭吉に批判されながらも国家安寧を支え続けた、維新の陰の立役者の真の姿を描き出した渾身の力作評論。
  • 元禄六花撰
    -
    元禄の末期は地震に襲われ、宝永と改元され、将軍綱吉が没します。メディア、バブル経済、セックスとカネ……。この時代の諸相と現代とには、おそろしいくらいの共通性が読み取れます。本書は元禄の諸記録に分け入り、まさに終わろうとする平成と時空を往還しながら、いまなお日本人の心性の根底にあるものをあぶり出します。読み出したらやめられない六篇です。
  • 鳥獣戯画
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    人間が考えることなど動物は何もかもお見通しなのだ。二十八年間の会社員生活を終え自由の身となった小説家。並外れた美貌を持ちながら結婚に破れた女優。「鳥獣戯画」を今に伝える名刹を興した高僧。父親になる三十歳の私。恋をする十七歳の私。語りの力で、何者にもなりえ、何処へでも行ける。小説の可能性を極限まで追い求める、最大級の野心作。
  • 永田鉄山軍事戦略論集
    5.0
    「彼が生きていれば、太平洋戦争は起こらなかった」――近年再評価が進む、帝国陸軍の至宝・永田鉄山(1884-1935)。これまであまり世に出てこなかった永田自身の文書や発言録から、戦間期に残した論考6編を収録。その冷静かつ合理的な分析が訴える、あるべき国家の姿とは? 詳細な解説を加え、昭和の大日本帝国を支えた理論・思想の背骨を明らかにしてゆく。
  • 乱歩と正史 人はなぜ死の夢を見るのか
    -
    我々の現代性の黎明期、日中戦争の前/日米戦争の後、江戸川乱歩と横溝正史――二人は探偵小説の夢を創造する。個人の日常生活を成立させるリアリズムの場に深い〈穴〉があき、あるいはリアリズムの〈場〉が〈死者〉の声に触れて崩れるとき、人間に関わる真実が独特の顔をして垣間見えることがある。だが、この真実を表象する手段は限られている。乱歩と正史はこの真実を寓喩――殺人とその不可能図形によって描き出す。
  • ゲーム3部作 合本版
    -
    『囲碁殺人事件』囲碁タイトル戦・第七期棋幽戦第二局二日目、"碁の鬼"槇野九段が、近くの滝で首無し屍体で発見された。『将棋殺人事件』 静岡で大地震が発生、土砂崩れの中から二つの屍体が発見される。屍体と怪談との類似点に注目、調査を始めた天才少年棋士・牧場智久が到達する驚愕の真相とは?『トランプ殺人事件』洋館で行われたトランプゲームの最高峰コントラクト・ブリッジの最中、女性が鍵のかかった部屋から消失……
  • 化身の哭く森
    3.6
    1巻2,090円 (税込)
    7年前に消息を絶った祖父の痕跡を探すため、「入らずの山」と呼ばれる地に入った大学生・春日優斗と友人たち。下山後、ほどなくして彼らは次々と死を遂げる。さらには祖父と繋がりのあった探偵も6年前に31歳の若さで亡くなっていた。禁断の地に関わる者たちに訪れる非業の死。これは祟りかそれとも……。広島と東京で起きる死の連鎖に、元刑事の探偵・槙野康平と「鉄仮面」と呼ばれる警視庁捜査一課の刑事・東條有紀が迫る。
  • 杜甫全詩訳注(一)
    -
    1~4巻2,090~3,190円 (税込)
    中国盛唐期を生きた杜甫。「詩聖」と仰がれ、「詩仙」李白とともに中国文学史上最高と称される詩人は、中国のみならず日本や周辺諸国の文化に大きな影響を与え続けている。日本を代表する漢文学研究者による、最新の研究成果をふまえた平易な現代語訳に語釈を添える完全書き下ろし杜甫詩全訳注。本巻は、杜甫の青年期から安史の乱にかけての作品を収録。
  • 「死」を前に書く、ということ 「生」の日ばかり
    -
    1巻2,090円 (税込)
    日々の暮らしの中で「生」の現実とのかかわりを通じて、人間存在の内奥を探り、ただ純粋に考えてきた言葉で綴られた、ライフワーク長編エッセイ。本書のタイトルにある『「生」の日ばかり』とは、「生」の器を傾けて、日に一滴、二滴の、生の雫を汲むことからつけたもの。日々の探求を綴ったノートのタイトルでもある。2010年10月31日から2013年2月15日の絶筆までを収録。巻末に富岡幸一郎氏による解説を付す。
  • ノルゲ Norge
    5.0
    染色家の妻の留学に同行し、作家はノルウェーに一年間滞在した。光り輝く束の間の夏、暗雲垂れ込める太陽のない冬、歓喜とともに訪れる春。まっさらな心で出会った異郷の人々との触れ合いを縦糸に、北欧の四季、文学、芸術を横糸に、六年の歳月をかけて織り上げられた精神の恢復と再生のタペストリー。野間文芸賞受賞作。
  • アメリカ人禅僧、日本社会の構造に分け入る 13人との対話
    -
    ミラー和空さんは、オリンパス元社長マイケル・ウッドフォード氏が告発した「オリンパス不正疑惑事件」が表面化した際に重要な役割を果たしたアメリカ人僧侶です。自分の気づいたもののなかには、すばらしい強さと、どうしようもない弱さがあって、むしろそのどちらにも日本人は関心がいないのではないか。思い立ったが吉日、ミラーさんは「この人は」と思った人に次々に会いに行き、疑問を率直にぶつけていきます。
  • あまりに野蛮な (上)
    3.7
    1~2巻2,090円 (税込)
    渾身の純文学長篇小説。台湾に暮らした日本女性の愛の手紙・日記。70年の時を経て甦る2人の女性の愛の人生。――女は思わず、海を振り返る。海に戻りたい。女は陸の世界におびえ、つぶやく。わたしは死なない。わたしは生きつづける。
  • 法月綸太郎ミステリー塾 海外編 複雑な殺人芸術
    -
    1巻2,090円 (税込)
    海外ミステリーへの比類なき愛とクリティーク明晰な論理で語られた、至高の評論集●ミステリー通になるための100冊(海外編)●作家(オーサー)、脚本家(ライター)、編集者(エディター)、探偵(スルース)――(『犯罪カレンダー』エラリー・クイーン)●この人を見よ(『魔法』クリストファー・プリースト)●密室――クイーンの場合ほか
  • 法月綸太郎ミステリー塾 日本編 名探偵はなぜ時代から逃れられないのか
    3.0
    1巻2,090円 (税込)
    戦後から現在までの日本ミステリーを縦横無尽明晰な論理で語られた、至高の評論集●挑発する皮膚――島田荘司論●日付は亡霊である(『鏡の中は日曜日』殊能将之)●誘拐という名のゲーム(『さらわれたい女』歌野晶午)●誘拐ミステリ三番勝負!ほか
  • 昭和遣唐使3000人の旅
    3.0
    1巻2,090円 (税込)
    中島梓氏ら青年作家たちが描く中国見聞録。1984年9月24日~10月8日に行なわれた日中青年有好交流に参加した青年作家たちの中国見聞録。エッセイ、写真、座談会、漫画などで綴るバラエティ・ブック。
  • ヤマネコ・ドーム
    3.7
    1巻2,090円 (税込)
    アメリカ兵と日本人女性との間に生まれたミッチとカズは、ママに引き取られて暮らすことに。また、ママのいとこの子であるヨン子とも幼馴染みであった。ある日、オレンジ色のスカートをはいたミキちゃんという子が池で溺死する事件が起こる。彼らは成長し、それぞれの人生を歩み始めるが、数年に一度、オレンジ色の衣服を身につけた若い女性が殺害される事件が起こり、彼らは過去の記憶に苛まれるのだった……。
  • ブラジャーで天下をとった男――ワコール創業者 塚本幸一
    4.0
    【内容紹介】 インパール作戦の生き残りが選んだ次の武器、それは女性下着だった! 太平洋戦争は多くの悲劇を生み出したが、数ある激戦の中でもとりわけ悲惨なものとして知られるのがインパール作戦だ。世界有数の女性下着メーカーとして知られるワコールの創業者、塚本幸一は、この作戦の生き残りであり、多くの戦友を失った心の傷は生涯消えなかった。 かつてこの国は、今とは比較にならない男尊女卑の国であった。男が産まれると喜び、女が生まれると露骨なほど落胆を見せた。家長はもちろん、国を支えるのは男であり、女はそのしもべのような扱いを受けた。だがこの国を破滅させたのは、国を支えるはずの男だったのだ。 銃後を守る女性たちに「贅沢(ぜいたく)は敵だ!」と忍耐を求め、頭にパーマなどかけようものなら「非国民!」とののしった。「産めよ増やせよ」と子作りを励行し、その子どもたちを次々に戦場へと駆り立てては、物言わぬ白木の箱に入れて帰した。その果てが無残な敗戦である。 (真の平和とは、女性の美しくありたいと願う気持ちが自然と叶えられる社会であるはずだ) そう確信した彼は、女性のために女性とともに、ビジネスの世界で再び戦いを挑んでいった。 磁力のような人間的魅力で優秀な仲間や“伝説の女傑(じょけつ)”たちを集めると、ライバルを蹴散らし、日本に上陸したアメリカ企業を手玉に取り、成長の糧(かて)にしていった。わが国最強の商人集団である近江商人の血を引く彼は、失った命を力に変えて、ビジネスという戦場で思う存分暴れまくったのだ。 そして彼の活躍の場は、業界の垣根をも越えていった。父のように慕った“経営の神様”松下(まつした)幸之助(こうのすけ)と政治の世界にもの申し、弟分であった京セラの稲盛(いなもり)和夫(かずお)と力を合わせて京都を盛り上げ、盟友であるサントリーの佐治(さじ)敬三(けいぞう)とともに、新たな文化を築き上げた企業こそが尊敬に値するのだと怪気炎を上げ、重厚長大企業が幅をきかせる財界に下克上を挑んでいった。 熱い、どこまでも熱い。そんな熱い男のベンチャースピリット溢れる豪快華麗な生涯を描きだす大型評伝、ここに誕生! 【著者紹介】 [著]北 康利(きた・やすとし) 昭和35年12月24日、愛知県名古屋市生まれ。富士銀行入行。資産証券化の専門家として富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末にみずほ証券退職、本格的に作家活動に入る。著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞)『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』(以上講談社)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』『小林一三 時代の十歩先が見えた男』『稲盛和夫伝 利他の心を永(と)久(わ)に』(以上PHP研究所)、『陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『胆斗の人 太田垣士郎 黒(クロ)四(ヨン)で龍になった男』(文藝春秋)、『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』(KADOKAWA)、『本多静六 若者よ、人生に投資せよ』(実業之日本社)などがある。 【目次抜粋】 プロローグ 第一章 復員兵ベンチャー起業家 第二章 男の戦争、男の敗戦 第三章 ブラジャーでビルを建てた近江商人 第四章 相互信頼の経営 第五章 アメリカに商売を教えてやる! エピローグ 霊山観音 あとがき 塚本幸一関連年譜 主要参考文献
  • 兵士たちの連合赤軍〈改訂増補版〉
    4.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ★「高い資料的価値があり、“面白い” 本である! 」 (椎野礼仁) 「『兵士たちの連合赤軍』を読むための基礎知識」と「連合赤軍当事者のその後」を増補。 ★「僕にとってこの本はまさに教科書だった! 」 (鈴木邦男) 「若者たちが何故あそこまで思いつめ、突っ走り、自滅していったのか。その謎を解き明かしてくれる本として永久に残るであろう。」 ★連合赤軍事件を描く連載漫画『レッド』(山本直樹・「イブニング」講談社・連載中、単行本既刊8 巻)のモデルといわれれ、注目される植垣康博の自伝的記録。自ら殺害に加担した苦しい体験を赤裸々に語り続ける人物としても知られ、最近は「ひかりの輪」の上祐史浩とともに活動中。
  • 箱根の坂 全3冊合本版
    4.8
    応仁ノ乱で荒れる京都、室町幕府の官吏、伊勢氏一門の末席に、伊勢新九郎、後の北条早雲がいた。家伝の鞍作りに明け暮れる、毒にも薬にもならぬ人間で生涯をことなく送るのが望み、と考えていた。だが、妹分の美しい娘、千萱の出現が、彼の今までの生き方を激変させる契機となり覇者への道を歩み出した……。 北条早雲の生涯を描いた傑作長編。全3冊セットで登場!
  • ミステリーツアー
    NEW
    3.0
    新進気鋭の小説家5名による豪華なミステリガイド! 謎多き旅へあなたを誘う1冊が必ず見つかる! ミステリーのことはよくわからない、でも知りたい。そんなあなたに! 5人の小説家が刺激的な「謎」の世界をわかりやすく紹介! ・青崎有吾 ・阿津川辰海 ・伊吹亜門 ・似鳥鶏 ・真下みこと 1回2分で読める全75回のミステリー書評! 会員制読書クラブMRC(メフィストリーダーズクラブ)で好評の書評連載がついに書籍化。
  • なれのはて
    4.4
    一枚の不思議な「絵」の謎を追い、令和から昭和、大正へ。 日本最後の空襲といわれる秋田・土崎空襲。 戦争が引き起こした家族の亀裂は、現代を生きる人びとにも影を落としていた。 ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。 1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。 芸術が招いた、意図しない悲劇。 暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。 長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。 戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。 「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」
  • ハイスクール・ブッキッシュライフ
    5.0
    1巻2,035円 (税込)
    カフカ、ニーチェ、ランボー、プルースト――「密かな悪徳」としての読書を愉しむ、ちょっとディープな世界文学案内。 30年前の高校生を魅了した名作15篇を再読。知的興奮あふれる文学エッセイ! ● 読み返すというのは、奇妙な体験である。わたしは高校生であったころから、すでに三十年以上も馬齢を重ねてしまった。ある書物に最初に出会ったときの驚きと同じものを、現在なお求めようとするのは困難かもしれない。その代わりにわたしには、高校生のときに見過ごしていた細部を、より丁寧に、またより広い文脈のもとで理解し直すことができるのではないかという期待がある。(「はじめに」より)
  • 新装版 銀河鉄道の夜
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 少年ジョバンニは、親友カンパネルラに誘われて《銀河のお祭り》へ。偶然、銀河鉄道に乗ることになった少年たちの行方は、運命は? 藤城清治の影絵によって鮮やかに浮かび上がる、宮沢賢治の名作『銀河鉄道の旅』。刊行40年を記念して新装版で登場。40年前のフィルム画像をデジタル技術で美しくし、ページ増によりひとつひとつの影絵をゆったりと堪能できるようにしました。また、物語世界が伝わりやすい横長の判型にレイアウトを変更。巻末には新装版に寄せた、著者による後書きも掲載。新たな定番となる一冊です。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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