山ぎは少し明かりて

山ぎは少し明かりて

1,683円 (税込)

8pt

祖母が守りたかったもの、それは?

瑞ノ瀬村に暮らす佳代、千代、三代の三姉妹は、美しい自然の中をかけまわり元気に暮らしていた。大切な人が戦地から帰ってくる日も、村中から祝われながら結婚式を挙げた日も、家で子を産んだ日も、豊かな自然を讃えた山々の景色が、佳代たちを包み込み、見守ってくれていた。あるときそんな瑞ノ瀬村に、ダム建設計画の話が浮上する。佳代たちの愛する村が、湖の底に沈んでしまうという。佳代は夫の孝光とともに懸命に反対運動に励むが──。
定年退職まで営業部で忙しく働く佳代の娘・雅枝と、海外留学先であるイタリアで「適応障害」になり、1ヶ月と少しで実家に帰ってきてしまった孫・都。湖の底に沈んだ瑞ノ瀬への想いはそれぞれにまったく異なっていた。
大藪春彦賞受賞、吉川英治文学新人賞ノミネートなど、いま最注目の若手作家・辻堂ゆめの最新刊! 都市開発や自然災害で、瞬く間に変わりゆく日本の古き良き故郷(ふるさと)の姿。私たちが得たものと失ったものは、一体何なのか。若き作家が三世代の親子の目を通じ、変わりゆく日本の「故郷」を壮大なスケールで描いた感動作。

...続きを読む

山ぎは少し明かりて のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月25日

    辻堂さんにやられてしまった。

    最後の最後で驚いて、佳代の手紙を読んだ時、涙が溢れた。それまでは佳代の行動がよく分からなくてちょっと引いてしまうところもあっただけに、「気持ちはわかるけれど頑固なお婆さんだなぁ」くらいに思っていたのだけれど。そのくらい佳代にも分かっていたんだなぁ、それでもどうにもなら...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月15日

    辻堂さんは、ちょこちょこ泣かせに来る。
    ガンバッテルヒトタチを見習わなきゃと思うが、いざ現実に戻るとすっかり物語の事が頭から抜けてしまっている。

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月01日

    ボリュームにびっくりしました。何冊分か支払わないといけないぐらいです。殺される直接描写もなく戦争の悲惨な経験も内容は比較的ソフトにも関わらず、十分に伝わる作品でした。

    0

    Posted by ブクログ 2023年11月30日

    心の奥の柔らかい部分に触れてくる素晴らしい話でした。
    私の家族にダム建設の地質調査をしている者がいます。
    ダムを作る側から言わせれば、それが正当なことかもしれないけれど、そこにはかつて自然があって村があって生活していた人がいるという事実を忘れがちです。
    佳代と孝光が、描いていた未来が戻ることなく、悲...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年11月26日

    ダムに沈んでしまった瑞ノ瀬村。そこで生きた祖母、母、娘の三世代の物語。
    物語は現代の娘の話からスタートして、章ごとに遡っていくスタイル。
    それぞれの生きる時代背景や性格がわかりやすく、入っていきやすかった。
    全体を通して「ままならなさ」が感じられると同時に、家族愛だったり郷土愛が溢れていて、なんとも...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月04日

    孫の都、都の母の雅枝、そして佳代(雅枝の母)の三代の生きざまが綴られるお話。まずは都。一年の予定で留学するも上手く過ごせず直ぐに帰国、大学の友人や恋人に事実を打ち明けられず引きこもりになっている。その恋人にある事故が起こって、都は思わず行動する。都の章では母や祖母との関わりやそれぞれの性格がわかって...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月04日

    視点が変わることで一つ一つは短いながらも、それぞれが複雑な感情を持ち、どのように変化していくか丁寧な描写で書かれていて面白かった。

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月02日

    母娘3代の大河小説とのことだが、主題はダム建設に沈む村落での暮らしを守ろうとした祖母の生涯(や転居を受入れた村民たちの運命)。

    村落の移転を伴うダム建設などの大規模開発には当然功罪があり、住民目線でこのように書かれるのは致し方ない。(本書では開発側を不必要に悪魔化していない)

    本人はただ単に生涯...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月29日

    故郷に関する祖母、母、孫の大河ドラマ
    軽妙なミステリーのイメージの辻堂さんにしてはどっしり重く重厚です。「十の輪をくぐる」系統ですね。

    特に祖母パートが素晴らしく。戦争という激動を乗り越えた愛。そんな愛が高度経済成長とダムという人のためになるような事業により破壊されていくのがやるせなかった。頭では...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月23日

    ダム建設で瑞ノ瀬村が、湖の底に沈んでしまった。
    その村で育った三姉妹とその長女・佳代の三世代の母娘を描いた大河小説である。

    第一章 雨など降るも

    孫の都は、個性も特技も肩書きも何もないからと就活を有利に進めるために海外留学するものの、環境の変化についていけずに帰国する。
    適応障害と診断された都は...続きを読む

    0

山ぎは少し明かりて の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    368ページ
  • 電子版発売日
    2023年11月15日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    2MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 小説

小説 ランキング

辻堂ゆめ のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す