ニューヨーク在住のベイヴリーへ知らない人からメールが届く。カリフォルニアに住む同じ12歳のベッドから。
「そっちのお父さんとうちのお父さんは、付!き!合!っ!て!い!る!!!」
お父さんたちは娘たちを同じサマーキャンプに送り込み仲良くさせようとも目論んでいる。
そんなの絶対いや!
それから二人のメー
...続きを読むル交換がはじまった。
本文はメールのやりとりで構成されている。
だから横書き。
父親たちの思惑を阻止しようと協力する中で、意に反して仲良くなっていく2人。それなのに…!
ベットとベイヴリーがすごい。子どもは大人の都合の中で生きている。だから与えられた状況の中で最善に向けて努力し、大人への配慮をし、適応力もある。いじらしいくらいだ。
それは本来どの子どもが備えている資質なのではないか。
登場する大人それぞれが、自分の人生(恋愛も)を楽しみながら、親として、祖母として、家族が繋がっている。同性愛、家族の在り方はこれほど多様なのだ。
日本でこの設定のお話があったら、もっと重く暗い話になってしまうのではないか。同性愛への容認だけでなく、家族の在り方の文化の違いだろう。
底抜けに明るく、ホロっとする優しい家族のお話しだった。意外な結末も素敵。