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あの時、別の選択をしていたら私の人生は?
12年前のある朝、魚貫めぐるは公務員試験を受けに行き、にわか雨に降られて立ち往生してしまった。選択肢は駅まで走るか、様子を見るか、タクシーを探すかの3つだった。その時、小学一年生の秋に、海に釣りに出かけてそのまま行方不明になってしまった、おじいちゃんのことを思い出してしまう。
めぐるは、行方不明になったおじいちゃんのことが、ずっと気に掛かっていた。そして、そのことを物語にして子供たちに聞かせたいと思っていたのだ。
その後、この3つの選択をしためぐるのそれぞれの人生が描かれていく。
果たして、幸福だったのはどの生き方だったのか――。
読んだ後、「これでよかったんだ」と思わせてくれる長編小説。
『巡る女』を改題しました。
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Posted by ブクログ
おっと怪作に出くわした。
人生の中で、何気ない選択肢の3つを起点に展開する3つの「私」のヒストリー。
社会的、家庭的、言葉を選ばないなら夜の世界の私たちが、それぞれにきらめく。
作者がなぜこれを描いたのかを考えた時に、気になるキーワードは「何の取り柄もない私」。
「私の武器」。
ホワッとした言葉だとアイデンティティー?なのかな?
私自身、年齢的なものもあってアイデンティティーは頑張って獲得するものなんだ、と思うようになったところもある。広い自分から磨き上げた私の武器。そしてそのバックグラウンドにこそ、他人は共感してくれたりする。
絵本をつくる、なんて包容力がある素敵な努力。
筋トレして周りがあれこれ聞いてくれるようにはなったけど(笑)、そんないっときの頑張りではなくて、そもそも努力とは何ぞ、って聞かれるとこれ深いぞな。
お、この考えに至ってることが作者の狙いかな。
怪作なのに力みのない力作でした。
現在地で私の中では、努力は「闘い」かな。
Posted by ブクログ
【読書感想】『めぐるの選択』山本甲士――どの道を選んでも、きっと大丈夫と思える理由
山本甲士さんの『めぐるの選択』を読み終えた。
読み進めながら強く心に残ったのは、「人生は選択の連続である」というシンプルな、けれど深遠な事実だ。
私たちの目の前には、常に無限の選択肢が広がっている。だからこそ、人は本来どこまでも自由であり、何にでもなれるし、何だってできるはずなのだ。
けれど同時に、こんなことも思う。
どんなに無数の分岐点があったとしても、自分という人間が存在し、独自の趣味思考や観念を持っている限り、めぐるの人生がそうであったように、出会う人々や起こる出来事の大筋や根本的なテーマは、大きくは変わらないのかもしれない、と。
そう考えると、胸の奥がすっと軽くなるような感覚を覚えた。
私たちは時々、「もしあのとき、もう一つの道を選んでいたらどうなっていただろう」と“じゃない方”の選択肢に思いを馳せたり、過去の決断を悔やんだりしてしまう。
けれど、本当は「どれを選んでも大丈夫」なのだ。
どの道を選んだとしても、自分の軸がある限り、必要な経験や大切な出会いへと繋がっていく。だからこそ、選ばなかった過去を振り返って悩む必要なんてない。ただ、自分が選んだその決断に自信を持って、いま立っている場所をしっかり生きていくこと。それこそが何よりも大切なのだと気づかされた。
人生の自由さとたくましさ、そして自分自身を信頼して歩んでいく勇気をもらえる、温かい読書体験となった。
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