小説・文芸 - 国家作品一覧

  • 安吾のことば 「正直に生き抜く」ためのヒント
    3.5
    日本が焦土と化した昭和の激動期に、痛烈な批評精神で人々の心をつかんだ作家、坂口安吾。その名言は、かの「人間は生き、人間は堕ちる」だけではない。「戦争をいたしません、というのは全く世界一の憲法さ」「人間は、国家繁栄のためにギセイになってはならぬ」「家の制度があるために、人間は非常にバカになる」「夫婦は愛し合うと共に憎み合うのが当然である」等々、今もリアリティを失わず、むしろ、価値観が揺らぐこの時代だからこそ響く名フレーズの数々を、安吾を敬愛する同郷の芥川賞作家が編む。【目次】はじめに 稀有なる正直者・坂口安吾/I 生きるということ/II 戦争/III 政治/IV 文学・芸術/V 日本人/VI 家庭/VII 恋愛と性/おわりに 何かあったら海へ行け
  • ゲノムの国の恋人
    3.0
    愛は遺伝子を越えるのか! 異色の恋愛小説。 現役遺伝子研究医にして第23回太宰治賞を受賞した気鋭の作家である著者の書き下ろし長編作品です。iPS細胞、ヒトゲノムなど最先端科学の要素が盛り込まれており、しかも非常にわかりやすい表現でそれが描かれています。アジアの独裁国家を舞台に作者独特のユーモア感に溢れた巧みな筆で、お世継ぎ問題、遺伝子研究の限界、人間の幸福などのテーマを描いています。現代テーマ満載の作品です。 主人公のタナカは食い詰めた遺伝子研究者。政府の高官という男に請われ、あやしいアジアの小国に好待遇で招かれた。何億円もする研究設備と有り余る予算を用意され、提示された仕事は、七人の女性のヒトゲノムを解析し、一人の男性の遺伝子とのマッチングを調べることだった。その男性とは同国の絶対権力者。極秘裏に花嫁として最適な女性を見つけることが使命だったのだ。仕事の一方で、魅力的な女性兵士に惹かれ恋に落ちていくタナカ。そして七人の女性はそれぞれ、その国の物政治家、軍人の血縁らしく、さまざまな圧力と懐柔がもたらされる。しかし、解析が進んでいくうちに、どの女性の遺伝子にも欠陥のある要素が見つかって…
  • 不敵のジャーナリスト 筑紫哲也の流儀と思想
    4.0
    08年に亡くなる直前、筑紫哲也は長い間キャスターを務めたTBS「NEWS23」に出演、自身の病に引き寄せ、「この国のガン」と題して未来にも過去にも投資しない日本の現状を辛辣に、しかしいつも通り穏やかな語り口で批判し、番組出演の幕をひいた。新聞、雑誌、テレビ、それぞれに新境地を拓いた希代のジャーナリスト。ぶれない軸を持って巨大な権力や組織と闘い抜いたその実像を、政治記者の原点を綴った未刊行の自筆メモや知人、家族の証言など多様な角度から描き出す。憲法や安全保障など国家の根幹をめぐる議論が沸騰し、拡大する格差など社会不安を背景に、社会が危険な熱を帯びる時代の、必読の書である。【目次】はじめに/第一章 生涯を貫いた三本の軸/第二章 根っからのカントリーボーイ/第三章 平熱のジャーナリスト/第四章 風圧のなかで/第五章 人間嫌いの人間好き/おわりに/筑紫哲也 略年表
  • 砂の審廷 ――小説東京裁判
    5.0
    民間人ただ一人のA級戦犯として巣鴨刑務所に拘留された大川周明。下駄履きのパジャマ姿で出廷し、東条英機の頭を叩いた奇矯な行動は有名だ。だがそれは、インドやイスラームの宗教哲学を根幹とする特異なアジア主義者であり、戦前の軍部や政府指導者に影響を与えた国家主義者の真実の姿なのだろうか。精神鑑定の結果不起訴となった大川周明に焦点をあて、獄中日記、検事の訊問調書、大政翼賛会興亜総本部長の戦災日記などの史料を駆使し、東京裁判のもう一つの深層を焙りだす。
  • 若き友人たちへ――筑紫哲也ラスト・メッセージ
    4.1
    愛国主義は悪党の最後の隠れ家である。本書の中で筑紫さんが語る言葉の一つである。誰もが反対しづらい美辞麗句、思わず振り向いてしまう大きな声には注意が必要だ、という意味である。2003年から2008年にかけて、筑紫さんは早稲田大学と立命館大学で主に大学院生に向けた講座をもっていた。その中で再三伝えようとしたのは、情報や情緒に流されることなく自分の頭で考えることの素晴らしさであった。この一連の講義録をもとに、本書は構成された。「若き友人」を「日本人」と置き換えてもいい。筑紫哲也さんからの最後のメッセージである。【目次】「まえがき」にかえて/若き友人への手紙/第一章 まず憲法について話してみよう/第二章 そもそも日本人とは何者か/第三章 二つの日本人論を読む/第四章 沖縄から日本が見えるか?/第五章 さまざまなメディアを歩いてみよう/第六章 雑誌と新聞をめぐる私的ジャーナリズム論/第七章 国家、この厄介なるもの/第八章 教育こそが国の基本である/第九章 「知の三角形」という考え方/第十章 この国がおかれている現実を見つめる/第十一章 そして、この国の行方は……/「あとがき」にかえて/思い出す事など
  • 水没 青函トンネル殺人事件
    3.3
    新進ファッションデザイナー・三上連は、少年の頃、ある人間を殺してしまい、その死体を青函トンネルの中に隠していた。それから25年、パリの第一線で活躍する彼のもとに、何者かから過去の犯罪を示唆するような内容で「函館に帰ってこい」という脅迫状が届く。急きょ帰郷した彼を待っていたのは……。トンネル工事という無謀な国家プロジェクトに人生を翻弄された人々の哀歓の物語が始まる。
  • レッドスカイ
    -
    米軍基地が居座る東京・横田市で米兵による少女レイプ事件が発生し波紋を呼ぶなか、水面下では日米の航空会社が業務提携交渉を進めていた。世紀のディール・メイキングに一役買おうと、いち早くNYに駆けつけた経営コンサルタント・川上健太郎は、やがて日米両国家が威信を賭ける攻防に巻き込まれていく。国際派が描くエンターテインメント長篇。
  • 闘いいまだ終わらず 現代浪華遊侠伝・川口和秀
    4.5
    ヤクザの抗争でホステスが死亡。暴走した一組員の犯行だったが警察は暴対法成立前夜の当時、世論喚起すべく親分の刑事責任を問いアリバイのある川口和秀を逮捕、共謀共同正犯に仕立てた。最初は子分の罪を負う覚悟だった川口も警察の陰謀と冤罪計画を知り無実を訴える。以来、22年間の獄中生活を経てなお再審請求する川口の国家との闘い――。 (『冤罪キャッツアイ事件』改題)
  • ショットバー
    5.0
    六本木の路上で身元不明の女の絞殺死体が発見された。 事件直前、近くのバーで偶然被害者と居合わせた商社勤務の亜希は、唯一の目撃者として捜査1課にマークされてしまう。 外事警察も捜査に乗り出し、被害者は中国人女性・静蕾と判明。しかし彼女には腹上死事件の重要参考人という別の顔があった……。 女の人生と国家権力が交錯する傑作警察小説。
  • ハイ・アラート
    3.3
    宵闇の新宿。雑踏に色とりどりの風船が浮かび、大音響と共に爆発した!「十二神将」を名乗る爆弾テロリストの、それが東京への宣戦布告だった。さらに浅草寺、六本木ヒルズ、新丸ビルを襲った後、突如、犯人は企業へと標的を変えた。「怒れる神々」と称するテロリストの怒りとは何なのか? 首都が騒然とする中、一人のペルー国家警察テロ対策本部警察官が新神戸駅に降り立った……。
  • デセプション・ポイント(上)
    3.9
    国家偵察局員レイチェルの仕事は、大統領へ提出する機密情報の分析。現在、ホワイトハウスは大統領選の渦中にあり、現職と争っている対立候補は、なんと彼女の父だった。選挙戦はNASAに膨大な予算を費やす現政府を非難し、国民の支持を集めている父が有利に進めていた。そんなある日、レイチェルは直直に大統領から呼び出される。NASAが大発見をしたので、彼女の目で確かめてきてほしいというのだが……。
  • 龍貴国宝伝 蝶は宮廷に舞いおりる
    4.0
    代々引き継がれてきた神聖な武器“宝具”を受け継ぐ者が皇帝に即位する「龍貴国」。その宝具を皇太子が継承する成人の儀で、若き宝具師・硝飛は宝具を偽物だと指摘した。儀式は中断。だが、証拠を示せなかった硝飛は投獄された。一方、宝具を管理していた名家の公子である林迅もまた、一族を守るために宝具すり替えの犯人を探し出す必要があった。硝飛は幼馴染みである林迅の手引きで脱獄し、二人で本物の宝具の行方を追う。すると国家を揺るがす陰謀と、意外な人物の思惑に辿りついた。自由奔放な庶民の硝飛、カタブツ公子の林迅。家柄も性格も正反対な凸凹コンビが歴史に埋もれた真実を暴く! 最後に玉座に座るのは誰だ?
  • 血煙東京租界 株式会社吸血兵団
    4.0
    世界の戦場で容赦ないゲリラ狩りをしていた傭兵部隊・吸血兵団を率いる扶桑大悟。が、突然の父の死により、任侠団体・扶桑組を継ぐべく帰国する──。今では仮の姿、世界的企業のカリスマ経営者として活躍する大悟だが、愛娘と陰で組を操る謎の女が東京湾を不法占拠する独立国家トンキン租界に、潜入したとの知らせを受けた。闘争に飢える扶桑の血が、新たな戦場へと大悟を駆り立てる!
  • トルストイ民話集 イワンのばか 他八篇
    4.1
    ここに収められた「イワンのばかとそのふたりの兄弟」をはじめ九篇の民話には、愛すべきロシアの大地のにおいがする。そして民話の素朴な美しさの中に、厳しい試練に耐えぬいたトルストイの人生観・国家観・道徳観等その全思想の深みがのぞいている。ロマン・ロランはこの作品を「芸術以上の芸術」「永遠なるもの」と絶賛した。

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  • 人間の居場所
    3.8
    【開高健ノンフィクション賞受賞後第1作!】巨大な資本の流れは、人々の暮らしをボロボロに蝕み、国家は、国境の壁をますます迫り上げる。押し出された者は、当て所もなく荒野を彷徨うのみ。――私たちの居場所はいま、どこにあるのか? シリア難民、AKB、三里塚闘争、LGBT、暴力団、新宿ゴールデン街、子ども食堂、日本赤軍、刑務所、イスラム国、釣り場……。一見バラバラな「断片」を繋ぎ合わせたとき、見たことのない地平が浮かび上がってくる。「人間」の姿を丹念に描いたこの小さな本に、私たちの生存のヒントが、隠されている! 【目次】はじめに/第一章 流浪に浮かぶ祖国/第二章 共犯者たちの秘密基地/第三章 あのころ「学舎」があった/第四章 「雑民」たちの浄化/第五章 アジールの崩壊/第六章 残された旗/第七章 食堂が紡ぐモノ/第八章 極北の「持ち場」/第九章 砂漠の団欒/第十章 異界の不文律/おわりに
  • 山本五十六と山口多聞 名将二人の生き方、戦い方
    5.0
    太平洋戦争のターニングポイントとなった真珠湾奇襲とミッドウェー海戦――。この天王山の戦いは、連合艦隊司令長官・山本五十六と、その後継者と目された山口多聞少将を抜きにしては語れない。両者とも武士の家系を引き継ぎ、山本はハーバード大学、山口はプリンストン大学に米国留学した経験をもつなど、共通点が多い。また駐米武官を務めたところも同じで、日本海軍きっての知米派であり国際派であった。山本も山口もアメリカの真の実力をよく知っており、日米の戦争には一貫して反対していたのだった。しかし一旦、国家が開戦を決断した以上、海軍軍人である二人は死力を尽くして米軍と戦い、当初から不利と思われていた戦いを善戦へと導いた。山口はミッドウェー海戦で米艦隊に一矢を報いて海に沈み、山本はブーゲンビル島上空で米機に撃墜され、無念の戦死を遂げる――。日本海軍が誇る名将二人の激闘の生涯を描いた力作長編小説。
  • 覇権中国大戦 決戦!沖縄・台湾攻防戦
    -
    国家主席に就任した習近平は、体制崩壊した北朝鮮に国境北部から軍事介入を始める。朝鮮半島から撤退していた米軍は、在日米軍を中心に警戒態勢に入る。主席に就任した際、秘密会議で習がブチ上げたのは、朝鮮半島、台湾、そして沖縄諸島の併合であった! ※この商品は、歴史群像新書「覇権中国大戦 上」「「覇権中国大戦 下」を1冊にまとめ、再編集したものです。ご了承の上、ご購入をお願い致します。

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  • 盟約(上)
    完結
    -
    全2巻733円 (税込)
    明治時代、列強が覇権を争う大海へと漕ぎ出そうとしていた近代国家・日本。 海軍を軸に日英の絆を描いた大作。

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  • 日本人の忘れもの1
    -
    1~3巻733円 (税込)
    ■二十一世紀は心の時代―。 かつての日本人は、心の豊かさを持っていた。だが、物質文明の発達によって、多くの日本人が心のゆたかさをどこかに忘れてきたのではないだろうか。人間を尊重する心ゆたかな社会をつくってゆくために、私たちが心がけるべきことは何か。古代から現代をつらぬく日本人の精神史を探求し続けてきた中西進が、すべての日本人の贈る言葉の花束二十一章。 [目次] 第1章 心 第2章 躰 第3章 暮らし <著者略歴> 中西進(なかにし・すすむ) 一般社団法人日本学基金理事長。文学博士、文化功労者。平成25年度文化勲章受章。日本文化、精神史の研究・評論活動で知られる。日本学士院賞、菊池寛賞、大佛次郎賞、読売文学賞、和辻哲郎文化賞ほか受賞多数。著書に『「旅ことば」の旅』、『文学の胎盤』、『万葉を旅する』、『中西進と読む「東海道中膝栗毛」』、『国家を築いたしなやかな日本知』、『日本人意思の力』、『情に生きる日本人』(以上ウェッジ)、『うたう天皇』、『楕円の江戸文化』(ともに白水社)、 『日本人の祈り こころの風景』(冨山房インターナショナル)、『こころの日本文化史』(岩波書店)、『ことばのこころ』(東京書籍)、『中西進著作集』(全36巻/四季社)ほか多数。 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『日本人の忘れもの 1』(2019年6月30日文庫版第12刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
  • 姫神
    5.0
    時は推古天皇の御世。混乱を極めた大陸に統一国家“隋”が誕生。 朝鮮半島は分裂したままだが、東アジアは大きく変わろうとし始めた。聖徳太子は“隋”と国交を結ぶことでアジアの安定化を目論み、そのために九州の海の民衆像の一族にその橋渡しを命じる。国内外の妨害工作に悩まされながら、若き巫女が起こした奇跡とは――。
  • 習近平 なぜ暴走するのか
    4.3
    習近平は2012年秋、中国の最高指導者に就任した。軍の台頭、少数民族との対立、汚職問題、民主化への対応……。いまや世界2位の経済大国になりながら、共産党の独裁を続ける矛盾が吹き荒れるこの国を、彼は御してゆくことができるのか。それとも、覇権国家「最後の皇帝」となるのか。一流ジャーナリストが詳細をレポートする。
  • 明治の人物誌
    3.9
    星新一の父・星一は、苦学しながらアメリカの大学を卒業し、帰国して製薬会社をおこした。事業は成功したが、やがて政争に巻き込まれ衰退していく。それでも常にエネルギッシュで近代人的な生き方を貫いた生涯だった。彼の夢と理想に手をかした野口英世、伊藤博文、エジソン、後藤新平など、近代国家の形成期に活躍した明治人たちとの交流の中から、星一の生涯を辿った異色の伝記。
  • 楽毅(一)
    4.2
    古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。
  • 隠蜜姫 愛華
    -
    高杉藩五万石の勘定方である辰之介は、姫君の愛華から信頼されていた。それは剣術の稽古でも手加減しない愚直な男だからだ。 そんな辰之介が気づいたのは藩内の不正。同じ勘定方の上役に作事方、そして藩内一の実力者、国家老の権田がかかわる悪事だった。 横領の証を探る辰之介は、ある日権田の屋敷に呼ばれ、そこで色じかけにあう。懐柔しようとしているのだ。それを頑なに拒むと、許婚の美菜までもが捕らえられてしまう。 誰が味方で誰が敵なのか?辰之介は意を決し、愛華に裏帳簿を探し出す協力を乞う。すると愛華は、なぜか黒装束に身を包んで現れ……。 姫君の貞操は守られるのか。痛快無比の時代エンタテインメント!
  • 天詠花譚 不滅の花をきみに捧ぐ
    4.0
    明治24年、魔法が社会に浸透し始めた帝都東京に敵国の女スパイ蓮花が、海を越えて上陸する。目的は、伝説の「アサナトの魔導書」の奪還。 魔導書が隠されていると言われる豪商・鷹無家に潜入し、一人息子の宗一郎に接近する。だが蓮花の魔導書を読み解く能力を見込んだ宗一郎から、人々の生活を豊かにする為の魔法道具開発に、力を貸してほしいと頼まれてしまい……。 全く異なる世界を生きてきた二人が、手を取り合い運命を切り拓いていく、和風魔法ロマンス、ここに開幕!! ≪登場人物紹介≫ 蓮花:魔法国家・美芳国のスパイ。魔導書を読み解く解読者。時おり見る謎めいた夢に悩まされている。 鷹無宗一郎:豪商・鷹無家の一人息子。魔法を発動できる詠唱者。人々の生活に魔法を役立てようとしている。
  • 乱愛剣法 魔忍者軍団を斬れ!
    -
    「若君、藤丸様の護衛役を命ずる!」──白馬藩九万九九九九石の納戸頭・南条家の部屋住みであった大輔は、国家老から大役に抜擢された。側室・お嘉世の方と手を組み、御家乗っ取りを企む奥用人・仙波頼母が、藤丸を亡き者にするため、魔忍者軍団〈斗狩衆〉を雇ったからだった。剣は強いが女嫌い、堅物で単純直情の大輔は、斗狩衆の女忍に襲われるが、巨根絶倫であることが幸いして危機を逃れる。しかし、守るべき藤丸君には、将軍家に御目見得もできない、ある重大な“秘密”があった。そしてついに、剣難女難に立ち向かう大輔と江戸へ向かう藤丸に、斗狩衆の頭領・幻夜斎が襲いかかる!果たして正義の剣は、邪法に勝てるのか──!?書下ろし番外篇「妄龍の夜」を収録した痛快時代傑作!!
  • 亡命者の古書店―続・私のイギリス物語―(新潮文庫)
    3.5
    大学在学中、チェコの神学者・フロマートカの人生に惹かれた著者は、神学研究の志を秘め外務省に入省、ロンドン郊外でロシア語研修に入る。そして任官2年目、同じく亡命チェコ人で、社会主義国の禁書を扱う古書店主マストニークと出会い、彼を師として、宗教や民族、国家を巡る対話を重ねながら、世界の読み解き方を知る。自身の知的原点を明かす自伝エッセイ。『プラハの憂鬱』改題。
  • 死なせない屋
    3.4
    『ドS刑事』『バリ3探偵圏内ちゃん』の著者の最新ミステリー。医師国家試験4浪中の良太は、謎の美女・神楽にスカウトされる。神楽は、三軒茶屋で、あらゆる手段で依頼者の命をまもる「死なせない屋」を営んでいた。それは怪しさと危険度満点の仕事で……。
  • オシムがまだ語っていないこと
    3.5
    朝日新聞の連載「オシムの提言」で“オシム語録ブーム”を巻き起こした筆者が、当時の取材ノートをもとに再取材を敢行。その素顔や深い哲学に迫る。数々の語録やエピソード、10時間にわたる独占インタビューに加え、妻・アシマや教え子・ストイコビッチなど縁のある人々へのインタビューも収録。オシム独特の組織論や国家論など、サッカーファンならずとも明日への勇気をもらえる一冊! ※この書籍は2007年9月20日に出版された朝日新書を電子化したものです。

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  • 『民衆こそ王者』に学ぶ 常勝関西の源流
    -
    ※2019年6月以前にご購入されたお客様は「My本棚」から閲覧可能です。重複購入にご注意下さい。 池田室長とともに、“まさかが実現”を成し遂げた昭和31年「大阪の戦い」。 そして不当な国家権力の横暴に勝利した「大阪事件」。 いま再び「常勝関西」の源流を当時の証言、記録から綴る感動のドキュメント! 『民衆こそ王者』を再構成し、待望のワイド文庫化! 『新・人間革命』の“副読本”として活用できます!
  • 琥珀の瞳は瑠璃を映す カルジャスタン従神記
    3.0
    追放された王太子は、従わない不遜な神獣と旅に出る。 相性最悪主従が織りなす、胸躍るオリエンタルファンタジー! 大陸の内陸部に位置するオアシス国家・カルジャスタン王国。 この国の王家では代々、一定の年齢を迎えると額に神紋が現れ、神獣を召喚し従えることができる。 神紋を持つ者は従神者と呼ばれ、神に代わって地上を守り支配する者として生み出されたのだと伝えられていた。 第一王子・ルスランにもようやく神紋が発現し、神獣召喚の儀を迎えるが、召喚されたのは、かつて国を存亡の危機に陥れたと言い伝えられている瑠璃竜・アルダーヴァルだった。 このままでは国に害を及ぼすとして、ルスランはアルダーヴァルと共に国を追放されてしまう。 2人は追放を取り消してもらう方法を探して旅に出るが、おぼっちゃん育ちのルスランと、口も態度も悪く皮肉屋のアルダーヴァルは相性最悪で……? これは追放された少年が世界の姿を知って成長し、国を変えていくまでの、始まりの物語!
  • 官僚とメディア
    3.7
    本書は、官僚とメディアの凄まじい癒着と腐敗をえぐり出した衝撃的ノンフィクションである! 共同通信による安倍首相周辺スキャンダル記事の握りつぶし、姉歯建築士の耐震データ偽装事件で巧妙に仕立て上げられた「悪のトライアングル」、粛正された村上ファンドとホリエモン、NHK「女性国際戦犯法廷」番組の改編圧力と朝日新聞誤報疑惑、最高裁・電通・新聞社が仕組んだ「裁判員制度全国フォーラム」偽装広告。国家もマスコミも内側から壊れていく……「黒幕」は誰だ?
  • 百合の華には棘がある
    4.7
     犯罪都市・東京。この街で探偵社を営む小百合は、行き倒れていた元格闘家のローサを拾う。行くあてのない彼女から頼みこまれ、行方不明の姉を捜す代わりに、仕事を手伝ってもらうことに。  馴染みの議員・松田から依頼されていた花嫁の素行調査に、ローサとともにあたる小百合だったが……。花嫁の実像に近づくほど、浮かび上がるいくつもの疑念。見えるものだけが、真実なのか――? やがて小百合達は、15年前、国家権力に葬られたある事件へと導かれていく。
  • 乱愛修業 艶情お家騒動
    -
    岡崎藩五万石の藩士の次男坊・二階堂俊作は、剣には自信があるが、初心(うぶ)で女を識(し)らない童貞であった。 そんな俊作が剣術修業を許されて江戸にやって来たら、お峰という年増女の色香に迷って筆下ろしをされた挙げ句、財布を盗まれてしまう。 しかも、道場への紹介状と国家老が江戸留守居役に託した手紙も奪われていた。 金より大事な物を無くした俊作は、様々な美女たちと愛姦を重ねながら、必死にお峰を捜す。 実は、いつの間にか俊作は、藩を揺るがす江戸家老の陰謀に巻きこまれていたのだ。 果たして、俊作は、凶敵と戦って手紙を取り戻し、御家の安泰を守ることができるのか。 そして、剣術修業ならぬ女体修業の艶な結末は──!?  新たに書下ろし番外篇「妻か妾か」を収録した“乱愛シリーズ”の快作!!
  • 中年ちゃらんぽらん
    -
    尽した会社や愛した子どもに裏切られてもけなげに生きる可憐な中年族に送る大応援歌。 中年族をはげますペーソスあふれる長編――戦中、戦後を苦労して生きぬき、国家や会社の御為に、個人の幸せなどそっちのけにして頑張った中年世代。老後こそ子供や孫に囲まれて安らかでありたいと思ったが、肝心の子供たちは「わしら、知らんでえ」と冷たい。すべてに裏切られ、似たもの年代の似たもの同士で、今後の楽しみを作ろうと不器用に努力する中年男女たちに捧げる強力な応援歌。願いが裏切られた今、人々はどう生きるか。
  • 日本の医療
    -
    日本の医療とその環境はどうなる! 医者の倫理観と技術、医療制度の問題点を摘出し次代へのあるべき姿を示す。あなたは安心して病院へ行けますか? ――日本の医療とその環境は、どうなっているのか。医療荒廃の拡大再生産をするずさんな医師国家試験、改革が迫られる大病院、人命尊重という名のもと地獄マンダラの老人病院、破綻寸前までに追いつめられた健保制度。医療の技術、制度、倫理など、多面的に現状を厳しく検証し、次代へのあるべき姿を示す力作。
  • 絶体絶命ラジオスター
    3.3
    1巻748円 (税込)
    大ヒット作「スマホを落としただけなのに」シリーズの著者【志駕 晃】が、デビュー前から構想を温めていた幻の未発表作にして、初のSF作品。 スケールの大きなストーリーテリングに、手に汗握る見せ場の連続、ラジオマンとしてのキャリアを生かしたリアルなラジオ業界の描写。《 SF × ミステリ × 活劇 × お仕事小説 》と言うべき、新感覚エンターテインメント小説! 解説は、読書家としても知られる声優・エッセイスト・日本SF作家クラブ会長の【池澤 春菜】氏が寄稿。 【あらすじ】 AMラジオ局「帝都ラジオ」の局アナDJ垣島武史は、突然現れた自分そっくりの男に、わけもわからず命を狙われるはめに。 謎の少女が導く地下室。 深夜の埠頭にとどろく銃声。 暗躍する独裁国家の工作員。 錯綜していく記憶──。 時間と空間を越えた陰謀の中、命がけで臨んだ最後の放送が、彼を待つ恋人とリスナーたちに届いた時、深夜ラジオの電波は小さな奇跡を起こす......!
  • 少年十字軍
    3.7
    13世紀、フランス。 “天啓”を受けた羊飼いの少年・エティエンヌの下へ集った、アンヌ・ルー、ベッポら数多の少年少女たち。 彼らの目的は聖地エルサレムの奪還。 だが国家、宗教、大人たちの野心が行く手を次々と阻む――。 直木賞作家・皆川博子が作家生活40年余りを経て、ついに辿りついた最高傑作。
  • 魂の沃野(上)
    3.0
    戦国の世に百年にわたり独立国家を形成した日本史上の事件・加賀一向一揆を小説に取り込む ――北方謙三が数十年来抱えていた構想がついに結実し、血潮たぎる物語が誕生! 著者自ら「わが心の記念碑」と語る歴史巨篇。 本願寺蓮如との邂逅から、守護・富樫政親との交流、風谷党の旗揚げまで……かの地に燃え広がった真宗の炎と、複雑に交錯する武士・門徒の思惑の中で、戦い、信じ、己の道を見出していく、ある地侍の熱き青春を描き切る!
  • カストロとゲバラ(インターナショナル新書)
    4.0
    青年弁護士だったカストロが、盟友の医師チェ・ゲバラらと共にキューバ革命を成功に導いてから約六〇年。その間キューバは、アメリカ政府の経済封鎖やカストロ暗殺計画に屈することなく、国民が平等で、教育費・医療費が無料の理想国家を築き上げてきた。キューバ危機という、核戦争の恐怖をも乗り越えた二人の革命家から、我々はいま何を学ぶことができるのか? 現在までのキューバ史を壮大なスケールで描く。
  • 松本清張 「隠蔽と暴露」の作家
    3.5
    社会全体に陰鬱な雰囲気がひろがりつつあるこの時代に、松本清張が再び求められている。本書は清張の表現の核にあった「隠蔽と暴露」の方法をたどる。そして、清張の作品をとおして、わたしたちが日常で感じる社会や国家への「疑い」を称揚し、そこにひそむ秘密を見抜く方法を明らかにする。戦争、明るい戦後、政界、官界、経済界、社会的弱者、宗教など、清張が精力的に描いたテーマは多くあるが、戦後最大の隠蔽装置ともいえる「原子力ムラ」にふみこまなかった清張の謎にも迫る。 【目次】はじめに 松本清張がよみがえる/第I部 松本清張、人と方法/第一章 松本清張とは誰か/第二章 「隠蔽と暴露」という方法/第II部 隠蔽する力に抗う試み/第一章 戦争 『球形の荒野』、『半生の記』、『黒地の絵』/第二章 明るい戦後 『ゼロの焦点』、『砂の器』、『顔』/第三章 政界、官界、経済界 『点と線』、『けものみち』、『黒革の手帖』/第四章 普通の日常、勝者の歴史 『或る「小倉日記」伝』、『父系の指』、『無宿人別帳』/第五章 暗い恋愛 『天城越え』、『波の塔』、『強き蟻』/第六章 オキュパイドジャパン 『小説帝銀事件』、『日本の黒い霧』、『深層海流』/第七章 神々 『黒い福音』、『昭和史発掘』、『神々の乱心』/第八章 原水爆、原子力発電所 『神と野獣の日』、『松本清張カメラ紀行』、「幻の作品」/おわりに 松本清張とともに/主要参考文献
  • 中国人、会って話せばただの人 近くて遠い隣人との対話
    -
    五六民族が暮らす中国各地を旅すれば、言語、生活様式、宗教など、様々な文化を肌で感じる。儒教や共産党の指導などでつくりあげられた「文明」が、中国の実像ではない。「面従腹背(めんじゅうふくはい)」で中央のコントロールから逃れる地方官僚。お上(かみ)の意向などよそに、日々の生活を楽しみ「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)」を地でいく農村。漢族との共存に腐心するチベット族……。各地を広く踏査した気鋭の研究者が、北京や上海といった一部の大都市だけではわからない中国人のホンネを浮き彫りにする。国家・民族の溝と対話に思索を巡らした中国紀行。

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  • 暁天の星
    4.0
    坂本龍馬に愛され、認められた男・陸奥宗光――。明治新政府では県知事などを務めるも、政府転覆を企てたとして投獄されてしまった陸奥。そんな彼の才能に目を留め、花開かせたのは、時の総理大臣・伊藤博文だった。外務大臣として入閣した陸奥は、日本を欧米列強に伍する国家にすべく奔走し、不平等条約の改正に尽力する。そして、日本の尊厳をかけて強国に挑まんとする陸奥を支え続けたのは、妻の亮子だった。本書は、著者が最期に「これだけは書いておきたい」と願い、病と闘いながら綴った長編小説。残念ながら未完ではあるが、著者の歴史作家としての矜持を感じ取れる貴重な作品である。陸奥宗光のその後は、解説の細谷正充氏が、連載中の著者の想いは、長女の涼子氏が紹介。坂本龍馬の姉を描いた短篇「乙女がゆく」を特別収録。
  • 切り札 トランプ・フォース
    3.3
    超国家的対テロ用特殊部隊「トランプ・フォース」。国際的なテロの増加を受けて極秘に結成されたこの部隊に、一人の日本人が加わった。佐竹竜、拳法の達人である。実直な商社マンだった彼が、なぜ、いかにしてこのような生き方を選んだか。男の覚悟と決心を描く重量級バトル・アクション小説、第一弾!『トランプ・フォース 切り札部隊』改題

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  • 悪名の棺 笹川良一伝
    3.5
    風呂の湯は半分まで――。贅沢を厭い徹底した実利思考と天賦の才で財を成すも、天下国家のために奔走し、借金だけが残った。腹心の裏切り行為は素知らぬ顔でやり過ごし、悪口は“有名税”と笑って済ませた。仏壇には関係した女の名が記された短冊を70以上並べ、終生色恋に執心。並外れた才覚と精力で金を操り人を動かした、日本の首領の素顔。
  • オケ老人!
    3.6
    「ちょんまげぷりん」作者が描く平均年齢世界最高齢(?)のアマオケ交響曲! 老人ばかりで構成された平均年齢おそらく世界最高齢のアマ・オーケストラ「梅が丘交響楽団」(略称・梅響)に、ひとりの高校教師・中島が間違って入り込んでしまったところから物語は始まります。 彼は、全く演奏など論外のはずの土下手くそな「オケ老人」たちのなかで勿論一番若く、力も備わっていると目され、いきなり指揮者になってくれと皆から懇願されます。 その後、彼が本当に門を叩きたかった同じ町にある人気のアマオケ「梅が丘フィル」(略称・梅フィル)との確執、梅フィルの怜悧で完璧主義のコンマス・大沢が熱望するロシアの人気指揮者・ゴルゴンスキーの来日騒動などを経て、日本・ロシアの国家機密の情報漏洩にまで話は大きく展開していきます!

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  • 夏目漱石 文芸・文明論集
    -
    近代日本文学を代表する文豪であり、文明批評家としても名高い夏目漱石。個人主義や西洋文明、近代国家、文学芸術を鋭く批評した代表的評論・随筆・講演録を一挙収録。 ●収録作品 イズムの功過 学者と名誉 家庭と文学 鑑賞の統一と独立 元日 鬼哭寺の一夜 客観描写と印象描写 教育と文芸 虚子君へ 近作小説二三について 現代日本の開化 好悪と優劣 滑稽文学の将来 コンラッドの描きたる自然について 作物の批評 「自然を写す文章」 写生文 処女作追懐談 人工的感興 人生 鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年 西洋にはない 創作家の態度 草平氏の論文について 田山花袋君に答う 「土」に就て 長塚節氏の小説「土」 坪内博士とハムレット つり鐘の好きな人 艇長の遺書と中佐の詩 点頭録 『東洋美術図譜』 道楽と職業 独歩氏の作に低徊趣味あり 中味と形式 夏 何故に小説を書くか 日英博覧会の美術品 入社の辞 博士問題 博士問題とマードック先生と余 博士問題の成行 「額の男」を讀む 批評家の立場 文学雑話 文芸委員は何をするか 文芸と道徳 文芸とヒロイック 文芸の哲学的基礎 文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎 文士の生活 文章一口話 文体の一長一短 文壇の趨勢 僕の昔 マードック先生の『日本歴史』 正岡子規 満韓ところどころ 水底の感 無題 明治座の所感を虚子君に問れて 模倣と独立 「夢のごとし」を読む 余と万年筆 予の描かんと欲する作品 落第 私の経過した学生時代 私の個人主義
  • 5時過ぎランチ
    3.3
    敵はヤクザ、刑事、そして国家権力――この仕事、ブラック過ぎて腹が空く。 芥川賞作家・羽田圭介だから書ける限りなく危険なお仕事&犯罪小説! 「新しい任務を伝えに来た」「ある程度は休みがほしい。……俺でないと駄目なのか」「手が空いている人員が他にいない」(「内なる殺人者」より) ガソリンスタンドのアルバイト、アレルギー持ちの殺し屋、写真週刊誌の女性記者。日々過酷な仕事に臨む三人が遭遇した、しびれるほどの〈時間外労働〉!
  • 宗元寺隼人密命帖(一) 無流心月剣
    -
    伊豆下田の山里で剣の師に育てられた宗元寺隼人は、老中松平和泉守の甥。自らの剣と護衛役の甲賀の兄妹のわざで、迫り来る刺客たちに対抗している。江戸への道中、武家の娘を救ったことから、福知山藩朽木家の御家騒動に巻き込まれた。朽木家では藩主が二つの派のたすきがけで代替わりしてきた。娘の茜は国家老の娘。騒動の真相をつきとめようとする隼人だが!? 剣と人情と江戸情緒の本格痛快時代小説、新シリーズ開幕!
  • 銅信左衛門剣錆録 一 北溟の三匹
    3.0
    陸奥国の小藩・大仁戸(おおにへ)藩に、お家騒動が勃発。藩政を壟断(ろうだん)する国家老に反旗を翻した若侍十六人が、駕籠訴に及ぼうと江戸表に向かう。彼らの暴発は藩を取り潰したい幕閣の思う壺(つぼ)。大仁戸に隠されたという銀五万両を巡る策謀が動き出した。訳あって江戸に隠棲していた銅雲斎はじめ凄腕の老骨三人が、故郷の危機に立ち上がる! めっぽう強いジイさま対公儀隠密集団。決戦の火蓋が切られた!
  • 史上最強の内閣
    3.9
    1~2巻759~792円 (税込)
    国家の危機に、真の内閣が立ち上がった! 北朝鮮が、日本にむけた中距離弾道ミサイルに燃料注入の報が! 中身は核なのか? それとも……。 支持率低迷と経済問題で打つ手なしの政権与党・自由民権党の浅尾総理は、本物の危機に直面し「本当の内閣」に政権を譲ることを決意した。 アメリカですら「あないな歴史の浅い国」と一蹴する京都の公家出身の二条首相は、京都駅から3輛連結ののぞみを東京駅までノンストップで走らせたかと思えば、その足で皇居に挨拶へ。何ともド派手な登場の二条内閣は、早速暴力団の組長を彷彿とさせる広島出身の防衛大臣のもと「鉄砲玉作戦」を発動する。果たしてその結末やいかに? 「こんな内閣があったら……」書店員さんたちの圧倒的支持を受けた痛快作が待望の文庫版を電子化。 笑って笑って、涙する、史上初の内閣エンタテインメント!!
  • ESP
    3.4
    国家が存在を秘匿する超能力者養成機関・ 悠世学園。全国から集められた子どもたちが 日々訓練していた。ある日、一人の平凡な男子 生徒・左木陽佑が瞬間移動の実技訓練中〈あ る力〉を暴発、ペアを組んだ女子・高馬さくらと ともに行方不明に。だが、これは国家を揺るがす 大事件の前兆にすぎなかった。抑え込まれた “何か”が二人の行く先々で動き出す。
  • 父・金正日と私 金正男独占告白
    3.6
    故・金正日(キムジョンイル)総書記の正男(キムジョムナム)の肉声を世界で初めてスクープした新聞記者による衝撃の記録! 2001年に初めてその存在が報じられて以来、たびたびあらわれては、その言動やファッションがディープなインパクトを残してきた金正男。“自由人”として面白ライフを満喫する北朝鮮のプリンスに隠れファンが急増した。しかしここ数年は姿を現さず、異母弟の正恩(ジョンウン)が後継者となってからは動静がめったに表には出てこない。 2004年9月25日、北京国際空港の1階ロビーで日朝協議に出席する北朝鮮代表の到着を待っていた著者は、金正男と思われる男性と遭遇し、声をかけます。後日、正男は著者をはじめ、そのとき渡された記者へメールを送信。このときから著者と正男の、あわせて150通にもおよぶメールの交換が始まった。その内容や、2回の面会など、正男の肉声が克明に記される。 「三代世襲には反対」「父上には国家元首という点を離れて、厳しいながらも情が多かった記憶しかありません」「異腹の弟正恩の成長過程は知りません」などと率直に語る正男。ホテルのエレベーターでは日本語で「お先にどうぞ」と先を譲るなど、本書を読めば知的で冷静、ユーモアのセンスにあふれた彼の実像をあまさず伝えるのみならず、正男を温存する中国の意図を著者は鋭く洞察する。 日朝関係を考える上で外すことのできない一冊。
  • 亡国のイージス(上)
    4.1
    在日米軍基地で発生した未曾有(みぞう)の惨事。最新のシステム護衛艦《いそかぜ》は、真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った《楯(イージス)》が、日本にもたらす恐怖とは。日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞をトリプル受賞した長編海洋冒険小説の傑作。(講談社文庫)
  • おれの足音 大石内蔵助(上)
    4.0
    「人というものはな、食べてねむって、ほどよき女を抱いて暮らすことが、万事なごやかにはこべばそれでよいのだ」。子供の頃から居眠りばかり、けれども女好きなることこの上なく、国家老になってからも「昼行燈」という、あだ名をもらっていた男。柚子味噌をなめながら晩酌をし、妻女と仲よく暮らし、たまさかには出張にことよせて、あまり上等ではない遊女たちと、たわむれて遊ぶことに無上の喜びを感じていた男。大石内蔵助の愛すべき人柄とその生涯を活々と描く傑作。
  • 亡国スパイ秘録
    4.0
    「スパイ天国・日本よ、目を覚ませ」──初代内閣安全保障室長をつとめ、「危機管理」という言葉を創った男が、最後の告発! 少年時代にゾルゲ事件に関与。警察官僚として米国でスパイ研修を受け、007のように華麗にはいかないスパイ捜査や、ハニー・トラップの実態を学ぶ。国際インテリジェンス・オフィサーとして、戦中戦後の日本を見つめてきた著者の「インテリジェンスなき国家は亡びる」という遺言の書。 解説・伊藤隆 【本書で明かされた佐々淳行の“スパイ大作戦”】 ・少年時代に見た、父佐々弘雄と「ゾルゲ事件」 ・ワシントンで、CIA、FBIの秘密スパイ研修を受けた ・「ラストボロフ事件」で対ソ協力者に政界・財界の大物が ・外国人スパイを運用し、MI5に監視される ・我が友、MI6のフォーサイス ・各国諜報機関のハニー・トラップの実態 ・大物スリーパーとして瀬島龍三をマークしたが── 【本書は単行本『私を通りすぎたスパイたち』を文庫化にあたり改題したものです】
  • クレムリン秘密文書は語る 闇の日ソ関係史
    3.3
    一九九一年末のソ連邦解体後、新生ロシアは鉄の扉に覆われた秘密文書を積極的に公開した。日本関連の文書も明らかになり、秘められた真相公表が日ソ関係史の書き替えを迫っている。本書は、戦前の社会に衝撃を与えた女優・岡田嘉子の越境亡命事件、日本共産党と日本社会党のソ連資金疑惑、北方領土など日ソ交渉の舞台裏をソ連公文書を基に解明し、理想と幻想の国家・ソ連に憑かれた日本人の悲喜劇を描くノンフィクションである。

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  • 日本人へ 国家と歴史篇
    3.9
    わたしが慣れ親しんできたローマの皇帝たちで“夢の内閣”をつくってみたら──指導者とは、どうあるべきか。すぐれた戦略がなぜ重要か。いま日本が突き当たっている問題は、過去の歴史にすでに明確な答えがあるのだ。そのほか、小沢一郎ら日本の政治家に思うこと、日本の技術を世界にアピールする方法、執筆とワインの親密な関係、ブランド品について知っておくべきことなど、しなやかな知性があなたを鍛える、大好評『日本人へ リーダー篇』続篇。
  • 地を継ぐ子供たち
    -
    謎の疫病〈えぶ〉と軍事警察に怯えて暮らす子供たちが目指す場所とは 〈えぶ〉と呼ばれる謎の疫病が人類を襲い、世界人口は最盛期に比べて十分の一以下になった。荒廃後の日本列島では〈東国〉と〈西国〉に分裂した人々が、チュウブ無人地帯を間に挟んだまま、にらみ合いを続けていた。軍事国家〈東国〉に住む「まひる」たち四人の少年は、町の人々の間で「スフィンクスやピラミッドより大きい」と伝説になっている人工の遺跡〈石棺〉を探検しよう、と進入禁止区域に足を踏み入れる。  鳥が次々と空から落ちて死んでいく。再び〈えぶ〉が発生した。人間の滅亡を意味する〈えぶ〉とは何か? なぜ大人たちは〈石棺〉の正体をひた隠しにするのか? そして、人類が生き残るすべはあるのか? すべての謎を解く鍵は、旧世界の科学者が記した〈ゆまノート〉に隠されている…。電子オリジナルの長篇SF小説。 ●有村とおる(ありむら・とおる) 1945年生まれ。早稲田大学卒業。IT・ネットワーク・ソフトウエア企業で30年以上の経験を有する。企業間エレクトロニック・コマース(B2B・EC)のパイオニア。2004年、死すべき人間に死の恐怖が埋め込まれた不条理をテーマにした『暗黒の城(ダーク・キャッスル)』が第5回小松左京賞を受賞。2011年、文鳥への愛情と財務省の不正な二重課税を描いた『ほらピーちゃんが飛んでいる』を電子書籍で上梓。日本SF作家クラブ会員。
  • オリンピックの身代金(上)
    4.2
    小生、東京オリンピックのカイサイをボウガイします――兄の死を契機に、社会の底辺というべき過酷な労働現場を知った東大生・島崎国男。彼にとって、五輪開催に沸く東京は、富と繁栄を独占する諸悪の根源でしかなかった。爆破テロをほのめかし、国家に挑んだ青年の行き着く先は? 吉川英治文学賞受賞作
  • リフレイン
    4.2
    一隻の船が無人の惑星に漂着したことからドラマは始まった。属す星も、国家も、人種も異なる人々をまとめあげたリーダーに、救援後、母星が断じた「罪」とは!? 争いは人間の本能なのか? 厳格な法なくして人は拳をおさめられないのか? 信念を貫き通す男と、彼を愛するがゆえ、それを阻もうとする仲間たち。二つの〈正義〉がせめぎあう。『黄金の王 白銀の王』で話題の著者の原点にして、圧巻の人間ドラマ!!
  • アフリカン・ゲーム・カートリッジズ
    4.1
    1巻770円 (税込)
    自在に銃器を生み出せる「銃使い」の能力に目覚めた高校生リュウザ。GEA(国家特別銃取締局)の追撃をかわし、そして出会った、銃使いによるレジスタンス組織、アフリカン・ゲーム・カートリッジズに――。
  • 帝都物語 第壱番
    3.8
    関東大震災や辛亥革命など、干支にいう〈亥の年〉には、国家的規模の大異変が続発している。そして、亥年にあたる一九九五年。不幸にも阪神大震災、地下鉄サリン事件という未曾有の大惨事が発生した。だが本書はすでに、魔人・加藤保憲を駆って、破滅の予兆を孕んだ現代の姿を予見していた! ここにまた、混沌とした世紀末を乗り切るために、科学、都市計画、そして風水まで、あらゆる英知が結晶したカタストロフィ・ノベルを繙く時がやってきた――。
  • 中国人の無恥、日本人の無知
    4.0
    中国は、国家として本気で尖閣諸島を獲りにきている!  さまざまな行き違いや誤解などがあり、緊迫している中国との関係。この状況で、中国という国家の体質、中国人という気質を知ることは、隣人としてもっとも急がねばならない。  武力衝突や戦争への危惧などの話は「杞憂」に終われば、それでいい。現実になってほしくはない。ただ、災難を、頭を低くして避けるだけが能ではない。中華民族、中華思想をよく知ることで、災難は事前に避けることは出来るのだ。  本書では、中国という国の成り立ち、民族の性格、スパイやサイバーテロの実態、そしてアメリカや日本との関係性までをわかりやすく解説。はたして、「中華思想」の正体とは。そして、強さと脆(もろ)さが同居する中国人の正体とは何だろうか。  長年にわたり中国を取材し続けてきたジャーナリストが書き下ろす渾身の一作! 電子オリジナル作品。 序 章 常識が通じない国との戦争 第一章 そもそも中華思想とは? 第二章 中華思想のルーツを求めたロングマーチ 第三章 地政学から地経学へ 第四章 不機嫌な中国 第五章 ドイツ人は三角、中国人は二極、日本人は円 第六章 爆食中国人を、誰が養うのか 第七章 膨張・中国の正体を見抜け 終 章 危うい隣人 ●森田靖郎(もりた・やすろう) 作家。1945年、兵庫県出身。文革中に、中国・チベット地区を訪れ、辺境地に下放された都市青年との交流から中国への興味を抱く。その後、シルクロードやロングマーチ(長征)など中国各地への旅を繰り返す。改革開放、天安門事件、香港返還などを常に現場から発信し、中国をフレームにして日本への同時代メッセージを送り続けるルポで定評がある。ノンフィクションを底辺にさらに再構築した小説執筆にも精力的で、ノンフィクションでは表現出来ない中国の暗部を赤裸々に描き出している。主な著書に、『東京チャイニーズ』(講談社)、『見えない隣人 ~小説・中国人犯罪~』(小学館)、『スネーク・シャドウ』(朝日新聞社)、『上海セピアモダン』(朝日新聞社)、『中国「犯罪源流を往く」』(講談社)、『悪夢』(光文社)、『地経学で読む爆走中国』(原書房)、『引き裂かれた街~池袋チャイナタウン・プロジェクト~』(ナショナル出版)などがある。
  • 全開(フル・スロットル)で飛ばせ
    4.5
    嵯峨幸夫。32歳。作曲家兼ラリー・ドライヴァー――というのは表向き。実は国家保安工作員だ。 ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ、マゼラッティ……10台の高性能車を疾駆させ、嵯峨は凄絶な戦いに挑んでいく! 車をこよなく愛し、高度なドライヴィング・テクニックを知悉する著者の、傑作カー情報小説!
  • 阿修羅 悪行の聖者 聖徳太子
    3.0
    仏教こそが民を救い、律令国家への道を開く、と信じる摂政・厩戸皇子は、国難に直面する。隋の煬帝が厩戸の国書に激怒したのだ。仏教を信じる者同士がなぜ分かり合えないのか? 日本を戦火から守るため、厩戸は奇策を用いるが、大臣・蘇我馬子ら豪族勢は不穏な動きを見せる。妃・刀自古郎女との関係も冷え切り、理想と現実の狭間で公私とも孤立を深める厩戸。出生の秘密と血塗られた過去を胸に、ついに下した決断とは――。
  • ヴァレロンのスカイラーク
    4.0
    恒星間宇宙の無限の果てを驀進する宇宙船ヴァイオレット号――そこに搭乗する二人の地球人と一人のフェナクローン人。彼らはフェナクローンの超弩級艦を一隻拿捕し、天才青年科学者シートンを葬り去って、地球上に独裁国家を建設しようと、恐るべき計略を企んでいた。一方、シートンの乗るスカイラーク3号は広大な宇宙空間で、絶体絶命の危機に陥っていた。そこから脱出するため、シートンは四次元の世界へ転移したのだが……。宇宙の果てで繰り広げられるスリルとサスペンスに満ちたスペースオペラ最大の傑作。

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  • 白骨樹林(電子復刻版)
    -
    北海道の自衛隊局地医学研究所から九州へ超極秘の物体を運ぶ――それが老諜者・叶捨吉に与えられた使命だった。適はCIAとKGB。困難の果てに、叶はその物体を手に入れたが、そのとき早くも敵影が……。一方、妻と娘を惨殺した犯人を追い求める正岡は、事件の背後にその物体がからんでいることをつきとめた。超極秘のその物体の中身は、一体、何なのか?国家機密をめぐって展開する男の死闘!

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  • 求婚のゆくえ 読書会の秘密 III
    -
    レベッカの乗った馬車が一時停止したとき、半裸の若者が馬車に転がり込んできた。仲間と悪ふざけに興じた末に、売春宿から逃げ出してきたという。若者を家まで送り届けると、その兄のルーカスが現れて、冷ややかなまなざしで値踏みするようにレベッカを見た。そして、彼女が弟を誘惑し、金を巻き上げようとしたとなじった。こともあろうに、レベッカを売春婦と勘違いしたのだ!ルーカスのぶしつけな態度は我慢がならなかったが、その一方で、レベッカは不思議なときめきを覚えた。興奮と不安がないまぜになったこの気持ちは何かしら……。★放蕩貴族と淑女の恋のゆくえは?そして、イギリスの国家機密をフランスに売り渡していた人物の正体とは?★
  • 期間限定皇后
    -
    君との約束を、必ず守る 都でやり手の商人として勤しんでいたら、スカウトされて皇后に!? 蕣の統明帝が迎えた皇后――は仮の姿、梁青蓮は国家の窮状を救うため強制採用されたやり手の「牙人」。見た目はいいのにどこかのほほんとした統明帝と側近だけが正体を知る中、青蓮は持ち前の商賈としての閃きで国庫を立て直してゆく。しかしこの危機の裏には思わぬ陰謀が潜んでいて!? 役目を終えたら放免という約束で引き受けたのに、青蓮はいつしか自らの意思で統明帝の力になりたいと思っている自分に気づき…。 SNC・装画
  • P+D BOOKS 激流(上)
    -
    1~2巻770~880円 (税込)
    時代の激流にあえて身を投じた兄弟を描く。  日本橋の繊維問屋の家に生まれた永森進一と正二の兄弟。関東大震災、昭和恐慌、満州国建国などを背景に、激動する社会状況を、対照的な兄弟の姿を通じて描く。  成績優秀な進一は、学生時代から社会主義に傾倒し、卒業後は組合活動に没頭。しかし、左翼活動家の取り締まりを強めていた特高警察に捕まってしまい、連日激しい拷問を受ける。やがて起訴保留となり釈放されるが、進一はそのときすでに肺を患っていた。  一方、兄とは違って明るく社交的な正二は、学校を出ると家族らに盛大に見送られて入営。ところが、この連隊では体罰こそなかったものの、「昭和維新」(天皇親政の国家を目指す運動)を標榜する右派の巣窟となっており、正二はやがて日本中を揺るがす大事件に否応なく巻き込まれていく――。  あたかも激流のように社会が激しく変動するなか、ふたりはどこに行きつくのか……。治安維持法違反の疑いで検挙された経験を持つ著者の体験から描かれた魂の長編の前編。
  • 出身成分
    4.1
    この国に生を受けただけなのに、希望はどこにある―― 平壌郊外の保安署員クム・ヨンイルは11年前の殺人・強姦事件の再捜査を命じられた。犯人として収容されている男と面会し記録を検証するが、捜査の杜撰さと国家の横暴さを再認識するだけだった。実はヨンイルの父は元医師。最上位階級である「核心階層」に属していたが、大物政治家の暗殺容疑をかけられ物証も自白もないまま収容されている。再捜査と父への思いが重なり、ヨンイルは自国の姿勢に疑問を抱き始める。そしてついに、真犯人につながる謎の男の存在にたどりつくが……。鉄壁な国家が作り出す恐怖と個人の尊厳を緻密に描き出す、衝撃の社会派ミステリ長編。
  • ルナ Orphan’s Trouble<新装版>
    3.0
    日本近海を取り囲んだ謎の物質「悪環」。壊滅状態に陥った日本で「孤児」たちはいかに戦い、生き抜いていくのか? 第4回日本SF新人賞受賞作。 海岸線を襲う、見えざる電離性放射線、その名も「デヴィルレイズ」。列島をぐるりと取り囲んだ謎の海面物質「悪環」が放散するウィルスによって、日本は壊滅的な打撃を被った。食料不足、エネルギー枯渇、円の大暴落、自殺者の増加、果てには国家非常事態宣言。実質的な「鎖国」状態に陥ったこの日本で、天間ルナ、有働仁ら“孤児”たちは如何に戦い、如何に生き抜いていくのか!?破滅後の世界を描く圧倒的な筆力と、魅力的な登場人物達の存在感。選考委員長・筒井康隆氏をして、「作品が孕んでいる熱気はただごとではない」と言わしめた、第4回日本SF新人賞受賞作、堂々刊行。
  • ザ・ジャグル 汝と共に平和のあらんことを(1)
    -
    地球国家群間の大戦終結後、復興と平和のシンボルとして建設された永久平和都市オフィール。軌道国家群から軌道エレベーターで入都した報道士キャロルと記録士シオリは、都市の取材を通じその表層的な“平和”に疑念を抱く。やがてテロや大規模犯罪を密かに闇に葬り去る特殊部隊〈手品師(ザ・ジャグル)〉の噂を耳にした二人は、この都市の真の過酷に絶句する……。  戦争という狂気の本質に迫る、本格アクションSFシリーズ、第1弾。電子版のために書き下ろされた短篇&あとがきを追加収録! ●榊一郎(さかき・いちろう) 1997年、第九回富士見ファンタジア長編小説大賞で準入選、翌年デビュー作『ドラゴンズ・ウィル』を刊行。自称・小説屋/軽小説屋であるが、ゲームシナリオ、アニメシナリオ等も手掛ける。速筆で著作多数。代表作に『スクラップド・プリンセス』『棺姫のチャイカ』『アウトブレイク・カンパニー』『まじしゃんず・あかでみぃ』『神曲奏界ポリフォニカ』『ストレイトジャケット』等がある。ガンマニアで観賞魚マニア。
  • 蒼氓の大地
    -
    日本人であることを一枚一枚削ぎ落とされてゆく一世。多民族国家ブラジルに根を張ろうとする二世、三世。そして四世たち……。移民の野村峯夫一家が苦闘の末、やがてテーラ・ローシャの大地にゆたかな実りをもたらしてゆく足跡を、たしかな筆力で書きあげた渾身の力作。第13回講談社ノンフィクション賞受賞。明治政府によって推進された南米への移民政策の光と影を、日系4世の妻の一族の夢と挫折の軌跡を克明に追うことで解明。移民とは棄民ではないかと問う!
  • 風の王国
    -
    1巻770円 (税込)
    フリーライターの速見卓は、出版社の依頼で奈良の二上山を訪ねる。尾根道で速見は、翔ぶように速く歩く女性を見かける。さらに、仁徳稜の広場で法被を着た「へんろう会」の人々の中に彼女を見出し、強い興味を抱く。へんろう会は山の民の末裔たちの集まりで、翔ぶ女はその流れをくむ天武仁神講の講主・葛城天狼の娘の哀だとわかる。そして、それらの民を国家に組み込もうとした、明治維新後の日本政府の暗部が浮かび上がる……。
  • 誘惑の湖【新装版】
    -
    その制裁は何よりも甘く、どこまでも冷酷で――ロマンス史に燦然と輝く不朽の名作を、新装版で復刊! 大企業を統括するロバート・キャノンは財界随一の切れ者と評判の男。そんな彼をある日思いがけない事態が襲った。傘下の企業から国家機密のプログラムが流出したのだ。FBIには任せておけず、ロバートはみずから捜査に乗りだすことに。容疑者のひとりは湖畔でマリーナを営むエヴィー。入手した不鮮明な写真を見る限りひどく野暮ったくて田舎くさい女だ。だがさっそく客を装って湖畔に近づいた彼の前に現れたのは、服こそ写真どおり冴えないものの、美しく魅惑的な女だった。ロバートは疼く欲望とともにある計画を思いつき……。 *本書は、MIRA文庫から既に配信されている作品の新装版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
  • 文革再来
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    文化大革命は、中国現代歴史上最悪の事件で、民主と法制を踏みにじり、中国の国民ならびに経済を崩壊の瀬戸際に陥れた、いわば国家の権力を借りた犯罪であった。派閥と派閥が対立と分裂を繰り返し、政治闘争が武力闘争へと発展した大規模な“内ゲバ”ともいえる。内外の研究者の調査では「死者40万人以上、犠牲者1千万人」と言われ、ふたつの世界大戦とともに「20世紀10大歴史出来事のひとつ」にもあげられているほどだ。  本書では、現在の視点からもう一度、“文革とは何だったのか”を見直すとともに、習近平政権下で発生するかもしれない「第二の文革」に対して警鐘を鳴らす。電子オリジナルのノンフィクション作品。 序説 文革とは、何だったのか I 国家犯――毛沢東と林彪 II 巨悪――毛沢東と江青 III 巨星“レッドスター”──毛沢東とトウ小平 IV 巨龍の野望――毛沢東と習近平 あとがきに代えて ●森田靖郎(もりた・やすろう) 作家。1945年、兵庫県出身。文革中に、中国・チベット地区を訪れ、辺境地に下放された都市青年との交流から中国への興味を抱く。その後、シルクロードやロングマーチ(長征)など中国各地への旅を繰り返す。改革開放、天安門事件、香港返還などを常に現場から発信し、中国をフレームにして日本への同時代メッセージを送り続けるルポで定評がある。ノンフィクションを底辺にさらに再構築した小説執筆にも精力的で、ノンフィクションでは表現出来ない中国の暗部を赤裸々に描き出している。『上海セピアモダン』(朝日新聞社)、『中国「犯罪源流を往く」』(講談社)、『悪夢』(光文社)、『地経学で読む爆走中国』(原書房)、『引き裂かれた街~池袋チャイナタウン・プロジェクト~』(ナショナル出版)など著書多数。
  • 失敗という人生はない
    5.0
    「人間万事泣けば(相手より)下、腹を立てれば対等、笑えれば上。」 「自分を追い詰めないようにすること。その方法は、何にでも『たかが』をつけて考えることで。」 「何がどうあろうとも、私たちの望まぬ試練が、私たちを強めるということは真実なのである」……。 現代を透徹した目で見つめ、数々の作品を紡ぎ出してきた曽野綾子の珠玉の言葉を集めた箴言集。 漠然としていた惑い、モヤモヤしていた疑問について、力強い言葉で伝え、一歩前に進むための勇気を与えくれる貴重な一冊。 六章立て 人生に失敗ということはない  生きるということ  人生に完全はない  人間は運命を選び取ることができるか  この悲しみの世に  死によって人は高められる  よく死ぬことはよく生きること  死を意味あらしめるもの 愛は生命そのものである  その人のために死ねるか  愛される資格  結婚とは、相手の総てをコミで引き受けることである  夫婦は、自分の未知の部分を相手によって発見する  許した時だけ人は本当に愛を自分のものとする  “老年”は精神の完成期である 神は私たちひとりひとりの中にいる  神は人間を束縛するのではなく、解放する  信仰は報いられない人生を祝福する  生命に関することは総すべて神の仕事である  祈りの力  覚えたる罪と覚えざる罪  この世のすべては神の作品である 無力からの出発  強い人、弱い人  愚かで盲目だから可能性をもつ  完全な善人もいない。完全な悪人もいない  悪を認めることによって人間の深さを知る  断念は敗北ではない。新たな希望である 持てる能力を生かす  足し算の幸福、引き算の不幸  本当の自由を手にするには  苦しみが人間をふくよかにする  貧しさは神からの贈り物である  与える歓よろこび、損のできる強さ  昏くらいからこそ私たちは勉はげむ  責任をとるのは誰なのか “私”は人々の中で生かされる  この世で不用な人は一人もいない  一生はひとと共に始まる  親は子供にとって土である  生活は自分で選びとるもの  本職とは書いてこそ作家、教えてこそ教師である  人間は国家によって生かされもするし、殺されもする
  • 処刑御使
    -
    黒船来航を機に三浦半島に創られた長州藩相模警備隊。貧しい下士に生まれた少年、伊藤俊輔にとって、その応召は立身の希望の光であった。だが、彼は着任早々「処刑御使」と名乗る謎の刺客に次々と襲われる。なぜ自分が? 彼らの正体とは? 俊輔が一切を解した時、国家の命運を賭けた壮絶な闘いが始まった。伝奇小説の鬼才が放つ白熱の幕末異聞。「電子版あとがき」を追加収録。 ●荒山徹(あらやま・とおる) 1961年富山県生まれ。上智大学卒。新聞社、出版社勤務を経て、朝鮮半島の歴史・文化を学ぶため韓国留学。延世大学校延世語学院韓国語学堂卒業。1999年『高麗秘帖』で小説家デビュー。『魔岩伝説』『十兵衛両断』『柳生薔薇剣』で三度、吉川英治文学賞新人賞候補となり、2008年『柳生大戦争』で第2回舟橋聖一文学賞を、2017年『白村江』で第6回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。日韓交流史を主題とする時代伝奇小説を発表して注目を集めた。他の作品に『竹島御免状』『長州シックス 夢をかなえた白熊』『シャクチ』『キャプテン・コリア』など多数。
  • 誰も国境を知らない
    -
    今も戦後が終わらない北方領土、見ることのできない島・沖ノ鳥島、民族的聖地となった竹島、上陸を禁じられ政治的秘境となった尖閣諸島。そこには、国境で暮らす人、かつて暮らしていた人、国境を守ろうと運動する人、取り返そうと運動する人がいた。僕たちは、この国のリアル(真の姿)をどこまで知っているのだろうか? 国境問題の現状と、戦争や政治によって膨張し収縮する国境問題に振り回されている人々を描くノンフィクション。  文庫刊行時に追加された尖閣諸島へのルポ(2012年)および、文庫化の際に削除された「硫黄島」と「小笠原諸島」の章を復活して収録。さらに資料写真もカラーにして再収録した完全版。 プロローグ……膨張と収縮のヒストリー 一 北方領土I……渡航を禁じられた島 二 沖ノ鳥島……国家が守る見えない島 三 竹島I……民族的聖地への上陸記 四 対馬……隣国と向き合う交流の島 五 硫黄島……国家に裏切られた島 六 小笠原諸島……日米の間で揺れ続けた島 七 与那国島……国境の手前でもがく島 八 竹島II……奪われた島をめぐる記憶 九 北方領土II……歴史が止まったままの島 十 尖閣諸島……政治的な秘境となった島 エピローグ……日本の中心から遠く離れて ●西牟田靖(にしむた・やすし) 1970年、大阪府生まれ。神戸学院大学法学部卒業。就職し8ヵ月間IT企業で働いたあと、地球一周の船旅を体験。以降、ライターとしての道を歩む。近年は骨太なノンフィクション作品に取り組んでいる。著書に『本で床は抜けるのか』(本の雑誌社)、『わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち』(PHP研究所)『ニッポンの穴紀行 近代史を彩る光と影』(光文社)、『ニッポンの国境』(光文社)など。
  • 白骨樹林
    -
    北海道の自衛隊局地医学研究所から九州へ超極秘の物体を運ぶ――それが老諜者・叶捨吉に与えられた使命だった。敵はCIAとKGB。困難の果てに、叶はその物体を手に入れたが、そのとき早くも敵影が……。一方、妻と娘を惨殺した犯人を追い求める正岡は、事件の背後にその物体がからんでいることをつきとめた。超極秘のその物体の中身は、一体、何なのか?国家機密をめぐって展開する男の死闘!
  • カネと自由と、文明末ニューヨーク
    -
    アメリカ社会、とくに創世記の基幹産業界においては移民と切り離せない関係がある。移民労働は、アメリカ文明の根っこを支えている、いわばアメリカ文明の起源の原点でもある。その一方で、「移民は安価の労働者」という考え方がアメリカ社会に深く浸透している。出稼ぎ移民とくに非合法移民が、アメリカ人の労働環境を悪化してきたという根底の考えが、トランプ現象を生み出したともいえる。(本文より)  アメリカ文明とは、つまるところ、何なのか。“アメリカニズム”を移民たちはどのように受け留めるのか。ニューヨーク・チャイナタウンの視点から「移民排斥の歴史を繰り返す国家」の姿を見てみよう…。  世界を見続けてきたノンフィクション作家が語る、“アメリカ文明と、その未来のルーツ”とは。貴重な資料写真で綴る「写真で見るニューヨーク・チャイナタウン史」も同時収録。電子オリジナル作品。 ●森田靖郎(もりた・やすろう) 作家。1945年兵庫県出身。文革中に、中国・チベット地区を訪れ、辺境地に下放された都市青年との交流から中国への興味を抱く。その後、シルクロードやロングマーチ(長征)など中国各地への旅を繰り返す。改革開放、天安門事件、香港返還などを常に現場から発信し、中国をフレームにして日本への同時代メッセージを送り続ける。小説執筆にも精力的で、ノンフィクションでは表現出来ない中国の暗部を赤裸々に描き出している。主な著書に、『東京チャイニーズ』(講談社)、『見えない隣人~小説・中国人犯罪~』(小学館)、『スネーク・シャドウ』(朝日新聞社)、『上海セピアモダン』(朝日新聞社)、『悪夢』(光文社)など。
  • 新感染 ファイナル・エクスプレス
    5.0
    時速300キロで疾走する特急列車内でウイルス感染パニックが発生! 極限状況下の人間模様が呼び起こす、破格の興奮と感動のカタルシス カンヌなどの国際映画祭で絶賛を博し、破竹の勢いで世界中を席巻したノンストップ・サバイバル・アクションを完全小説化! 巻末には監督インタビュー&VFX解説を特別収録 ★映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』2017年9月1日より公開 高速鉄道の車内で突如起こった感染爆発〈パンデミック〉。 疾走する密室の中で凶暴化する感染者たち。 偶然乗り合わせたある父と幼い娘、妊娠中の妻とその夫、野球部員と女子マネージャー…… 果たして彼らは安全な終着駅にたどり着くことができるのか? ◆2016年カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門にアジアから出品された1本の映画が、上映に居合わせたジャーナリストらのド肝を抜き、大反響を呼び起こした。その後、カナダのファンタジア国際映画祭で最優秀作品賞、スペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭で監督賞、視覚効果賞に輝くなど、世界各国の映画祭で喝采を博したその映画には、156ヵ国からの買付オファーが殺到。さらに有名な批評サイト“ロッテントマト”で96%もの支持を獲得し、エドガー・ライト、ギレルモ・デル・トロ、スティーヴン・キングがツイッターなどで絶賛コメントを発信するなど勢いはとどまるところを知らず、フランスの大手映画会社ゴーモンによるリメイク権購入のニュースも報じられた。製作国の韓国では封切り後わずか19日間で観客動員1000万人突破を達成し、2016年興収成績NO.1となる大ヒットを記録。世界規模で異例ずくめの快進撃を見せている破格のエンターテインメント大作、それが『新感染 ファイナル・エクスプレス』である。 〈あらすじ〉ある早朝、ソウル駅を出発したプサン行きの特急列車KTX101号で、謎のウイルスに冒された少女が突然凶暴化し、近くの女性乗務員に襲いかかった。それをきっかけに感染者が爆発的に増殖した車内で凄まじいパニックが発生し、偶然この列車に乗り合わせていたファンドマネージャーのソグと幼い娘スアン、妊娠中の女性ソンギョンとその夫サンファ、野球部員の高校生ヨングクと恋人ジニらは力を合わせ、阿鼻叫喚の車内を生き抜こうと奮闘する。しかしあらゆる車両を占拠した感染者のみならず、エゴを剥き出しにした他の乗客までが彼らの命を脅かす。韓国政府が国家非常事態宣言を発令するなか、はたしてノンストップの疾走を続けるKTX101号は、今もかろうじて治安が維持されている終点のプサンにたどり着くことができるのか……。
  • 北朝鮮とのケンカのしかた 「宣戦布告」なき対日戦争
    -
    「北朝鮮が日本に仕掛けているのは、一種の戦争なのである」――故金正日が拉致事件を正式に認めた直後、北朝鮮という錯乱国家の本質を説き、日本人の蒙を啓いた本書を今新たに電子で復刊! いよいよその暴走に歯止めがかからなくなった独裁国、日本は「有事」に冷静な対応ができるのか! コリア・ウォッチャーとして40年、日・韓・朝の歴史・文化・政治に精通した著者の提言に、今こそ真剣に耳を傾けるべきである。
  • 原発危機 官邸からの証言
    3.6
    「菅首相の現地視察が東京電力の事故対応を遅らせた」「官邸が現場の注水作業を止めた」「政府はアメリカからの冷却剤提供を断った」――これらの批判は事実無根である。首相官邸で首相、官房長官に次ぐ3番目の危機管理担当であった事故当時の官房副長官が、自ら残したノートをもとに、官邸から見た原発危機の緊迫した状況を再現。知られざる危機の真相を明らかにするとともに、緊急時の国家体制が抱える問題の構図を浮き彫りにし、事故を教訓とした日本の進むべき道筋を提言する。
  • チンギスの陵墓 上
    3.8
    その墓が暴かれし時、世界は終わりを迎える〈神の目〉が映し出した人類の未来、そこには崩壊するアメリカの姿が……「真実」とは何か? 「現実」とは何か?全世界で日本でベストセラー!シリーズ最新作!◎待望の〈シグマフォース〉シリーズ、最新第8弾! ギルドとの長い闘いを終えた〈シグマフォース〉に最大の悲劇と危機が訪れる!◎謎の組織〈ギルド〉との長い闘いを終えた〈シグマフォース〉。だが、休む間もなく新たな脅威に直面する。彗星の尾に接近した軍事衛星が地球に墜落するが、その衛星から送られてきた最後の画像には、廃墟と化したアメリカ東海岸の“未来”が映っていたのだ……。◎ヴァチカンのモンシニョール・ヴィゴー・ヴェローナとその姪レイチェル・ヴェローナが三作ぶりに登場するほか、前作『ギルドの系譜』で明らかになったセイチャンの過去に関しても新たな展開が!◎〈あらすじ〉ダークエネルギーの調査をしていたアメリカの軍事衛星が、彗星の尾に接近した後、地球に墜落する。通信が途絶える直前に衛星から送られてきた画像がとらえていたのは、廃墟と化した“四日後の”アメリカ東海岸だった。一方、ローマのヴィゴー・ヴェローナのもとに届いた古い頭蓋骨にも、四日後に地球が滅びるとの予言が記されていた。シグマフォースのペインター・クロウ司令官は、モンク・コッカリスたちを派遣し、ヴィゴーとその姪のレイチェルとともに、頭蓋骨の送り主がいるアラル海に向かわせる。その頃、死んだと思われていた母親の行方を探してマカオを訪れていたセイチャンが、何者かに拉致される。グレイ・ピアースとジョー・コワルスキは、セイチャン奪還のため北朝鮮の平壌に乗り込んだ。◆歴史的事実に関して――チンギス・ハン(1162年5月31日―1227年8月25日)モンゴル帝国・初代皇帝(1206年~1227年在位)。互いに抗争を繰り返していた大小様々なモンゴルの遊牧民諸部族を一代で統一。その後、中国北部・中央アジア・イラン・東ヨーロッパなどを次々に征服、モンゴル帝国の基盤を築き上げた。この帝国は、当時の世界人口の半数以上を統治しており、人類史上最大規模の世界帝国である。彼の死後、帝国は百数十年を経て解体されたものの、その影響力は中央ユーラシアにおいて生き続け、遊牧民の偉大な英雄として、特に故国モンゴルにおいては〈神〉として、国家創建の英雄として称えられている。血に飢えた暴君というイメージがある一方で、チンギスは先進的な考えの持ち主でもあった。初めて国際的な郵便制度を確立し、外交特権という概念を取り入れ、政治の場に女性を登用した。そして、それまでに類を見ないほど宗教に対して寛容だった。彼の死後、部下たちは葬儀や墓の建設に関わったものたち全員を抹殺した。そのため何世紀にもわたって調査が行なわれているにもかかわらず、陵墓の所在地は現在に至るまで謎のままである。陵墓には征服した土地から奪った財宝が隠されているとの噂がある■著者プロフィールジェームズ・ロリンズJames Rollins1961年イリノイ州生まれ。ミズーリ大学で獣医学の博士号を取得後、カリフォルニア州サクラメントで獣医を開業。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。以後、『ナチの亡霊』『ユダの覚醒』『ロマの血脈』『ケルトの封印』『ジェファーソンの密約』『ギルドの系譜』“The 6th Extinction”(2016年春発売予定)などを経て、二〇一五年夏刊行予定の“The Bone Labyrinth”(日本版は2016年秋発売予定)に至るまで、シリーズは十一作(『ウバールの悪魔』も含めると十二作)を数える。歴史的事実に基づきながら、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。ジェームズ・ロリンズのオフィシャルサイト■http://www.jamesrollins.com■訳者プロフィール桑田 健Takeshi Kuwata1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。主な訳書に『痛いほど君が好きなのに』(ヴィレッジブックス)、『すべてはゲームのために マイ・ストーリー』(ソニーマガジンズ)、『ウバールの悪魔』『マギの聖骨』『ナチの亡霊』『ユダの覚醒』『ロマの血脈』『ケルトの封印』『ジェファーソンの密約』『ギルドの系譜』『Σ FILES〈シグマフォース〉機密ファイル』(以上竹書房)、『オバマノミクス――「持てる者への優遇の経済」から「持たざる者への思いやりの経済」へ』(サンガ)、『地球 驚異の自然現象』(河出書房新社)がある。
  • 霧のソレア
    3.7
    テロリストが仕掛けた時限爆弾によって、太平洋上を飛行中のボーイング747が大破。機長を失うが、女性副操縦士の奮闘で、成田空港へと向かっていた。しかし、通信機器が突然使用不能に! 米政府、CIA、日本政府、そして北朝鮮――。国家間の暗闘に翻弄される747の運命は? 第11回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝く、興奮と迫真の航空パニック小説!
  • 世界と闘う「読書術」 思想を鍛える一〇〇〇冊
    3.5
    世界各地で民族紛争や宗教対立が激化している。かつて覇権争いの主役だった国家は、経済的にも政治的にも巨大なパワーを持つグローバル企業によって存在自体を揺さぶられている。日本も例外ではない。ブラック企業による労働者からの収奪は進み、自由は大企業だけが独占している。沖縄の基地問題はじめ日米関係、官僚支配の問題など政権交代をへても解決の糸口は見えない。世界は激変している。こんな時代に思想のないまま世界に対峙して生きていくことはできない。自分の言葉で世界をとらえ直し、みずからの思想を鍛えるのは読書しかない。ふたりの知の巨人が実体験をひきながら、読書を武器にする方法を説き明かす。【目次】はじめに――「AKB48と宗教」 佐藤 優/第一章 宗教・民族と国家/宗教・民族と国家を読む、必読ブックリスト/第二章 家族と国家/家族と国家を読む、必読ブックリスト/第三章 戦争・組織/戦争・組織を読む、必読ブックリスト/第四章 日本とアメリカ/日本とアメリカを読む、必読ブックリスト/第五章 沖縄・差別の構造/沖縄・差別の構造を読む、必読ブックリスト/第六章 日本・日本人/日本・日本人を読む、必読ブックリスト/第七章 文学・評伝・文芸批評/文学・評伝・文芸批評を読む、必読ブックリスト/第八章 社畜とブラック企業/社畜とブラック企業を読む、必読ブックリスト/第九章 未来を読む/未来を読む、必読ブックリスト/おわりに――異能の人との連帯 佐高 信/佐高 信が選ぶ、ジャンル別・必読「新書」リスト
  • 熱砂の旭日旗
    -
    第一次世界大戦、中東の地に日の丸がひるがえる!  一九一五年、京都。陸軍中将・柴五郎は予備役中佐・井坂敏幸を訪ねた。  井坂は日露戦争時、ロシア軍の動静を探る挺身隊として敵地深く潜入し、見事斥候の任務に成功した人物だった。  柴は井坂に、現役に復帰しアラビア遠征への帯同を依頼。対する井坂の答えは、決死の偵察を供にした三人との同行が条件であった。  その前年に勃発した世界大戦は中東の地にも及び、ドイツと英国は、敵国の植民地に揺さぶりをかけていた。日英同盟が依然有効であることから、英国は日本に対して派兵を要求。結局日本は欧州遠征は拒否するが、スエズ運河をめぐる攻防に加わることを決断する。  英軍の「アラビアのロレンス」ことトマス・エドワード・ロレンス大尉とともに、砂漠をわたって潜入工作を開始。日露戦争では伝説的な活躍を見せた“老兵”たちが、最後に見たものは…?  第一次大戦後、戦乱の中東で国家の威信を背負った日本軍人が大活躍する、架空戦記の登場!  単行本では『熱砂の旭日旗 パレスチナ挺身作戦』、『熱砂の旭日旗2 イラク打通作戦』と2巻に分けて刊行されていたものを合本して加筆・修正。電子版はかなりお買い得です。 ●林 信吾(はやし・しんご) 1958年、東京生まれ。神奈川大学中退。1983年より10年間、英国に滞在。この間、ジャーナリストとして活動する傍ら、『地球の歩き方・ロンドン編』の企画と執筆に参加。帰国後はフリーで執筆活動に専念している。 『青山栄次郎伝 EUの礎を築いた男』(角川書店)、『超入門資本論 マルクスという生き方』(新人物往来社文庫)など、著書多数。『反戦軍事学』(朝日新書)、『イギリス型〈豊かさ〉の真実』(講談社現代新書)などは電子版も配信されている。 ●清谷信一(きよたに・しんいち) 1962年生まれ、東海大学工学部卒。軍事ジャーナリスト、作家。2003~08年まで英国の軍事専門誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』日本特派員を務める。香港を拠点とするカナダの民間軍事研究機関KanwaInformation Center上級アドバイザー、日本ペンクラブ会員。欧州、中東、南アフリカなど豊富な海外取材とネットワークをベースにした防衛産業の分析には定評がある。 著書に、『防衛破綻』(中公新書ラクレ)、『専守防衛』(祥伝社新書)『自衛隊、そして日本の非常識』(河出書房新社)、『弱者のための喧嘩術』(幻冬舎アウトロー文庫)、『こんな自衛隊に誰がした!』(廣済堂)、『不思議の国の自衛隊』(KKベストセラーズ)、『ル・オタク―フランスおたく物語』(講談社文庫)、『軍事を知らずして平和を語るな』(石破 茂氏との共著 KKベストセラーズ)、『アメリカの落日』(日下公人氏との共著 廣済堂)など多数。
  • わたしのファルコン1
    4.0
    第二次大戦後に、日本が東西分断国家になっている“現代世界”――自分の仕事に行き詰まりを感じている元アイドル歌手・水無月忍と、就職難で憧れのキャビンアテンダントの夢が絶たれた短大生・睦月里緒菜は、妙な成り行きで西日本帝国海軍の戦闘機パイロット試験を受けることになる。一方、三浦半島沖では、戦艦<大和>が怪獣と遭遇していた――!? 青春航空アクション、ここに開幕!

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  • 人間狩り
    4.0
    2030年、他民族雑居化が進んだ東京は、首都機能を失い犯罪の巣窟と化していた。そんな中、東京を脱出した者たちが「東北自治区」と呼ばれる日本人だけが暮らす独立国家を作った――自治区で行政官として治安警備を司る月岡耕司に、ある日、首長の家出した娘を捜索する命令が下された。彼女が無法地帯・東京に潜伏していることを掴んだ月岡は、自らも東京に潜入。だが、そこで目にしたものは驚くべき光景だった!巨匠が描き出すとてつもない近未来像。『二〇三〇年東北自治区』改題。

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  • 児島惟謙(こじまこれかた) 大津事件と明治ナショナリズム
    4.0
    訪日したロシア皇太子を警護の日本人巡査が斬りつけ負傷させた事件に日本は朝野ともに震撼し、政府は「皇室に対する罪」を適用し犯人を極刑にしようとした。だが大審院長児島惟謙は毅然として反対し、司法権の独立を護った――これが大津事件と「護法の神」児島の伝説である。しかし、仔細に経緯を辿れば疑問は多い。児島にとって司法権独立とは何のためのものであったのか。明治国家形成期の時代精神の中で児島の全体像を検討する。

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  • 亡国前夜
    3.0
    世界同時不況下の日本で、若者による通り魔事件が頻発しだした。フリーターの金子将太は魔手から若い女性を救うが、二人は名乗ることもできず別れる。犯行は財界人テロへと激化。背後には絶望した若者を糾合する新興宗教政党の動きがあった。将太が救った中国人女性が、また食いつめ来日した米中の男たちが帯びる任務とは? 国家存亡の事態が迫りくる! 憂国のクライシス・ノベル。
  • 2011年7月24日 テレビが突然消える日
    3.4
    2011年7月24日を境に日本中のアナログテレビが映らなくなる。地上波デジタル放送が全国いっせいに実施され、6500万代台のテレビが、ゴミになる。地上波デジタル放送とはいったい何者なのか。生活にどんな影響があるのか。テレビ放送出身の老練専門家が、メディア論、テレビ論、ジャーナリズム論から徹底的に解説する。さらには、米国、英国、韓国の地上波デジタル政策と比較しながら、日本の国家としての放送政策を問い直す。この一冊で、「地デジ」騒動がわかる!

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  • 仇花とグランドフェイク 超常事件報告書
    3.8
    超常現象が在るところに、人の想い在り――。   幼い頃から人の残留思念を読み取る力をもっていたために人間不信を極めてしまったサイコメトラーの鹿野 晶。 「君のような優秀な人材をもとめていたんだ」国家公務試験の面接中に突然、厚生労働省の特務局員・宍戸理人からスカウトを受ける。この男、イケメンだが、胡散臭さ120%。かつて「グランドフェイク」として名を馳せた凄腕奇術師だ。 全くかみ合わない凸凹バディが、奇術とサイコメトリーを駆使した時、超常事件に関わる人々の切なる願いが明かされる! 驚愕と感動の超常現象ミステリー!
  • ローマ帝国愚帝物語
    5.0
    世界に君臨するローマ帝国には名君も多く存在したが、並外れた暴君も多かった。淫蕩のかぎりを尽くしたカリグラ、母殺しのネロ、虐殺に次ぐ虐殺を演じたカラカラ……彼らは皆、人々の怨嗟の声にまみれながら非業の最期を遂げた。これだけの悲劇を繰り返しながら、なぜ帝国は揺るぎもせず存続しえたのか?古代最強国家の偉大なる「愚帝」の所業と、暴君とともに歩む帝国の実像を描いた一冊。
  • 人物で読み解く 「日本陸海軍」失敗の本質
    4.0
    明治維新の躍進から日清・日露戦争の勝利を経て、なぜ日本は「敗れる戦争」へと突き進んだのか? 政治の迷走、軍部の独走に翻弄され、なぜ日本の国策は「一元化」できなかったのか?本書は“近代未満の存在”に終わった「日本陸海軍のキーパーソン」25人の理想と挫折をたどり、戦前日本の“失敗の本質”を読み解く――。「文官」と「武官」で教養知識が分断され、総合的な「発想力」が欠如したままの国家戦略。国民の統制は必要不可欠と考え、他者の「自由・独立」を理解できなかった帝国陸軍の「統制派」たち。金科玉条の「対米艦隊決戦」に引きずられ、なぜ文民が軍縮条約を決めるのかと強硬に反対した帝国海軍の「艦隊派」たちなど、最優秀の人材を集めながら、戦前の日本が敗れた理由が見えてくる。今も変わらぬ日本の「パワー・エリート」の限界と陥穽を鋭く衝いた一冊。

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  • なぜ日本は〈嫌われ国家〉なのか ──世界が見た太平洋戦争
    3.5
    太平洋戦争は各国の日本観及び日本人観にどのような影響を与えたのだろうか。連合国、枢軸国それぞれが見た「ニッポン」を手がかりに、あの戦争が戦後の国際社会に与えた影響を徹底分析。
  • 沈みゆく大国 アメリカ
    3.9
    「1%の超・富裕層」が仕掛けた「オバマケア」で、アメリカ医療は完全崩壊! 次なるターゲットは、日本だ! 鳴り物入りで始まった医療保険制度改革「オバマケア」は、恐るべき悲劇をアメリカ社会にもたらした。「がん治療薬は自己負担、安楽死薬なら保険適用」「高齢者は高額手術より痛み止めでOK」「一粒10万円の薬」「自殺率一位は医師」「手厚く治療すると罰金、やらずに死ねば遺族から訴訟」。これらは、フィクションではない。すべて、超大国で進行中の現実なのだ。石油、農業、食、教育、金融の領域を蝕んできた「1%の超・富裕層」たちによる国家解体ゲーム。その最終章は、人類の生存と幸福に直結する「医療」の分野だった! 本書は、稀代のアメリカウォッチャーである著者が、完全崩壊した米国医療の実態とその背景を、入念な取材により炙り出した渾身のノンフィクションである。 ■主な内容 ・「がん治療薬は自己負担、安楽死薬なら保険適用」 ・「自己破産理由のトップは医療費」 ・「夢から覚めたら保険料が二倍に」 ・「一粒10万円の薬」 ・「高齢者医療費は三分の一にカット」 ・「自殺率トップは医師」 ・「手厚く治療すると罰金、やらずに死ねば遺族から訴訟」 ・「安い早い! ウォルマートがあなたの主治医になります」 ■目次 はじめに 父の遺言 序章 「1%の超・富裕層」たちの新たなゲーム 第一章 ついに無保険者が保険に入れた! 第二章 アメリカから医師が消える 第三章 リーマンショックからオバマケアへ 第四章 次のターゲットは日本

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