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人気ミュージシャンだった息子・鷹也が自宅で首を吊った。パリで働いていた私は帰国し、死の原因を探ることにした。ファンなのか、恋人だったのか、息子の部屋に住んでいた女子高生・深雪と出会った私は、次第に彼女にひかれていく……。著者の原点であるミステリーと恋愛小説を融合させた問題作。
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Posted by ブクログ
乱調とは、調子が乱れていること。乱れた調子やそのさまを表す言葉。 日本に帰国する機会を利用して息子の自殺の原因を探ろうとする父親。 離れて暮らしていたからこそ、「なぜ死ななければならなかったのか?」という疑問をそのままには出来なかったのだ。 大人の男性の自制心と、それを壊すほどの強いエネルギーを放つ...続きを読む女子高生。 世間的にはアンバランスな二人も、当事者にとっては何の障害もないかもしれない。 深雪のしたたかさも個性のひとつなのか、それとも若さゆえの思いあがりと思慮の浅さに支えられたものなのか。 村井にはきっと理解できないだろう。 ただ、目の前にいる少女と向きあうことしか彼には出来ない。 それにしても、行き過ぎたファンというのは怖い。 盗聴器とか尾行とか、確かに中にはそういうファンも現実にはいるだろうけれど・・・。 深雪もそうだが、相手への配慮が完全に抜け落ちている。 あるのは自分の欲望だけだ。 子どもだからでは済まされない危うさがそこにはある。 妙な感じが残ってしまったのは、最期の落とし方に違和感があったからだろうか。 自殺した人気ミュージシャン。 それはきっと週刊誌などにとっては格好のネタだろう。 だが、その父親・・・子どもの頃に別れてしまった・・・にスキャンダルとしての価値がそれほどあるとは思えない。 そんな記事を読みたいと思う人間がいるのだろうか? 17歳の少女に翻弄され、すっかり調子を乱されてしまった中年。 愛する家庭を捨て、せっかく築き上げた信頼も仕事も捨て、後悔はないのだろうか。 息子の自殺の原因も含め、親子そろって女性に夢を持ちすぎなのでは?と思ってしまった。 ある意味女性はとても繊細で弱いものだ。 でも、したたかで強靭な精神を持つ強いものでもある。 自分が女性だからこそ思う感想なのかもしれないが・・・。
結局、肉親の情とか、年齢とか、モラルとか、 打算とか、そういったものを全部どうでもよくなってしまうのが、 恋愛というものなんだろうか。 そんな恋愛ってしたことがないけど、 そこまで盲目になれるのは少し羨ましい、かな。 でもそれでもいいって思えるのは、 お互いが盲目でいるほんの僅かな時間だけなんだ...続きを読むろうな、 なんて思ってしまう時点で、 たぶん私はこういう恋愛はできないんだろうとも思う。
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