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どうすれば20代でこんな骨太の長編が書けるのでしょうか。そして人の人生を語れるのでしょうか。読み進めながらそのことに感動します。映画化もされましたが、活字で想像を働かせた方がよほどスケールが大きく感じられる作品です。
登場人物の背景が印象的に描かれる前半から、それが徐々にクロスしていき、それぞれの時間を経過させてイージス艦「いそかぜ」に集められていく中盤が秀逸です。そして後半では、息をのむ緊張感の中での攻防を祈るように読み進めます。
この作品を追いかけるように拉致問題が明らかになり、領土問題が頻発し、日本人は「国」が何をしてくれるのかを問うようになっていきました。軍備拡張はイージス(=盾)に成り得るのか、逆に脅威になってしまうのか、この作品を読んでから真剣に考えてください!
Posted by ブクログ
古本で購入。上下巻。
本棚整理にあわせて再読。
国家に“殺された”息子の仇を討とうとする自衛官によるイージス艦の反乱に、アメリカが作り出した新型兵器と北朝鮮の精鋭工作員が絡み合う舞台仕掛け、そこに福井晴敏お得意の「バディ」モノのアクションが加われば、一級のエンターテインメント小説ができあがり。
ミステリー仕立ての序盤からハリウッド映画さながらの大ドンパチが始まる後半のクライマックスまで、ズンズン読ませる。
作品としては後のものになる『終戦のローレライ』と通じるのは、主人公のひとり、先任伍長の仙石のこの言葉。
「生き甲斐だよ。生きててよかったって思うことだよ。それがあるから人間、生きていけるんじゃねえか」
国家を背負った男たちの物語にあって、それぞれの登場人物が最後にたどり着くのはそこ。
ものすごく大きくて重いテーマを扱った作品を書きながら読後感が爽やかなのは、このあたりに理由があるのかもしれない。
Posted by ブクログ
海上自衛隊のイージス艦を舞台にした物語。
上巻の前半は主要登場人物の背景や人物像、海上自衛隊組織などについて丁寧に描かれていて、ややスロースタートな感じだが、300ページを過ぎたあたりから物語が荒々しく一気に動き出した。
「守るべき国の形も見えず、いまだ共通した歴史認識さえ持ちえず、責任回避の論法だけが人を動かす」この国に「真実を告げる者」が行動を起こしたところで上巻が終わる。
行動を起こした者たちの目的がいまいち理解できず共感もできないまま読み進めてしまった。ハッピーエンドとはならなそうなシナリオと展開のように思えるけど、下巻でどうなるやら。
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