【感想・ネタバレ】人間の居場所のレビュー

あらすじ

【開高健ノンフィクション賞受賞後第1作!】巨大な資本の流れは、人々の暮らしをボロボロに蝕み、国家は、国境の壁をますます迫り上げる。押し出された者は、当て所もなく荒野を彷徨うのみ。――私たちの居場所はいま、どこにあるのか? シリア難民、AKB、三里塚闘争、LGBT、暴力団、新宿ゴールデン街、子ども食堂、日本赤軍、刑務所、イスラム国、釣り場……。一見バラバラな「断片」を繋ぎ合わせたとき、見たことのない地平が浮かび上がってくる。「人間」の姿を丹念に描いたこの小さな本に、私たちの生存のヒントが、隠されている! 【目次】はじめに/第一章 流浪に浮かぶ祖国/第二章 共犯者たちの秘密基地/第三章 あのころ「学舎」があった/第四章 「雑民」たちの浄化/第五章 アジールの崩壊/第六章 残された旗/第七章 食堂が紡ぐモノ/第八章 極北の「持ち場」/第九章 砂漠の団欒/第十章 異界の不文律/おわりに

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Posted by ブクログ

シリア難民、AKB、三里塚闘争、LGBT、暴力団、新宿ゴールデン街、子ども食堂、刑務所、イスラム国、釣り場。弱者や少数者や社会から外れた人々がそこに居る。その様子を描き出す。
著者がその場の内にいるか外にいるかで論調が変わるのも居場所ゆえか。
読み応えあり面白かった。

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2022年10月25日

Posted by ブクログ

割と面白かったですが、少しアンダーすぎる感じが。
東京新聞の記者でトランスジェンダーの著者が
書いたいろいろな社会とその居場所について。
もっと軽く生きている私ですが、心底では共感することも
多々ありました。

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2017年09月15日

Posted by ブクログ

いろいろな人間、価値観、コミュニティー、知らないことは沢山ある。
作者は世間的にマイノリティーで、時によっては向き合うのを躊躇したくなるかもしれないところを含めた色々な人間とコミュニティーの存在と現状を本書で紹介してくれている。
無理にそれらに真面目に向き合う必要は無い。ただそういった”多様性”の存在を知って、それに対しまず自分自身で考えていくことがすごく大事だと思った。浅はかな生理的な拒絶は稚拙以外何物でもない。

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2018年08月26日

Posted by ブクログ

借りたもの。
社会に翻弄され、つまはじきにされた人間たちの慟哭を集めたもの。
「自己責任」という言葉でひとくくりにされ、偏見から社会の居場所を失った人々の集合体……それが社会の底辺(貧困、社会問題、社会の基盤、その全て)を作っている。

グローバリズムは本来、「多様性を認める」という意味だったが、細分化されあまりに漠然とした世界は尺度を求め、結局そこから外れた者は抹殺される。
それ故に、漠然と何かが「違う尺度」をあてがわれても、その毒まんじゅうを喰わざるを得ない。

それは単発でふっと沸いたものではなく、連綿と続いてきたものであった。
現代の社会問題が、そうしたものでできていることを――シリア人の祖国、AKB劇場、三里塚闘争、LGBTブーム、アジールとしての暴力団、新宿ゴールデン街のバー、子ども食堂、刑務所、イスラム法学者とその周辺、磯釣りなど――著者の視点から垣間見る。

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2017年10月03日

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