中央公論新社作品一覧

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  • カラー版 最後の辺境―極北の森林、アフリカの氷河
    3.0
    地図上の空白地帯が失われてしまった現在も、文明の侵食を許さない隔絶された土地は存在する。ヒマラヤの高山氷河、アマゾン源流の大瀑布、アフリカ最奥部の密林地帯――人の手が地球上の隅々にまで及ぼうとするなか、厳しくも美しいこれら辺境こそ、豊かな自然の最後の砦だと言えよう。日本を代表する自然写真家が半世紀にわたって追い求めてきた最後の辺境を、見る者の心を強く揺さぶる写真で紹介する。
  • カラー版 小惑星探査機はやぶさ 「玉手箱」は開かれた
    4.5
    地球の引力圏を離れて宇宙を航行し、他の天体に着陸してサンプルを採取し、地球に帰ってくる-人類初の偉業を成し遂げた「はやぶさ」は、どんな発想で生まれたのか。そして打ち上げから、イトカワへの着陸、空前絶後の救出、満身創痍の帰還、サンプル確認まで、「生きているのが不思議」とまで言われたミッションはどのように行われたのか。誕生から帰還まで、プロジェクトを先導した著者が「はやぶさ」への思いを語る。
  • カラー版 新大陸が生んだ食物―トウモロコシ・ジャガイモ・トウガラシ
    3.5
    カレーや肉じゃがなど、日々の献立に欠かせないジャガイモ、季節を感じさせるトウモロコシやカボチャ、激辛のトウガラシや魅惑のチョコレート……。これらはすべて中南米を原産とし、15世紀末以降、世界中に広まった新しい食物である。その「ふるさと」を訪ねると、味も形も色もユニークでバラエティーに富む原産種が栽培され、加工や調理にも工夫が凝らされていた。多彩な食物と人間の関係をカラー写真と文章でたどる。
  • カラー版 スイス-花の旅
    2.0
    旅人の心をとらえて離さない壮麗な山並み、そこかしこに咲きこぼれる色鮮やかな花々――。山の国スイスは、美しい花の国でもある。自然への配慮を尽くして敷かれた登山鉄道と5万キロに及ぶハイキング・コースは、美しい自然をすべての旅人にと願う、この国の人々からの贈り物なのだ。すがすがしいスイスの風があふれ出すフォト・ガイド・ブック。
  • カラー版 スペイン・ロマネスクへの旅
    -
    イベリア半島では、レコンキスタの進展に伴い次々と教会や修道院が建てられた。中世最大の巡礼地サンティヤゴをめざす街道が作られたことも、ヨーロッパ各地の職人や様式の粋が流れ込むのを後押しした。西ゴート、アストゥリアス、モサラベといった魅力的なプレロマネスクの影響も受けながら、11~12世紀、半島独自のロマネスク芸術が花開いていく。複雑で陰影に富んだスペイン・ロマネスクの美を余すところなく紹介する。
  • カラー版 世界の四大花園を行く―砂漠が生み出す奇跡
    4.5
    荒涼とした砂漠に、突如、大花園が出現する。雨季とともに花開き、まもなく消えてしまう幻の花景色だ。南北600キロも花街道がつづく南アフリカ、クリスマスリースのような花束が咲くオーストラリア、世界でもっとも乾燥した大地がピンクの花で敷き詰められるチリ、瑠璃色の花が砂丘を埋めつくすペルー。これらすべての花園を訪ねて地球を何周も巡った写真家が、多種多様な花、そこに生きる人々や動物の姿をカラーで紹介。
  • カラー版 ダ・ヴィンチ絵画の謎
    4.0
    誰もが知っている「モナリザ」。しかし、よくよく見てみればさまざまな謎に満ちている。モデルはだれか、なぜ微笑を湛えているのか。左右の背景はなぜつながっていないのか、そもそもなぜこんなに荒涼とした風景なのか……。鏡文字で書かれたダ・ヴィンチの手稿を研究し、彼の抱く世界観を知悉する著者が、「モナリザ」や「受胎告知」等、現存する主要な絵に秘められた謎について、ダヴィンチ自身のものの見方考え方に立って、俗説を退け、解読を試みる。
  • カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩
    3.8
    文明開化、関東大震災、空襲、高度成長…建設と破壊が何度も繰り返された東京だが、思わぬところに過去の記憶が残っている。日比谷公園の岩に刻まれた「不」の記号、神田三崎町に残る六叉路、明大前駅の陸橋下の謎のスペース、一列に並ぶ住宅など、興味深い構造物、地形を紹介し、その来歴を解説する。カラーで掲載した新旧の地図を見比べ、現地を歩いて発見すれば、土地の記憶が語りかけてくるだろう。
  • カラー版 地中海都市周遊
    4.0
    散策が楽しい路地の迷宮、居心地のよいカフェ。地上の楽園を再現したパティオ、人びとの情熱を今に伝えるモスクやカテドラル。地中海都市は共通する魅力を持つ。キリスト教文化とイスラムが出会うこの地では、古来、双方が交わり、歴史に醸造された懐の深い文化が花開いた。イタリア、スペイン、モロッコ、シリアの美しい町々へ、この地を愛してやまない二人が誘う。
  • カラー版 電車のデザイン
    3.9
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新幹線800系つばめや787系リレーつばめ、883系ソニック、885系かもめから「たま電車」まで。話題の車両デザインを手がけ、数々の賞を受賞した水戸岡鋭治の人と仕事を一冊で紹介する。
  • カラー版 東海道新幹線歴史散歩 車窓から愉しむ歴史の宝庫
    4.5
    新幹線の窓からなにが見えるだろうか。縄文時代の貝塚から昭和の歴史遺産まで、見どころ満載なのが東海道新幹線だ。田子ノ浦や老蘇の森に古代の貴族たちが詠んだ風景を想像し、清州城や関ヶ原の古戦場に戦国大名の栄枯盛衰をたどる。明治の先取の気質を豊田佐吉の生家や井上勝の墓に感じ、熱海城や八ツ山橋にゴジラの悲哀を思う。車窓に拡がる歴史的スポット百カ所以上を全線地図とカラー写真を付して詳述。乗り越し注意。
  • カラー版 東京いい道、しぶい道
    4.0
    散歩をしていると、大通りから古い道が枝分かれするようなポイントに出くわすことがある。道幅はちょっと狭くて、ひなびた商店が奥の方に何軒か見える。散歩愛好家というのは気まぐれに、だいたい裏道、くねくね道に足を踏み入れてしまうものだ。ここで名づけた「いい道、しぶい道」とはそんな道。街歩きブームの先駆者が、時代の変化を独自のアンテナで捉えながら、東京に散在する、歩きがいのある道を地図と写真をまじえながらガイドする。
  • カラー版 東京鉄道遺産100選
    5.0
    開業以来150年、東京の鉄道はつねに町づくりとともにあった。江戸以来の水道を横切るための煉瓦アーチ橋。多摩川の砂利で作ったコンクリート高架。壮麗な旧万世橋駅や浅草駅。そしてあちこちに延伸された軍用鉄道と戦争の痕跡……。東京駅舎のように誰もが知っている文化財から、絶滅寸前の吊り掛け電車や駅の木製ベンチ、構内踏切のような意外なものまで、首都に残る貴重な100の歴史的遺産を精選して紹介する。
  • カラー版 トレッキングinヒマラヤ
    4.0
    「定年記念にヒマラヤのトレッキングに行こうよ」。妻のひとことがきっかけで、かつてヒマラヤ登山を夢みた夫婦はネパールへと向かう。数々の名峰を眺めながら歩む「エベレスト街道」をはじめ、アンナプルナやダウラギリを望む峠や谷など、特色あるトレッキング・コースを旅する。そこでは、花々の群落やチベット仏教との出あい、ヒマラヤ山中の人たちとの交流が待っていた。
  • カラー版 ドリアン 果物の王
    3.3
    クリームのような甘く濃厚な味といい馥郁たる香りといい、ドリアンこそ果物の王である。しかし、「鼻が曲がるほど臭い」「ビールと一緒に食べると死ぬ」等々、これほど誤解されている果物も珍しい。ドリアンの虜になった植物学者が、その魅力や種類を紹介。さらに、選び方から、羊羹やかき氷などドリアンの様々な食べ方、日本での育て方まで伝授するドリアン三昧の書。ドリアンついでに植物学のイロハも解説する。
  • カラー版 廃線紀行―もうひとつの鉄道旅
    4.0
    「絶景廃線」と呼びたくなる路線がある。瀬戸大橋の見える下津井電鉄、景勝地・耶馬渓の真ん中を走る大分交通耶馬渓線などだ。他方で、ありふれた景色の中を通っているが、歩いてみると何とも楽しい路線も少なくない。鉄道をこよなく愛する著者が五年をかけて全国の廃線跡を踏破。往時の威容に思いを馳せつつ、現在の姿を活写する。北は道東の国鉄根北線から南は鹿児島交通南薩線まで、精選五〇路線を紹介する廃線案内。
  • カラー版 パタゴニアを行く-世界でもっとも美しい大地
    3.8
    パタゴニアは、南米大陸の南緯40度以南、アンデス山脈が南氷洋に沈むホーン岬までを含む広大な地だ。豊かな森と輝く湖水が美しい北部、天を突き破らんばかりの奇峰がそびえ、蒼き氷河に彩られる南部、そして一年中強風が吹き荒れる地の果てフエゴ島…。変化に富む自然に魅せられて移住した写真家が、鋭鋒パイネやフィッツロイ、バルデス半島のクジラ、四季の花や味覚、そして人々の素朴な暮らしを余すところなく紹介する。
  • カラー版 美術の愉しみ方 「好きを見つける」から「判る判らない」まで
    3.0
    絵に殉じたゴッホの筆遣い、色彩を見極めたセザンヌの眼、人間の生命を彫像にしたロダンの手。優れた絵画・彫刻は、作家の感性と知性が結晶した永遠の芸術である。東西の名品を堪能できる現場が美術館や展覧会だ。本書は、関心を開く・好きを見つける・読む・比べる・敷居をまたぐ・参加する・判るという7つの視点から、読者を現場にいざなう。80点のカラー図版とともに、美術体験の感動に迫り、愉しみ方を伝授する。
  • カラー版 ふしぎな県境 歩ける、またげる、愉しめる
    3.7
    地図を詳しく見ていくと、日本各地に複雑怪奇な県境が存在する。ショッピングセンターの売り場を分断している、一つの村が丸ごと他県に囲まれている、盲腸県境が幅1メートル×長さ8キロにわたって細長く続く、実際の県境からだいぶ離れたところに「県境」バス停がある……。こんな県境が、なぜ生まれたのか? 実際に行ってみると何があるのか? 地元の人は不便ではないのか? 県境マニアが全国13ヵ所の県境を検証。
  • カラー版 フランス・ロマネスクへの旅
    5.0
    十一~十二世紀にヨーロッパ各地で一斉に開花したロマネスク芸術。その神秘的な美は、千年を経た今も人々を魅了してやまない。本書ではフランスの八地方に残る二十四の教会を選び出し、その建築をとりまく歴史や、細部に秘められた物語をたどる。個性的な各教会の建築、壁画、柱頭彫刻など、それぞれに異なる見どころも紹介。鑑賞に役立つ用語解説を付す。
  • カラー版 へんてこな生き物 世界のふしぎを巡る旅
    3.7
    見よ! 常識を軽~く超えてくる、この姿を。 かわいい小動物ハニーポッサムは、巨大な睾丸の持ち主。水生哺乳類アマゾンマナティが「森」の中を飛ぶって? ペンギンなのに、森の中で巣作りをする「妖精」。まるでネズミ! 手のひらサイズの巨大な虫。常識を軽く超えてくる生き物たちの「へんてこ」を活写。30年以上にわたり研究者やナチュラリストと共に活動してきた著者が、新しい科学的なトピックをまじえて約50種を楽しく紹介する。200枚超の撮り下ろし写真を掲載。 電子版はオールカラー(*紙版は一部モノクロ)。また電子版は「参考文献・図版出典一覧」が付された完全版。
  • カラー版 マチュピチュ-天空の聖殿
    3.5
    インカ帝国が未来にのこした世界遺産マチュピチュ。太陽、虹、霧、風に包まれた永遠の聖殿は、いまなお謎とともに眠る。人々は断崖上の都市でどのように暮らし、何に向かって祈っていたのだろうか。初代皇帝の誕生神話、18~19世紀の古文書や最古の地図と秘められた歴史、1911年のビンガムの発見、そしてビルカバンバの山や谷、神秘の東方圏まで、マチュピチュを中心としたインカの全貌がここにある。
  • カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略
    3.8
    1巻1,100円 (税込)
    人間の目は、赤・青・緑の3色しか見えない。だが、虫や鳥は紫外線をも見ることができる。では虫や鳥には、世界はいったいどう見えているのか? 著者は紫外線カメラを自作し、動物や植物を撮影。そこには驚きの世界が広がっていた――。モンシロチョウは雌雄で翅の色が違い、ウツボカズラの捕虫嚢は紫外線を反射して虫を誘い、ハシブトガラスは紫外色の模様の違いで個体を識別していた。人には見えない生存戦略を探る。
  • カラー版 目からウロコの自然観察
    3.7
    ヒバリはなぜ天高く舞いながらさえずるのだろうか? アカメガシワの新芽はどうして赤いのか? 百日紅はその名の通り100日咲きつづけるのか? ヒガンバナは本当にお彼岸に咲くのか? 秋にたくさんいたスズメたちは冬にどこに行ってしまうのか? 見慣れた動植物を詳しく観察してみると、意外な発見に満ちている。ツユクサやオシロイバナのような草花からチョウやツバメ、カエルまで四季の生き物の素顔をカラーで紹介。
  • カラー版 やってみよう! 車中泊
    3.7
    車の中に泊まると、なぜこんなにワクワクするんだろう? 本書では、キャンプやクルマ旅とともに注目を浴びる、車中泊のノウハウを紹介! この奥深い世界に、ぜひあなたも飛び込んでみませんか? 【目次】 はじめに 第一章 そもそも、車中泊って何? 第二章 マイカーで快眠するための基本と装備 第三章 旅を成功に導く安心・安全な場所選び 第四章 クルマ旅の基礎知識 第五章 季節によって変わる車中泊 第六章 車中泊をさらに充実させるために 第七章 車中泊の新しい活用法 あとがき
  • カラー版 ラファエロ―ルネサンスの天才芸術家
    4.0
    ラファエロ(1483~1520)は、イタリア・ルネサンスの巨人である。37年の短い生涯にもかかわらず、聖母子画やローマ教皇らを描いた肖像画などの傑作を残した。本書は、その歩みと作品をたどって、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロら芸術家たちとの交流や、古代ローマへ向けた関心などを読み解く。そして、後世に巨大な影響をもたらした彼の知られざる多面的な実像を明らかにする。
  • カリコ博士のノーベル賞物語
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 私はハンガリーの小さな町の、水道のない家で育ちました。そんな暮らしから、私はどのようにして、自分の科学的発見でこれほど多くの人々に影響を与えるようになったのでしょうか? その疑問に、私は一言で答えることができます。それは、「好奇心」です! 私はずっと好奇心いっぱいの女の子でした。  もし、これを読んでいるあなたが科学者になりたい女の子なら、私からあなただけに特別なメッセージを送ります。  全力でがんばれ! そして、どんなものにもあなたの進む道のじゃまをさせないこと。夢は大きく!    ――カタリン・カリコ
  • 狩場の悲劇
    3.3
    「五月の朝に詩的な《赤いワンピースの娘》に出会って以来、おびただしい数の犠牲者が、人生の暗い波間に、永久に姿を消し去った」……モスクワの新聞社へ持ち込まれた、ある殺人事件をめぐる小説原稿。そのテクストの裏に隠された「おそろしい秘密」、そして読み終えてなお残り続ける「もう一つの謎」とは何か? 近代ロシア文学を代表する作家が若き日に書いた唯一の長篇小説にして、世界ミステリ史上に残る大トリックを駆使した恋愛心理物語の古典。巻末に、江戸川乱歩による評論を収録。 江戸川乱歩――「チェーホフともあろう作家の、こういう作品を知らなかったのだから、われわれの全く気づかない面白い探偵小説が、まだどれほど残っているかと思うと楽しくなる。……探偵小説のトリックの歴史から考えても、相当大きな意味を持つ」。 解説・佐々木敦
  • 軽井沢・芦屋殺人事件
    -
    商事会社社長・相模の招待で、軽井沢のゴルフを楽しむことになった鉄道警察隊の江戸川警部と尾瀬刑事。ところが午後のスタート時、同じく招かれた会社員の立木が殺害されているのを発見する!

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  • 軽井沢の霧の中で
    -
    ひっそり暮らす初老の陶芸家と美貌の妻に近づく謎の青年。不吉な〝暗号〟のように登場する白い犬。四季折々の避暑地に殺意の翳が。
  • カルトからの大脱出
    -
    教祖V.S.マジシャン!? カルト宗教に消えた娘を救うため、 信者たちに「本当の奇跡」を見せろ! 保険営業員として働きながら高校生の娘・あすかと二人で楽しく暮らしていた好美。だがある日、あすかは家を飛び出し、謎のカルト教団〈新しい神のルール〉の中へと消えた。憔悴する好美に救いの手を差し伸べたのは、保険の顧客であるマジシャンの谺だった。娘奪還のために谺が用意した奇策とは? 大・逆・転ミステリー! 文庫書き下ろし
  • カロや 愛猫作品集
    -
    吾輩はカロである――。「猫の話」「カロ三代」など梅崎家代々の飼い猫・カロと家族をめぐる騒動を描いた小説・随筆を中心に、全集未収録の「ウスバカ談義」、童話「大王猫の病気」などを併録した文庫オリジナル愛猫作品集。〈解説〉荻原魚雷 【目次】 猫の話/カロ/A君の手紙(カロと老人/凡人閑居)/カロ三代/猫のことなど/猫と蟻と犬/落ちる/ウスバカ談義/猫男/大王猫の病気
  • 河合栄治郎 戦闘的自由主義者の真実
    4.0
    人格の成長を第一と考える理想主義を提唱し、昭和期の学生必読書『学生に与う』を著した思想家・河合栄治郎。彼の生涯は闘いの連続であった。中学校でのいじめにはじまり、保身に走る官僚、派閥抗争に明け暮れる大学教授、そしてファシズムに傾斜していく軍部に対し、彼は「戦闘的自由主義者」として、自らの信念を貫き通した。新発見の史料によって生涯・思想・後世への影響を詳説。いま明かされる真実の河合栄治郎とは。
  • 川路利良 日本警察をつくった明治の巨人
    -
    薩摩藩の下級武士の家に生まれながら、戊辰戦争の活躍で西郷隆盛に引き立てられ、幕末の激動の時代を生き抜いた川路利良。大久保利通の信頼も得て、維新後に警察の創設を任され、フランス視察を経て、日本に近代的警察機構を作り上げる。しかし、新政府の方針を巡り、西郷と大久保が対立。川路は、大恩人である西郷の敵となり、政府軍を率いて西南戦争へ赴く――。日本という新しい国家と警察組織に一身を捧げ、初代大警視(警視総監)まで上り詰めた男の生涯を描く。
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流
    4.0
    十二世紀末、源頼朝は初の本格的武士政権である鎌倉幕府を樹立する。彼を出した河内源氏の名は武士の本流として後世まで崇敬を集めるが、祖・頼信から頼朝に至る一族の歴史は、京の政変、辺境の叛乱、兄弟間の嫡流争いなどで浮沈を繰り返す苛酷なものだった。頼義、義家、義親、為義、義朝と代を重ねた源氏嫡流は、いかにして栄光を手にし、あるいは敗れて雌伏の時を過ごしたのか。七代二百年の、彼らの実像に迫る。
  • 河津・天城連続殺人事件
    5.0
    二ヶ月前に死んだはずの美女が、河津七滝に現れたその日、男の射殺体が発見された――伊豆で、黒部で、東京で、十津川警部が見た殺意の正体とは!
  • 考えることの科学 推論の認知心理学への招待
    4.1
    日常生活での思考は推論の連続といえる。その多くは論理形式に従うより、文脈情報に応じた知識を使ったり、心の中のモデルを操作してなされる。現実世界はまた、不確定要素に満ちているので、可能性の高さを直観的に判断して行動を決めている。推論はさらに、その人の信念や感情、他者にも影響される。推論の認知心理学は、これら人間の知的能力の長所と短所とをみつめ直すことによって、それを改善するためのヒントを与えてくれる。
  • 宦官 改版 側近政治の構造
    3.5
    中国の歴史において宦官のはたした役割は実に大きい。清朝の歴史家は、各王朝ともその衰亡の原因が宦官にあったことを指摘する。過去四千年にわたる専制君主と表裏一体をなして生きながらえた宦官の研究は、単なる好奇心を越えて、中国史の重要な課題の一つである。宦官とはなにかから説きおこして、宦官のもっとも活躍した漢・唐・明代を中心に、それぞれの、時代を背景にした特色を指摘する。毎日出版文化賞受賞。
  • 環境革命の虚実
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●環境大臣インタビュー 再生可能エネルギーとEV抜きに日本の将来は描けない 小泉進次郎 ●感染症戦線と「3・11」後の原子力 村上陽一郎 ●〔対談〕SDGs、ESG投資から脱炭素への潮流 「グリーン経済成長」に向けて企業と国がなすべきこと 沖 大幹×高村ゆかり ●EU、中国に伍し、日本が「資源大国」になる好機 資源エネルギー覇権競争の大転換が始まった 平沼 光 ●国内自動車メーカーは生き残れるか 高橋 徹×山本貴徳 ●脱炭素社会がもたらす「電費」を競う時代 中西孝樹 ●人類が生き延びるための生物多様性 五箇公一 ●〔ルポ〕JR東海と静岡県のリニア開発議論 対立の深層 「生態系劣化」抑止の国際潮流に、開発事業は対応できるか 河野博子 ●リニア、電力……コロナ後を展望する 「受け身の発想」から新たな技術と価値の創出へ 入山章栄 ●〔対談〕資本主義のオルタナティヴ 農に第三の道あり 藤原辰史×斎藤幸平
  • 「観光公害」を克服せよ
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より)●「京都、富士山等の混乱に学び“観光亡国”を防ぐ」アレックス・カー(東洋文化研究者)聞き手・清野由美(ジャーナリスト)●「中国人個人旅行客が日本に望むこと」中島恵(ジャーナリスト)●「ブータン、ボツワナ、鹿児島…… 環境にやさしい富裕層旅行」山口由美(ノンフィクション作家)●「知られざる全国インバウンド観光地」旅行読売編集部●「民泊はシェアリングエコノミーの試金石」松村敏弘(東京大学教授)●「インバウンドだけでは観光立国にはなれない」星野佳路(星野リゾート代表)
  • 観光亡国論
    4.0
    右肩上がりで増加する訪日外国人観光客。京都、富士山をはじめとする観光地へキャパシティを越えた観光客が殺到し、交通や景観、住環境などでトラブルが続発する状況を前に、東洋文化研究家アレックス・カー氏は「かつての工業公害と同じだ」と警鐘を鳴らす。本書はその危機感を起点に世界の事例を盛り込み、ジャーナリスト・清野由美氏とともに建設的な解決策を検討する一冊。真の観光立国を果たすべく、目の前の「観光公害」を克服せよ!
  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年
    4.0
    ここ30年間で韓国は大きく変わった。独裁から民主国家へ、発展途上国から先進国へと。20世紀に日本が「弟」と蔑んだ韓国は過去のものだ。他方、元慰安婦を始め歴史認識問題が顕在化、日韓の対立は熾烈さを増す。21世紀に入り、政治、経済から韓流、嫌韓まで常に意識する存在だ。本書は、1980年代末、途上国だった隣国に関心を抱き、韓国研究の第一人者となった著者が自らの体験から描く、日韓関係の変貌と軋轢の30年史である。
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌
    4.2
    一九四八年、日本の植民地から米国の占領を経て、建国した大韓民国。六〇年の間に、独裁国家から民主国家、途上国から先進国へと大きく変貌した。本書は、歴代大統領の「眼」と「体験」を通し、激変した韓国を描くものである。「建国の父」李承晩、軍事クーデタで政権を奪った朴正煕、民主化に大きな役割を果たした金泳三、金大中、そして「ポスト民主化」時代の盧武鉉、李明博。大統領たちの証言で織りなす現代史の意欲作。
  • 韓国済州島 日韓をむすぶ東シナ海の要石
    3.0
    朝鮮半島本土から南へ90キロ沖の東シナ海にあり、古代は耽羅と称した済州島だったが、地理的位置から日韓中三国が密接に絡み合う元寇や倭寇の基地となり、李朝時代は政治犯の流刑地、植民地時代は日本への労働供給地として、島の自主性は奪われていた。解放後も本土との軋轢から、その歴史は平坦ではなかったが、恵まれた自然と温暖な気候を活かした園芸、観光産業によって、韓国一豊かな島に変貌した。離島ゆえの宿命をたどる。

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  • 韓国社会の現在 超少子化、貧困・孤立化、デジタル化
    4.2
    若者の就業率、教育費負担、男女の賃金格差など先進国の中で、“最悪”の数値を示す韓国。特に「圧縮した近代」の結果、1を切った出生率、60%が無年金者という高齢者の貧困率・自殺率は深刻だ。他方で問題解決のため大胆な政策を即実行し、デジタル化などは最先端を行く。本書は、少子高齢化、貧困・孤立化、デジタル化、教育、ジェンダーをテーマに、深刻化した現状と打開への試行錯誤を描く。韓国の苦悩は日本の近未来でもある。
  • 韓国大統領列伝 権力者の栄華と転落
    3.7
    独立以来8人を数える韓国大統領のうち、1人は暗殺され、3人は任期途中で下野、2人は退任後、逮捕された。反日親米の国づくりを進めたものの、民衆の支持を失い亡命した李承晩、独裁統治で高度経済成長を達成したが、酒宴の最中、ナンバー2に暗殺された朴正煕……。クーデタ、逮捕、断罪、特赦、亡命など転変きわまりない浮沈を重ねた歴代大統領の生い立ちから、権力掌握のプロセス、その挫折までを活写する。
  • 韓国とキリスト教 いかにして“国家的宗教”になりえたか
    3.9
    宗教人口の過半数を、キリスト教信者が占める韓国。教派間の拡大競争は、大統領選挙の動向や、北朝鮮支援事業に強い影響を及ぼす一方、しばしばカルトや他宗教との衝突といった社会問題を引き起こしている。本書は、一八世紀以降の朝鮮半島における受難の布教開始から、世界最大の教会を首都ソウルに置くにいたった現在までを追い、日本では報じられなかった韓国社会の実情と問題を解き明かす一冊である。
  • 韓国のイメージ 戦後日本人の隣国観 [増補版]
    3.5
    今日の日本人の韓国像は、一方に文化相対主義的理解があれば、他方に伝統的蔑視があり、イデオロギー的立場からの賞賛や沈黙の一方に、若い文化的関心層があって一様ではない。それでは、戦後日本の韓国像はどのように変化してきたのか。戦後日本人の韓国観の変遷を二十年ごとの三つの時期区分で論じた名著に、今回新たに四つめの時期となる「韓流の時代」を論じる章を増補し、あの狂騒の時代を歴史のなかに位置づける。
  • 韓国の若者 なぜ彼らは就職・結婚・出産を諦めるのか
    3.5
    先が見えない日韓情勢。一方で若者の生き辛さを描いた翻訳文芸書やドラマが日本国内でもヒット。その実態への関心が高まっている。実際、大卒者が国民の8割近くを占めるも多くが希望する職を得られず、アルバイトも奪い合いという格差社会の中で絶望感が拡大。結果として多くの若者が、反日の枠すら越えて日本への就職を選び始めた。この本では彼らを取り巻く過酷な現実を緊急レポート。かの国は地獄(ヘル)か!
  • 韓国併合 大韓帝国の成立から崩壊まで
    4.0
    日清戦争の結果、朝鮮王朝は清の「属国」から脱し大韓帝国を建国、皇帝高宗のもと独自の近代化を推進した。だが帝国日本は朝鮮半島での利権を狙い侵食。日露戦争下、日韓議定書に始まり、1904~07年に三次にわたる日韓協約によって外交・財政・内政を徐々に掌握し、10年8月の併合条約により完全に植民地化する。本書は日韓双方の視点から韓国併合の軌跡と実態を描く。今なお続く植民地の合法・不法論争についても記す。 <目 次> 序 章 中華秩序のなかの朝鮮王朝 第1章 真の独立国家へ―1894~95年      1 日清戦争の勃発      2 甲午改革      3 宗属関係の終焉 第2章 朝鮮王朝から大韓帝国へ―1895~97年      1 閔妃暗殺、露館播遷      2 「皇帝」即位の熱望      3 大韓帝国の成立 第3章 新国家像の模索―皇帝と知識人の協和と不和 1 独立協会の結成      2 皇帝のロシア接近と独立協会の反対      3 独立協会の強制解散 第4章 大韓帝国の時代―皇帝統治の現実と限界      1 儒教宗主の専制君主      2 皇帝国の文化 第5章 保護国への道程―日露戦争前夜から開戦のなかで      1 大韓帝国の外交      2 日韓議定書      3 第1次日韓協約の締結 第6章 第2次日韓協約の締結―統監府設置、保護国化      1 欧米の承認、皇帝への強要      2 調 印      3 ハーグ密使事件 第7章 大韓帝国の抵抗と終焉―1910年8月の併合へ      1 一進会と義兵運動      2 南北巡幸と伊藤博文の思惑      3 韓国併合条約の締結 終 章 韓国併合をめぐる論争―歴史学と国際法
  • 還魂の花燈 長安異神伝
    3.0
    飾り提灯に唐の都が華やぐ元宵節の夜。花燈見物の最中に美女・翠心とその侍女が何者かにさらわれた。人の姿をとった神・二郎真君は恋人の行方を探すが――。

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  • 漢詩百首 日本語を豊かに
    3.7
    返り点と送り仮名の発明によって、日本人は、ほんらい外国の詩である漢詩を自らのものとした。その結果、それを鑑賞するにとどまらず、作詩にも通暁する人物が輩出した。本書は、中国人六〇人、日本人四〇人の、古代から現代に及ぶ代表的な漢詩を精選し、詩人独自の読みを附すとともに、詩句の由来や作者の経歴、時代背景などを紹介。外国文化を自家薬篭中のものとした、世界でも稀有な実例を、愉しみとともに通読する。
  • 漢字再入門 楽しく学ぶために
    4.2
    漢字の宿題が苦痛だった人も多いでしょう。小中学校では約二千字の漢字一つひとつについて、筆順、とめ・はねなどの字形、音読みや訓読み、部首などを習います。しかし、漢字を学び、楽しむために本当に大事なものとはなんでしょう。漢字学の第一人者が、漢字の意外な成り立ちや読み方の歴史、部首のふしぎなど、学生時代に知っておけばよかった知識を伝授し、真に必要な知識を解説、さらに望ましい漢字教育を提言します。
  • 漢字の構造 古代中国の社会と文化
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 漢字の成り立ちと字形の変化の歴史には、古代中国の生活や風習、祭祀儀礼や社会制度などが反映されている。本書では、複数の字形を組み合わせて動作や様子を表した会意文字を主な対象として取り上げる。これまでに蓄積された出土文字資料を整理して、相互の継承関係を跡づける字形表を作成し、漢字の構造に封じ込められた社会と文化の記憶を解き明かすとともに、先行研究の問題点を検証する。新しい方法論に基づいた字源研究の成果。
  • 漢字の字形 甲骨文字から篆書、楷書へ
    3.5
    「馬」の字からはタテガミをなびかせ走るウマの姿が見えてくる。しかし「犬」からイヌを、「象」からゾウの姿を想像することは難しい。甲骨文字から篆書、隷書を経て楷書へ――字形の変化を丹念にたどると、祭祀や農耕など中国社会の変化の軌跡を読み取れる。漢字がもつ四千年の歴史は、捨象と洗練と普及の歴史なのだ。本書では小学校で習う教育漢字を取り上げた。眺めて楽しい字形表から漢字の歴史が見えてくる。
  • 漢字百話
    3.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 太古の呪術や生活の姿を伝える、漢字の世界。だが、中国・日本両国がかつて行った文字改革により、意味体系を否定されるという事態に陥っている。本書では、厖大な資料考証によって、文字の原始の姿を確かめ、原義を鮮やかに浮かび上がらせる。三千年を超える歴史的景観を辿り、漢字の今日的課題を問うた、「白川静の世界」入門に絶好の刺激的な書。  325ページ
  • 患者力 弱気な患者は、命を縮める
    4.5
    重い病気にかかったり、手術を受けなければならなくなった時、あなたならどうする? すべて医師任せというのは絶対にいけない。患者は自分の意志をしっかりと医師に伝えなければならない。その際に必要な知識・テクニックを、わが国屈指の心臓外科医が、あくまで患者の立場に立って伝授する。

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  • 感染症 増補版 広がり方と防ぎ方
    4.3
    グローバル化による人やモノの大移動によって、病原体が世界的に拡散するリスクは劇的に高まった。本書では、伝染病対策の歴史、病原体の種類や性質、伝播経路と遮断法など、感染症の脅威に正しく対処するための基礎知識を伝える。コレラから新型インフルエンザまで、多様な感染症をわかりやすく解説したロングセラーに、新型コロナウイルスの特徴や予防法を考察した新章「新型ウイルスが広がりにくい社会」を加えた増補版。
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア
    3.7
    一九世紀末、列強に領土を蚕食されるなか、中国では劣悪な栄養・衛生状態、海外との交流拡大によって、感染症が猛威を振るう。雲南の地方病であったペストは、香港や満洲に拡大し、世界中に広がることになる。中国は公衆衛生の確立を迫られ、モデルを帝国日本に求める。本書は、ペスト、コレラ、マラリアなどの感染症被害の実態、その対応に追われる「東亜病夫」と称された中国の苦悩とその克服に挑む姿を描く。
  • 「感染」の社会史 科学と呪術のヨーロッパ近代
    -
    「見えない恐怖」は止まらない――。コレラなどの疫病が「感染」するものと認識されてから、たかだか一五〇年ほどにすぎない。だが病気をもたらす不可視の微生物への恐怖と不安は、呪術的思考と絡み合いながら、人と人とのつながりや社会のあり方を一変させた。それは効果的な感染予防の福音を伝えた一方で、ジェノサイドを招く火種ともなった。本書は十九世紀末の「細菌学革命」にまつわる光と影、その後のヨーロッパ世界の激動を、臨場感溢れる多数の図版と共に追う。
  • “勧善懲悪”大いに結構 西部劇は男のロマン
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 逢坂剛さんと月村了衛さんが、愛してやまない「西部劇」について語り合った。逢坂剛さんの「西部劇ベスト10」には何が入っているのか? 月村さんの「マカロニ・ウェスタントップ10」は? そして、西部劇に復活の可能性はあるのか? ファン必読。
  • 完全版 南蛮阿房列車(上下合本)
    -
    ただ汽車に乗るためだけに、世界の隅々まで、鉄道旅を敢行。遠藤周作、北杜夫、開高健ら、珍友・畸人を道連れに、異国の鉄道を乗りまくる。著者ならではの、ユーモアと臨場感が満載の漫遊紀行の歴史的名作。全20篇を網羅した完全版。
  • 完全版 若き日と文学と
    -
    1巻1,320円 (税込)
    青春の日の出会いから敬愛する作家、自作まで。親友の二人が闊達に語り合う。ロングセラーに単行本未収録を含む五篇を増補、全対談を網羅した完全版。 Ⅰ 若き日と文学と  まえがき 北杜夫  若き日を回想しながら/トーマス・マンを語る/いささか人生論風に  あとがき 辻邦生 Ⅱ ぼくたちを作ってきたもの トーマス・マンについての対話/長篇小説の主題と技法/『星の王子さま』とぼくたち ぼくたちの原風景/文学が誘う欧州旅行 旧版解説 篠田一士 〈巻末エッセイ〉辻邦生と北杜夫 辻佐保子
  • 肝臓のはなし 基礎知識から病への対処まで
    4.3
    現代の日本人は、四~五人に一人の割合で、肝機能に異常があるとされる。「沈黙の臓器」である肝臓の異変に気づかぬまま、慢性の病で死に至る場合も多い。本書では、健康診断以外で意識しづらい肝臓について、基礎知識をイチから解説。飲酒やダイエットとの関係、健診項目の見方、主な肝臓病と最新の治療などを、医学史の流れをふまえつつ紹介する。健康な毎日のために知っておきたい、人体最大の臓器をめぐる医学講義。
  • 環太平洋戦争1 発火するアジア
    5.0
    経済成長を背景に国家の威容を求めて危険な軍拡ゲームを続けるアジア諸国。競って武器を輸出する欧米先進国。空母からミサイル艇までひしめきあうボルネオ海で、ついに火薬庫に火が点いた。王族が座乗するタイ海軍の潜水艦がシンガポールのミサイル艇と衝突、沈没したのだ。一気に高まる軍事的緊張に、武力報復を叫び蹶起するタイ軍部。各国海軍が睨み合う海域では、日本が派遣した潜水艦救難母艦が最初の砲撃目標に!? 環太平洋圏の近未来と日本の選択を問うシミュレーション巨篇第一弾!!

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  • 漢帝国―400年の興亡
    3.7
    漢字、漢民族という表現が示すように、漢は中国を象徴する「古典」である。秦を滅亡させ、項羽を破った劉邦が紀元前202年に中国を統一(前漢)。武帝の時代に最盛期を迎える。王莽による簒奪を経て、紀元後25年に光武帝が再統一(後漢)。220年に魏に滅ぼされるまで計400年余り続いた。中国史上最長の統一帝国にして、中国を規定し続けた「儒教国家」はいかに形成されたのか。その興亡の歴史をたどる。
  • 関東軍―満洲支配への独走と崩壊
    3.8
    関東軍は、一九一九年に中国・関東州と南満洲鉄道附属地の保護を目的に成立した。しかし、一九二八年の張作霖爆殺事件や三一年の満洲事変など、日本政府・陸軍中央の統制から外れて行動し、多くの謀略に関与した。「独走」の代名詞として悪名高い組織は、どのようにして生まれたのか。軍事・外交史研究の蓄積に、中国側の史料も踏まえ、組織制度、軍人たちの個人的特性、満洲の現地勢力との関係から解き明かす。
  • 関東大震災がつくった東京 首都直下地震へどう備えるか
    4.0
    一九二三年、東京は関東大震災により未曾有の被害を被った。しかし元禄・安政地震の記録をひもとくと、関東大震災の被害が地震規模に対して著しく大きかったことがわかる。被害を拡大させた要因は何か。江戸という町の発展と震災後の帝都復興をたどれば、見えてくるのは都市計画の果たす役割の大きさだ。科学技術が進んだことが、新たな問題を生んではいないか。現在の東京が抱えるさまざまな問題を指摘し、都市の在り方を考える。
  • 艱難辛苦 五輪への道
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●東京オリパラ組織委事務総長に迫る 開催できるか? 苦難の末にある「最後の詰め」 武藤敏郎 聞き手:岸 宣仁 ●岩田健太郎、ウスビ・サコ、畑野君枝、原武史ら14人 五輪推進派と反対派、いま言いたいこと 小林哲夫 ●組織委理事インタビュー ジェンダー平等は取り組むべきテーマ 來田享子
  • 観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い
    4.2
    観応の擾乱は、征夷大将軍・足利尊氏と、幕政を主導していた弟の直義との対立から起きた全国規模の内乱である。室町幕府中枢が分裂したため、諸将の立場も真っ二つに分かれた。さらに権力奪取を目論む南朝も蠢き、情勢は二転三転する。本書は、戦乱前夜の動きも踏まえて一三五〇年から五二年にかけての内乱を読み解く。一族、執事をも巻き込んだ争いは、日本の中世に何をもたらしたのか。その全貌を描き出す。
  • 看板学部と看板倒れ学部 大学教育は玉石混交
    3.8
    中央の法、慶應の経済など伝統系や資格系は安泰か?早稲田の国際教養など新設ブランドの実力は?国際、福祉、看護など“流行学部”の真贋。当局の“マーケティング戦略”の実態。珍名学部が増えた理由。東海の航空宇宙学科など隠れたオンリーワン…看板から大学の未来が見える。
  • 環八イレギュラーズ
    3.8
    「弟さんは、今、私の中に、いると思う」コミュニケーション障害とオタクを自覚している高校2年生の喚子。ある日、彼女の身体に「何か」が侵入してきた。その「何か」は「脱獄囚」を追って他の宇宙から来た「刑事」だと名乗り、30分以内に同級生の弟に触れないと喚子の人格が消えると通告。なんとか触れたまでは良かったが、「何か」は同級生の弟へ、弟の人格は喚子の中へ転移してしまう。元の身体を取り戻すため、喚子ら二年B組イレギュラーズは刑事の捕り物を手伝うことになるが……!? 規格外の大型新人デビュー! コミュ障女子+自閉症男子が地球を救う!

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  • 韓非子 不信と打算の現実主義
    3.8
    紀元前三世紀、韓の王族に生まれ、荀子に学んだ韓非は、国を憂えて韓王を諫めるも容れられず、憤慨して著述に向かう。その冷徹な思想は秦の始皇帝をも魅了し、「この人物に会えたら死んでもよい」と言わしめた。人間の本性は善か悪か。真の為政者はいかにあるべきか。『韓非子』五十五篇を読み解くのみならず、マキアベリ、ホッブズらの西洋思想と比較して、いまなお輝きを放ち続ける「究極の現実主義」の本質に迫る。
  • カンブリア 邪眼の章 警視庁「背理犯罪」捜査係
    3.9
    1~3巻902~1,034円 (税込)
    《能力》って、そんなに役に立つものじゃないんですよ。 物を持ち上げたければ手を使えばいい。 誰かと意思疎通したければ、その相手と話せばいい。 でも、あることに限り絶大な効果があるんです。 それは――犯罪です。 三鷹の賃貸住宅で若い女性が死亡した。当初は急性心臓死と思われたが、尾島警部補と相棒の閑谷巡査は過去にも同じ部屋で女性の突然死があったことを突き止める。だが怪しいと睨んだ大家・水田をいくら調べても、証拠は出てこない。感じたことのない奇妙な感覚を抱く中、尾島はこの事件の鍵を握る青年と出会い……。 虚ろな瞳が見つめる先には、若い女性の標的が。 常軌を逸した犯罪者を、黒ずくめのクールな刑事が追う!
  • 完璧な病室
    4.0
    弟はあの病室のあのベッドの上で、完璧に優しかった―― 病に冒された弟と姉との時間を描く表題作、海燕新人文学賞受賞のデビュー作「揚羽蝶が壊れる時」、 第二作品集収録の「冷めない紅茶」「ダイヴィング・プール」。 揺らぐことのない美をたたえ、みずみずしい輝きを放つ秀作群。 作家小川洋子の出現を告げる最初期の四篇に、著者あとがきを新たに加え、カバーデザインをリニューアルした新装版。
  • 完本 私の昭和史 二・二六事件異聞
    -
    二・二六事件を頂点とする「昭和維新運動」の推進力であった「青年将校グループ」とは、どのような人たちだったのか。彼らはなぜ二・二六事件を起こさねばならなかったのか――。グループの中心人物であった著者が、自身の体験したことを客観的に綴る本書は、貴重な昭和史第一級史料であるとともに、三島由紀夫に「見事な洗煉された文章」として激賞されたことでも知られる。長年読み継がれてきた名著に、拾遺八篇と同時代書評を増補した決定版。〈解説〉筒井清忠 「私の人生の本」といえば、この本をあげなければなるまい――三島由紀夫 昭和維新運動の全体像を構築するためにも、私に非常に多くのことを教えてくれる――橋川文三 【目 次】 まえがき   Ⅰ 残  生/大岸頼好との出合い   Ⅱ 天剣党以来/十月事件の体験/出征から凱旋まで/十一月二十日事件(その一)/十一月二十日事件(その二)/十一月二十日事件(その三)/相沢事件の前後(その一)/相沢事件の前後(その二)/相沢事件の前後(その三)/相沢事件の前後(その四)/蹶起の前後(その一)/蹶起の前後(その二)/青雲の涯   Ⅲ 大岸頼好の死  拾 遺 赤化将校事件/青森連隊の呼応計画/刑場の写真/夏草の蒸すころ/続・夏草の蒸すころ/素描・竹橋事件/有馬頼義の『二・二六暗殺の目撃者』について/映画「脱出」について  付録……同時代書評(*は電子には未収録) 利用とあこがれ……三島由紀夫(*) 人生の本―末松太平著「私の昭和史」……三島由紀夫(*) 末松太平著『私の昭和史』について……橋川文三 〈解説〉筒井清忠 索 引
  • 完訳 フロイス日本史 大友宗麟篇(合本)
    -
    信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史(全12巻)。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。大友宗麟篇Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(6~8巻)を収録する。 大友宗麟篇Ⅰ(第6巻) 弥次郎との邂逅に始まるザビエル来朝の経緯や、布教の拠点が山口から宗麟の豊後に移る様子を取り上げる。草創期のキリシタンと宗麟の周辺を描く。 大友宗麟篇Ⅱ(第7巻) フランシスコの教名で改宗した大友宗麟は、キリシタンの理想郷建設を夢みて日向に進出。しかし、耳川の合戦で島津軍に敗れ、宗麟は豊後にもどる。 大友宗麟篇Ⅲ(第8巻) 島津軍に敗れた大友宗麟は、関白秀吉に援軍を請い、キリシタン宗門も豊後を追われる。国主宗麟の死後、嫡子吉統は棄教し、キリシタンを迫害する。
  • 完訳 フロイス日本史 大村純忠・有馬晴信篇(合本)
    -
    信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史。全12巻。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ(9~12巻)を収録する。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅰ(第9巻) フロイスが横瀬浦で日本での布教の第一歩を踏み出してから後、十年余りの五島列島・島原・天草における布教、及び長崎の開港、有馬義貞の改宗を描く。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅱ(第10巻) 西国諸侯の改宗相次ぐ中、佐賀の竜造寺隆信の軍勢が島原に侵攻。島津の援兵を得た有馬軍は宗門の命運を賭した死闘のすえにこれを潰滅させる。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅲ(第11巻) 黒田官兵衛の改宗、関白秀吉の九州征伐やバテレン追放令、大村純忠・大友宗麟・コエリュ師の死去など、重大事件があいつぎ、西九州は動揺する。 大村純忠・有馬晴信篇Ⅳ(第12巻) 弾圧と迫害の中、着実にしかも強固に信仰の広がりを見せる天草・島原のキリシタンや、日本人初のイエズス会員ロレンソを描く。 キリシタン年表付。
  • 完訳 フロイス日本史 織田信長篇(合本)
    -
    信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史(全12巻)。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。織田信長篇Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(1~3巻)を収録する。 織田信長篇Ⅰ(第1巻) 信長前史と堺の殷賑を描く。 織田信長篇Ⅱ(第2巻) フロイスの観察と描写は委曲をつくし、わけても信任厚かった信長の人間像は躍如としている。仏僧との激越な論争や、南蛮寺建立の顛末も興味深い。 織田信長篇Ⅲ(第3巻) 信長の安土築城とセミナリオの建設、荒木一族の処刑と本能寺での信長の劇的な死、細川ガラシア・名医曲直瀬道三の改宗等、戦国史での重要事件を描く。
  • 完訳 フロイス日本史(全12巻合本)
    -
    信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史。全12巻合本版。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。 【全巻構成】 1 将軍義輝の最期および自由都市堺(織田信長篇Ⅰ) 2 信長とフロイス(織田信長篇Ⅱ) 3 安土城と本能寺の変(織田信長篇Ⅲ) 4 秀吉の天下統一と高山右近の追放(豊臣秀吉篇Ⅰ) 5 「暴君」秀吉の野望 (豊臣秀吉篇Ⅱ) 6 ザビエルの来日と初期の布教活動(大友宗麟篇Ⅰ) 7 宗麟の改宗と島津侵攻(大友宗麟篇Ⅱ) 8 宗麟の死と嫡子吉統の背教(大友宗麟篇Ⅲ) 9 島原・五島・天草・長崎布教の苦難   (大村純忠・有馬晴信篇Ⅰ) 10 大村・竜造寺の戦いと有馬晴信の改宗   (大村純忠・有馬晴信篇Ⅱ) 11 黒田官兵衛の改宗と少年使節の帰国   (大村純忠・有馬晴信篇Ⅲ) 12 キリシタン弾圧と信仰の決意   (大村純忠・有馬晴信篇Ⅳ )
  • 完訳 フロイス日本史 豊臣秀吉篇(合本)
    -
    16世紀後半に来日し30年余り滞在したイエズス会の宣教師フロイスによる「日本史」の完訳版。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞作。全12巻のうち豊臣秀吉篇Ⅰ・Ⅱ(4・5巻)を収録する。 豊臣秀吉篇Ⅰ(4巻) 大坂築城がなりバテレン一行を接見する秀吉と城内の様相を臨場感豊かに描く。諸国征伐を終えた秀吉は、高山右近を追放し、キリシタン禁教令を布く。 豊臣秀吉篇Ⅱ(5巻) 後陽成天皇の聚楽行幸、遣欧使節の謁見、小田原北条氏征伐など、全盛期の秀吉を描く。天下人となった「暴君」秀吉の野望はついに朝鮮侵寇に至る。
  • 完訳 ロビンソン・クルーソー
    4.4
    無人島に漂着したロビンソンは、持ち前の才覚と粘り強さを武器に島の生活を切り開いていく。原文の息遣いを伝える新訳とともに、文化史研究の第一人者が不朽の名作を世界史的経済から読み解く、大人のための翻訳・解説決定版。訳者解説「大西洋世界のロビンソン・クルーソー」

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  • 官僚制批判の論理と心理 デモクラシーの友と敵
    3.8
    多くの人が福祉社会を志向しているにもかかわらず、それを支えるはずの行政への不信が蔓延している。本書では、目まぐるしく変わる政治状況を横目に見ながら、官僚制批判のさまざまな連関が辿られていく。トクヴィル、カフカ、ハーバーマス、シュミット、アーレントら幅広い論者が呼び出され、ウェーバーの官僚制論が現在との関連で検討される。官僚制と戦う強いリーダーが待望される現実と対峙する鋭利な政治思想史。
  • 官僚の没落
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 == 特集 == 官僚の没落 ◆国家公務員制度担当大臣インタビュー お役所を良くするのも政治の仕事 人材・やりがい・多様性▼河野太郎 ◆データで見るエリート学生の進路事情▼本誌編集部 ◆安倍元首相退陣後も漂い続ける「首相の意向」 官邸官僚が生み出した「無責任体制」▼牧原 出 ◆敗戦で経済官僚たちは変わったのか 今もさまよう統制の亡霊▼中村宗悦 ◆〔対談〕江戸の役人、令和の官吏 「現代の大岡越前」は現れるのか▼大石 学×北村 亘 ◆米英独仏との比較から浮かび上がるもの 家臣型・無定量・人事一任の日本型は持続可能か▼嶋田博子 ◆〔対談〕元キャリア官僚から見る破綻と回復への道筋 霞が関再生は国会改革から始まる▼小川淳也×千正康裕 ======
  • 還暦シェアハウス
    3.0
    1巻594円 (税込)
    妻から別居を宣言され、一人娘は海外留学中。59歳のフリーライター松木は、55歳以上が対象の共同生活住宅(シェアハウス)“R55”に住むことに。しかし車椅子の女性オーナーは訳ありで、他の入居者たちも昭和臭ムンムンのくせ者たちだった。深夜ラジオ、ツチノコ、ジュークボックス、バブル――人生の半分以上を「昭和」で生きてきた男の第二の青春は!? 昭和も平成もオレたちは生きてゆく! 愛しき〈アラ還〉たちの中高年青春小説。
  • カーストとは何か インド「不可触民」の実像
    4.5
    インドに根付く社会的な身分制=カースト。数千年の歴史のなかで形成され、結婚・食事・職業など生まれから規制し、今なお影響を与え続ける。カースト問題には、「不浄」とされ蔑視が続く最底辺の不可触民=ダリトへの差別がある。政府は2億人に及ぶダリトを支援する施策を打つが、その慣習は消えず、移民した世界各国でも問題化している。本書はインドに重くのしかかるカーストについて、歴史から現状まで、具体的な事例を通し描く。
  • カーネギー自伝 新版
    3.5
    貧しいスコットランド移民の子から全米の鉄鋼王となり、後半生は公共事業や世界平和の実現に尽くしたカーネギー。その圧倒的な楽観主義に裏付けられた成功哲学と社会福祉への思いが綴られた感動の自伝。カーネギーを敬した渋沢栄一が本邦初訳版に寄せた序文ほかを新たに収録。〈解説〉亀井俊介/鹿島 茂
  • カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学
    3.9
    M・ウェーバー以後、最大の政治思想家か、それとも批判すべきナチのイデオローグか――。毀誉褒貶相半ばするドイツの政治学者カール・シュミット(一八八八~一九八五)。ワイマール期の『政治神学』から転換点となったホッブズ論、第二次大戦後の『大地のノモス』まで、主要著作を読み解きつつ、七〇年に及ぶ思索の変遷を辿る。ワイマール思想史研究の第一人者が〝尊敬すべき敵〟の思想と理論を精緻に解読した入門書。
  • 原子力空母を阻止せよ
    -
    太平洋で演習中の米原子力空母にソ連原潜が激突、炉に致命的損傷を受けた空母は横須賀に強行入港をはかる。米空母撃沈の密命を帯びた海自最新鋭潜水艦と、米ソ原潜の息づまる戦いは。

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  • 外交回想録
    4.6
    ドイツを皮切りに、アメリカ、中国、ソ連、イギリスで公使・大使等として活躍。第二次世界大戦への日本の参戦を阻止するべく心血を注ぐが果たせず、チャーチルとの会談を最後に一九四一年七月帰国。日米開戦直前まで約三〇年の貴重な日本外交の記録。

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  • 外交官の一生
    2.5
    満州事変時の吉林総領事、上海事変直後の上海総領事、そして日中戦争勃発時の東亜局長と、悪化の一途を辿った日中関係の最前線にあって、軍部独走に抗しつつ和平の道を模索しつつも、最後は敗走のビルマ大使として終戦を迎えた外交官が、日記をもとに綴った第一級の記録。 〈解説〉加藤陽子
  • 外交五十年
    4.0
    大正末期から昭和初期にかけて二度にわたり外務大臣を務め、「幣原外交」とよばれる国際協調政策を推進した外交官は、敗戦後に総理大臣に就任する。「未来永劫」戦争をしないとの「信念」から新憲法に軍備放棄を盛り込んだという著者が綴る貴重な外交秘史。 〈解説〉筒井清忠
  • 外国語を学ぶための 言語学の考え方
    4.1
    誰もが近道や楽な方法を探そうとするが、結局は地道な努力しかないと思い知らされる外国語学習。だが、それでもコツは存在する。本書は、そのヒントとなる言語学の基礎知識を紹介。「語学には才能が必要」「現地に留学しなければ上達しない」「検定試験の点数が大事」「日本人は巻き舌が下手」といった間違った「語学の常識」に振りまわされず、楽しく勉強を続けるには。外国語学習法としての言語学入門。
  • 外国人学校 インターナショナル・スクールから民族学校まで
    3.8
    日本には現在、二百校以上の外国人学校がある。多国籍の子どもを対象とするインターナショナル・スクール、駐在者の子弟が多いフランス人学校やドイツ人学校、アジア系の朝鮮学校や中華学校、最近増えているブラジル人学校…。由来もカリキュラムも様々だが、どの学校も、身近な異文化の象徴として国際交流の舞台となっている。あまり知られることのない外国人学校の歴史やシステム、授業風景を紹介し、その意義を考える。
  • 外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史
    4.2
    外国人は何を見たいのか。日本人は何を見せたいのか。明治初期、欧米の案内書では、「古き良き」文明の象徴として箱根の夜道が激賞される一方、日本側のガイドには、近代的な工場や官庁が掲載される。外国人による見どころランキングの変遷や、日本人による観光客誘致をめぐる賛否両様の議論を紹介し、日本の魅力はいったいどこにあるのか、誰がどう発見し、アピールするのかを追う。めまぐるしく変転する観光の近現代史。
  • 外邦図――帝国日本のアジア地図
    3.0
    明治初期から第二次世界大戦終結まで、日本がアジア・太平洋地域について作製した「外邦図」。陸軍が中心となり、戦争と植民地統治の「道具」として、朝鮮、中国、東南アジアと、進出に先駆けて作られた。その手段は、複製、秘密測量、空中撮影であり、現地での衝突も少なくなかった。本書は、初期の陸軍将校たちの偵察測量、日露戦争戦場での争奪、越境空撮など、従来知られていなかった作製の内実と利用の歴史を明らかにする。
  • 外務省革新派 世界新秩序の幻影
    3.7
    一九三八年七月、時の外相宇垣一成の私邸を八人の青年外交官が訪れ、所信を披瀝するとともに、彼らがリーダーと仰ぐ白鳥敏夫の外務次官起用を強く訴えた-ときに軍部以上の強硬論を吐き、軍部と密着して外交刷新を実現しようと行動した外務省革新派。彼らが主張した「皇道外交」は、満洲事変後の「世界史的大変動」の中で大衆に受け入れられ、世論を先導していく。戦争へ向かう時代を新たな角度で切り取る意欲作。
  • ガウディ伝 「時代の意志」を読む
    3.0
    アントニ・ガウディが活躍した十九世紀のバルセロナとはどんな都市だったのか。奴隷貿易が生んだ「黒い金」を元手にガウディのパトロンとなった新興富裕層、チャンスをもたらした建築ラッシュ、経済力が生んだナショナリズムと独自文化の再評価…これらのどれ一つが欠けてもガウディの建築群は誕生しなかった。知られざる作品も紹介しながら、その異能がどのように誕生し、発揮されていったかを、同時代史の中に位置づける。
  • 学習障害(LD) 理解とサポートのために
    3.8
    計算は速いのに文章題になると意味をつかめない。英会話は得意なのに簡単なつづりの間違いを繰り返す……。知的には遅れがないのに、特定の学習に困難を示す子どもたちがいる。学習障害(LD)といわれる範疇にあるか、それに近い子どもたちである。通常の学級で学習している彼らへの効果的な支援のためには、本人だけでなく親や教師ら周囲も対象とするサポート体制を築くことが必要だ。新しい教育への取り組みを模索する。
  • 学歴・階級・軍隊 高学歴兵士たちの憂鬱な日常
    3.7
    戦前の日本で、旧制高校から帝国大学へと進む学生たちは、将来を約束されたひと握りのエリートであった。彼らはある時期まで、軍隊経験をもつ時でさえ、低学歴者にはない優位を与えられた。それが、第二次大戦もたけなわとなる頃から、彼らも過酷な軍隊生活を送らざるを得ない情況となる。本書は、最も「貧乏クジ」を引いた学徒兵世代の恨みと諦めの声を蒐集し、世代と階級を巡る問題を照射するものである。

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