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3.0近藤浩一路は藤田嗣治・岡本一平と東京美術学校の同級生。油彩、水墨画を描く一方、漫画記者として活躍した。そんな彼が画家友達とともに1920年代の西洋を初めて訪れる。欧州航路をマルセイユへ、そして芸術の都パリへ。マルク暴落のドイツ、闘牛のスペイン、イタリアでは最先端の未来派の酒場を訪れ、婦人参政権運動が盛んなイギリスにも足を延ばす。異国を訪れる旅が「海外旅行」ではなく「洋行」と呼ばれた時代の異文化体験はどのようなものだったのか? 百年後の私たちの旅と何が違って何が同じなのだろう? 【目次】プロローグ 戦争・パンデミックの終焉と、笑いの紀行文学/第1章 洋服洋食嫌いの、洋行下稽古/第2章 富士屋ホテルで「外遊予習」、東京漫画会の『東海道漫画紀行』/第3章 ツーリズム時代の幕開けと、帝国の郵船の寄港地/第4章 パリで藤田嗣治に、一〇年振りに再会する/第5章 ストラスブールから、敗戦で疲弊したドイツへ/第6章 闘牛に燃えるスペイン、ルネサンス美術のイタリア/第7章 大英帝国のロンドンからパリ、待ち遠しい日本へ/あとがき/『異国膝栗毛』関係年表(1908~1928年)/本書から始まる関連文献10冊の読書案内
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4.0現在の美術を作り出した「境界」が引かれ、社会に浸透していく過程を、制度史的視点から捉えた画期的論集。近代において「美術」概念や日本画をはじめとする諸ジャンルは、いかにして形づくられ、純化へと向かっていったか。衝突や動揺を引き起こしつつも、五感の秩序における視覚の優位、工業社会の到来、固有の造型芸術への意志、これら三つが推進力となって「美術」は成立した。だが、その境界は画定し切ったわけではない。裂け目を孕みながら、未完の運動体として今もわれわれの目の前にある。『眼の神殿』と対をなす本書は、新たな作品創造と歴史記述の可能性へと読者を導く。
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5.0DV(ドメスティック・バイオレンス)に代表される、暴力関係から逃れられないひとには、実際、何が起きているのか。問題系を前提とした〈当事者〉ではなく、特定の個人に注目した〈当人〉の語りから議論を始めたとき、〈第三者〉は、どのようにして応答することができるのか。本書は、「なぜ暴力関係から逃れられないのか」という問いへの通説的な見解に対して、再考を迫る。あるべきかたちに回収されない異なるエートスを探求する、刺激的な論考。 【目次】まえがき 親密な関係に生じる暴力を問う――〈当人〉と〈第三者〉のあいだの亀裂/第1章 なぜ暴力関係から逃れないのか【通説編】――専門家らによる見解/1 加害者から離れたがらない被害者たち/2 専門家らによる代表的な回答/第2章 なぜ暴力関係から逃れないのか【異端編】――語られる歪な愛/1 分離以外の解決策の必要性――「離れたくない」/2 〈当人〉の言葉の真正性――「私は相手のことをよく知っている」/3 依存がもたらす救済――「依存によって生きのびられる」/4 欲望される暴力や支配――「私はマゾヒストである」/第3章 分離とは異なる解決策――DVと修復的正義/1 加害者との関係性切断を拒絶する被害者/2 DVにおける修復的正義の実践「サークル・オブ・ピース」/3 DVに修復的正義を適用することへの批判/4 日本の現状と今後/第4章 暴力的な存在と社会的排除――トルーディ事件を考える/1 トルーディ事件/2 トルーディの真正性/第5章 生きのびるためのアディクション――自己治療・自傷・自殺/1 自己治療仮説/2 日本における「生きのびるためのアディクション」/3 見えなくなっていく死(者)/第6章 介入と治療からの自由/1 〈第三者〉にできること:ドラマ『ラスト・フレンズ』から考える/2 自傷他害とパターナリズム
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4.51942年6月のミッドウェー海戦は、日本がアメリカに大敗を喫し、太平洋戦争の転換点となった海戦である。この海戦の取材は著者の予想を越えて、約7年に及ぶ壮大なプロジェクトとなった。日米双方の戦死者を調査し、戦闘経過を史料から跡付け、敗戦原因の定説であった「運命の5分間」に異を唱えることとなったのだ。本書は、ときにミッドウェー島へ赴き、日本側3056名、アメリカ側362名の戦死者の生年、所属階級、家族構成などをあらゆる手をつくして突き止め、手紙やインタビュー等を通じて戦死者とその家族の声を拾い上げた圧巻の記録である。「彼らかく生き、かく戦えり」。全名簿と統計を付した第一級の資料。
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3.8「ぜんぶ英語でいいじゃない」という乱暴な意見に反論し、複言語能力の意義を訴え続けてきた日本語教師が、中国の雲南省、セルビア、フランス、ブルガリア、ハンガリー、エストニアなど、世界の各地を旅して慣れない言葉を使い、感心し、絶句し、立ち止まり、また歩き出す。あるいは日本語を教えていて、慣れない言葉を使う学生たちの日本語の魅力に気づく――そのような、言語を体験した驚きの瞬間とその記憶を読者の皆さんと共有したいという想いから綴られた、言葉をめぐる旅の記録。 【目次】まえがき/第一章 ちがう言葉でおなじ世界を夢に見る──日本語教師としての経験から/1 落ち葉を拾う/2 週末、何をしましたか?/3 いつも、はなちゃんのせい/第二章 どうかあらゆる泉に敬意を──「ぜんぶ英語でいいじゃない」への長い反論/1 君は僕の髄液/2 地図と鉛筆と紙があれば/3 色気あるカミュの声と、「せんせい、まっておれ!」/4 積みあげれば自分の背の高さになるまで/5 おばあちゃんと話したいから/6 ひとつのちから/第三章 そういえば猫さえも国がちがう──三者三様の言語教師/1 良い風が巡っていますように/2 私はワイマールに生まれました/3 ひまわり畑がすごくって/第四章 ぶらごだりや──言葉が通じない場所への旅/1 長く、安く、遠くに/2 季節はずれのサンタクロース/3 みなさまのために歌います/4 レモンをはさんだ枝で/第五章 さえぎらないで、妄想中だから──歩くこと坐ること、食べること着ること/1 行きなさい、迷うことはない/2 あの味を手に入れるために/3 へりに立つ人/4 はじめてのママ友/5 あなたに平安がありますように/6 風をさがす――二〇二〇年/注/あとがき
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-南北戦争の兵役記録には2名の日本生まれの兵士の名がある──サイモン・ダン、ジョン・ウィリアムズ。英語名の彼らは誰なのか? なぜアメリカにいたのか? その人物像は? 人の移動が厳しく制限されていた日本を離れ、アメリカに生きた/生きねばならなかった彼らの消息を、日米両国の資料から丹念に探査する。漂流民、密航者、あるいは幕府使節の脱落者……海を渡った日本人移民の歴史と19世紀中頃のアメリカ社会史が、アメリカ戦史上最大の死者を記録した南北戦争で交差する。 【目次】序章 日系アメリカ人二世テリー・シマとの出会い──はじめに/1 南北戦争に従軍した日本人がいた/2 アジア・太平洋系移民と日本人移民/3 南北戦争に従軍した日本人──これまでの研究と人物像/第1章 南北戦争とマイノリティ──アジア・太平洋系移民/1 南北戦争前の移民動向/2 一八六三年連邦徴兵法/3 アジア・太平洋からの移民兵士/4 中国人兵士の記録/5 中国人兵士の表象/6 マイノリティとしての立場/第2章 日本生まれの二人に近づく──アメリカでの記録から/1 サイモン・ダン/2 ジョン・ウィリアムズ/3 報奨金とブローカー/4 さらなる探索/第3章 漂流者・密航者たち/1 漂流者たち/2 漂流者ジョセフ・ヒコ/3 漂流者の実像/4 密航者たち/第4章 幕末の日本人の移動──使節団と密航者との接点/1 幕末の使節団/2 咸臨丸の概要/3 乗組員と不明者/4 乗組員の記録──センサスと死亡統計/5 万延元年の遣米使節団/6 竹内使節団と池田使節団/7 留学生/終章 旅の終わりに/あとがき
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4.3「歯車理論」や「小物理論」の虚偽を突き、第三帝国下の殺戮における個人の責任を問う「独裁体制のもとでの個人の責任」、アウシュヴィッツ後の倫理を検討し、その道徳論を詳らかにする講義録「道徳のいくつかの問題」など、ハンナ・アレント後期の未刊行論文集。ユダヤ人である自らの体験を通して全体主義を分析し、20世紀の道徳思想の伝統がいかに破壊されたかをたどる。一方、人間の責任の意味と判断の能力について考察し、考える能力の喪失により生まれる“凡庸な悪”を明らかにする。判断の基準が失われた現代こそ、アレントを読むときだ。
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-日本の神々とは日本人にとってどのような存在だったのか。神々は日本の風土のなかでどのような役割を担っているのか。日本の神は、自然を畏敬し国土の安寧を願う出雲系と、天皇による国家支配を正当化する高千穂・日向系に分かれる。高千穂・日向・出雲で景観問題の解決に奔走した著者が神話の舞台を歩き、「古事記」「日本書紀」編纂の場である飛鳥の遺跡に身を置いて、神々の来歴にひそむ謎を解く。【目次】序章 女神はなぜ洞窟に隠れたか――高千穂神話の世界から/第I部 出雲の神々の世界へ/第一章 スサノオの国づくりと和歌の起源――出雲平野の「わが心すがすがし」/第二章 斐伊川水系大治水計画――昭和・平成のオロチ退治/第三章 天下経営の大神――出雲大社表参道神門通りの道づくり/第四章 水に臨む神々――城原川流域委員会/第五章 疫病神の活躍――鞆の浦まちづくり/第II部 風土に生きる神々/第六章 巨大ナマズと戦う神々――要石とプレートテクトニクス/第七章 「ふるさと見分け」の方法――姥ヶ懐・裂田溝の危機/第八章 白き山の姫神――在地神と外来神/第九章 座問答――古代の大合併と合意形成の知恵/第十章 神々誕生の海岸――宮崎海岸侵食対策事業/第III部 神話から歴史への旅/第十一章 飛鳥にて――『古事記』『日本書紀』編纂スタートの地/第十二章 神話と歴史をめぐる三つの疑問/第十三章 飛鳥浄御原宮――神話と歴史を編む/第十四章 前例としての日本神話/第十五章 古代からの伝言――危機の時代のリスクマネジメント
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-従来の東京裁判論は、主に政治・外交史を基調とし、また「日本無罪論」で知られるインド代表判事パルやオランダ代表判事レーリンクによる個別反対意見をもっぱら話題とし、本来の東京判決での多数意見を軽視してきた。本書は、東京裁判の事実認定がいかになされ、責任がどう問われたのかを実証的に解明。法廷で適用された責任論や、各被告人に対する判定の根拠を体系的に分析する。判決七五周年に向けて、東京裁判を国際刑事裁判史にどう位置づけて評価すべきか、その功績と問題点とを明らかにする。【目次】まえがき/第一章 裁判の歴史的文脈と枠組み/第二章 平和に対する犯罪の争点/第三章 日本政府組織論/第四章 戦争犯罪の争点/第五章 「東京判決」――多数派判事による判決/終章 今日の国際刑事裁判にみる責任論
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4.3「日本人は無宗教だ」とする言説は明治初期から、しかもreligionの訳語としての「宗教」という言葉が定着する前から存在していた。「日本人は無宗教だから、大切な○○が欠けている」という“欠落説”が主だったのが、1960年代になると「日本人は実は無宗教ではない」「無宗教だと思っていたものは“日本教”のことだった」「自然と共生する独自の宗教伝統があるのだ」との説が拡大。言説分析の手法により、宗教をめぐる日本人のアイデンティティ意識の変遷を解明する、裏側から見た近現代宗教史。 【目次】はじめに 藤原聖子/第一章 無宗教だと文明化に影響?――幕末~明治期 木村悠之介/第二章 無宗教だと国力低下?――大正~昭和初期 坪井俊樹/第三章 無宗教だと残虐に?――終戦直後~1950年代 藤原聖子/第四章 実は無宗教ではない?――1960~70年代 木村悠之介/第五章 「無宗教じゃないなら何?」から「私、宗教には関係ありません」に――1980~90年代 和田理恵/第六章 「無宗教の方が平和」から「無宗教川柳」まで――2000~2020年 稲村めぐみ/おわりに 藤原聖子
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3.0日韓併合期(1910~1945年)の日本人のなかには、朝鮮の人や自然や文化を体験し、観察し、優れたエッセイを残した者たちがいた。谷崎潤一郎はその風景を「純然たる日本画の絵の具の色」と描き、柳宗悦や河井寛次郎は人々の生活ぶりに理想郷を見出した。新渡戸稲造が「彼等は実に有史以前に属するものなり」と断じた一方、安倍能成はステレオタイプと格闘した。植民地支配の産物として顧みられなかったこれらの作品を読み直し、日本人が発見した隣国の姿を浮かび上がらせる。 【目次】第一章 朝鮮の山河/1 海峡を越えて/2 禿山と岩山/3 朝鮮の山河/第二章 隣国の発見/1 少年の日の思い出/2 大人たちの見たもの/3 白磁の美の発見/第三章 もう一つの眺め/1 非好感の眺め/2 朝鮮人とはだれか/第四章 京城の歩く人/1 安倍能成の朝鮮エッセイ/2 浅川巧への惜別の辞/第五章 旅する科学者/1 挟間文一と辺境の地への旅/2 挾間文一の日記/付録 挾間文一の日記/3 朝鮮に与えられ、また与えた人
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-高校までの数学は、問題が与えられ、定義を憶え、定理やその証明を使いこなしながら解いてゆくもので、しかも与えられた問題には必ず「正解」がある。これに対して大学では、与えられた問題を解くのではなく、「問題がどのように作られたのか」、「問題をどのように作るのか」という点に目を向けることが重要とされている。この大きな断絶を埋めるべく本書は誕生した。数学の教科書は著者によるひとつのストーリーが書かれたもので、けっしてその記述を鵜呑みにしてはいけない。数学の真の喜びは、自分自身の教科書を「再構成」したときにはじめて、「新発見」というかたちでやってくる。書き下ろし「解答」を付した大幅増補版。
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4.0「おっさん=古いもの、いまの社会の悪しき土台を作ったもの」とみなされる今日この頃。それならいま「おっさん」はどこへ行くべきなのか? 国内外のポップカルチャーをヒントに、「あたらしいおっさん=ニュー・ダッド」たちの姿を見つめるエッセイ。ドラマ『ストレンジャー・シングス』、 映画『20センチュリー・ウーマン』、ブルース・スプリングスティーンやボン・イヴェールといったミュージシャン、 ゲーム『Detroit: Become Human』、漫画『クッキングパパ』といったカルチャーの中のニュー・ダッドたちから、一般人のパパ系インスタグラマー、プリキュア好きのオタクまで。
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-「K.OKAとはひとりの数学者の名前だったのか」。当代一流の世界の数学者たちをもってしても手に負えなかった難問の数々を、ただひとりで次々と解明し、深遠な高みに達した生得の数学者・岡潔。野の花を摘むように数学の果実を摘みながら、ベストセラー『春宵十話』をはじめとして多くのエッセイを通じ、日本人の情緒の奥深さを語り、大切さを説き続けた。数学の世界に日本的情緒を開花させた天才の思索と発見の諸相を、全生涯にわたり克明に描いた圧巻の評伝。全2巻のうち、第1巻は、人生を彩る多彩なエピソードを交えながら、誕生から絶頂期に向かう三十代までの軌跡を収録する。
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3.0暴徒化した数千人のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件。警官1名を含む5名の死者、700人以上の逮捕者を出したこの事件の深層を抉る渾身のドキュメント!
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4.2日本有数の観光地、横浜中華街。この街はどのようにしてでき、なぜ人びとに愛されるようになったのか。1859年の横浜開港、「南京町」の形成、関東大震災や横浜大空襲での壊滅、戦後のヤミ市や外国人バー街の時代、観光地としての成長、新華僑の到来……。世界中のチャイナタウンに足を運び研究してきた地理学者が、この街の地形や歴史を解説し、世界的にもユニークな特徴を明らかにする。
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-活動的に哲学するとはいかなることか―。戦前日本を代表する知性として思想界を牽引した三木清。非業の死によりその哲学は未完に終わったが、それゆえに今日なお可能性を示唆してやまない。ハイデッガーからの決定的影響、マルクス主義の哲学的掘り下げ、そこから前景に浮かび上がる歴史という問題、そして同時代の政治への関与。三木の思考には時代との格闘の跡が生々しく刻印されている。本書は、主著『歴史哲学』などを中心に、1920年代の前期から30年代以降の後期まで、三木哲学の新たな読解に資するテクストを精選して構成。未来の思考を切り拓く力をいまここに伝える。
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4.0〈媚態〉〈意気地)〈諦め〉という三つの契機から、日本的美意識「いき」の構造を解明した九鬼周造。ハイデッガーやベルクソンらに師事し、豊かな方法的視座を身につけたこの哲学者にとって、人と人とのめぐり逢いの謎は、自身の実存ともあいまって生涯を覆うものであった。「偶然性」の哲学の誕生だ。のちにそれは、日本文化論における「自然」の思想においてひとつの帰結をみる。没後、時代ごとに異なる光が当てられてきた九鬼の哲学。本書は、自伝的エッセイからヨーロッパでの講演、人生観、晩年の詩論まで、その全体像と独創性を一冊で提示する。
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4.0「アメリカ・ファースト」を信条とするトランプ米大統領。自国の利益を最優先するその姿勢は、多くの国民に支持された。自分とは相容れない閣僚を次々と更迭して独裁体制を築き、国際秩序の安定に関心がなく、同盟国を軽視し、自由貿易に消極的で、移民に対し排外主義的な姿勢を取るトランプ大統領。超大国トップが掲げるアメリカ・ファーストとは何か? 米国内の分断が深まり、国際社会に混乱が生じても、少なからぬ米国民が支持するのはなぜか? 政府高官や研究者などへの多数の取材と膨大な資料から、その真実に迫る!
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4.5人間は自由意志を持った主体的存在であり、自己の行為に責任を負う。これが近代を支える人間像だ。しかし、社会心理学や脳科学はこの見方に真っ向から疑問を投げかける。ホロコースト・死刑・冤罪の分析から浮き上がる責任の構造とは何か。本書は、自由意志概念のイデオロギー性を暴き、あらゆる手段で近代が秘匿してきた秩序維持装置の仕組みを炙り出す。社会に虚構が生まれると同時に、その虚構性が必ず隠蔽されるのはなぜか。人間の根源的姿に迫った著者代表作。文庫版には自由・平等・普遍の正体、そして規範論の罠を明らかにした補考「近代の原罪」を付す。
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4.2薬剤師や職人、木材商などの一般市民を中心に編成された第101警察予備大隊。ナチス台頭以前に教育を受け、とりたてて狂信的な反ユダヤ主義者というわけでもなかった彼らは、ポーランドにおいて3万8000人ものユダヤ人を殺害し、4万5000人以上の強制移送を実行した。私たちと同じごく平凡な人びとが、無抵抗なユダヤ人を並び立たせ、ひたすら銃殺しつづける──そんなことがなぜ可能だったのか。限られた資料や証言を縒り合わせ、凄惨きわまりないその実態を描き出すとともに、彼らを大量殺戮へと導いた恐るべきメカニズムに迫る戦慄の書。原著最新版より、増補分をあらたに訳出した決定版。
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4.4道路沿いにひっそりと佇むドライブイン。クルマ社会、外食産業の激変の荒波を受けながら、ドライバーたちに食事を提供し続けた人々の人生と思いに迫る傑作ルポ。
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4.0『資治通鑑』は11世紀なかば、北宋の皇帝英宗の詔により編纂された編年体の歴史書である。中国の戦国時代から北宋建国前年に至るまで1362年間にわたる歴代君臣の事績をまとめた本書は、「治を資(たす)く」という書名の示す通り統治者が参照すべき書として、『貞観政要』と並び政治家や学者の読むべきものとされた。294巻にのぼるこの膨大な『通鑑』のなかから、本文庫では後漢の「党錮の禁」、南北朝時代に勃発した「侯景の乱」、そして大唐帝国を揺るがした「安史(安禄山)の乱」を綴った巻を収録。権力者たちのたくらみが交錯するドラマが流麗な訳文で蘇る。
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4.0感覚的経験という最も身近な段階から、数知れぬ弁証法的過程を経て、最高次の「絶対知」へと至るまで──。精神のこの遍歴を壮大なスケールで描き出し、哲学史上、この上なく難解かつ極めて重要な書物として、不動の地位を築いてきた『精神現象学』。我が国でも数多くの翻訳がなされてきたが、本書は、流麗ながら、かつてない平明な訳文により、ヘーゲルの晦渋な世界へと読者をやさしく誘う。同時に、主要な版すべてを照合しつつ訳出された本書は、それら四つの原典との頁対応も示し、原文を参照する一助となす。今後のヘーゲル読解に必携の画期的翻訳、文庫オリジナルでついに刊行。【※本電子書籍版には、紙書籍版本文の上欄、下欄に付した4つの原典(グロックナー版全集第二巻、ホフマイスター版、ズールカンプ版全集第三巻および大全集版〔アカデミー版〕)とのページ対応は含まれません。】
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3.8今なお、四〇パーセント台の視聴率を誇る、紅白歌合戦。「紅白」の歩みは、私たち日本人の歩みでもあった。美空ひばり、坂本九、山口百恵、都はるみ、SMAP、美輪明宏……。大晦日の夜、時代を彩る歌手が一堂に会し、その年のヒット曲を、懐かしの歌を、心に残る名曲を歌い上げる。時代とともにそのあり方を変えながら、国民的テレビ番組であり続ける「紅白」に、私たち日本人は何を求めてきたのか。今日に至るまでの「紅白」の歴史をたどり直し、日本人の心の軌跡を描き出す渾身作!
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4.0近代日本は、憲法にもとづく国家体制の確立と東アジアへの勢力拡張とを、ともにごく限られた期間のうちに成し遂げた。だが、歴史の複雑な流れを丹念によみとけば、「立憲」化と「帝国」化の歩みが、つねに同時進行していたわけではないことが分かる。じつは、立憲勢力が軍部らの暴走を効果的に抑え込み、日中対立の激化に抵抗した時期も少なくないのだ。戦前の政治体制のもと、そのような抵抗はいかにして可能であったのか? そして、それにもかかわらず、最終的にこの国の民主主義が対外侵略を阻止しえなかったのはなぜなのか? 悲劇的結末にいたる道を選ばざるをえなかった真因を、第一人者が明らかにする。
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5.0ユダヤ系でありながら熱烈な愛国者にしてゲオルゲ派。迫害と亡命。二十世紀の矛盾そのものを生きたかのような著者の法外な学殖と情熱は、王権表象の冷徹な解剖に向けられた。王は死んでも王位や王冠、王朝は存続する。その自然的身体とは独立して存在するように見える王の政治的身体は、いかにして産出されたのか。王権の政治神学的・象徴的基盤は西欧の歴史の中で、どのように編制されたのか。本書には、問題提起とシェイクスピア『リチャード二世』論に始まり、キリスト論との類比、法学的思考の浸透とその影響、王を神秘体の頭と捉える政体有機体説に説き及ぶ、第五章までを収録する。全二巻。
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4.7ブッダはなにを語り、どのように説いたのか。その教えを最も純粋なかたちで伝える最古層の重要な仏教経典の集成。阿含=アーガマとは伝承されてきた聖典を意味する。これらの経典群のなかには、あらゆる宗派を超えた仏教の原初のすがたがあり、その根本がある。本書は厖大な阿含経典群のなかから、よく古形を保ち、原初的な経と判定される諸経をとりあげ、パーリ語原典からの現代語訳と注解で構成。第1巻は、ブッダの悟りの内容を示す「存在の法則(縁起)に関する経典群」と、その法則に即して人間をかたちづくる要素を吟味した「人間の分析(五蘊)に関する経典群」を収録する。
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3.51955年にトランジスタラジオをソニーが商用化して以降、日本の半導体産業は次第に地力をつけ、80年代末には世界トップの市場シェアを獲得した。だがその後、日米半導体摩擦の影響を受け弱体化が始まり、摩擦が収まった後も日本半導体の市場シェアの低落傾向は続いて今日に至っている。この栄枯盛衰のドラマの裏側には技術者たちの奮戦があった。日本の「ミスター半導体」と呼ばれ、生涯を半導体とともに歩んできたレジェンド技術者が語る、業界の内側から見た日本の半導体開発70年史。
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-「AIは言葉の意味を理解している」――2020年に行われた調査で、回答者の半数近くがこのように回答した。2022年に公開されたChatGPTは、当時よりいっそう自然な受け答えが可能だ。はたして現在のAIは言葉の意味を理解しているのだろうか。そもそも意味を理解するとはいかなることなのか――。AIの開発史をたどりながら、現在のAIを支える大規模言語モデルのメカニズムを解き明かし、深い霧に包まれた「意味理解」の正体に一歩ずつ迫る。哲学者によるスリリングなAI入門! 【目次】序章 哲学者、大規模言語モデルに興味を持つ/第一章 AIの歴史──心の哲学を補助線として/1 ダートマス会議にはじまる/2 第一次AIブーム──「一人で立てたよ!」/3 AIの冬(1)──「時バエは矢を好む」?/4 第二次AIブーム──「知識には力が宿っている」/5 AIの冬(2)──「あなたたち人工知能研究者はいつもそうやって噓をつく」/6 第三次AIブーム──「私たちはずっと正しかったのだ」/7 1980年代のコネクショニズム批判/8 残された疑問──ニューラルネットワークは自然言語を扱えるのか?/第二章 自然言語処理の現在──言語哲学を補助線として/1 AIは言葉の意味を理解すると思いますか?/2 意味に対する伝統的アプローチ/3 真理条件意味論に対する疑い/4 コネクショニズム化する自然言語処理/5 分布意味論の批判的検討/6 大規模言語モデルと言葉の意味理解/7 意味と意味理解についてわかったこと、まだわかっていないこと/終章 機械に心は宿るのか?
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-1巻1,925円 (税込)ACT(アクト)をはじめとする認知行動療法が提案するグリーフケア 死別、別離、離職、失恋、ペットロス……悲しみと向きあう過程では、しばしば強い苦痛の感情に襲われる。この感情を解消するためには、コンパッション、つまり慈悲の心が不可欠になる。喪失は人生の本質のひとつであり、上手に対処すればそこに大きな意味を見いだせる。自分に残された人生をいかに生きるべきかを明確にしてくれるのだ。注意深く、自分に優しく接していこう。 悲嘆にくれることは決して悪いことではない。 悲しみの居場所を作り、嘆くことを通して自分を見つめる方法を学ぶ。 悲しみによる痛みを上手に受け止めよう。
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3.01963年、南米パラグアイ。フランスの若き人類学者クラストルは、深い森で遊動生活を送ってきた先住民族グアヤキ(自称アチェ)の調査に赴いた。彼らは白人に圧迫され衰退の道をたどっていたが、出産、通過儀礼、復讐の殺人、食人習慣など、様々な文化を保持していた。クラストルは不合理な事象の数々に時に戸惑いつつも、それらを精緻に観察し、背後にあるグアヤキの論理を鋭い視点で解明していく。暴力ではなく言葉によって自らの権威を証明しなければならない首長など、この調査で得た着想の一部は、後に『国家に抗する社会』として結実する。文学性にも優れた民族誌の傑作。解説 松村圭一郎
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4.0日本における社会言語学の泰斗が来し方を振り返り、人生と研究に思いをめぐらせるエッセイ集。幼い日の思い出から語り起こし、言語学を志すに至った経緯、なぜソ連研究やモンゴル研究、さらにはクレオール研究までを志すようになったのか、そのいきさつを綴る。数多くの道草をやり過ごして先を急いできた言語学者が、こころに残るそれらを思い起こし書きとめた断章のつらなりから、領域を横断する知の世界が見えてくる。 【目次】まえがき──この本を書くわけ/I 幼き日々の残照/II モンゴル研究からシベリアへ/III ドイツからフィンランドへ/IV 道草の数かず/V クレオール語研究の初しごと/VI 抵抗する言語──ウクライナ問題と言語学/VII ノモンハンのたたかい──モンゴルの存立/あとがき
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4.3「考えるために、まず本を読む」。毎月ひとつのテーマに沿って3冊の本をとりあげ、読んで考えたことを書く。文芸評論家の斎藤美奈子によるPR誌「ちくま」人気連載「世の中ラボ」を書籍化! 新型コロナウイルス・パンデミック、ジャニーズ事件に端を発する性暴力の顕在化、安倍元首相銃撃事件とポスト安倍時代の政治と経済……2020年代前半の諸問題を、本を通して考える同時代批評。
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4.0機能不全に陥った日本政治。いまや自公は少数与党となり、一方で野党はまとまることができず、右派ポピュリスト政党が存在感を増している。こうしたなかで、わが国の政治を立て直すには何が必要か。「平成の政治改革」から現在まで、野党再編、政権構想、選挙制度改革、ジェンダー平等、西欧の右派ポピュリスト政党、2025年参院選など複数の視点から検証。現在地を浮かび上がらせるとともに、来るべき日本政治を展望した、必読の論集! 【目次】はじめに(山口二郎)/第一章 日本政治の失われた三〇年と野党の蹉跌――なぜオルタナティブは生まれなかったか(山口二郎)/第二章 平成の政治改革と「二党制の神話」――なぜ小選挙区比例代表並立制は機能しなかったのか (中北浩爾)/第三章 ジェンダー政治の三〇年――平等で包摂的な社会に向けた成果と課題(辻由希)/第四章 政党政治の危機状況――西欧の混迷から考える(古賀光生)/終章 二〇二五参議院選挙と政党政治の再編(山口二郎)/あとがき (中北浩爾)
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-1990年代に入り、解体へと向かうユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国。ボスニア・ヘルツェゴヴィナの独立をめぐって、国内のセルビア人、クロアチア人、ボシュニャク人の間で対立が激化し、ほどなくして泥沼の争いに進展する。1992年から3年半に及んだこの戦争は、剥き出しの残虐性に貫かれていた。本書は、近代初期からの歴史を辿りながら、複雑な背景をもつ戦争の実態を解明する。〈民族浄化〉はいかなるメカニズムによって生じるのか。なぜ現代世界からは大量虐殺がなくならないのか。本書が描き出す〈特定の集団の選択的抹殺〉の実像は、ジェノサイド再発の抑止へ向けて重い問いを投げかける。
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4.3アナキズムとは何にも支配されないこと。ビギナーからマニアまで。QさんAさんの軽快なトークで、自分の中の固定観念から解放され、人を縛る社会の仕組みから逃れ、統治から自由に生きる! ブレイディみかこ氏、角幡唯介氏推薦。/・税金、政府、議会制民主主義、警察、監獄、統治。どうして全部いらないか?(第1章)/・アナキストは「労働からの自由」を求め、資本主義に浸かった「魂」を自分たちの手に取り戻す。(第2章)/・直接行動とは? 権力を取らずに世界を変えるには?(第3章)/・別の世界は存在しない、別の生き方があるだけ。「他律」も「自律」もなく生きる(第4章)
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-戦争を止めるにはどうすればよいか。紛争を和平合意へと至らせる方法を科学的に研究してきた紛争解決学を、さらに「和平学」へと刷新。日本国内の法的な視点から紛争解決学を実践してきた弁護士と、NGOを通じた実務と研究の二刀流で国際紛争における紛争解決学を追究してきた国際政治学者が、数多くの実例から導き出した13の和平法則をもとに、和平合意までの交渉・仲介の道と和平合意後の平和構築の道を理論と実践を往復しつつ描き出す、和平への新たな知的挑戦。 【目次】はじめに 廣田尚久/序章 和平学とは何か――紛争解決学2.0/第一章 法律学からの紛争解決学(ミクロ起点)/第二章 国際関係論からの紛争解決学(マクロ起点)/第三章 和平法則――戦争を止める13の道標/第四章 和平合意――交渉と仲介の諸理論/第五章 和平合意後の和解/第六章 日本外交の羅針盤――和平法則を用いた仲介者/終章 平和実現へのパラダイムシフト/参考文献/あとがき 上杉勇司
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3.7日中戦争から太平洋戦争へと戦線が拡大し、すべてが戦争に奉仕させられる時代にも、野球場には、戦争から背を向けるように声援をおくる名もなき野球ファンたちがいた。彼らは一体何を思い、そこに何を観たのか? プロ野球創成期をノンフィクションという形で切り取り、戦争の悲惨さを語り続けてきた著者が、戦後80年を機に、これまで語られてこなかった市井の野球ファンたちの姿に焦点を当て、戦時下の野球文化を描く。 【目次】第1章 魅了された人々/第2章 襲いかかる戦火/第3章 強まる戦時統制/第4章 密かな娯楽/第5章 反骨の人々
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4.01945年の敗戦後、主体性をもたず権力や多数者にいとも簡単につき従う日本人の傾向をどう克服するか、が大きな課題として論じられた。だが、今もこの問題はなんら解決されていない。これほど根深く、空気のようにわれわれの精神を規定しているものは何なのか―それこそが、日本の「自然宗教」である。われわれの心性の背景をなす「自然宗教」とは、どのように生まれ、いかなる特徴をもつものか? なにゆえそれは、この国に「普遍的思想」が根づくことを阻害するのか? 民俗学、歴史学、宗教史、思想史など幅広い知見を渉猟してその淵源を探り、克服へのかすかな道筋を問う。渾身の書き下ろし。
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-神との合一に到るための階梯を詳述したカトリック神秘思想を代表する作品。ヨハネは自らの詩に註解を施すかたちで神学的思索を行い、魂の浄化に向かう道を指し示す。「この山にはただ神の誉れと栄光だけが住まう」とされるカルメル山。すべてが闇の内へと沈む「暗夜」を通り抜け、山の頂きへ達するには、この世のあらゆることどもから──自分自身からさえも──逃れなければならない。魂の全き赤裸と神的一致をめぐる教説は、キリスト教徒を超えて人々に多大な影響を与えた。スペイン文学の至宝でもある古典を名訳でおくる。 解説 鶴岡賀雄
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4.0鉄道廃線を引き継いだ北海道の路線バスは、過疎化や少子高齢化により危機に瀕している。自然環境もきびしく、冬の日本海沿いでの運行は突風、ホワイトアウト、猛吹雪で困難を極めるが、運転手は高度な運転技術と旺盛な使命感で日々闘っている。バス輸送の現場はいかなる問題に直面しているのか。運行管理者、運転手の生の声を徹底取材。DMV、BRTの現在や、イギリスのバス復権の動きも調査し、バス2024年問題や運転手不足への対策に向けた提言も行う。 【目次】まえがき/第一章 真冬の路線バス――過酷な気象条件のなか北を目指す/第二章 自然とのきびしい闘い――今日も走る国鉄代替バス/第三章 生活バス路線を守る――道東・中標津町の闘い/第四章 道北を走る長距離都市間バス――札幌~枝幸298㎞、5時間半の旅/第五章 日本最北のバス路線――宗谷バスを走らせる人たち/第六章 人手不足社会への試行――自動運転バスはどこまで進化するか/第七章 DMVとBRT――バスの可能性を広げる試み/第八章 イギリスのバス復権――徹底したバス優先施策で利用客を呼び戻す/第九章 続く路線バス運営の試練――コロナ禍と2024年問題/終章 バス運転手不足への提言/あとがき/参考文献
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4.6ガチ多様性。ふたりの子どもと北欧へ渡った社会学者による、現地レポート。「考え方が変わる」と大反響の『ヘルシンキ 生活の練習』の待望の続編! 【目次】はじめに/1 大人と働く/2 戦争と平和(前編)/3 戦争と平和(後編)/4 特殊なのは誰か/5 見えないルール/6 エリライシアが普通/7 みんなのための善いこと/おわりに
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