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大正教養主義の代表者・阿部次郎。その著『三太郎の日記』は自己の確立を追求した思索の書として、大正・昭和期の学生に熱烈に迎えられた。だが、彼の人生は、そこをピークに波乱と翳りに包まれていく──。本書は、同時代の知識人たちとの関係や教育制度から、阿部次郎の生涯に迫った社会史的評伝である。彼の掲げた人格主義とはいかなるものであったのか。落魄のなかでも失われなかった精神の輝きに、「教養」の可能性を探る。
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Posted by ブクログ
倉田百三の『愛と認識との出発』とならんで、「大正教養主義」の代表的著作としてあげられる『三太郎の日記』の著者、阿部次郎の生涯とその時代を論じた評伝です。 阿部次郎と和辻哲郎との確執についてもかなり立ち入って論じられています。和辻門下の吉沢伝三郎に『和辻哲郎の面目』(平凡社ライブラリー)という名著が...続きを読むありますが、本書の終章は「次郎の面目」というタイトルになっており、阿部の三女である大平千枝子の著述を紹介しながら、阿部の立場から事件を見るとともに、『三太郎の日記』以降忘れ去られたかにも見える阿部の人物像にせまっています。 著者はこれまでも「教養」について社会学的な観点から考察をおこなった著作を多く刊行していますが、本書では阿部次郎という一人の人物の生涯をたどることで、「教養」の誕生とその変遷がヴィヴィッドにえがきだされているように思います。
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教養派知識人の運命 ──阿部次郎とその時代
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竹内洋
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