文明開化、関東大震災、空襲、高度成長…建設と破壊が何度も繰り返された東京だが、思わぬところに過去の記憶が残っている。日比谷公園の岩に刻まれた「不」の記号、神田三崎町に残る六叉路、明大前駅の陸橋下の謎のスペース、一列に並ぶ住宅など、興味深い構造物、地形を紹介し、その来歴を解説する。カラーで掲載した新旧の地図を見比べ、現地を歩いて発見すれば、土地の記憶が語りかけてくるだろう。
Posted by ブクログ 2017年08月31日
先に『都心の謎篇』を読んだが、本シリーズで総論とも言うべき本書をようやく読めた。読み始めればあっという間で、面白さの余韻が残る。几号水準点探しや五公園に出掛けたくなった。鉄道の話題も良かった。「未完の帝都復興道路」では、現代にこそ必要な都市計画道路ができる好機を逃し、後に日本橋や掘割の上に首都高速道...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月23日
東京の街の歴史的背景
・愛宕山は江戸時代には周囲を見渡す高さを誇り、1925年に始まったラジオ放送のアンテナもここに作られた。また明治5年に始まった測量の三角点の一つも設置された。
・上野公園の清水観音堂、不忍池、弁天堂はそれぞれ京都の清水寺、琵琶湖、竹生島を模している。そもそも江戸の鬼門に設置され...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月23日
東京に生まれ育って五十年。知らないこともいっぱいあり楽しかったが、このての本、単行本サイズの方がやっぱりいいかな。
どこもかしこも、変わってしまって少しさみしいけど、仕方ないよね。これが、今の日本の進歩の仕方なんだから。あ
地方の変わりようは、東京よりある意味悲惨かもしれない。改めて、以前と比べ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年12月07日
オールカラー! 地図や写真もたくさん掲載されている!
地図好きにはたまらない本だろう。
ちょうど荒川の掘削の話は、先週のNHK「ブラタモリ」とも重なっていた。
紙上ブラタモリといった趣もないでもないが、筆者の関心は近代にあるようだ。
奥多摩がなぜ東京都に編入されたか、多磨霊園のステイタス確立に東郷平...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年10月25日
「東京」の過去と今を新旧の地図を交えて解説。新書でページ数に制約があるからポイントを絞った紹介になっているが、十分に楽しめる。
なかでも、荒川放水路(荒川下流)開削の大工事で村が消えてしまったというのはあまりに壮大だ。バンコクの洪水被害のニュースを見るたび、これを応用できないものかと素人考えに思って...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年08月17日
自分が東京をよく知らないという思いがあり、あちこち歩いてみたいのだがやはり夏場はきつい。まずは本でも読んで。
身近な場所、よく知らない場所とも薀蓄が満載で面白い。
刊行から9年を経て、虎ノ門ヒルズがまだ計画段階だったり、築地から豊洲への市場移転もまだだったりと、街が変わり続けていることも感じられ...続きを読む