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十二世紀末、源頼朝は初の本格的武士政権である鎌倉幕府を樹立する。彼を出した河内源氏の名は武士の本流として後世まで崇敬を集めるが、祖・頼信から頼朝に至る一族の歴史は、京の政変、辺境の叛乱、兄弟間の嫡流争いなどで浮沈を繰り返す苛酷なものだった。頼義、義家、義親、為義、義朝と代を重ねた源氏嫡流は、いかにして栄光を手にし、あるいは敗れて雌伏の時を過ごしたのか。七代二百年の、彼らの実像に迫る。
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Posted by ブクログ
1 河内源氏の成立 2 東国と奥羽の兵乱 3 八幡太郎の光と影 4 河内現時の没落 5 父子相克-保元の乱の悲劇 6 河内源氏の壊滅-平治の乱の敗北 むすび 頼朝の挙兵 痛快な通史である。 10世紀なかばの承平・天慶の乱からはじまり、治承・寿永の争乱の幕開けとなる頼朝挙兵に終わる河内源氏の栄枯盛...続きを読む衰の物語が本書である。 中世の武士ほど、中等教育までの教科書と歴史学研究の乖離がはなはだしいものは少ないのではないか。武士とは貴族である、と本書は至るところで主張する。それすらも乖離のごく一例である。詳細はぜひ手にとって読んでいただきたい。 本書を読めば、評者をはじめとする素人が、いかに通説的理解に染まっているのかがよく分かる。 本書でもたびたび引用される『愚管抄』に、保元の乱以降は「武者ノ世」だという有名な一説がある。恥ずかしながら『愚管抄』も『吾妻鏡』も読んだことがない。しかし、高校の日本史の授業や大河ドラマなどを通じて、鎌倉時代になってから記された古典を源流にした「源平観」や「誇張された武士像」に多かれ少なかれ影響を受けている。 そのすり込まれた武士像を、厳密な史料批判によって再構築・再解釈していくのが本書の最大の魅力である。 とにかく饒舌に時代背景を説き、人脈の広がりを示し、舌鋒鋭く通説(とくに東大の先生の)を斬って捨てる。とにかく早口でまくし立て、ノートが追いつかないほどのスピードで黒板に書きまくる元木先生の講義そのものである。 一読すれば、普段この時代に興味関心の無い評者のような人間に対しても、好奇心をかき立て、歴史書を手にとってみようと気にさせるという点で、歴史学の新書として期待される最大の役割を果たしていると言えるだろう。
源氏のみならず、武士の発生から鎌倉幕府成立直前までの武家の変遷を、まったく新しい視点から洗い直した一冊。大河「平清盛」放映前にこれを読めたことは幸運と言うほかなし。「源氏の血は荒っぽい」などと情緒的な見方は一切排除した推論方法はほかの時代にも応用出来そう。
頼朝まで、河内源氏のあらましは波瀾万丈で読む分には興味深いが、当事者には溜まらない。貴族対武士という構図が成り立たず、貴族の後ろ盾と共に武士が成長していく様子がよく分かった。
河内源氏の祖頼信から、鎌倉幕府を開く頼朝の父である義朝までの河内源氏に関する通史。従来の研究では、平氏政権を打倒した源頼朝と東国武士との結びつきから遡行して源頼義・源義家との東国武士の絆が強調する「武家棟梁論」が支持されてきたが、その「武家棟梁論」に対する批判について多く書かれている。 「武家棟梁...続きを読む論」とは、広汎な東国武士を組織した河内源氏の武将は、多くの地方武士を組織する武家棟梁となり、その発展によって鎌倉幕府が樹立されるストーリーだが、前九年合戦では東国武士の参戦はわずかに過ぎず、安倍氏に惨敗する程度の武力しかなかったこと、出羽からの清原武則の支援でようやく勝利できたことなど、東国武士の組織化で勝利など行われていないようだ。筆者によると、武家棟梁論の最大の根拠は、『陸奥話記』と『吾妻鏡』であるが、『陸奥話記』は文学的修辞が多く、単純に事実とはみなしがたい。また、『吾妻鏡』が頼義をことさら取り上げるのは、平直方の子孫北条時政の女婿として鎌倉幕府を開いた頼朝と平直方の女婿の頼義の共通性を強調する作為がある。つまり、単に『吾妻鏡』によって、頼朝と東国武士の結びつきが過去に遡行されて、頼義と東国武士との結びつきが捏造されているに過ぎないとしている。 また、後三年合戦において、源義家に恩賞がなかったのは、義家の強大化を恐れた貴族の抑圧があったという説があるが、これを停戦命令無視の私戦であるので、当たり前のことであるとバッサリ。また、後三年合戦は清原氏一族の内紛であり、統率した武力の多くは清原氏一門に過ぎず、多数の東国武士の参戦を規定するのは困難であるとしている。 他にも為義と摂関家の関係、藤原信頼と主従関係を結んでいたゆえに、平治の乱で信頼と「心中」せざるを得なかった義朝などが書かれていて面白かった。
骨肉の争いをしながら、繁栄と没落を繰り返した河内源氏について描かれている。 頼朝助命の理由など色々なところで今まで自分が知っていたこととは違う解釈も多く面白かった。
河内源氏の歴史を頼朝の挙兵まで概観する一冊。院や摂関家との歴代の関わりなど、平安後期における武士の在り方などが窺い知れて興味深かった。保元の乱や平治の乱の理解を深めるにも丁度良い内容でした。
源平の戦い以前の源氏のことを知りたかったので購入。平安後期からの源氏の事情がかなりよくわかってためになった。何箇所か他者の言説を必要以上に貶める記述があったのはちょっと気になった。
歴史の教科書では源氏は東国、平氏は西国と教わるが、それはある意味、東鑑史観の賜物であり、筆者は頼朝に至る源氏の一族を「河内源氏」と呼んでその常識を覆していく。 10世紀以降、地方で私田が開墾され、開発領主または荘園管理人という立場の在地武力が形成されると、地方と中央の権門貴族を繋ぐ軍事貴族というモデ...続きを読むルが立ち現れる。彼らは京の近郊に拠点を構え、平時においてはその武力を持って権門貴族に近侍し、地方の反乱など有事には鎮圧に赴き、地方にも勢力を張った。
そもそも武士とは何かということが気になって手に取った本。源氏に代表される武士は中央の権力と密接に結び付く中で発展してきたことが理解できた。本書は頼朝の挙兵で筆を置いているが、せっかくなら源氏滅亡まであると良かった。
河内源氏は有名人を輩出しているメインの血筋なんですね。義家の実像は、今東光の「蒼き蝦夷の血」でも、同様に描かれていましたよ。義朝の焦りと束の間の栄光!ドラマチックです。保元・平治の乱から頼朝旗上げまでの武士の置かれた状況が良く整理できました。
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河内源氏 頼朝を生んだ武士本流
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