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油絵画家の井口は、泥棒に転職した蓮野を連れて、数十年前に置時計を譲ってもらった、ロデウィック氏という発明家の富豪の元へ訪れる。 芸術に造詣の深いロデウィック氏は後日、井口の絵を見るために彼のアトリエに訪れるが、立てかけてあった絵を見て、「この絵とそっくりな作品を見た憶えがある」と気が付いてーー? 未発表の絵の謎を追って、井口と蓮野が大正時代を駆け回る! 『方舟』『十戒』で話題の夕木春央、最新作!
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Posted by ブクログ
「絞首商会」「時計泥棒と悪人たち」に登場する、盗人の経歴を持つ端正な顔立ちをした蓮野と絵描きの井口の2人を取り巻く事件を描いた話。井口の絵が盗作され、盗作犯を追求するうちに巻き起こる殺人事件。果たして盗作犯、それに殺人犯は誰なのか…?というストーリー。おそらく時系列的には「時計泥棒と悪人たち」の後の...続きを読む時間軸。 いや、すごい結末だった。この人は残酷な描写が上手い。 推理で次々と真相がわかっていく様子、登場人物の心情描写、やりきれなさ、全部ひっくるめて面白かった。 やっぱり作品を読み進める毎に大月を好きになるし、井口の奥方も味があって良い。峯子の役割もかなり重要だった。 全部読み終わったあと、序章を読み返して物悲しさを感じた。真相がすべてわかってもすっきりしない、あとを引く感じがするがそれがこの作品の良さなのだと思う。 面白かった。
さすが春央先生といった作品 真実が結構重かったけどまぁ終わり方でなんとか救われたかな サロメの断頭台が結構すごい装置でハルオイズムをすごい感じた
蓮野氏がかなり魅力的でした。 美しく、素っ気なく、無駄な言動や行動も無く、 嘘をつけない人格で、以前の稼業は泥棒で、 乗馬姿でシボレーに乗ってやってくるんですよ。 どんだけですか! 井口氏の奥様の紗江子さんも魅力的です。 夫婦のやりとりが気に入ってます。 物語の終盤には、顔を覆いたくなる描写があり、...続きを読む 一気に惹き込まれました。
ラストの展開で、突然頭に劇的で悲劇的な情景が浮かんで時間かけて読んだかいがあったと思えた。 最後まで蓮野がミステリアスすぎて行動の理由とかあやへの思いなどよくわからなかったし、なんで泥棒って設定なんだ?って思ったけど別作品にも登場する人物なのね、、!
作者デビュー作『絞首商会』に連なる蓮野と井口のコンビによるシリーズ第3作。 本作では井口の世に出していない絵画が盗作されるという不可解な事態が発覚。井口が参加する画家の集まりのメンバーがその容疑者となるが、捜査の過程でその中に贋作しているものがいることが判明、さらにはメンバーが次々と殺されていき…と...続きを読むいう展開。盗作犯、贋作犯、しまいには殺人犯といった物騒な面々を交えた「画家人狼」とでも言うべき混沌とした展開に。 本作ではこれまでとは趣向を変えてもっぱら井口が蓮野不在のままに探偵活動を展開していくやにみえるが、やはりそこは終盤に真打ち登場とばかりに真相を見通した蓮野の名探偵ぶりが痺れる。そして、もう1人の探偵による「冷たい方程式」とも言うべき冷徹の論理とその実行というのが探偵物の根幹はあくまでも探偵の良心や倫理によってでしか保障されていないのだということを痛感させられる。 そして、ラストのこれまで淡々、飄々としていた蓮野の内面を垣間見せるようなある女性との関係性はハードボイルド的なかっこよさがある。
過去に夕木作品を何度か読もうとして、どれもなんだか合わないと思って途中で断念しましたが、今回はサロメの題材に惹かれて何とか読み切りました! 途中まではやっぱりなんか合わない!読みにくい!登場人物のだれにも共感できない!と思ってましたが、最後の2章くらいで、ここまで読んでよかった〜と思いました。 最後...続きを読むの最後にようやく登場人物に思い入れができて、彼ら、彼女らの身に起きたことを思って泣きたくなりました。
話題だから読んでみよう、「方舟」の人だし、と思ったらシリーズもので失敗!『絞首商會』『サーカスから来た執達吏』『時計泥棒と悪人たち』油絵画家・井口と元泥棒の蓮野の大正ミステリシリーズの系譜でした。登場人物を知ってないと、あれ?これ誰だっけ?と、余計なところで話を読むのが詰まっちゃいます。前作のエピソ...続きを読むードとか出てくるし。せっかくキャラ立ちが良い話なのに楽しめなくてもったいなかったなぁ。肝心の内容ですが、画家の井口は高額で購入しようとした絵に、同じ絵がアメリカにあったと言われ買取を保留されます。ほとんど誰にも見せていない絵なのになぜ?それと並行して仲間内でサロメに見立てた連続殺人が。477ページの本で、385ページ時点で主人公井口がここまでのわかっていないことリストを作るのですが、読み手である私も、うん、そうそうこんなに謎が残っているよ?終わるの?って思わされます。なのに!全部解けるんですよ。すごい。また、大正時代の本で、表現や会話の文体が昔っぽくて好きでした。乱歩とか横溝正史とか、あのあたりの探偵ものの香りがします。 連続殺人がグロいのと、犯人の仕返しが変態なので、高校生以上。あー、最後気持ち悪いけどスッキリした。主人公が愛せる分、私は方舟シリーズよりこっちが好み。
要素が多くて整理するのが大変だったけど、全て綺麗に伏線回収して、なにより結末はこれぞ夕木春央という最高に最悪の気分の悪さ!!この人の書くラストはクセになる! 大月が癒しで推しです
油絵画家の井口は、元泥棒の蓮野を通訳として連れ添い、祖父と縁のあったオランダの富豪•ロデウィック氏の来日を出迎えた。美術品収集家でもあるロデウィック氏は、アトリエで井口が描いた絵を見て、「そっくりな作品をアメリカで見た」と言う。未発表の絵を、誰がどうやって剽窃したのか?盗作犯を探すうちに、井口の芸術...続きを読む家仲間の贋作疑惑や戯曲『サロメ』に見立てた連続殺人が発生して… 盗作事件から端を発して、贋作事件及び見立て殺人に連鎖し、果ては冒頭に書かれた孤独な芸術家の自殺にリンクしていく、謎が謎に繋がっていく見せ方が上手い。 剽窃、瑕瑾、閨房など見慣れないワードが出てくるため読みやすくは無い(国語の勉強にはなる)。大正時代を舞台とした旧時代的雰囲気は「本格ミステリ」にマッチしていると思う。 キャラクターでは、井口の妻の紗江子と井口の画家仲間の大月が良い味出している。ピッチフォークを構える紗江子が目に浮かんで微笑ましいし、大月のデリカシーの無いセリフ回しが笑える。 やや冗長に感じる序盤〜中盤を越えた後の“解決編”は、提示された謎の数々がロジカルに紐解かれ、作者の真骨頂とも言っても良い“うすら寒さ”を禁じ得ない展開が待ち構えている。常軌を逸したホワイダニットに、目を背けたくなる衝撃的な罪と罰。オェー。 “元泥棒”で“美青年”で嘘を吐くことを病的に厭う癖のある蓮野が探偵役を担う。シリーズものとは知らずに読んだ。蓮野&井口の過去の出来事も気になるので、他のシリーズ作品にも手を出してみようかな。 本格ミステリ・ベスト10 6位 SRの会ミステリーベスト10 9位 《蓮野&井口シリーズ》 1.絞首商會 2.時計泥棒と悪人たち 3.サロメの断頭台
方舟があまりに印象的だったので、期待大で読みましたが、期待が大き過ぎでそれほどでもありませんでした(笑) さらに、人物設定がなんとなく変だと思ってググったら、シリーズものでした(笑) 大正ミステリシリーズ? 「絞首商會」に続く第2作でした。 そもそも、大正時代の物語と、語り口が好きじゃないのも、この...続きを読む作品がいまいちと思うところ! 主人公は画家の井口。 アメリカの大富豪が彼の書いた絵を気に入って、かなりの高額で購入しようとしたら、以前に同じような絵を見たことがあるとのこと。 井口の絵は贋作なのか? 贋作でないことを証明するために、友人の蓮野と調査を始めます。 自分の絵を見たことがあるのは、『白鷗会』のメンバー。 その中に贋作犯がいるのか? しかし、調査を進めようとしている中、そのメンバが殺されてしまいます。 さらに、次々に起こる殺人事件。 それは「サロメ」の戯曲に見たて殺人。 誰が犯人? この作家さんはこうした変な殺人や見立て殺人が好きなんですかね? シーンが頭に浮かびません(笑) いよいよ、犯人が明らかになり、その動機、殺人の理由も明らかになります。 そこまでたどり着くまで長かった。文体のせいか、なかなか読み進めませんでした。 で、表題の「サロメの断頭台」の意味が分かります。 ちょっとグロい。 読み進めるのに疲れちゃいました。
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サロメの断頭台
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方舟
方舟 1巻【デジタル限定カバー】
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絞首商會
有栖川有栖に捧げる七つの謎
これが最後の仕事になる
だから捨ててと言ったのに
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