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一枚の不思議な「絵」の謎を追い、令和から昭和、大正へ。
日本最後の空襲といわれる秋田・土崎空襲。
戦争が引き起こした家族の亀裂は、現代を生きる人びとにも影を落としていた。
ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。
1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。
芸術が招いた、意図しない悲劇。
暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。
長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。
戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。
「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」
Posted by ブクログ 2024年04月18日
ページ数もさることながら、内容も読み応えがありました。
序盤、なかなか登場人物と時代背景をインプットできず進まなかったけど、中盤あたりから一気に物語が動いていき……いやぁ面白かった。
そして、読んでいくうちに著者が”アイドル”加藤シゲアキってことを忘れている。
”作家”加藤シゲアキで...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月18日
これは参りました。う〜ん…とにかくすごい。年若きタレント作家で、少なからずみくびっておりましたこと、まことに恥ずかしい限りです。だって、この筆力たるや老練たる専業作家のものとしか思えませんでしょう。でもって、マスコミに石油に絵画に酒に金融に発達障害に、いったいどれだけの知識を詰め込んでるの。しかも、...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月27日
うわあ、これは大作だ。
ここまでの深いレベルの知識を巧みに扱い、ミステリーに落とし込み、最終的に全てが回収されるストーリー。
もうアイドルとは言わせない、1人の作家と言わざるを得ない。
加藤シゲアキさんの作品は初めてでしたが、直木賞の候補ということで手に取り、
じっくりと時間をかけながら世界を楽し...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月13日
「なれのはて」というタイトルがすごくいいです。この世に確かに存在したはずの生き物が死んだ後は何になるんだろうと思ってしまいました。
登場人物が多くてごちゃごちゃしがちなので相関図が欲しいとは思いました。(アップしてくれている人もいるのでそちらを見たりしました)
恥ずかしながら秋田の空襲や油田のこ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月12日
恐れ、畏れ、哀しさ、愛おしさ…。もの凄くたくさんの感情が揺さぶられて、ほんと、疲れました。くたくたです。しかも、伏線も回収してほしいくせに、回収されるにつれてつらさが増して苦しくなって、でも読むのをやめるという選択肢は絶対にない。「彼ら」には幸せになってほしい、幸せになる権利があるのだから……。すご...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月01日
加藤シゲアキ作品の中で一番おもしろかった!(全作既読)
オルタネートとは全く違う重厚な作品。
デビュー作から動きのあるシーンの描写が伝わりづらいと思っていたけれど今作は傑が殺されるシーンは迫真の描写でした。
時代や血筋に振り回されて、悲しみや悔しさに囚われた人物たちの人生にグッと引き込まれました。
...続きを読む
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