小説 - セール作品一覧
-
3.4ハマる、落ちる、とける。大人の女の危険な恋。林真理子のビターな恋愛小説――「人妻とのつき合いは、いろいろな味をそのつど男に与える」……産休明けで、諸橋陽子が職場復帰した。広告代理店に勤める奥村裕一は、妊娠前の陽子と、数回関係をもっていた。子どもを産んで、以前より美しくなった彼女を、裕一は誘うが……。という表題作「ミルキー」を含む、女の秘密がぎっしり詰まった12作の短篇集。女の顔は、恋の数だけ何度も変わる、美しく、いやらしく……。恋とセックスのためなら女はどこまでもずるくなる。背徳の恋愛ストーリー集。ハマる! 大人の女の恋愛小説!
-
3.3歪な学園都市の闇を探偵・辰巳が抉り出す! 「この街は、根っこに様々な問題を抱えています。新住民と旧住民ということだけではありません。この学園都市の住民たちは、役職や地位によっていくつもの層に分かれていて、その悪い影響が子どもの中にも出ているんです」 3人の少女達の堕落死に揺れる街で、失踪した青年の捜索を依頼された元カメラマンの探偵・辰巳翔一。青年の無実を信じ、捜査を続ける辰巳の行く手に、新興都市の闇と過去の迷宮がたちはだかる! ゆがんだ教育環境の下で震える少女たちの孤独と、疵を負った青年の「魂」の救済を描く感動のミステリー。
-
-四月の雪の日、あたしは生き返らなかった。 舞台は、東京・中目黒にある瀟洒なシェアハウス(Bハウスと名づけられている)。ここには五人の男女が住んでいる。「樅木照(もみのきひかる)はもう死んでいた」――という衝撃的な一行からこの物語は始まる。しかも死んだはずの照の意識は今もなお空中を、住人たちの頭上を、「自由に」浮遊している。五人の住人やこの家を管理する不動産屋の担当者の隠された内面が、照の死によって次第にあぶりだされていく。 《Bハウスのひとたちは自分以外みんな、不自由だと照は感じていた。あたしの死によって、気の毒なことにあのひとたちはさらに不自由になってしまったらしい。》 《みんなが照を嫉んでいたにちがいない。みんな不自由だったが、照は自由だった。俺も彼女が嫉ましかった。でも、俺は殺していない。じゃあ、誰だ?》 《あの日、あのことをはじめたのは自分だった。ただ、はじめたときに悪意があった。悪意の正体は嫉妬だった。》 著者の新境地をひらくミステリー&恋愛小説の傑作。
-
3.5発売前に地上波連ドラ化決定!衝撃の一冊。 祝!地上波テレビ連続ドラマ化決定!! 大阪刑務所の門の前に、40過ぎの男がひとり立っていた。 陣内宗介、元ヤクザ。14年ぶりのシャバだ。 ジギリ(組のために身体を張ること)で銃を握って長期服役したのに、5000万円の見返りどころか、組を破門になった。妻も子供も離れていった。 絵に描いたような、社会のおちこぼれだ。 陣内は還暦すぎたオカンと2人暮らしを始め、カタギになった元若頭の内装屋で仕事を始める。ユーチューバーになって調子こいている元舎弟を呼び出してドヤしつけると、元舎弟にメッセージが届いた。 「その人、私の父かもしれません」。メッセージの送り主は、14年会っていなかった娘だった―― 長期服役によって「拘禁反応」(いわゆるムショぼけ)に悩まされる男が、ヤクザとカタギと家族と仲間と一緒になって、怒って、ヘコんで、笑って、泣いて、まっすぐに、兵庫・尼崎の夏を駆け抜ける。 狂っているのは、俺なのか、世界なのか。 (底本 2021年9月発行作品)
-
3.62019年「ガラスの鍵」賞受賞作! 3年前、スウェーデン北部の村、グリマストレスクで17歳の少女・リナが失踪した。 地元の学校で数学教師をする少女の父親・レレは、3年たった今も単独で娘の捜索を続けていた。 少女が失踪した朝、シルヴァーロード沿いのバス停までリナを送っていったのは父親だった。 娘をバス停で降ろしてからバスが来るまで15分、その間に誰かに連れ去られたのだろうというのが警察の見解だった。娘はバスに乗らなかった。 同じ頃、グリマストレスクに流れ着いた母娘がいた。 娘のメイヤは母親が男を変えるたび何度となく引っ越しをくり返してきたが、こんな遠くまでやって来たのは初めてだった。 母親のシリヤはこれが最後だと言った。 母親の新しい相手はトルビョルンと言った。メイヤからすれば祖父といってもおかしくない年齢だった。 その夏、リナが失踪したシルヴァーロードからほど近い場所で、17歳の少女・ハンナが行方不明になった。 この事件をきっかけに、レレとメイヤの運命が大きく動き出す――。 子を思う親の狂気が招いた悲劇を、北部スウェーデンの暗澹とした風土とともに描き出した、大型新人デビュー作。 2018年、スウェーデン推理作家アカデミー「最優秀犯罪小説賞」受賞。 2019年、北欧ミステリーの最高賞「ガラスの鍵」賞受賞。 同年スウェーデン「ブック・オブ・ザ・イヤー」に輝いた傑作スリラー!
-
3.3手負いの女刑事が謎に迫る傑作サスペンス! 自宅のベッドで殺された女性の遺体からは、小さな皮膚片がいくつも剥がされ、持ち去れていた。現場を検証していたボストン市警殺人課の女刑事D・D・ウォレンは、何者かの気配を感じたはずみに階段から転落し、左肩に大怪我を負う。リハビリ中、ペインコントロールのためにクリニックを訪れたD・Dは、精神科医の女性アデラインに出会う。先天性無痛性であるが故に「痛み」を専門にした、という彼女。その矢先、第二の事件が発生した。ふたつの事件の類似性を辿ると、やがて40年以上前の連続殺人事件が浮かび上がる。その犯人はアデラインの実父であり、さらに彼女の姉もまた14歳で初めての殺人を犯し服役中だった――。 大好評D・D・ウォレンシリーズ『棺の女』の前日譚。残酷な運命の下に生まれた女医と、執念を燃やす手負いの女刑事のドラマティックすぎる傑作サスペンス!
-
-話題の映画「胸きみ」完全ノベライズ! 明るくてしっかり者の篠原つかさは、マイペースで何を考えているか掴めないイケメン転校生・有馬隼人が時折つかさだけに見せる優しさに心惹かれていた。いつしか親友のように仲良くなった隼人に、つかさは意を決して想いを伝えるが、見事にフラれてしまう。つかさは告白してしまったことを後悔するが、その後も変わらず優しく接してくれる有馬を嫌いになることができず、「フラれてもがんばるからっ!」と決意を伝える。ある日、同級生の男子がつかさに「俺のいとこ、前の学校で有馬くんの彼女でさ」と耳打ちをする。不安を抱くつかさの前に、なんとその元カノが現れて――。 大人気シリーズの少女漫画が実写映画化(2021年6月4日公開)!主人公・有馬を浮所飛貴(美 少年/ジャニーズJr.)、ヒロインのつかさを若手女優・白石聖が演じる。共感必至の青春恋愛ストーリー、完全ノベライズ!
-
-
-
3.7
-
3.8死者の無念は食べて解決。洋食異界ミステリ。 匂いに誘われて入った「洋食店 幽明軒」で、無職の和泉沢悠人はアルバイトを始めることになった。厨房で働くのはシェフの九原脩平と妻・香子、フロアは娘の果菜子が担当している。悠人は果菜子に教わりながらバイト初日の仕事をスタートさせた。無事に営業を終えた午後8時、急に店内の温度が下がり、ドアからゆらりと現れたのは幽霊? 幽明軒は、現世に思いを残した死者が訪れる洋食店だった。 死者たちは、好きな洋食を一品オーダーし、それを食べることで過去のわだかまりを解消することができるという。悠人が初めて接客したのは、大正時代に交通事故で無くなった珠代だった。オーダーはライスオムレツ。結婚を誓い合った恋人と食べる予定のまま、些細なすれ違いから食べることの出来ないまま死んだ。シェフの脩平は珠代の話を聞きながら、恋人の本当の気持ちを導き出す(第1話「別れのオムライス」)。 「ナポリタンに込めた息子の気持ちとは」「私は誰に殺されたのか」死者たちが遺した思いに寄り添う“幽冥と顕世のはざまの”洋食店での人間模様を描く、全5話収録の食×異界ミステリー!
-
5.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 愛する人に、いのちの詩(うた)を。 あなたから大切なあの人へ、そっと伝えてください。 人から人へ、手から手へ。ある一篇の詩が全国に広がっていきました。 身体や心を病んだ方たちのあいだで、そっと、静かに……。 その詩のタイトルは「病気になったら」。 患者本人だけでなく、看病をつづける家族や関係者、医師たちに支持されたその詩が、孤高の作家・森雅之氏の絵とともに一冊になりました。 大切なあの人へ、あなたも贈ってみませんか。 詩作の背景を綴った「泣いていいよ」も併せて収録。 ※「泣いていいよ」より 病気はつらい。誰が何といおうとも、ただただ、つらい。 しかし、病気はただの不運ではないし、無意味な苦しみではない。 ――もしも病気が無意味ならば人生もまた無意味であり、人生が無意味ならばこの宇宙万物もまた無意味であろう。
-
4.0あの時、別の選択をしていたら私の人生は? 12年前のある朝、魚貫めぐるは公務員試験を受けに行き、にわか雨に降られて立ち往生してしまった。選択肢は駅まで走るか、様子を見るか、タクシーを探すかの3つだった。その時、小学一年生の秋に、海に釣りに出かけてそのまま行方不明になってしまった、おじいちゃんのことを思い出してしまう。 めぐるは、行方不明になったおじいちゃんのことが、ずっと気に掛かっていた。そして、そのことを物語にして子供たちに聞かせたいと思っていたのだ。 その後、この3つの選択をしためぐるのそれぞれの人生が描かれていく。 果たして、幸福だったのはどの生き方だったのか――。 読んだ後、「これでよかったんだ」と思わせてくれる長編小説。 『巡る女』を改題しました。
-
-全世界大ヒットシリーズ『メン・イン・ブラック』最新作、小説版! 新チーム結成! 初ミッションは――MIB内部のスパイを摘発せよ! 小説版には、〈前日譚〉の短編を特別収録! 2019年、地球に潜伏するエイリアンは増殖し、進化! 彼らを取り締まるエージェントも世界各地で、強化! 舞台は地球全域! 今度のチームは、“超エリート”の新人女子と敏腕だけどプレイボーイ!?の先輩男子! ウィル・スミス&トミー・リー・ジョーンズ主演で世界的大ヒットを記録したシリーズ『メン・イン・ブラック』。 その最新作が、2019年夏公開の『メン・イン・ブラック:インターナショナル』。 ニューヨークに本部を置く最高機密機関〈メン・イン・ブラック〉――MIB。 所属するエージェント達はブラック・スーツとサングラスに身を包み、人間に姿を変えて地球に生息するエイリアンが、犯罪や侵略行為を行わないように監視し取り締まっている。 MIBのエリート新人女性エージェントMは、MIB内部にいるとみられるスパイを探し出すためロンドン行きを命じられる。 ロンドン支部で待っていたのはイケメンチャラ男の敏腕エージェントH。 エイリアンに遭遇した人間の記憶を消すニューラライザー、空も疾走する車に装填されたスペースガンなど多彩なガジェットを駆使しながら、二人はチームを組んで調査を開始。 しかし、真相に近づくにつれ、地球の存亡を賭けた大事件に発展していく――
-
4.1大人切ないタイムスリップ号泣ストーリー。 私は、何度か過去に戻ったことがある--。雑誌のインタビューで出会った初老の官能小説家が話し始めた内容は、想像を絶するものだった。 これは、夢か、現実か、それとも彼の戯言なのか? 雑誌のライター・冨谷啓太(通称・タニケー)は、自分が担当する「オールド・タレント」というインタビュー連載に、なんとなく訳ありのある人物を取材するよう依頼される。取材相手は、佐々田順という官能小説家で、20年前に9作の小説を世に出した後は、すっかり鳴りを潜めていた。 カメラマンの野田奈々と、その初老男性の取材を終えたタニケーは、ひょんなことから佐々田のとんでもなく長い話を聞くことになる。
-
4.315歳、一生忘れられない人に出会った。 『ふたりを誰よりも深くむすびあわせ、同時に破滅をもたらしたもの。 それが、セックスだった。』 17歳で「女による女のためのR-18文学賞」で鮮烈なデビューを飾った雛倉さりえ。あれから6年たった今、満を持して刊行する衝撃作。 高校受験のために勉強に励む冴は、学年で2位を誇り、クラスの中で近寄りがたいと浮いた存在。ある日、クラスの女子に掃除当番を押しつけられた冴は、学年トップの土屋くんと教室で二人きりに。受験のストレス、クラスで浮いた存在、姉へのコンプレックス、様々な鬱屈が絡み合い、好きでもない、ただそこにいただけの土屋くんにキスをしてしまう。二人は、その後、学校や家の人に隠れて逢瀬を重ね、危険な遊びへ身を投じていく。二人に切なすぎる結末が待ち受ける。 刊行前から話題騒然。3月よりデジタル少女漫画誌「&フラワー」でコミカライズ連載開始。4月よりCanCam.jpでも大型試し読みを予定。装幀写真は今、話題沸騰の写真家、岩倉しおり氏。(2019年4月発表作品)
-
4.0ある本屋に集うぽんこつたちの人生の喜悲劇。 下北沢にある小さな書店・フィクショネスには、なかなかにぽんこつな面々が集っていた。本を愛しすぎているあまり、商売にはうまく結びつかない店主、物静かだけど筋金入りの「ロリータ」愛読者、大麻合法を真面目に主張する自由人、大手企業で管理職に就く何を考えているかわからない美形男性、そして、決して本を買わずにひたすら店で油を売り続ける、どこか憎めない女子・久美ちゃん。そんな彼女には、しかし、新婚間もなく不幸が訪れる。 それから十数年が経過したある日、久美ちゃんがお店にふらりとあらわれた。同じく懐かしい顔の男を伴って。 ※この作品は単行本版『燃えよ、あんず』として配信されていた作品の文庫本版です。
-
3.0自分の一生は、あの一週間のためにあったのかもしれない―。そんな一生のような”一瞬のきらめき”を透徹した目線で、切なく静かに描きとった中篇集。著者いわく「『世界の中心で愛をさけぶ』の原型がここにある」。「もしわたしが口を噤んでしまえば、わたしたちのあいだには何もなかったことになる。でもそれは確かに起こった。あの年の夏、わたしたちのあいだに起こったことを、きみにも知っておいてもらいたいんだ」余命いくばくもないママの病室に突如あらわれた見慣れない中年男性。彼は、ためらいながらも、やがてママとのことを話しはじめた。三十年かけて、その夏はようやく終わりを迎えようとしていた―。<実現しなかった思いほど、美しいものはない>。『世界の中心で、愛をさけぶ』で奏でられたそんな切ないまでの思いが、作者の内的音楽が、耳を澄ませばここでも聴こえてくる。
-
-ちょっぴり痛くて甘い、大人のファンタジー。 47歳の誕生日の前日、パリの裏通りのレストランを訪れたイタリア人女性ミレッラ。その店は「人生の失われたチャンス」を取り戻す場所だという。メニューを開くと、ミレッラの痛い記憶が次々と蘇る。両親と別れた少女時代、20歳のときの束の間の男性との関係、自分の不注意から起きた不幸な事故……彼女が選んだ「やり直したい過去」とは? 女性なら思わず共感してしまう、ちょっぴり痛くて甘い大人のファンタジー。
-
5.0ちょっとへんてこな愛の物語集。 自由を求めてジャズ喫茶から飛び出した〈椅子〉と海が見たくて動物園を逃げ出した〈ゴリラ〉。ふたりが長い道行ですれちがう〈恋する少年と少女〉、〈人格者のブランコ〉、〈若いヤクザとエナメルの靴〉、〈穴のあいた靴下をはいた泥棒〉、〈演説する桜の木〉、〈にせもののミンクのコートを着た女〉、〈中学生の女の子と真っ白なハンカチ〉、そして〈死んだ猫と絶叫するテレビ〉――ゴリラは椅子をなでながら海を見ている。椅子は海を見ないでゴリラだけを見ている。これは、美しくも悲しい恋物語(「もぞもぞしてよ ゴリラ」)。 気取り屋の狐・インカ帝国を背負った亀・傷ついている鰐・主体性のない馬・見かけだけかわいいパンダ・熊らしい熊・恋をしない河馬・よろめく象・見栄っぱりの蛙・「キー」しか言わない豚――動物たちを描いた皮肉でユーモラスな掌篇30篇(「ほんの豚ですが」)。 二冊の傑作を一冊にした佐野洋子の〈大人のための物語集〉。 待望の文庫化。絵も多数収録。(2015年7月発行作品)
-
3.3大人気の新感覚ミステリ、涙の完結!? 事件・事故現場を専門とする清掃会社で働き出した桃子は、現場に遺された想いに感応し、手のひらだけがくすぐったくなったり、無性に焼きそばを食べたくなったり、動物になったりする超常現象に襲われる特殊能力の持ち主だ。同じ職場で働くのは、異常な犬好きの社長をはじめ、役者気取りの元ヤンキー、無愛想なイケメン、Vシネかぶれの中国人に、ギャルの事務員。そんな個性豊かな面々が、桃子におこった超常(?)現象を手がかりに、事件・事故の「謎」に挑む。やがて、従業員逮捕に会社は大揺れとなり、桃子は自らの能力の秘密を知ることになる事件に巻き込まれていく。桃子は、そしてクリーニングサービス宝船の運命は!? 笑って泣ける新感覚ミステリ、待望の続編登場!!
-
3.3予想の斜め上を行くポーランドの怪作小説! ワルシャワ市内の教会で、右眼に焼き串を突かれた男の遺体が見つかった。被害者は、娘を自殺で亡くした印刷会社経営者。容疑者は、彼と共にグループセラピーに参加していた男女3人と、主催者のセラピスト。中年検察官シャツキは早速捜査を進めるが、調べれば調べるほど事件の闇は深まっていく。一方で、愛する妻と娘に恵まれながらもどこか閉塞感を抱いていたシャツキは、事件の取材に訪れた若い女性記者に惹かれ、罪悪感と欲望との狭間で悶々とする。やがて、被害者の遺品から過去のある事件に気づくシャツキ。真実に手が届こうとしたその時、思わぬ事態が……。 日本中のミステリーファンを唸らせたポーランドの怪作『怒り』、その「シャツキ三部作」の第一作がいよいよ日本上陸。ハードボイルドなのにポップ、凄惨なのに笑える、一度読んだら中年クライシス男のボヤキがやみつきに!? 予想の斜め上を行く傑作ミステリー!
-
3.0「あの日」から、世界は変わった。 実力派の脚本家が書き下ろした、 愛と欲望渦巻くサスペンスの傑作!! はじまりは、美人研究者による新物質発見の記者会見だった。 だが次々に明らかになる論文不正は、ついに最悪の事態を迎える。 いったい彼女は、絶世の天才科学者か、世紀の悪女か――。 モテ薬は本当にあるのか、論文の不備が示唆するものとは――。 関係者の証言を積み重ねて浮かび上がる衝撃の真実から目をそむけてはいけない! 「一粒の薬が人の心をコントロールする。 この世に、そんな薬が現れたらとしたら いったい私たちはどうなると思いますか?」――本文より 著者略歴… 旺季志ずか(おうき・しずか) 徳島県阿南市出身。立教大学卒業後、脚本家に。テレビドラマ脚本に「特命係長只野仁」「カラマーゾフの兄弟」「ストロベリーナイト」「屋根裏の恋人」「女帝」「佐賀のがばいばぁちゃん」 など多数。また小説『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え 』刊行、古事記ミュージカル『天の河伝説』の作・演出、2018年からは吉本坂46メンバーとしてもCDをリリースするなど幅広く活躍。
-
4.0金曜夜、二十二時。場所は喫茶「雨宿り」。 食べると元彼の顔が浮かぶけど、お蔵入りさせたくないあのレシピ。 また、作れるようにいたします。 「女を振る場所によりによってラブホをえらばなくたって いいでしょうが、ばかー!」 29歳、4年付き合った彼氏にフラれた、 クソ重くてめんどくさい女、桃子。 国宝級のイケメンだけど、 実は忘れられない彼女がいる店長、雨宮伊織。 親との関係に複雑な思いを抱えながら 近所の寺、星山寺で修行する僧侶、黒田穂積。 金曜夜、二十二時。場所は喫茶「雨宿り」。 元彼の好きだったあのレシピ、 成仏させて、 また作れるようにいたします!! 泣いて、泣いて、みんなと話して、 泣き止んだら、 あのご飯を作って、一緒に食べよう。
-
3.8少女の成長を描くイタリアのベストセラー。 13歳の時にそれまで育った裕福な家庭から、実の親と兄妹が暮らす田舎の貧しい家庭に突然戻されてしまった「わたし」。大人の都合に翻弄され、あまりに違う環境に戸惑い、寄る辺の無さに悩みながらも、実の妹という理解者と共に成長し、やがて大人を乗り越えていこうとする少女の姿を描く感動作。イタリアで二大文学賞のひとつカンピエッロ賞を受賞、28か国に翻訳され、映画化も進行しているベストセラー。 (2021年3月発行作品)
-
3.6過去をリセットできるとしたらどうしますか。 ある日、作家の新居航生のもとに一通の書状が届いた。航生は、作家として5年前に出版した『もう一つの扉』が大ヒットを飛ばしたが、その後は小説を書いておらず、離婚して一人暮らしをしていた。書状は、タイムスリップを研究しているという、八木俊太郎という人物からだった。それによれば、ある程度ならタイムスリップが可能だという。可能なのは、過去へのタイムスリップのみで、未来は不可能。その過去も、当人が生きている時代に限られ、過去の自分自身に会えるわけではなく、当時の自分に重なることになる。そして、歴史を大きく変えるようなことを実行するのは不可能、ということだった。 自分が体験した小さな事実なら変えられる――。 考えた末に、実際に体験したことを雑誌に書くことにして、航生は八木の提案を受け入れタイムスリップを経験してみることにした。 航生は、中学生のときにいじめの標的にされたことがあり、航生は、この過去を変えようと思った。八木の運転で連れて行かれた部屋で八木と話すうちに、航生は、中二の文化祭会場である市民会館のホールの席に学生服を着て座っていた――。果たして、過去はリセットできるのか。
-
3.0『ダ・ヴィンチ・コード』に連なる傑作! 「よき『モナ・リザ』が悪しき『モナ・リザ』に永遠に取って代わられなければならない」(本文より) ドイツ・ミステリーの新機軸となる、傑作エンタテインメント登場! (上巻あらすじ) ボストンに住む神経美学者ヘレンは、ある日、見知らぬ男からの電話を取った。 その男、パトリック・ワイズは、自分の父親が失踪し、それにヘレンの娘が関与している可能性があると言う。 離れて住む娘が行方不明になっていると知り、ヘレンは手がかりを求めワルシャワにあるワイズ邸へ飛んだ。 同じ頃、メキシコの高級リゾート・アカプルコでは、ミス・アメリカの候補者全員が行方不明になる事件が発生。 FBI捜査官ミルナーが現地に向かう。 さらに同じ頃、ブラジルや中国でミツバチが大量死し始める。 原因は、ウイルスか? ミツバチがいなくなれば食糧供給は瞬く間に崩壊し、人類は飢餓に襲われる。 ワイズの父親の部屋でヘレンが見たのは、壁に貼られた娘の写真と、モニター上の緑の数列と文字列――コンピューターウイルスだった。 そのウイルスは「人類の生活の基盤を破壊する」と、パトリックは言った。 世界各地で同時多発的に起きる一連の事件に、果たして関連はあるのか、ないのか。 21世紀とルネサンス、ヨーロッパとアメリカ、時間と空間を往き来する、空前の「美」のミステリー!!
-
-
-
4.0井上順さん絶賛、米国1位の傑作サスペンス。 ある日忽然と姿を消した、いじめられっ子の女子高生ナオミ。冠番組も持つ豪腕弁護士のヘスターは、ナオミの同級生である孫のマシュウから、彼女の行方を捜してほしいと相談を受けた。何かを隠しているようなマシュウの態度を訝しみつつも、ヘスターは孫のために尽力を約束する。そんな彼女が協力を仰いだのは、幼い頃にたった独り森で育ったという過去を持つ、謎多き天才調査員ワイルド。しかし二人の捜索は予想外の過去をあぶり出し、やがて巨大な闇へと辿り着く――。 主役二人の秀逸過ぎるキャラクター、全く先の読めない展開、衝撃の事実……アメリカで刊行されるや、主要メディアで軒並み初登場1位を獲得。過去作品はNetflixで次々に映像化され、世界にその名をとどろかせエンタメ界を牽引する大ヒットメーカー、ハーラン・コーベンによる傑作サスペンス! 解説は芸能界きっての海外ミステリ小説ファン・井上順さん。 (底本 2022年1月発行作品)
-
4.0赤穂四十七士――その中に、津山森家に縁が深いものたちがいた。神崎与五郎、横川勘平、茅野和助。彼らはそれぞれの理由から、赤穂藩主・浅野長矩に仕え、刃傷事件からの吉良邸討ち入り、そして最後は帰らぬ人となった。忠義のために生きた彼らと、そこには彼らを支える、「女」たちの戦いもあった。それぞれの忠義のために、己の生き様を貫いた男と女の姿が、そこにはあった――。新たな忠臣蔵の傑作が、ついに登場。『与五郎の妻』ゆいは5年前まで江戸詰めの夫と目黒の下屋敷で暮らしていた。ところが騒乱のせいで津山森家が改易、夫とは離縁を余儀なくされる。一度は実家へ戻ったゆいだったが、再び嫁ぎ、今は江戸作事奉行の妻となっていた。前の夫―神崎与五郎の消息は分からぬまま、日々淡々と過ごしていた。そんなゆいのもとに、謎の人物から、森家の家紋が入った扇が届けられた。一体誰が、何のために。そして前の夫は――。『和助の恋』国家老の密命を帯びた茅野和助は先代の死去に伴い、津山森家の家督を継ぐことになった式部衆利のもとへ急いでいた。その道中、何ものかに襲われる。そこに通りがかった、赤穂浅野家の陣屋に住まう郡奉行・吉田忠左衛門一行により助けられる。そこで和助は手厚い看護を、伊登から受ける。『里和と勘平』里和は津山森家存亡の危機を阻止するため、御犬小屋に忍び込んだ。そこで出会ったのは、かつて思い合っていた横川勘平、その人だった。遂げられれなかった思いが再燃する二人。だが、今は立場があまりにも違う二人がとった道は――。他2編収録。
-
4.0本の街・神保町を舞台にした青春恋愛映画の原作小説。交際を始めて1年になる恋人から、突然、「他の女性と結婚することになった」と告げられた貴子は、深く傷ついて、ただ泣き暮らす毎日を送ることになった。職場恋愛だったために会社も辞めることになった貴子は、恋人と仕事をいっぺんに失うことに。そんなとき叔父のサトルから貴子に電話がかかる。叔父は40代、奥さんの桃子さんに家出され、ひとりで神保町で「森崎書店」という古書店を経営していた。飄々としてつかみどころがなく、親類の間では変人として通っていたサトル叔父、小さい頃は貴子も遊んでもらったこともあったものの、ここ数年は交流はなかった。その叔父からの連絡は、「店に住んで、仕事を手伝って欲しい」というものだった。誰かの救いを求めていた貴子は、叔父の申し出を受け入れて、本の街のど真ん中に住むことになった――。物語の1年半後を描いた続編小説「桃子さんの帰還」も収録。
-
5.0【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 詩は音楽に恋してる。 収録作品は以下の通り。第一章「モーツァルトを聴く人」(1995年/小学館刊)19篇。 第二章「絵本・ピアノのすきな王さま」架空の国を舞台にした「音楽」がテーマの傑作絵本(谷川+堀内コンビによる未刊行の作品/初出は、1981年。ヤマハが愛好家向けに配布した「ピアノ小読本」に収録された幻の絵本作品カラー32ページ) 第三章「谷川俊太郎・音楽詩選」モーツァルトと音楽をめぐる名詩27篇(うち、二篇書き下し=「急がないモーツァルト」「いい天気」)。書き下しの一篇は以下の通り。 * 急がないモーツァルト 石畳の道に足音が響く/姿は見えないがモーツァルトだ/ 嬉しいことがあったのだろう/歩きに笑いがひそんでいる 建物から女が出て来る/慇懃に挨拶してすれちがう/ 短い旋律が生まれかけたが/すぐ小さなつむじ風に紛れる 永遠が日々の暮らしに微笑みかける/楽しみは哀しみに気づいている/ ピアノの黒鍵と白鍵が/黒白を問わない和音を生む 休止符に宿る人の心は/世界の喧騒を許している/ 地球が今日も自転している/モーツァルトは立ち止まらない このオリジナル文庫は『音楽の肖像』の続篇として構想された。本文中に新発見の堀内誠一によるカット十数点も収録。40年の時を経て原画が発見された幻の傑作絵本をオールカラーで収録。2022年1月から全国各地で堀内誠一展開催される予定。 ※この作品はカラーが含まれます。 (底本 2022年1月発行作品)
-
3.0あの夏が終わるとき、ぼくらの青春も終わる 夏でも秋でもない今、夏が終わる瞬間。ぼくたちの引きのばされた青春も終ったのだろうか――モーテル0467は江の島を望む七里ヶ浜の丘にある。本当の名前は「七里ヶ浜ホテル」。祐介が、亡くなった父の後を継いでこのホテルの支配人になった頃、古い洋館の看板は剥げ落ちて、残されたのはHOTELの文字と0467-22-○○○○という電話番号だけだった。しかも、Hの文字はMと見分けがつかない。以来、ここは、「モーテル0467」と呼ばれるようになった。 祐介の”恋人未満”の同級生洋子、姉の七里、飲み仲間の俊也と健太、バーの主人・徹。そして長期滞在者の梅ばあさんに、ある日突然飛び込んできたハワイ帰りのおっさん竜二、家出してきた美女・詩織。どこかわけありな人たちを、湘南の四季を背景に生き生きと描いた傑作長篇小説。 解説は小説家の亀和田武さん。
-
4.269歳大型新人の滋味溢れる家族「食」小説。 「義母さん、うちの子に食べ物を与えないでください」 「孫にごはんを食べさせて何が悪いんだい」 3人の子どもを育てながら、外交官の妻として世界各地を渡り歩いてきた高畠凛子。夫に先立たれ、独身の長男と暮らしていたものの、その長男も突然の事故死――。しかし気丈で好奇心旺盛な凛子は得意の料理を楽しみながら忙しい日々を独り楽しんでいた。 一方、凛子の次男・健の妻であるユキは、フードスタイリストとしてのキャリアアップを目指してめまぐるしく働いている。不登校気味の息子は気になりつつも、家事は分担・効率化すべき、家の食事は簡素でよしという信念で、あくまでも仕事優先の毎日。 ある日、健が凛子とユキそれぞれに提案する。「みんなで一緒に住まない?」。 気ままな生活が脅かされるのを危惧する凛子。義母との相性は最悪だと自認しているユキ。苦し紛れにまとめ上げた折衷案は「一緒に住むけれど、食卓は別々」。 一つ屋根の下に暮らし始めた4人に早速、「やっかいな」事件が勃発。二つの食卓は衝突しながら、徐々にその境界線を危うくしていくのだった……。 多彩で魅力的な食のシーンも充実した、珠玉の一皿のような傑作家族小説。
-
4.0
-
4.1祖母が守りたかったもの、それは? 瑞ノ瀬村に暮らす佳代、千代、三代の三姉妹は、美しい自然の中をかけまわり元気に暮らしていた。大切な人が戦地から帰ってくる日も、村中から祝われながら結婚式を挙げた日も、家で子を産んだ日も、豊かな自然を讃えた山々の景色が、佳代たちを包み込み、見守ってくれていた。あるときそんな瑞ノ瀬村に、ダム建設計画の話が浮上する。佳代たちの愛する村が、湖の底に沈んでしまうという。佳代は夫の孝光とともに懸命に反対運動に励むが──。 定年退職まで営業部で忙しく働く佳代の娘・雅枝と、海外留学先であるイタリアで「適応障害」になり、1ヶ月と少しで実家に帰ってきてしまった孫・都。湖の底に沈んだ瑞ノ瀬への想いはそれぞれにまったく異なっていた。 大藪春彦賞受賞、吉川英治文学新人賞ノミネートなど、いま最注目の若手作家・辻堂ゆめの最新刊! 都市開発や自然災害で、瞬く間に変わりゆく日本の古き良き故郷(ふるさと)の姿。私たちが得たものと失ったものは、一体何なのか。若き作家が三世代の親子の目を通じ、変わりゆく日本の「故郷」を壮大なスケールで描いた感動作。
-
4.0【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 「ご飯のおとも」が小説になるなんて。 食堂と酒をテーマにした『食堂のおばちゃん』『婚活食堂』『ゆうれい居酒屋』など、シリーズベストセラーを生み出した小説家の山口恵以子さん。このたび、「ご飯のおとも」が登場する10編の新作を書き上げました。東京の片隅で夜だけ営業する「めしのせ食堂」。今宵も元デパート勤務の女将が用意するアツアツのご飯に味噌汁、そして全国から取り寄せた自慢の「ご飯のおとも」を目当てにお腹と心を満たそうとさまざまな客が訪れます。小説に登場する40品は「ご飯のおとも」専門家の長船クニヒコさんが取り寄せも含めて詳しく紹介しています。 小説の一例 第二話[ふりかけ]二十五年の逃亡 第三話[海の幸]女の分かれ道 第五話[佃煮]ハートと胃袋 第六話[海苔と昆布]ハッピーの兆しはすぐそこ 第七話[おかず味噌とラー油]心変わり ほか全10編 「ご飯のおとも」の一例 [ふりかけ]ぶっかけ海苔めし/しそわかめ [海の幸]鮭ルイベ漬/さばのドライカレー [佃煮]磯くるみ/ピリカラ青のりの佃煮 [海苔と昆布]邦美丸の塩海苔/えびすめ [おかず味噌とラー油]ごぼう肉みそ/サクサクしょうゆアーモンド ほか全40品 ※この作品はカラーが含まれます。
-
-32年間連載し続けた「男性自身」シリーズの記念すべき初回~212話までを完全収録。 収録作品は、「週刊新潮」に連載がはじまった1963年12月2日号の第1話「鉄かぶと」から、1963年12月30日号の第212話「女」まで、単行本から漏れた話も含め、連載掲載順に212話を完全収録。 付録として、電子全集の総監修を務める、山口瞳の長男・山口正介が回想録、「草臥山房通信」を寄稿。「庄助」名で、「男性自身」に度々登場した長男が、連載当時の山口家の様子や裏話、そして父への思いを綴る。また、盟友・柳原良平氏が描く山口瞳のイラスト原画も収録しています。 「男性自身」の連載が開始した1963年と言えば、山口瞳、37歳。『江分利満氏の優雅な生活』で、第47回直木賞を受賞した年で、勤務先の寿屋が、サントリー株式会社に社名変更した年でもある。
-
3.8船戸与一最高傑作堂々復刊。 冒険小説の第一人者、船戸与一最高傑作『山猫の夏』が、この夏堂々復刊。 舞台は、ブラジル東北部の町エクルウ。アンドラーデ家とピーステルフェルト家が、互いに反目し合い、抗争が繰り返される血なまぐさい町に、山猫(オスロット)と呼ばれる一人の日本人・弓削一徳が現れる。ピーステルフェルト家から、ある依頼を受けた山猫。その依頼とは、敵対するアンドラーデ家の息子・フェルナンと駆け落ちした娘・カロリーナを捜し出し、生娘のまま連れ戻してほしいというものだった。ブラジル版ロミオとジュリエットに端を発した血塗られた追跡劇。両家の抗争の裏で動く莫大な金と大きな野望、捜索の中で出会う旧知の男と山猫との因縁の対決、そして最後に明かされる山猫の思惑と正体・・・手に汗握る怒濤の展開、読み出したら止まらない究極のエンターテイメント小説。執筆から30年以上たっても色あせることのない名作を完全復刊。
-
4.6鳥の足がはえた家にすむ少女の成長物語。 「わたしの家には鳥の足がはえている。家は、年に二、三度、夜中にすっくと立ち上がり、猛スピードで走り出す。」(冒頭文抜粋) 少女マリンカが祖母のバーバと住む不思議な家には、あの世とこの世の境界を守る秘密の「門」がある。バーバはこの門の番人で、マリンカも将来番人になることを運命づけられて育った。 毎晩「門」を目指して訪ねてくる死者達を、美味しい料理と楽しい音楽でもてなし、星へ還すバーバの仕事を手伝うマリンカ。 でも本当は、その仕事に明け暮れる人生ではなく、生きている人たちの世界で友だちを作って遊ぶことを夢みている。 自分の運命は自分で決めたいという気持ちが強くなり、もがき、あらがい、行動していく。 ロシア民話「バーバ・ヤーガ」をモチーフに、家族の愛情と絆、少女の葛藤と成長、そして人生を自分の足で歩むことへのエールを描いた長編ファンタジーです。
-
3.8300万部突破の超ベストセラー『世界の中心で、愛をさけぶ』から生まれたもうひとつの悲話発売1ヶ月あまりで40万部突破!泣けると評判の絶対おすすめの一冊。映画も大ヒット!読んだ後にもう一度映画をみれば、さらに号泣間違いなし。今回ご紹介するノベライズ小説「指先の花~映画 『世界の中心で、愛をさけぶ』」律子の物語」では、小説『世界の中心で、愛をさけぶ』では殆ど語られることのなかった、その後の成長し大人になった主人公・朔太郎のストーリーを大幅に追加。映画のオリジナル部分である「現在の愛との対峙」と原作小説にある「過去のアキとの甘くせつない純愛」が織り成すアンサンブル・ストーリーとして再構築されています。愛する人の死。未来を紡ぐ愛――愛する人の「死」と生きていくために渇望する「愛」をテーマに、流れる涙が心に沁みる純愛タペストリーの誕生です。
-
-男たちが求めたのは友情?冒険?最後の恋? 男、六十歳。忘れかけていた青春時代の思い出と“人生最後の恋”を求めて――。 数十年ぶりに再会した幼馴染み三人組、定年退職した昌二、現役の探偵・三郎、陰のある会社役員の誠一郎が、ある富豪の遺産の秘密を知るオウム「オードリー」を探して東京の街を彷徨い歩く。 その過程でたどる“あの頃”の記憶――お笑い三人組、バイタリス、MG5、カミナリ族、缶ピー、東映フライヤーズ、スバル360、街頭詩人、Oh!モウレツ、ゲバゲバ、「あの時君は若かった」、ジェットストリーム、「夢で逢いましょう」……。 男たちが探し求めたのは友情? 冒険? 最後の恋? 六〇年代から七〇年代の空気が現代に甦る、直木賞作家の長編“ノスタルジック・ミステリー”。
-
3.7
-
-
-
4.1だんじりが駆けめぐる祭りの夜。 決して交わることのなかった 父と息子におとずれる奇跡。 著作累計100万部を突破した 小説家・喜多川泰が紡ぐ心の再生物語。 [あらすじ] 中学校の社会科教師として30年のキャリアをもつ石橋嘉人は、心が不安定な新米教師・山吹日奈の面倒をみながら、コロナ禍で大きく変化する教育現場や子どもたちの心情に憤りを感じていた。ある日、愛媛県警からの連絡で実父が亡くなったことを知る。父親とは38年前、逃げるように母親と家を飛び出してから会っていないうえに、自分の記憶からも消していた存在だった。時はちょうど「西条まつり」が行われる秋の10月。江戸時代から続く日本一のだんじり数を誇る祭りの高揚感が、唯一の父親との記憶を蘇らせた。義人は、生まれて初めて父親の実像と向き合う決心をする。それは、自分の心を癒す再生の時間でもあった。 [本文より] 自分に与えられた条件のなかで、起こることすべてを受け入れて、誰にもその苦しみを理解してもらえないままに、ひとつの旅を終えた人に対して湧いてくる言葉は、嘉人のなかではひとつしかなかった。 「よくがんばりました」 そしていつか自分も人生を終えるときに、誰かが、誰でもいい、たった一人でもいいから、自分に対してそう言ってくれたら、自分の人生は報われるんじゃないか。そう思えた。 人間の凄さっていうのは、 すべての人が、その人の人生を 懸命に生きているところにある。
-
3.8森瑤子復刊第二弾は大人の官能を描く衝撃作。 小説家の私は、末娘の夜尿症などの問題行動を機に、半年ほどセラピストとの対話を続けていた。「母がしてくれなかったことを、自分の子供たちにしてあげよう」。そう思いながら子育てをしてきたがうまくいかず、家族との不協和音に自身の精神状態も追い詰められていた。夫との関係もずいぶん前から冷え切っていた私は、夫婦の再和合を目的に、南国の地へ旅に出かけるが、その旅先で夫と「情事」や女性の「性」について問答してしまう。セラピストとの会話を反芻し、現地の男とのエロティックな対話を経て、私は家庭内の問題や自身が抱える心の暗闇の原因に、幼少期の体験があったと気づき……。妻、母、そしてひとりの女として「性」と向き合い、自己を解放していく姿を大胆に描く。また1980年代当時にあたり前として認識されていた「あるべき母親の姿」を、真っ向から破壊した本書。既成の価値観にとらわれず、女の本能に切り込んだ革新的小説!
-
3.0黒木渚、ベストアルバムと同名小説、ついに発売! 不純な動機から始まった音楽は、私のすべてになった。 「私の歌で、こんな世界ぶち壊してやる!」 誰にも話したことがないけれど、私は光と共に生きてきた。 未来について想像するとき、私の頭の中には必ず白い光のイメージが浮かぶ。 高校二年の「シッポ」は中学時代からの片思いの相手、森園太陽に接近するために軽音部に入る。 好きな音楽はパンク、好きなバンドはクラッシュ、セックスピストルド、ダムド、ニルヴァーナ…… これ、全部嘘。 だけど太陽に近づくためにシッポが周到に用意した「設定」は、徐々に彼女の中にあった「音楽の光」をとらえて、 追い越していく。 眩しくて白いーーあの光はスポットライトか、それとも恋か。 音楽を始める動機なんて、不純だっていいじゃないか! 音楽×小説×青春 歌手兼小説家・黒木渚が初めて描く青春と音楽。 青春はエゴイスティックで汚くて、生々しい。それでも眩しい一瞬の光だ。
-
3.3
-
4.4東大からの挑戦状!?伝説の入試問題に挑め! 1998年・3月。東京大学理科一類の後期日程試験に、過去に類を見ない数学の奇問が出題された。 中堅予備校「七徳塾」の数学講師・言問さくらは、解答速報を出すべく早速この奇問に挑むも、まったく解けない。しかも信じられないことに、他の大手予備校も解答を作成できずにいるという。 さくらはこの問題が受験史に残る超難問であると確信し、大手予備校を出し抜き、どこよりも早く解答速報を出してみせると決意するのだが――。 立ちはだかるは、東大が出題した伝説の入試問題。いまだ語り継がれる実在した受験史上最悪の超難問に挑む、本格数学小説!
-
3.35分で読めて、あっと驚き、わっと泣ける。 「大変申し上げにくいのですが、あなたの余命はあと3000文字きっかりです」ある日、医者から文字数で余命を宣告された男に待ち受ける数奇な運命とは――?(「余命3000文字」)。 「妊娠六年目にもなると色々と生活が大変でしょう」母のお腹の中で六年も引きこもり、ちっとも産まれてこようとしない胎児が選んだまさかの選択とは――?(「出産拒否」)。 他、「彼氏がサバ缶になった」「不倫と花火」など、書下ろしを含む全26編を収録。 摩訶不思議な世界で描かれる涙と笑い、そしてやってくる“どんでん返し”。著者渾身のデビュー作! 『小説家になろう』発、年間純文学【文芸】ランキング・第1位(2020年8月26日獲得)作品、待望の書籍化!
-
3.8
-
-
-
3.8LAとNYを結ぶ、YA版書簡体小説。 ある日、突然、ロサンゼルスの知らない人からメールが届いた。 「そっちのお父さんは、うちのお父さんとつきあってるんだよ」 ??????????????? 「なにか勘違いしていると思います」 ロサンゼルスとニューヨークに住む、全く知らない少女たちのメールのやりとりがはじまる。 「お父さんたちは、わたしたちに仲良くなってほしいみたい」 そんなことできるわけない!と反発する少女たち。 水を油で、共通点のない少女たちは、仲良くなるのか? お父さんたちは、むずばれるのか? 最後まで、結末の分からない、ノンストップ小説。 新しい家族の形が見えてくる。
-
3.5
-
3.0救急救命士が起こす奇跡!ドラマ化の感動作。 救急救命士の花巻みこと(24)には、特殊な「能力(ちから)」があった。手を重ねた人の、最期の姿が視えるのだ。みことは視えた映像から最適な救命処置を施し、運命を変えようとするが、どうしても変えることができないでいた。 父親の再婚で、みことには新しい家族ができた。つらいときにいつもみことを笑わせようとしてくれる姉・沙羅に、みことは特別な想いを寄せている。そんな沙羅の26歳の誕生日、みことが沙羅の手に自分の手を重ねると、視えたのは「2」と「7」のロウソクが立てられたバースデーケーキと、マリーゴールドの花に囲まれて、白い棺に横たわる沙羅の姿。愕然とするみことだったが、誰にも言えない想いを抱えたまま、運命の夏の日は刻一刻と近づいてきて――。 2019年10月よりTBSにてドラマ放送が決定! みことを福士蒼汰、沙羅を菜々緒が演じる。新聞各紙激賞の原作は、著者の娘でもあるキリエ作。 突然突きつけられる数多の「死」という運命に涙が止まらない、感動のラブストーリー。みことと家族の出会いの物語を書き下ろした、贅沢なオリジナルノベライズ作品です。
-
4.2映画『ライアの祈り』森沢明夫原作小説! 吉永小百合主演映画『ふしぎな岬の物語』原作者としても著名な著者が描く話題映画の原作小説が待望の文庫版を電子化。 縄文時代から豊穣な土地として営みが続けられてきた青森八戸に赴任してきた桃子。バツイチ、35歳で恋に臆病になっている。人数あわせで呼ばれた合コンで出会ったのは、何とも風采のあがらない考古学者だった。彼の誘いで遺跡発掘に目覚めた桃子。古代の人々の、豊かで人間愛に満ちた暮らしを知るうちに、背負ってきた様々な呪縛から解き放たれていく。不器用な二人の思いは成就するのか……。縄文と現代、時を隔てながらも進んでゆく2つの感動物語。
-
4.4人気歌人・穂村弘 唯一の自選ベスト版歌集。 1990年に歌集『シンジケート』でデビューして以来、 短歌、エッセイ、評論、絵本、翻訳と、 日本のカルチャー・シーンのただ中を疾走してきた歌人、穂村弘。 2003年の刊行からロングセラーを続けてきた 自選ベスト版歌集が、 歌集未収録連作「ピリン系」 「手紙魔まみ、教育テレビジョン」を加えて 文庫化された。 日本の短歌シーンを一変させただけではなく、 後続する世代の小説・演劇・詩・俳句・川柳・歌詞などに 決定的な影響を与えた穂村ワールド全開の 「ラインマーカーまみれの聖書」を、 今すぐポケットに入れて、旅に出よう。 解説は歌人、瀬戸夏子氏。
-
-
-
3.5現役受験生作家がリアルに紡ぐ受験生の青春。 舞台は、とある地方都市。高校3年生となり、受験生の水咲。 ある朝、町中の尊敬を集める「先生一家」の門前にパトカーが何台も集まり大ニュースに。そこは昔から憧れの的だった、現在通う高校の生物教師の家でもある。水咲といつも一緒の幼なじみ・聖二と愛海も心配で駆けつけるが、手錠をかけられ警察に連行されて出てきたのはなんと憧れの生物教師だった! その先生は幼い頃から水咲にとって特別な存在。先生をひたすら信じたい一心から水咲はまた別の事件にも巻き込まれてしまい……。 著者が現役受験生として受験勉強と並行して描いた、地方都市在住受験生の青春を描いた初恋小説。読後爽快、リアルな青春を鮮やかに描く。
-
3.8英国ミステリ界の新女王、待望の最新作!! ラバーネック/[名詞](ゴムのように首を伸ばして)むやみに見る人、物見高い人。 南ウェールズに母サラと二人で暮らすパトリックは、アスペルガー症候群の18歳の少年。他人とのコミュニケーションが苦手な彼は8歳の時に友だちとトラブルを起こし、学校から呼び出しを受けた父はその帰り道に息子の目の前で車に轢かれてしまう。しかしパトリックは父の「死」が理解できず、それから彼の「死」への探求が始まる。「死」の向こうに何があるのか。ひたすらその答えを探すパトリックだが、小動物の死体を解剖する、死者の写真を集めるといった彼の行動にサラは戸惑い、息子との関係に悩んでいる。 カーディフ大学医学部に入学し解剖学を学ぶことになったパトリックは、実習で遺体の解剖・死因特定を課される。遺体「19番」の担当になったパトリックは、解剖中に不審物を見つける。「19番」の娘と接触し、彼が何者かに殺されたと直感したパトリックは警察に通報しようとするが、その動きを知った真犯人の手がパトリックにのびる…。 デビュー作でゴールド・ダガー賞に輝き、本作でも再度ノミネートされた英国随一の実力派作家による最新作登場!
-
3.7高校進学と同時に大和圭介は水泳部に入部。そこで再会した二ノ宮亜美は圭介のことを「ひと殺し」と呼んだ――。 同じ寮で過ごすことになったふたりは、いがみ合いながらもどこかで惹かれ合い、そしてまたすれ違う。不器用でもどかしく、思うようにいかない青春のとき。素直な気持ちはなかなか伝えられない。 涙と笑い、挫折と情熱。友情、恋、夢……まぶしい想いをつめこんで、未完成なふたりが三年目の熱い夏をむかえる。 今もなおファンの支持を集める、あだち充の傑作『ラフ』が小説に。映画「ラフ」の脚本をもとに描いた、夏がくれた爽やかな青春ラブストーリー。
-
4.3香里奈主演映画化原作! 待望の電子化!25才花屋の店長・松田真紀恵は、恋をする暇もなかった。 朝5時に花市場に仕入れに行き、一日の労働を終える頃にはすでに夜の9時。店の片付け→夕食→お風呂が済むと、もう起床時間までわずかに5時間しかない。 遊びに行くことはもちろん、流行りのドラマを見ることもできず、友達と長電話することはおろか、ペディキュアはいうに及ばずマニキュアを塗る時間もない。 そんなわけで、性格はきついわ、男っぽい言葉遣いながらものすごい美人なのに、もう1年11か月も恋をしていない。 ところが、恋の神様はどこかにいるもので――。
-
4.0
-
4.0友情・恋・女同士のバトル…モデルの世界を舞台にした新しい青春小説の誕生! 亜希は、福岡県の小さな島からモデルを目指し、上京。彼女をスカウトしたモデル事務所の敏腕マネージャー直子、そして彼女の娘でカリスマモデルの唯が住む高級マンションに同居することになる。 天真爛漫な亜希に、次第に心を開く唯……。しかし唯の元彼で、今も気持ちの残る人気カメラマン・カツキが、亜希に近づき、彼女がショーモデルとして頭角をあらわすようになると、次第にライバル視するようになる。 そして、二人の「直接対決」となった東京コレクションで、ある事件が起き、亜希はマンションを出ることに。すれ違いが続く二人だったが、そんな折、唯の母・直子が倒れてしまう--。 華やかだけど、厳しいプロのモデルの世界を舞台に、恋、友情、女同士のバトルを描いた新しいガールズ青春小説の誕生です。
-
3.8瞠目の伏線回収。極上のサスペンス。 《一読して、「これは最先端の物語だ」と感じさせる。それが本作の、そしてまたハーラン・コーベン作品の素晴らしい強みだ》 《あらゆる問題が更新され続けるこの世界(中略)。そうした世界に注がれるハーラン・コーベンの眼差しは、ひとことで言うなら、限りなく「公正(フェア)」だ。あらゆる価値観が錯綜する現代において、最も挑戦的な態度の一つといっていい。》(作家・冲方丁氏の解説より) 薬物に溺れ失踪した娘を探す父。次々と標的を襲う殺し屋と同行する女。姿を消した資産家の息子を探す私立探偵。娘に薬物を与えた男。バラバラなピースがつながったとき、驚くべき忌まわしい事実が姿を現す。 フェアな目線と巧みな構成に唸り、怒濤の伏線回収に目を瞠る。そして衝撃過ぎる結末。米国屈指のヒットメーカーが放つ、極上のドメスティック・サスペンス。
-
-耽美女子vs九州男児の異色のラーメン小説。 家族経営の博多とんこつラーメン店「満月亭」。店の前で行き倒れていた耽美ファッションの怪しい女を、見るに見かねてラーメン店で雇うことに。ひたすら美しい世界を探求するその女は、店の中を完全に耽美の世界へと模様替え。ラーメンと耽美という異色なコラボレーションが博多で反響を呼び、地元テレビ局が取材に訪れる。それをきっかけに大ブーム到来。あれよあれよと人気店に成長するのだが・・・・。老舗ラーメン店に突如舞い降りてきた少女は、店を救う天使か、それとも廃業に追い込む悪魔なのか?!ラーメン嫌いな耽美女子と生粋の九州男児・蓮華によるラーメン戦争勃発!新感覚ラーメン小説誕生!
-
3.3耽美女子vs九州男児の異色のラーメン小説。 家族経営の博多とんこつラーメン店「満月亭」。店の前で行き倒れていた耽美ファッションの怪しい女を、見るに見かねてラーメン店で雇うことに。ひたすら美しい世界を探求するその女は、店の中を完全に耽美の世界へと模様替え。ラーメンと耽美という異色なコラボレーションが博多で反響を呼び、地元テレビ局が取材に訪れる。それをきっかけに大ブーム到来。あれよあれよと人気店に成長するのだが・・・・。老舗ラーメン店に突如舞い降りてきた少女は、天使か悪魔か?!ラーメン嫌いな耽美女子と生粋の九州男児・蓮華による新感覚ラーメン小説堂々誕生!
-
3.5あなたの心を潤すラーメン小説、召し上がれ。 うだつのあがらない営業マン、青木義昭は38歳にして独身である。最低限の生活を維持するためだけに会社に通い、リストラもちらつかされている。生き甲斐は一つ、ラーメン食べ歩きだ。 ある日、人目を避けるように佇むお店「おおきた」で、運命の一杯に出会う。スープは限りなく澄み、数切れのメンマと厚みのある炙ったチャーシュ、さらには4種の葱が浮かぶ。純手打ちの中細の麺はしなやかな弾力と、豊かな小麦粉の風味と甘みを感じさせた。 旨い!!! この日を境に恋も仕事も、人生が一変する。青木は、「おおきた」で生まれた縁から、居酒屋チェーンの新ラーメン開発に携わることになったが――。 これまでに9800杯以上のラーメンを食したという「ラヲタ」(ラーメンオタク)の著者が書き上げた本作は、ラーメン小説でありながら、サラリーマン小説でもある。 〈住民票は会社に置くけれど、本籍はラーメンにある。これは相当の覚悟がないとできないことだが、そんなことは億尾にも出さず、淡々と趣味を真っ当する。(略)青木の言動を見ているとそれがサラリーマンの新しいスタイルだと思ってしまうのだ〉――dancyu編集長・植野広生氏(解説)