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日本思想史と現在
私たちは、私たちの文化と言語とを形成してきた永い歴史を受けて、その流れの中で、感じ、思い、考えている。では、過去にどのようなことがあったために、いま私たちはこのように感じ、思い、考えるのか。そして、その過去に気づくことによって私たちは何を得られるのか――そうした日本思想史と現在の関わりについての問題を研究してきた著者が、これまでに様々な機会に発表してきた短い考察を集成。碩学による「日本」をめぐる長年の思想史探究を集成した、驚きと刺戟に満ちた珠玉の小文集。 【目次】はじめに/I その通念に異議を唱える/II 日本思想史で考える/III 面白い本をお勧めする/IV 思想史を楽しむ/V 丸山眞男を紹介する/VI 挨拶と宣伝/索引 -
台湾の半世紀 ――民主化と台湾化の現場
1972年日中国交樹立によって、日本は中華民国(=台湾)と断交した。その同じ年に大学院に進学、研究をスタートさせた著者の研究人生は奇しくも台湾が民主化し、中国とは明らかに異なるアイデンティティ(=台湾化)へと進んだ道程と重なる。政府要人や台湾人研究者、歴史的事件の関係者との交流……。いまや中国は経済的にも軍事的にも大国となって、アメリカのライバルへと躍り出た。黎明期から台湾を見つめ続けた著者が、米中両大国に翻弄されつつも主体性を模索する台湾のこれまでを振り返り、現状と今後のゆくえを分析する。 【目次】プロローグ 台湾現代史における一九四九年と一九七二年/第I部 民主化の現場を歩く──オポジションから入る/第一章 日台断交の頃──台湾研究事始めと初めての台湾訪問/第二章 民主化の胎動に触れる/第三章 「自由の隙間」に立ちあがる台湾ナショナリズム/第四章 国民党一党支配の揺らぎ/第五章 民主化と「バランサー」李登輝の闘争──「憲政改革」の政治過程を見つめる/第六章 日本台湾学会の設立──台湾理解の知的インフラ/第II部 台湾化の脈動を見出す──アイデンティティの政治の背景に眼をやる/第七章 船出する新興民主体制──総統選挙が刻む政治のリズム/第八章 大国の狭間で──「中国要因」の政治の登場と米中の対立/第九章 中華民国台湾化論を提起する──台湾政治研究の曲がり角で/第十章 中華民国台湾化の不均衡な展開──新興民主体制下の国家再編と国民再編/エピローグ パフォーマンスする主権──「台湾の定義はまだできていない?」 -
樺太一九四五年夏 ――樺太終戦記録
第二次大戦における沖縄戦が「国内唯一の地上戦」と語られることがある。しかし実際にはもう一つの熾烈な地上戦があった。旧日本領南樺太へのソ連侵攻である。1945年8月9日朝、ソ連軍は突如日ソ中立条約を破棄し、日本軍の軍事施設、警察施設を攻撃する。侵攻を想像しなかった日本側には、戦車の鋼板を打ち破れる火砲は数門あるのみ。残された手段は破甲爆雷を背負って飛び込むしかなかった。満足な武器もない兵士たちはわが家の見える丘の上で死んでいき、守る者のいない市民は地獄の苦しみに突き落とされた。わずか2週間で4千人以上の戦死者を出した悲劇の記録。 -
十字軍国家
十字軍と言えば、もっぱら運動としての面が注目され、十字軍士たちが各地に建設した諸国家、すなわち十字軍国家の全体像が語られることはなかった。だが、1098年のエデッサ伯国建国から、1798年のナポレオンによるマルタ島攻撃までの実に700年にもわたり十字軍国家は存続していた。ローマ教会、ビザンツ帝国、神聖ローマ皇帝、イスラーム勢力や地中海の諸商業都市、傭兵団、さらには来襲するモンゴル勢など、多種多様な勢力が複雑に絡み合う興亡の歴史を、第一人者が活写する。 【目次】序 十字軍国家とは何か/I ラテン・シリア/第1章 ラテン・シリアの誕生(1097-1099年)/第2章 ラテン・シリアの形成(1098-1118年)/第3章 ラテン・シリアの成長(1118-1146年)/第4章 ラテン・シリアの発展と分断(1146-1192年)/第5章 ラテン・シリアの回復と再分断(1192-1243年)/第6章 ラテン・シリアの混乱と滅亡(1243-1291年)/II キプロス王国/第7章 キプロス王国の形成と発展(1191-1369年)/第8章 キプロス王国の混乱と消滅(1369-1489年)/補章1 ヴェネツィア領キプロス(1489-1573年)/補章2 キリキアのアルメニア王国(1198-1375年)/III ラテン・ギリシア/第9章 ラテン帝国(1204-1261年)/第10章 フランク人支配下のモレア(1)(1204-1311年)/第11章 フランク人支配下のモレア(2)(1311-1460年)/補章3 カタルーニャ傭兵団とアッチャイオーリ家(1311-1462年)/IV 騎士修道会国家/第12章 ドイツ騎士修道会国家(1225-1561年)/第13章 ロドス期の聖ヨハネ修道会国家(1310-1523年)/第14章 マルタ期の聖ヨハネ修道会国家(1523-1798年)/あとがき/主要参考文献/十字軍国家支配者一覧 -
社会分業論
近代社会はいかにして誕生したのか、社会はどのように分化・発展していくのか。そもそも人類はなぜ社会を必要としたのか──。これら難問を解く手がかりが「分業」である。分業の進展が商品生産を飛躍的に向上させ、資本主義の発展に大きく寄与したことはいうまでもない。だがそれ以上に、分業は新たなかたちで人々を結びつけ社会の礎としての役割を果たしてきた。「機械的連帯から有機的連帯へ」というテーゼとともに語られる本書は、ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』と双璧をなす社会学の原点として高く評価されている。デュルケーム畢生の大著を、定評ある名訳で送る。 -
三八式歩兵銃 ――日本陸軍の七十五年
明治の創設から昭和の解体まで、本書は日本陸軍75年の歴史を描いた全史である。三八式歩兵銃は、かつての日本の若人なら誰もが一度は手にした兵器であり、軍の象徴であった。旅順の堅塁を白欅隊が肉弾突撃したとき、あるいは特攻隊将兵が爆薬もろとも敵艦に突入していったとき、日本陸軍は何をしたか。日清・日露・第一次世界大戦・日中・太平洋戦争における日本陸軍の行動を密度高く記述する。元・陸軍中佐の著者は「無数の将兵の苦闘を偲びながら、これに報いえなかった陸軍のふがいなさの因果を明らかにしようとした」と述懐する。兵器写真を多数完備した、軍事資料としても貴重な、渾身の興亡全史。 -
「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論
「!」の連続。「色の見え方」の先端科学から見えてきた、驚きの世界。前世紀の「色覚」観が私たちにもたらす、いくつかの問題。科学作家が多数の取材・調査をへてたどり着いた、まったく新しい地平。「色」に関心のあるすべての人、必読のノンフィクション! -
マタイ受難曲
荘厳な響きと、雄大な構想により、西洋音楽の歴史において圧倒的な存在感を誇ってきた“マタイ受難曲”。イエスの捕縛から十字架刑、そして復活までの物語を描いたこの作品には、罪を、死を、犠牲を、救済をめぐる人間のドラマがあり、音楽としての価値を超えて、存在そのものの深みに迫ってゆく力がある。いまなお演奏ごとに、そして鑑賞のごとに新たなメッセージが発見され続ける、すぐれて現代的なテーマを秘めている。バッハ研究の第一人者が、バッハの手書き譜や所蔵していた神学書など膨大な資料を渉猟し、ひとつひとつの曲を緻密に分析して本国での演奏にまで影響を与えた古典的名著。 -
ディスコルシ ――「ローマ史」論
『君主論』をしのぐ、マキァヴェッリ渾身の大著。フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、神聖ローマ帝国など、群雄が割拠し、戦いに明け暮れていたルネッサンス期。権謀術数が飛び交う中、官僚として活躍したマキァヴェッリは、祖国が生き残る方法を模索し続け、古代ローマ史にその答えを求めた。不利な状況での戦い方、敵対する勢力を効果的に漬す方法、同盟の有利な結び方、新兵器への対処方法、陰謀の防ぎ方と成功のさせ方、そして、最強の国家体制……。権力がぶつかり合う壮大な歴史ドラマの中で磨き上げられた、パワー・ポリティクス永遠の教科書。 -
沈黙するドイツ ――反ユダヤ主義、ガザ、イスラエル
なぜドイツのエリートたちは ガザ攻撃を批判する市民を弾圧し イスラエルを無条件に支持するのか ――ドイツ政界の「イスラエル・ロビー」 その知られざる実態を明らかにする イスラエルによるガザ攻撃をめぐり、ドイツでは警察がパレスチナ連帯デモを弾圧し、政治家やメディアはイスラエルを批判する文化人を「反ユダヤ主義」だと糾弾してきた。ホロコーストに対するドイツの歴史的責任は、今やイスラエルへの軍事支援の正当化に持ち出されている。イスラエルの行動に自らは沈黙し、市民にも沈黙を強いるエリートの論理には愛国主義と国策が絡む。軍産複合体と反ユダヤ主義監視団体からなる「イスラエル・ロビー」、それが生み出す腐敗の実態をも明らかにする。 【目次】 序章 沈黙するドイツ 第1章 デモや集会への弾圧 第2章 大学や文化人への弾圧 第3章 イスラエルと連帯する愛国主義 第4章 闘う民主主義と「新しい反ユダヤ主義」 第5章 「イスラエルの安全保障はドイツの国家理性」演説 第6章 国際ホロコースト記憶同盟の反ユダヤ作業定義と連邦議会 第7章 弾圧の先兵 第8章 反ユダヤ主義監視活動と「検閲産業複合体」 第9章 ドイツの政軍産複合体 第10章 反ユダヤ主義監視事業の不祥事 第11章 反ユダヤ主義研究のバイアス 第12章 イスラエル・ガザ戦争に関する世論調査 第13章 政界におけるせめぎ合い 終章 言論弾圧の理由・効果・主体 参考文献 図版出典一覧 あとがき -
短歌ご一緒しませんか
音楽界の異端児・岡村靖幸×現代短歌のトップランナー・俵万智による 「読んで詠える」短歌教室 短歌完全初心者の岡村ちゃんと、短歌のこころを基礎から学びます。 5・7・5・7・7というたった31文字から切り拓く表現の無限の可能性に、 音楽界のカリスマも大興奮&大苦戦。投稿者にも強者があらわれ……!? 「自分のハートを短歌で仕上げられるようになるためのテクニックを伝授します!」――俵万智 岡村靖幸オフィシャルファンクラブサイト「DATE」好評対談連載、待望の書籍化! <目次> Lesson 1 短歌の基本ルールと裏ワザ Lesson 2 たくさん読んで、たくさん詠む! 題詠:食べ物 Lesson 3 強者現る!! 題詠:青 Lesson 4 自由で楽しい日本語の響き 題詠:オノマトペ Lesson 5 自分だったら……を考える 題詠:笑う Lesson 6 動詞の掛け算 題詠:夏 Lesson 7 楽しむ音こそ音楽だ! 題詠:音楽 LETʼS TAKE A WALK ~吟行しませんか Lesson 8 職業と人生 題詠:仕事 Lesson 9 短歌の王道は〈恋〉! 題詠:約束 Lesson 10 主語を絞る 題詠:故郷 Lesson 11 キラーフレーズを活かせ! 題詠:雨 Lesson 12 短歌の時代 題詠:風 -
シェイクスピア 私はこう訳してきた 悲劇篇
すべて、訳した。だから、わかった。 読めば、台詞の一言一言がより深く味わえる。 全37作品を訳した第一人者による、目からうろこのシェイクスピア読本。 〇To be or not to beは、なぜ訳しにくいのか?(『ハムレット』) 〇独白と傍白はどうちがうのか?(『オセロー』) 〇なぜ台詞を金言にしてはいけないのか?(『リア王』) 〇「明けない夜はない」は正しい訳なのか?(『マクベス』) 「訳していて初めてわかったシェイクスピアのこと、翻訳の際に悩んだこと、稽古場で役者さんが台詞を言うのを見て気がついたこと――劇の台詞の一言一句をより深く味わい、ときに「難解」ともいわれるシェイクスピア演劇を鑑賞するためのガイドにもなるはずです。」(「はじめに」より) <目次> はじめに 第1章 ハムレット 前編—あいだのひと 後編—主語と独白 第2章 オセロー 前編—愚かしさの極み 後編—戯曲の翻訳は稽古場で完成する 第3章 リア王 前編—歓ばしい悲劇 後編—金言にしない 第4章 マクベス 前編—weからalone への旅 後編—先行訳への挑戦 おわりに -
未完の金融改革 ――池尾和人の政策実践
白川方明氏(元日銀総裁)推薦! 「池尾先生は知的誠実さと勇気の人だった」 現代日本を代表する金融経済学者・池尾和人(1953~2021)は、日本の金融システム改革を最前線で導き、大きな足跡を残した。本書は池尾の人物像を描き、その足跡に政策と経済学の変遷を重ね合わせる試みである。池尾は問題に直面した際に、何を考え、どのように行動していたのか。大きな転換の局面ごとに池尾が邂逅した政官財界・学界のキーパーソンの証言に基づき、その時々の池尾自身の発言や論考も織り込みつつ、彼が追求した金融システムの理想を探っていく。 【目次より】 はじめに 川北英隆 序章 池尾和人が活動した時代の経済と金融 1 日本経済の概観 2 資金需給の概観 3 間接金融システムと規制 4 新しい金融システムに向けて 第一章 池尾和人の足跡 1 経済学との出会いから研究へ 2 金融システムに関する政策関与 3 コーポレートガバナンス改革の実践 4 分析と啓蒙教育 第二章 金融規制と不良債権問題 1 米国における不良債権問題と日本におけるバブルの生成と崩壊 2 柳澤伯夫氏から竹中平蔵氏への金融担当大臣の交代 第三章 日本の金融システム改革 1 日本の金融制度改革の変遷(金融ビッグバン提唱前) 2 一九九六年以降の池尾が関与した金融関連の審議会 3 金融ビッグバン構想以降の提言 4 二〇〇七年以降の改革 5 公的金融システム改革とビッグバン 6 池尾の「金融システム改革」の本質 第四章 コーポレートガバナンスの進化とガバナンス・コード 1 コーポレートガバナンス概観 2 コーポレートガバナンス強化の政府・政党の動き 3 「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」での議論 第五章 世界金融危機と金融システムの将来像 1 バブルと金融危機 2 米欧の金融危機 3 世界金融危機の三つの段階 4 金融危機のメカニズム 第六章 デフレと経済政策 1 金融システムと金融政策 2 日本経済「失われた二〇年」の原因 3 日本の財政問題 4 社会保障と人口動態の変化、日本の未来 5 最後の論考・長期停滞論 参考文献 池尾和人主要研究業績 おわりに 塩入篤 比較年表 人名索引 事項索引 -
平安文学の謎を解く
平安文学についての常識は、調べてみると謎だらけ。小野小町は絶世の美女だったかどうかも、在原業平が東国の放浪の旅をしたのかどうかも謎。紀貫之による『土左日記』は日記でも紀行でもない謎の文章だし、『枕草子』のようなスタイルの随筆は後にも先にも存在しない。『源氏物語』の作者も謎に包まれているし、その作者とされる紫式部の『紫式部日記』の清少納言に向けた悪口も謎に満ちている。こうした謎を解き、平安文学を深く知ることができる、楽しい古典再入門。 【目次】序章 現像を探る/第一章 小野小町とは誰だったか/第二章 在原業平の「東下り」――伊勢物語/第三章 和歌という謎との格闘――土左日記/第四章 「随筆」性の温床――『枕草子』/第五章 紫式部は清少納言の悪口を書いた?――『紫式部日記』/第六章 源氏物語プロジェクト/第七章 「光源氏」という呼称/あとがき/参考文献/人名索引 -
恋愛少女マンガ全史 ――ラブコメと若者文化の変遷を探る
マンガにおける男女の恋愛解禁に始まり、歴史ロマンとしての恋愛物、ロマンチック・コメディからおとめちっくマンガ、そして自立する女性の恋愛へ――恋愛少女マンガの変遷は、戦後日本の若者の歩みそのものだった。ラブコメという少女マンガの王道に焦点を当て、少女マンガが表現してきた生活や気持ちの揺れの細部に注目。少女マンガ家ならではの感性を読み解いて、その恋愛観や女性像、若者たちの価値観の移り変わり、さらには戦後日本社会における夢と現実の亀裂を明らかにする。 【目次】第1章 ラブストーリー解禁にむけて――ドラマ性、美しさ、そしてかわいらしさ/第2章 大ロマンからロマンチック・コメディへ/第3章 ラブコメは何を描いたか――西谷祥子・忠津陽子/第4章 「女の一生」を描くラブコメ、メロドラマ――大和和紀・一条ゆかり・里中満智子/第5章 恋愛と欲望をめぐるラディカルな探求――大島弓子・山岸凉子/第6章 多様化する恋愛――おとめちっくのそのまま、不良の刹那、優等生の憂鬱/第7章 バブル期という恋の終わり――岡崎京子を中心に/終章 それでも少女マンガは恋をする -
アガンベンの思想圏 ――越境する哲学
20世紀を代表する哲学者・ジョルジョ・アガンベンは言う、「わたしはエピゴーネン(亜流)である」と。ハイデガー、ベンヤミン、フーコー、デリダ、ネグリ、そして道化プルチネッラ……他者という「鏡」の中に自己の哲学を見出すこの思想家の概念の起源と展開を著作群に読み解く。デビュー作『中身のない人間』から最新刊『クアデルニ』までを射程に収め、認識と無知、聖と俗、アナーキーとデモクラシー、悲劇と喜劇など、両極間を宙吊り状態のまま渡っていく、そのスリリングな思考はどこに向かうのか? 【目次】I アテンション・プリーズ――序に代えて/II 「エピゴーネン」という身振り/III アートと抵抗/IV ハイデガーを読むデリダを読むアガンベン/V ネグリVSアガンベン、あるいはオルター・エゴの応答/VI ドン・キホーテの存在論/VII 「アナーキーはデモクラシーよりも興味深い」/VIII 精神分析について彼が知っている二、三の事柄/IX 瀆聖と異端の神学/X 喜劇に始まり喜劇に終わる――結びに代えて -
伝説の出版社 博文館
明治半ばに彗星のごとく現れた出版社・博文館は、たちまち出版界に革命を起こした。書物を廉価で供給し、魅力的な書籍や雑誌を次々に刊行。世代を超えた広範な読者を獲得するとともに、取次・書店などによる流通ルートを整備した。東京堂書店や共同印刷、博報堂などのルーツともなった一大文化王国・博文館はいかにして築き上げられたのか。貪欲な〈近代読者〉の誕生と、豊穣な文学世界の成立の経緯、そして近代出版業という知的システムの構築過程を総合的に描き出す。 【目次】はじめに/序 章 赤手のアントレプレナー/第一章 出版革命の夜明け──『日本大家論集』/第二章 戦争特需の写真雑誌──『日清戦争実記』/第三章 児童文学を創出したカリスマ──『少年世界』/第四章 文芸界の新潮流──『文藝倶楽部』/第五章 巨大なオピニオン・リーダー──『太陽』/第六章 最高級の趣味雑誌──『新青年』/第七章 辞書というベストセラー──『辞苑』/終章 伝説の出版社がもたらしたもの/あとがき/主要参考文献事項索引/人名索引 -
ほんのかすかな光でも
『ショウコの微笑』『わたしに無害なひと』などで人気を博し、数々の賞を受賞してきた実力派作家の最新短編集! 手をのばし、すれ違う、 二人に差しこむひとすじの光。 人間関係の感情の機微を卓抜した力で描くチェ・ウニョン。 〈書くこと〉を使命とする強い意志。問い直される女性への差別。 【収録作】 大学で研究者を目指す私と女性講師を描く、表題作/基地村での女性殺害問題と校内誌編集部を描く、「役割」/雇用形態の異なる二人の車中での会話を描いた、「一年」/DV問題を扱った、「返信」/「夫と妻と子ども」という「一般家族」を超えた繋がりを描く、「種まき」「伯母さんへ」「消える、消えない」 2018年から2023年までに書かれた中短編全7編。 -
坂本龍馬の映画史
映像作品での坂本龍馬の描かれ方は大きく変わってきた。サイレント映画では阪東妻三郎や月形龍之介、榎本健一といったスターが龍馬を演じた。戦後しばらくは主役級が龍馬を演じることはなく、それを転換したのが司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』。土佐弁を喋る庶民的合理主義者として龍馬は映像化され一躍人気者となる。1970年代以降は革命家のイメージやテレビドラマでのヒーロー、パロディー作品など多様に龍馬は演じられていく。龍馬イメージの変遷に歴史観と時代の価値観の反映を見る。 -
岩波書店の時代から ――近代思想の終着点で
1960年代からポストモダンの時代を通じ岩波書店で多彩な出版活動を展開した大塚信一に、同じく編集者だった堀切和雅が問う――脱魔術化され、人間の精神が寄る辺をなくした近代において学問や芸術は何と格闘してきたのか。河合隼雄・中村雄二郎・大江健三郎・山口昌男・宇沢弘文・木田元・磯崎新らとの仕事を組織しつつ、何を理解しようとしてきたのか。近代の思考もまた新手の魔術だったのではないか。我々はなぜ地球的破局に向かう終着点にいるのか――人類の思想史を対話でたどる。 【目次】はじめに 堀切和雅/第1章 「敗戦」のアンビバレンス/第2章 「近代」という問題群をまるごと問う/第3章 日本近世・準備された逆説/第4章 言語と「場」、そして意識/第5章 「主体」の観念、以前/第6章 「心」──変性するもの/第7章 ポストモダン思想の淵源/第8章 リアリズム・ニヒリズム・ファンタジー/第9章 トポスと人物/第10章 思考空間としての社会/第11章 「場所」から考える/第12章 脱魔術化と再魔術化/第13章 生・ロマン・崇高/終章 いま、破局に至るのか/あとがき 大塚信一/人名索引 -
神田神保町書肆街考
世界に冠たる古書店街「神田神保町」はいかにして出来上がったか。幕末から現代にまで至る一世紀半余、そこに蝟集した書店、出版社、取次、大学、語学学校、専門学校、予備校、映画館etc.の栄枯盛衰をさまざまな記憶と記録を召喚して描き出し、日本近代を育んだ“特異点”の全貌を明らかにした大著が、未来の“本の街”への扉を開く「文庫版あとがき」を増補して遂に文庫化! -
キリストの顔 ――イメージ人類学序説
キリスト教において、神の顔は、死後の救済の瞬間まで見ることは叶わないとされる。偶像禁止と、ひと目その姿を拝みたいという欲望との狭間で、「人の手によらない」という奇跡の像は生み落とされた。そのイメージは反復・伝播し、東西キリスト教世界で独自の変容を遂げていく。表象不可能なものの表象――ここに紛れもなく西洋のイメージの源流がある。有名無名の芸術家たちはいかにしてこの逆説を乗り越えたのか。神秘のヴェールを取り払い、西洋世界2000年にわたる壮大なイメージの歴史をたどり直す。イメージ人類学、期待の新鋭による新たな挑戦。 -
捨てられないTシャツ
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ”であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション”でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。 -
さいごの色街 飛田
遊廓の名残りをとどめる、大阪・飛田。社会のあらゆる矛盾をのみ込む貪欲で多面的なこの街に、人はなぜ引き寄せられるのか! 取材拒否の街に挑んだ12年、衝撃のノンフィクション。 -
10万年の世界経済史
産業革命は、「偶然」がもたらした── 膨大なデータを駆使し、経済発展の根本原理に迫る 世界経済はなぜかくも不均衡に発展したのか。「マルサスの罠」と「大いなる分岐」を切り口にその歴史的展開を一望する壮大な試み。解説 小野塚知二 === 世界経済はなぜかくも不均衡に発達したのか。産業革命が他のどこでもなく、18世紀英国において起こったのはどうしてなのか。石器時代以降、長らく人類の歴史は「マルサスの罠」と呼ばれる、技術革新による生産性向上が人口増加によって相殺され、総体として生活水準などが改善しない状態が続いていた。その軛から私たちを解き放った決定的出来事こそ、産業革命だった。本書では、世界経済史を包括的な視座のもとに一望し、多様な統計データを駆使することで、産業革命をもたらした真の要因を浮き彫りにしていく。経済発展とその不均衡を作り出す根本原理に迫る壮大な試み。解説 小野塚知二 【目次】 序文 第1章 概論 世界経済史のあらまし 第Ⅰ部 マルサスの罠――一八〇〇年以前の経済活動 第2章 マルサス的経済の論理 第3章 生活水準 第4章 出生率 第5章 平均余命 第6章 マルサスとダーウィン――もっとも豊かな者が生き残る社会 第7章 技術進歩 第8章 社会制度と経済成長 第9章 近代的な人間の登場 第Ⅱ部 産業革命 第10章 近代的な経済成長――国富の形成 第11章 産業革命の謎 第12章 英国の産業革命 第13章 産業革命はなぜ中国やインド、日本ではなく、英国で起きたのか 第14章 産業革命の社会的影響 第Ⅲ部 大いなる分岐 第15章 一八〇〇年以降の世界における経済成長 第16章 格差拡大の近因 第17章 なぜ世界全体が発展しなかったのか 第18章 結論 未知の新世界 謝辞/文庫版訳者あとがきにかえて/解説(小野塚知二)/原注/数学的補遺/参考文献/索引 -
モダン都市の写真史 1923-1944 ――写真雑誌「フォトタイムス」にみる視覚の革命
日本の写真が 最も熱かった20年 関東大震災後に現れた新世界で 写真家たちは何を見て、どのように表現したか―― 関東大震災は明治以来の東京の都市空間を一夜で崩壊させた。その後に姿を現した「モダン都市」は日本写真史の新たなページを開く。それは写真を絵画から独立させ、かつてなかった新たな対象の見方をもたらす「視覚の革命」でもあった。フォトグラムやソラリゼーションをはじめとする新たな表現、都市の相貌とそこに生きる人々を撮るリアルフォト、小型カメラによるスナップ写真……。世界の写真の動静を紹介し、活発な議論や実験の場でもあった写真雑誌「フォトタイムス」の興亡と写真表現の変容をたどる、かつてなかった一冊。 【目次より】 はじめに 写真誌『フォトタイムス』が語る「視覚の革命」 第一章 関東大震災とモダン都市の出現 第二章 「視覚の革命」の始まり──モホリ=ナジ『絵画・写真・映画』と独逸国際移動写真展 第三章 新興写真の新形式──フォトグラム・フォトモンタージュ・タイポフォト 第四章 モダン都市空間とリアルフォトの模索 第五章 ライカの流行とスナップ写真時代の到来 第六章 ノイエザハリヒカイトと高速度撮影、万国博覧会の写真壁画 第七章 シュルレアリスムの夢、前衛写真の展開 第八章 対外宣伝誌──欧米各国との報道写真の競争 第九章 「大東亜戦争」下の写真の到達点──視界から読者が消えた 関連年表 主要参考文献 あとがき 人名索引 -
国民防空 ――日本的危機対応の失敗と教訓
この国の落とし穴は 有事対応にある 「想定外」による失敗を繰り返さないために 第一次大戦後に来たるべき空襲に備え提唱され、軍・当局・国民が一丸になって進めた「国民防空」。関東大震災の経験を宣伝材料にして驚くほど急速に浸透したが、安易な想定や精神力依存、同調圧力による普及などの欠陥も多く、新技術を用いた米軍空襲には機能しなかった。この国民防空の組織や技術は、戦後の災害対策や国土計画・都市計画に引き継がれ現在に至っている。現代日本の危機対応の原点ともいえる国民防空の成立と普及過程を検証し、その教訓を未来へと伝える。 【目次より】 まえがき 第一章 関東大震災から動き出した「国民防空」 1 「国民防空」の内容と展開過程 2 関東大震災と軍の教訓 3 防空研究にみる関東大震災の影響 第二章 大阪市・東京市の非常変災要務規約と防空演習 1 大阪への震災影響と東京の動き 2 防空演習の実相 3 防空演習への批判 第三章 時間を要した防空法成立と審議過程 1 防空法成立前の経緯 2 帝国議会の審議 3 関東大震災等の影響 第四章 国民防空に関する技術の開発動向 1 軍の研究会と二つの火災実験 2 軍と学会等による研究体制 3 米国の空襲技術の開発 第五章 防空計画・指導要領と「都市の防空的構築」 1 防空計画と指導要領 2 「都市の防空的構築」の構想 3 専門家による防空の都市づくりに関する提案 4 函館大火と静岡大火 第六章 防空意識の涵養 1 国民防空に関する言説 2 『国民防空読本』と『時局防空必携』 3 『写真週報』にみる防空啓発 4 東京市・都の広報と関東大震災 5 様々な媒体による防空啓発 第七章 国民防空の手本になった「神田和泉町・佐久間町」 1 「神田和泉町・佐久間町」の事蹟 2 防空の模範として脚光を浴びる 3 国民防空の手本になる 4 戦後への影響 第八章 「国民防空」の浸透 1 防空訓練の思い出 2 防護団・警防団と燈火管制 3 町内会・隣組と「常会」 4 生活基盤になった町内会・隣組 終章 国民防空の「失敗」を繰り返さないために 1 都合よく使われた関東大震災 2 町内会・隣組を通じて浸透した「国民防空」 3 「国民防空」の目的――戦争継続のための国民統制 4 「思い込み」で進んだ国民防空 5 国民防空の失敗を繰り返さないために 6 これからの危機対応に向けて おわりに 国民防空の展開 関連年表 参考資料 -
日本政治思想史講義 ――『丸山眞男講義録 第四冊』を精読する
1964年の『丸山眞男講義録』をサブテキストにした法政大学法学部における本講義は、日本神話や古代天皇のあり方に日本の思想的伝統の「原型」を探る丸山の講義をわかりやすく精読。とくに丸山が力点を置いていた鎌倉新仏教の革新性について、その中にヨーロッパの宗教改革に匹敵する世俗化・脱宗教化の動きを見つつ、呪術的な心性も残り続けていくという特徴と、日本独自の政治思想の展開を見る。丸山の直接の教えを受け、その研究を引き継ぎ掘り下げた碩学による名講義。 【目次】はじめに/第1講 日本とは何か/第2講 日本思想における「古層」/第3講 天皇制神話の形成とその諸相/第4講 伝統とは何か/第5講 日本における古代国家成立と日本神話/第6講 日本神話における道徳意識──「心情の純粋性」と「集団的エゴイズム」の結合/第7講 記紀神話における出雲神話の位置/第8講 天皇制の正統性/第9講 国体とは何か/第10講 カリスマ的支配の諸相/第11講 血縁共同体の擬制/第12講 日本政治思想における仏教思想の萌芽/第13講 鎮護国家のための仏教/第14講 平安仏教がもたらしたもの/第15講 末法思想と慈円の歴史哲学/第16講 プレリュードとしての「隠遁」の思想/第17講 親鸞の思想の革新性/第18講 親鸞の思想と政治/第19講 孤高の哲学者・道元/第20講 闘う宗教改革者・日蓮/第21講 鎌倉新仏教のその後──屈折と挫折の諸相/第22講 あらためて「日本」とは何か/あとがき/人名・神名索引 -
生態社会学入門 ――日本の未来を考える
少子化と人口減少で危機に陥っている日本。この閉塞状況から抜け出すには、日本列島で暮らしてきた人々に固有の生態文化を見つめなおし、現代日本の社会病理の正体を的確に見極める必要がある。言語学や民俗学、歴史学、考古学、人類学、さらにはサブカルチャーなどを材料に、日本社会の基層にあるものを西洋との対比のなかから明らかにし、原始古代から現代・未来までをつらぬく、文化の一貫性を読み解く。国家や主権権力の本来の姿を描き出す、新たな知の考古学の試み。 【目次】第1章 むらの生態――日本の生態I/第2章 都市の生態――日本の生態II/第3章 くにのちから――日本の生態III/第4章 環境と文化――生態社会学の論理/第5章 未来と制御――未来映画の分析から/第6章 近代の暴力――世界史の生態/終章 日本社会のゆくえ -
アメリカの覇権喪失と世界の転換
アメリカはついに覇権国の地位から脱落し、民主的な国際社会の構築という大実験のリーダー役を自ら放棄してしまった。なぜアメリカは覇権を失ったのか。中国はアメリカに代わる覇権国となりうるのか。急激に存在感を高めるグローバル・サウス、旧覇権国であるヨーロッパの国々の動向は? そしてその中で日本はどう動くべきなのか――大転換の時を迎えた国際社会における、世界各国の動きと今後の展望を、長年にわたり国際政治を見つめてきたジャーナリストが鮮やかに読みとく。 【目次】はじめに/第1章 世界がアメリカに引導を渡す/第2章 脇役の暴走が、世界の構図を書き換える/第3章 アメリカが失ったものの大きさを知るとき/第4章 中国の夢──単なる強大国か、真の覇権国家か/第5章 グローバル・サウスは従来の世界秩序に挑戦する/第6章 我々は民主主義を捨てられるのか/終章 ヨーロッパが「新たな世界」に向けて持つ意味/あとがき -
日本哲学 ――世界哲学への貢献
西洋哲学の概念や思考法のみが純粋なものであるという特権的な意識は、いまや世界的に大きな批判に晒されている。西洋独占主義的な哲学観を輸入した日本が、「日本哲学」を再び検討すべき時期がやってきた。アメリカ、日本、ドイツでハイデガーの哲学、現象学・解釈学から仏教思想・京都学派までを幅広く研究し、日本の哲学史を専攻の一つとしてきた著者が、日本哲学とは何かを、定義・内容から深く問い直し、世界規模の対話に開かれた日本哲学がもつ可能性を総合的に考察する。 【目次】まえがき/序 章 日本哲学の定義と範囲を再考する/第一章 日本・哲学・とは何か/第二章 西洋独占主義的な哲学観を問い直す/第三章 日本哲学の定義を問い直す/第四章 日本哲学の内容を問い直す/終章 世界における日本哲学、日本における世界哲学/参考文献/解説 世界の思考資源としての日本哲学 中島隆博 -
SF少女マンガ全史 ――昭和黄金期を中心に
1960年代から少女マンガの時代が始まり、70年代半ばになると優れたSF作品が続出、SF少女マンガ黄金期が到来する。岡田史子、竹宮恵子、萩尾望都、山岸凉子、山田ミネコらが頭角を現し、SF的想像力で少女マンガを大きく変えていった。そこにはどんな創作上の冒険があったのか。70年代半ば~80年代の黄金期を中心に、ファンタジー的作品も含め、揺籃期から現在までのSF少女マンガの歴史を、SF評論の第一人者が語りつくす。読み継がれるべき、おすすめ作品ガイドとしても必読の書。 【目次】はじめに――SF少女マンガ黄金期伝説/第1章 SF少女マンガ概史――分かりやすさと独自な表現のはざまで/1 マンガ表現はどうやって生まれたか/2 少女マンガの揺籃期/3 少女にSFは分からない?/4 SFブームと少女マンガ/5 女性SFは何を描くのか/第2章 挑発する女性状理知結晶体/1 山岸凉子――抑圧と理知の先にあるもの/2 倉多江美――シュールで乾いた宇宙/3 佐藤史生――科学と神秘の背反する魅力/4 水樹和佳――王道SFロマンを求めて/5 「見えない壁」と「見える壁」を超えて/第3章 思考するファンタジー/1 少女マンガSFの詩人・山田ミネコ/2 大島弓子――少女の心象はハラハラと舞い散る/3 共同制作と見せ場主義のエンタメSF・竹宮恵子/4 少女感覚とSFファンタジー/第4章 時を超える普遍を見つめて――萩尾望都の世界/1 SFは自由への目醒めをもたらす/2 萩尾SFの絵画論的・音楽論的宇宙観/3 多様な異世界生命体と性別の揺らぎ/4 危機から目を逸らさず、希望を捨てず/第5章 孤高不滅のマイナーポエットたち/1 岡田史子――その花がどこから来たのか私たちはまだ知らない/2 内田善美――圧倒的画力が創り出すファンタジー世界/3 高野文子――絶対危険神業/あとがき/主要参考文献 -
東京漫才全史
現在も人気のある日本の伝統的芸能「漫才」には「お笑い論」の書籍は数多く存在するが、「漫才」の、特に東京を地盤とした漫才の歴史に関する書籍は数少ない。この「東京漫才」に焦点を当て、漫才の源流にまで遡り、「東京漫才の元祖は誰か?」、「しゃべくり漫才の流入と定着」、「戦後東京漫才の御三家」、「東京漫才専門寄席」、「MANZAIブームの功罪」、「爆笑問題、ナイツの活躍」等をテーマに、その発生と栄枯盛衰を、通説の誤解を正しつつ記した、画期的な「東京漫才」通史。 【目次】序章 「漫才」以前/第一章 東京に漫才がやってきた/第二章 生まれる東京漫才/第三章 戦前の黄金時代/第四章 戦争と東京漫才/第五章 焼け跡から立ち上がる/第六章 東京漫才の隆盛/第七章 MANZAIブームと東京漫才/終章 新しい東京漫才の形 -
北京の歴史 ――「中華世界」に選ばれた都城の歩み
黄河文明の辺境に位置し、江南文化とも遠く離れた長城地帯に近接する政治都市・北京。古代国家の首府でもあったこの地は、「中華世界」の拡大とともに、いかにして辺境の地から中心地へと飛躍してきたのか。古代から現代まで長きにわたるその歴史をダイナミックに描き出す。漢族と非漢族、農耕と遊牧という対立する要素が交流・融合する、坩堝としての都城が果たした役割にも注目。多民族国家中国の首都に選ばれ続けてきた波瀾万丈の歴史から、伝統中国の政治文化の本質に迫る。 【目次】はじめに/第一章 文明の辺境──燕国/1 のちに「北京」と呼ばれる地域空間/2 薊城──都市「北京」の起源/3 戦国の七雄としての燕/第二章 東北の重鎮──幽州/1 郡県と封建のゆらぎ/2 諸族融合の坩堝/3 中原諸王朝の前進基地/第三章 諸族争奪の舞台/1 早すぎた大燕皇帝の登場──安史の乱/2 燕雲十六州問題──胡・漢最大の係争地/3 政治的中心地への道──遼の「南京」/第四章 中都から大都へ/1 宋朝に格下げされた「燕山府」の混乱/2 金の海陵王と「中都」遷都──はじめての帝国首都/3 クビライの「大都」建設/第五章 華夷一統のために/1 漢族王朝の再興と北京遷都/2 北京定都と嘉靖帝の都城改造/3 近世東アジアの百万都市/第六章 拡大された中華帝国/1 明清交替/2 非漢人政権にして中国の正統王朝/3 タタール・シティとチャイニーズ・シティ/第七章 皇帝の住まなくなった紫禁城/1 紫禁城──外朝と内廷/2 拡大された中華世界の三つの中心/3 円明園炎上/終章 廃墟からの再生/1 北京最後の日/2 天安門での建国セレモニー/主要参考文献/あとがき/図版出典一覧/人名索引 -
斜め論 ――空間の病理学
ケアは、どうひらかれたのか? 「生き延び」と「当事者」の時代へと至る「心」の議論の変遷を跡付ける。垂直から水平、そして斜めへ。時代を画する、著者の新たな代表作! 自己実現や乗り越えること、あるいは精神分析による自己の掘り下げを特徴とする「垂直」方向と、自助グループや居場所型デイケアなど、隣人とかかわっていくことを重視する「水平」方向。 20世紀が「垂直」の世紀だとすれば、今世紀は「水平」、そしてそこに「ちょっとした垂直性」を加えた「斜め」へと、パラダイムがシフトしていく時代と言える。本書は、ビンスワンガー、中井久夫、上野千鶴子、信田さよ子、当事者研究、ガタリ、ウリ、ラカン、ハイデガーらの議論をもとに、精神病理学とそれにかかわる人間観の変遷を跡付け、「斜め」の理論をひらいていこうとする試みである。著者は、2015年のデビュー作『人はみな妄想する』でラカン像を刷新し、國分功一郎、千葉雅也の両氏に絶賛された気鋭の精神医学者。デビューから10年、新たな代表作がここに誕生する。 -
江戸・東京水道全史
徳川家康による都市建設の当初から、江戸の水道は高低差を緻密に計算し、複雑な地形を利用する形でつくられてきた。中心部の小石川上水、それを発展させた神田上水、そして玉川上水を基盤とした水道は、明治以降には近代化され引き継がれてきた。急速な工業化や関東大震災からの復興、戦後復興・高度成長を経て水道がいかに拡張され、また経営されてきたか。江戸・東京の経営史を専門とし、東京都水道局に長年勤務してきた著者による、世界屈指の都市の決定版水道史。 【目次】プロローグ/I 江戸時代/第1章 家康と水道/第2章 天下普請の時代/第3章 城下町・江戸と神田上水/第4章 玉川上水の新設/第5章 上水経営の実際/II 明治時代~現代/第7章 近代水道にいたる道のり/第8章 近代水道の成立と関東大震災──拡張の始まり/第9章 大東京と水道/第10章 拡張に次ぐ拡張の時代──戦災復興期から高度経済成長期まで/第11章 量から質へ──低成長時代から現在まで/あとがき/索引 -
小田急百貨店の展覧会 ――新宿西口の戦後50年
あの日、新宿駅西口には「夢」があった――新宿発展への期待は、「西」にあった。まだ見ぬ副都心への玄関口として西口広場が完成した頃、百貨店もまた、人々の好奇心と期待に応えようとしていた。世界の秘宝、幻想絵画、刺青、プロレス、狂言師――小田急で繰り広げられた夢の展覧会から戦後日本を振り返る。 -
戦場カメラマン
銃弾砲弾が飛び交う最前線。死線を越えた写真家の眼前で米兵が頭を撃ち抜かれ、擲弾銃によって解放軍兵士が吹き飛んだ。米ソ冷戦を背景にしたベトナムの悲惨な戦場、自国民を大虐殺したカンボジア。祖国を守るため、自由を得るため、差別や貧困から脱するため、戦う兵士、破壊される農村民。戦争ドキュメントの最高峰。 -
支配の位相幾何学 ――差別とメリトクラシーの根源を問う
人間に科された桎梏 ヒエラルキーが決して消えないのはなぜか―― 近代の原罪を追及してきた著者の集大成 身分制、差別、メリトクラシー。そこには歴史的変遷を経ても変わらない秩序維持の構造がある。解く鍵は「主体」だ。身分制を正当化する原理、差別が生み出される原因、そして能力概念の意味。いずれも主体虚構が担う役割抜きには語れない。従来からのあらゆる反差別論や格差批判が根本的に誤っているのはなぜか。差別以上にメリトクラシーが深刻である理由とは――。社会の機能と構造を分析し、近代の原罪を追及してきた著者の集大成。 【目次】 はじめに 序 反差別論の勘違いとメリトクラシーの詭弁/本書の構成 第一章 差別と同質性 世界の紛争と近親憎悪/解放のパラドクス/同質性が生む差別/劣等感の補償/解放の実情 第二章 名誉白人再考 黒人の白人志向/少数派の劣等感/支配への迎合/名誉白人を生む条件/西洋化と近代化のすりかえ 第三章 日本の西洋化 日本人の西洋崇拝/進歩史観と西洋化/脱亜入欧の日本人像/日本人が名誉白人になる理由 第四章 同化と抵抗の密約 集団闘争を生む条件/シオニズム台頭の背景/ドレフュス事件/消去法のパレスチナ/イスラエル誕生事情/西洋化としてのシオニズム/アイデンティティは空の箱/人種神話とイスラエル/アイデンティティの虚構性 第五章 偏見の役割 制御幻想/噓から出た真/カテゴリーと差別/遍在する迷信/現代の呪術/精神分析と政治の正体/同一化の魔法/心理の社会性/科学と迷信/知識と信仰/悪は正常な社会現象 第六章 支配の位相幾何学 身分制・格差・差別/奴隷制と普遍主義の矛盾/平等と人種主義の結託/全体主義と近代/偶然が決める能力/能力は架空概念/主体というイデオロギー/復讐・贈与・赦しの媒介構造/人間関係排除の契約と市場/価値の生成メカニズム 第七章 近代最大の迷信 自由と決定論/自由と責任の逆転劇/心理学の敗北/原因と理由/自由と普遍のアポリア/禁止の無根拠 第八章 近代が喪ったもの 主体の関係論/分析哲学と存在論の違い/意志の不在と脳科学/無意識の意志/規範論の限界/規範論の罠/虚構性の隠蔽 終章 神のメタモルフォーゼ ベストセラーの内幕/適者生存の誤解/進化と偶然/偶然が生成する真理/ラマルクの亡霊/主体の密輸入と進歩史観/差別・能力・偶然 補論 テレビ広告に登場する白人 白人の役割/西洋化と文化/日本人の美意識/異質性への抵抗 あとがき 出典 -
「学問」の本筋 ――柳田國男と双極の民俗学
躓き、そして何度でも 立ち上がった。 「ここではないどこか」に魅かれる。「いまこの社会」を良くしたい。 戦争の時代と理想の時代、二つの極の間で揺れ動いた柳田の「学問」の足跡をたどる。 柳田國男の民俗学には、二つの極がある。『遠野物語』や山人論、「海上の道」に代表される、日本人の起源を求めてやまないロマン主義民俗学。そして、主権者自身を担い手とした社会の改良を志す「本筋の学問」――すなわち公民の民俗学。ここではないどこかに心誘われ、何度も挫折と失敗を繰り返しながら、人類の幸福という理念を目指し続けた柳田國男の思想をたどる。 私たちは、学問を何のためにするのか。 【目次より】 序章『炭焼日記』の人々 時局の迫れる話/三人の炭焼きたち/原始共産制と民俗学/外地に出征した弟子たち/インテリジェンスの関係者/文化映画関係者/偽史関係者/学問の応用という隘路 第一章 双極の民俗学 ロマン主義民俗学と公民の民俗学/起源論への節度/近代の生きにくさ/神経衰弱と神隠し/生存への不安/かくり世と新体詩/柳田國男のフェアリーテール/「ルーラル・エコノミー」という名/「習慣」と「私」/椰子の実一つ/社会問題の側/社会のために応用される学問/「自主」と「自助」/「古代」への断念 第二章 実験小説論と『遠野物語』 社会政策学者として/ミスチシズムと「山男」/イプセンと社会問題/クロポトキンを読む/明治文学史と自然主義/何故『蒲団』を嫌ったか/自然主義文学を酷評する/佐々木喜善の野心/お化の問屋とフェアリーテール/日露戦争と遠野物語/加減せず感じたるまゝ/理系の文学/批評する資格はない/ルウラウ・ライフと歌のわかれ 第三章 山人論の迷走 何故「ルーラル・エコノミー」なのか/新渡戸稲造とゾライズム/「民俗学」は道楽か/マイノリティの発見/先住民実在という仮説/隘勇線と山人/シャグジと隘勇線/伊能嘉矩の「原住民」統治政策/植民地政策と山人観/「山人」の分類/山人の正体/柳田國男の実験小説 第四章 田山花袋のロマン主義殺し 『蒲団』の恋の圏外/二つの樺太小説/「隣室」の観察者/柳田國男が怒った実話小説/煩悶する詩人/花袋のゾラ式実験小説/花袋のサンカ小説/暴走するロオマンス/津軽への旅/偽史とロオマンス 第五章 不戦思想の民俗学 「こんなこと」から「学問の本筋」へ/松岡三兄弟の「椰子の実」言説/起源論と沈降大陸/海洋漂泊民と人種差別撤廃問題/第一次大戦後の世界秩序/ジュネーブでの学問体験/選挙民「妄動」の危惧/不戦思想と普通選挙/憲法「人民ノ名に於テ」問題/エスノロジーのルーラル・エコノミー化 第六章 偽史のグローバリズム 雑誌『民族』の頓挫/岡正雄とナチス民俗学/柳田の「学問」のナチス民俗学的読み替え/横断面と現在学/ナチスのオカルト民俗学/大政翼賛会とムー大陸/藤沢親雄と偽史のグローバリズム/国際協調主義という理想の果て 第七章 国有信仰と魂のエコサイクル 固有信仰論のつくられ方/七生報国と魂の共同主義/柳田固有信仰論の変質/「生まれ替わり」という立論/小泉八雲の東洋の我(エゴ―) 終章 固有信仰から憲法へ 働かねばならぬ世になりぬ/戦後の三つの課題/固有信仰論のウォッシュ/枢密院顧問となる/柳田社会科とCIE/CIEの徴用リスト/民族学者と「スーパーマン」/占領軍公認の偽史/「海上の道」へ/憲法の芽を生やす あとがき -
評伝 市川房枝 ――日本最大の女性政治家
市川房枝(1893~1981)は戦後政治で異端の存在ながら、党派に属さない無所属議員として他に類を見ない国民の支持を得た政治家だった。戦前・戦時期には社会運動家として婦選運動を牽引し、戦後は87歳で亡くなるまで参院議員を務めた市川が、常に男性政治家によって動かされてきたこの国の政治世界で、生涯をかけて追求した「女が望む政治」とはなんだったのか。その生い立ちから、最晩年までの軌跡を詳細にたどり、政治理念と政治手法を明らかにする決定版評伝。 【目次】はじめに──混迷する政治と市川房枝/Ⅰ 戦前──1893年5月~1931年8月/第1章 生い立ち──時代の流れと運動家の形成/第2章 平塚らいてうとの出会いと別れ、そして渡米/第3章 イエ社会で婦選運動を展開──特殊日本的な保守社会と市川の対応/Ⅱ 戦時期──1931年9月~1945年7月/第4章 準戦時期・抵抗の実相──反戦活動と切り拓いた市民的活動/第5章 戦時期・転向の軌跡──「婦選の灯」のともし方/Ⅲ 戦後──1945年8月~1981年2月/第6章 占領期・公職追放──時代の寵児から「格子なき牢獄」の日々まで/第7章 クリーン・ポリティックスの模索──婦選の経験はどう引き継がれたか/第8章 「ストップ・ザ・汚職議員」運動への道──婦選の経験の今一つの展開/第9章 平和と女性の人権──婦選の政治の行き着いた地平/あとがき/主要参考文献/市川房枝略年表 -
聞書 戦前の暮らし方 ――「90歳」の証言集
食事、住まい、仕事、道具、遊び、行事、人間関係……戦前の日本人はどんな暮らしをしていたのか? 電化製品はほぼなく、便利なサービスも少なく、移動も大変と、現在に比べて不便な時代。しかしそこには、自然とともに生きる豊かさがあり、現在とは違う人とのつながり方があり、そして生活のなかで育まれた知恵があった。長年にわたり90歳前後の方々に聞き取り調査を行ってきた「90歳ヒアリング」。それにより得られた600人以上の肉声から編まれた貴重な証言集。 【目次】序章 戦前の暮らし方をなぜ調べるのか/第一章 食事/第二章 特別な食事/第三章 住まい/第四章 生活用品/第五章 資源の利用/第六章 衣類/第七章 物を大事にする/第八章 みんなの役割/第九章 食の確保/第十章ものづくり/第十一章 共同作業/第十二章 仕事/第十三章 物の売り買い/第十四章 移動/第十五章 学び/第十六章 遊び/第十七章 伝承される知恵/第十八章 人とのつきあい/第十九章 冠婚葬祭・行事/第二十章 居場所・街並み/終章 戦前の暮らし方から学ぶこと -
谷川俊太郎のあれやこれや
魅力全開! 単行本初収録の詩やエッセー、亡き人たちへの追憶、パロディ、若き日の戯曲、そして自伝風の読む年譜。欲ばりで楽しいヴァラエティブック。【収録作品】●エッセー・コレクション:子どもの歌の歴史を語る名エッセーなど初収録の11篇 ●懐かしい人たち:寺山修司、武満徹から大岡信、和田誠まで(追悼詩も多数収録) ●戯文五つと戯詩ひとつ:ビートルズから夏目漱石まで。愉しいパロディ6篇 ●戯曲 お芝居はおしまい:29歳の若き詩人が書いた喜劇三幕の長篇戯曲を初収録 ●小詩集:石牟礼道子さんとの「空想の対詩」のほか、多彩な作風の詩集未収録19作 ●自伝風の読む年譜:自身の文章の他に、書評、インタビュー、新聞記事も多数収録 -
ファック・キャンサー ――愛と科学と免疫療法でがんに立ち向かう
「がんは人生最低のギフト!」仕事と子育て真っ最中のNY在住ライターが、ある日突然メラノーマ(皮膚がん)に。がん=命にかかわる厳しい現実に直面…しかし、幼い娘たちとの日常は変わらず、ユーモラスにパワフルに。―親友から届いた「ファック・キャンサー」Tシャツを着て病院へ。―頭の手術痕を膣ブラシと浣腸ボトルで夫に洗浄してもらう日々。―母娘3人、アタマジラミと格闘。―親友もがん罹患、最期の時間と別れ。…ドラマチックなのに平凡で、決して闘いなどではない、治療の日々。胸が張り裂けそうな悲しみと、感謝の気持ちを同時に感じるがん患者のリアルな心の内。最高峰のがんセンターでの手術と、がん治療を変えた免疫療法の治験の実際を含め、ユーモアを交え率直に歯切れよく語る。がんという現実を受けとめ、明るくたくましく、愛を与え合いながら生きる姿に胸を打たれるノンフィクション。 -
フロイトの灯 ――現代精神分析入門
はじめに、トラウマがあった――。 精神分析の誕生とその後を、かつてない語りで。 「誘惑理論の放棄」を主題に、明晰かつ柔らかな筆致で、フロイトのトラウマ論を現代へと接続する。精神分析のイメージを刷新する、新たな入門書 「精神分析は性愛なしには語ることはできない。精神分析の成立からその核心である性愛を取り上げるという意味で、本書は精神分析の入門書である。けれども、ただフロイトの論を紹介したものでもない。 先に述べたとおり、フロイトとの一致と相違という2本の手綱が示す、進むべき道に沿って作られたものである。本書におけるフロイトとの相違というもうひとつの手綱は、女性という視点である。その意味では本書は精神分析における女性の問題を扱ったものでもある。」(「はじめに」より) ◎フロイトとの一致と、フロイトとの相違。本書は、まさにこうした二つの喜びに基づく思索を追い続けたものである。 ◎フロイトはどこまでも生物学者であった、と私は思う。精神分析は人間に対する精緻な観察の積み重ねを基本とする学問であることも、それを裏付けている。 ◎フロイトはケアする女性たちにいつも囲まれていた。……フロイトの灯りをともしていたのは彼女たちだった。 ―――――― 「「女性からの視点」がほとばしる激しさを感じた。あの偉大なフロイトが、人生の出発から終焉まで、どれほど周囲の女性たちのケアによって支えられてきたのかを初めて知る思いだった。」――信田さよ子 ―――――― 【目次】 はじめに 第1章 フロイト 第2章 ヒステリー 第3章 誘惑理論の放棄 第4章 エディプスコンプレックス 第5章 精神分析とケア おわりに -
富野由悠季論
『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『Gのレコンギスタ』……。なぜその作品には強烈な個性が宿るのか。日本を代表するアニメーション監督の創作の謎を解き明かす! -
RPGのつくりかた ――橋野桂と『メタファー:リファンタジオ』
JRPGを牽引する、アトラスのゲームクリエイター橋野桂。最新作であり集大成となる『メタファー』開発の軌跡が、この1冊に。キャラクター、シナリオ、バトル、日常、UI担当者の証言や、貴重資料を多数収録。ものづくりに関わるすべてのひとに贈る、傑作ノンフィクション。 -
日本と西欧の五〇〇年史
西欧の歴史は休みない戦争の歴史であり、特に16~18世紀は「軍事革命」の300年だったと言える。西欧はそれを奇貨として、宗教改革によって強化されたキリスト教信仰と「新大陸幻想」に駆られて、新世界の発見・拡大に躍り出る。その歴史はスペインとポルトガルに始まり、オランダ、イギリスを経て、アメリカの「脱領土的世界支配」に至る。そして今日、中国の勃興を背景に流動化する国際秩序は、「新たな中世」の到来を告げているかのようだ。世界覇権をめぐる500年の争いを俯瞰し、日本が立ち向かうべき「現実」の正体に挑む著者渾身の一冊。 【目次】
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