田原牧のレビュー一覧
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[春よ、いずこへ]世界中の耳目と賞賛を集めながらも、のちの政治的混乱などから今ではその季節は終わりを告げたと捉えられることが多い「アラブの春」。革命は徒労だったのか、という問いに対し、中東各地を取材し、生の声を聞いた記者が綴ったルポルタージュです。著者は、カイロ支局での勤務をはじめとして、長年にわた...続きを読むPosted by ブクログ
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2002年にイランに行って以来、つとめてイスラムとは何かについて理解しようとしているけれど、未だに確たるものは無い。2014年の開高健賞受賞作品であるこのノンフィクションは、その意味でも出色である。アラブの春とは何だったのか。エジプト、そしてシリアの今の姿を、市井の人を通じて分析するこの一冊はここ数...続きを読むPosted by ブクログ
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エジプト革命を、新世代が行なったという解釈である。実際に旧世代と新世代を対比してそれを支持するインタビューを掲載している。Posted by ブクログ
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東日本大震災で遠い過去の出来事のように思ってしまうが、先頃もリビアでカダフィが倒れ、シリアでも混乱が起きているこの情況はいったいなんだったんだろうということを知りたくて読んだ。若干型に嵌めたがりな見方が気になる部分もあるが、革命の渦中のカイロに飛び、実際に取材した人の生の声の強さがある。今後のエジプ...続きを読むPosted by ブクログ
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ジャスミン革命から3年。2014年までのアラブの現地の様子を垣間見れる貴重な書。実際に現地に足を運び、現地の人の声を丹念に拾っている。これこそジャーナリズムだと思う。Posted by ブクログ
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「アラブの春」がもたらしたものはなんだったのか、という問いに対しては、民衆一人一人の変化であり、革命とは必ずしも体制の変化ではなく、自分たちの力でいつでも現状を変えることができる、という自信を持つことができるようになること、ともいえるのではないか…というのは大変興味深かった。
文章がちょっと読みづら...続きを読むPosted by ブクログ -
ルポとしてはエジプト、シリアへ行った部分はいきいきとして面白い。ただ、モルシ→ムルシー、バーレーン→バハレーン、等、「俺、アラビア語わかるからこれが正確な発音だし」みたいな部分が鼻について、読みづらかった。もと記者なら、日本で一般的な表現にしたほうが、読者としては読みやすい。さらに、原発の話は余分で...続きを読むPosted by ブクログ
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あまりにもアラブの国々、イスラム教についてわからないので、なんとかもう少し理解を深めたいと思っている。
少し前に内田先生と今話題の?中田考さんの対談本「一神教と国家」を読んだ。
これからも、関心を持っていきたい。
わかりやすく書かれていると思うが、わりと読みづらかった。著者の経歴も気になった。東京...続きを読むPosted by ブクログ -
なんとなく物騒なところという認識でしたが、少し頭の中が整理されました。イスラム国の背景も少しわかったようです。しかしそこに生きる人々の現実は厳しいです。Posted by ブクログ
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この本を読んで分かったことは、自分はイスラム教について、また中東についてあまりにも素養がないことでした。難しい固有名詞がたくさん出てきて、読み通すのは苦しかった。Posted by ブクログ
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独裁政権を倒した「革命」後、反革命が蘇って報道に走る。ただ、それだけならよくある平板な悲劇だ。だが、エジプトでのポスト「アラブの春」の展開の特殊性は、反革命の復活劇に民衆が進んで手を貸した点にある。民衆の主観的な意図がどうであれ、それが客観的な流れだ。p60
気がつけば、「春」ははるか後景に退き、...続きを読むPosted by ブクログ -
イスラーム国というキーワードを読み解くためには、中東の現状を把握しなければならないと思い立ち、本書を手にした。アメリカの中東戦略の徒花とでもいうべきアルカイダがテロを起こし、イスラーム国樹立に至ったのが2014年。9・11のアルカイダのテロに大義などないが、同様に報復したアメリカのイラク戦争にも大義...続きを読むPosted by ブクログ
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時系列も場面もあちこち飛ぶし横文字多いしで非常に分かり辛い本だった。しかし、終章だけは読む価値があった。革命の本質とは何か、何が重要なのかが分かった気がした。Posted by ブクログ
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【起爆剤となったフェイスブック】p112
「サイバー」と呼ばれるネットカフェ。
1時間=約28円
エジプト市街地図 p65
【あとがき】
2010年の暮れからのアラブの叛乱は当事者たちにとっては無意識にせよ、国家の論理を超えている。起動力は「人は何のために生命を与えられたのか」という単純かつ普遍...続きを読むPosted by ブクログ