作品一覧

  • 人間の居場所
    3.8
    【開高健ノンフィクション賞受賞後第1作!】巨大な資本の流れは、人々の暮らしをボロボロに蝕み、国家は、国境の壁をますます迫り上げる。押し出された者は、当て所もなく荒野を彷徨うのみ。――私たちの居場所はいま、どこにあるのか? シリア難民、AKB、三里塚闘争、LGBT、暴力団、新宿ゴールデン街、子ども食堂、日本赤軍、刑務所、イスラム国、釣り場……。一見バラバラな「断片」を繋ぎ合わせたとき、見たことのない地平が浮かび上がってくる。「人間」の姿を丹念に描いたこの小さな本に、私たちの生存のヒントが、隠されている! 【目次】はじめに/第一章 流浪に浮かぶ祖国/第二章 共犯者たちの秘密基地/第三章 あのころ「学舎」があった/第四章 「雑民」たちの浄化/第五章 アジールの崩壊/第六章 残された旗/第七章 食堂が紡ぐモノ/第八章 極北の「持ち場」/第九章 砂漠の団欒/第十章 異界の不文律/おわりに
  • ジャスミンの残り香 ――「アラブの春」が変えたもの
    3.3
    アラブの春は、宗教勢力の反動を呼び、中東は未曾有の混乱に陥った。“あの「革命」は徒労だったのか?” ムバラク政権崩壊から三年。人気の絶えた広場に再び降り立ち、革命の意味を模索しながら無残な失敗とも思える出来事について考察する。著者の堪能なアラビア語は、人々の本音を次々と引き出す。ジャスミン革命と紫陽花革命の比較等、3.11後の日本を考える上で示唆的な内容も含む。第12回開高健ノンフィクション賞受賞作。
  • 中東民衆革命の真実――エジプト現地レポート
    3.7
    2011年、2月21日、エジプトを30年間統治してきた大統領、ムバーラクが退陣を表明した。それは、5000年にも及ぶアラブの大国の歴史の中で、民衆が初めて自らの手で体制を打倒した瞬間であった。この革命の余波はシリア、リビア、イエメン、サウジアラビアなど中東に広がり、各地で叛乱の火の手があがっている。エジプトで、ムバーラク政権を追い詰めたものはいったい何だったのか。エジプトを軸とする中東の動きを長年観察し、現地取材を続けてきたジャーナリストが、今後の中東情勢を考える。【目次】はじめに/第一章 静かな興奮/第二章 予測を超えた展開/第三章 旧世代の憂鬱/第四章 タハリール共和国/第五章 下支えした既成勢力/第六章 五十四年体制の崩壊/第七章 新しい革命/第八章 青ざめる米国/第九章 不可視の船出/おわりに
  • 新聞記者が本音で答える「原発事故とメディアへの疑問」
    5.0
    1巻440円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 原発はさまざまな差別の複合体であり、原発の問題は、現代社会の歪みを表した縮図である。反原発や脱原発の運動は、その社会の歪みを正していくことにつながる。東京新聞の「こちら特報部」のデスクが、福島原発の事故と報道のあり方、原発が推進される醜悪な事情などを鋭く論じます。

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ユーザーレビュー

  • 新聞記者が本音で答える「原発事故とメディアへの疑問」

    ネタバレ 購入済み

    東京新聞の論説委員の講演より

    当時はまだ特報部のデスクでしたが、今は論説・編集委員となっていて中東問題にもお詳しい田原牧記者が2011年にクレヨンハウス社で講演した内容をもとに冊子化した本です。
    当時は廃案になっていた共謀罪も成立してしまい、原子力災害に関しては緊急事態宣言は出たまま今に至っています。何も終わっていないし、既に原子力回帰の動きが出ているのにはウンザリします。結局、ムラ、内部の村民は反省などしませんので。
    讀賣新聞、新入社員の研修でいい新聞だよと褒めている阿呆がいて、幾らなんでも馬鹿すぎると思いましたが、そういう方がフツーの会社人に近いのが現実です。
    本文で田原氏も触れていますが、詰まるところ、自分たちの生き

    #深い

    0
    2024年06月02日
  • 人間の居場所

    Posted by ブクログ

    シリア難民、AKB、三里塚闘争、LGBT、暴力団、新宿ゴールデン街、子ども食堂、刑務所、イスラム国、釣り場。弱者や少数者や社会から外れた人々がそこに居る。その様子を描き出す。
    著者がその場の内にいるか外にいるかで論調が変わるのも居場所ゆえか。
    読み応えあり面白かった。

    0
    2022年10月25日
  • ジャスミンの残り香 ――「アラブの春」が変えたもの

    Posted by ブクログ

    [春よ、いずこへ]世界中の耳目と賞賛を集めながらも、のちの政治的混乱などから今ではその季節は終わりを告げたと捉えられることが多い「アラブの春」。革命は徒労だったのか、という問いに対し、中東各地を取材し、生の声を聞いた記者が綴ったルポルタージュです。著者は、カイロ支局での勤務をはじめとして、長年にわたり中東地域に関わり続けてきた田原牧。第12回開高健ノンフィクション賞受賞作です。


    自身も活動家であったことが影響してか、カイロを 始めとする都市を訪ね歩いた末に著者が導きだす「革命とは?」との問いへの回答には興味深い示唆がありました。また、特にアラブの春以降の中東情勢が簡潔にまとめられていますの

    0
    2015年04月06日
  • ジャスミンの残り香 ――「アラブの春」が変えたもの

    Posted by ブクログ

    田原牧(1962年~)氏は、北海道生まれ、麻布高校在籍時に都内の定時制高校の統廃合反対運動に参加し、明大政経学部に進学したものの、新左翼セクトとの揉め事で大学を追われた。その後、小規模広告代理店勤務、フリーのジャーナリストを経て、中日新聞社に入社し、湾岸戦争、ルワンダ内戦等を取材。1995~96年にカイロ・アメリカン大学アラビア語専科留学、1997~2000年に中日新聞カイロ特派員、また、同志社大学一神教学際研究センター客員研究員、季刊誌「アラブ」編集委員等を務め、東京新聞(中日新聞東京支社)特別報道記者。紙面では戸籍名の田原拓治名義でも執筆している。2014年に出版された本書で、開高健ノンフ

    0
    2024年06月08日
  • 人間の居場所

    Posted by ブクログ

    割と面白かったですが、少しアンダーすぎる感じが。
    東京新聞の記者でトランスジェンダーの著者が
    書いたいろいろな社会とその居場所について。
    もっと軽く生きている私ですが、心底では共感することも
    多々ありました。

    0
    2017年09月15日

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