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忘れ得ぬ人と映画の思い出を叙情豊かに描く。
岩瀬修は63歳。今は文具会社の経営陣に収まっている。彼には、昔夢中になった任侠映画にまつわる忘れられない思い出があった。初めて観たのは中二のとき。すぐに高倉健のファンになった。映画を観たいがために稼業の飲み屋を手伝うようになり、周囲からはヤクザと煙たがられている中間のおっちゃんと仲良くなる。そして、心臓が悪い従姉妹の弥生が、近くの県立病院に入院してきた。学校に通えない弥生のために、修はプリントなどを届けに行くようになった。弥生は優秀で本好き、しかも絵を描くのが抜群に上手い。ケンカもしながら、親しくなっていく。任侠映画と二人との出会いを経て、修は大学進学のため東京へ――。人生の荒波に漕ぎ出し始めた。
任侠映画に、そして主人公達に夢中になった青春時代。たかが娯楽映画、でもそうではなかった。あの頃の出会いがあって、今の自分がいることを、切ないエピソードとともに感じるのだった。
ノスタルジックでハートウォーミングな、小説版『ニュー・シネマ・パラダイス』!
※この作品は過去に単行本として配信されていた『銀幕の神々』 の文庫版となります。
Posted by ブクログ 2018年02月06日
私は、高校・大学の頃、高倉健の任侠映画にはまっていました(^-^) 山本甲士さんも同じだったのではないでしょうか。「運命のひと」(2018.1 文庫)で、主人公の岩瀬修をして、高倉健に憧れ、任侠映画に惚れて大きくなっていく少年の姿を描いています。高倉健のような昔気質のテキ屋(焼きそば屋)の中間(なか...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年10月22日
高倉健世代ではなく、任侠映画もほとんどみたことがなかったが、すごく興味がもて見てみたくなった。
線の細い少年が人との出会いで成長する様が共感でき、イッキ読みした。夕方読み始め、深夜までかかったので寝不足気味。(笑)
中間さん、弥生、小田とキャラも愛せる人ばかり。
しかしもう少し、深く掘り下げたほうが...続きを読む
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