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「!」の連続。「色の見え方」の先端科学から見えてきた、驚きの世界。前世紀の「色覚」観が私たちにもたらす、いくつかの問題。科学作家が多数の取材・調査をへてたどり着いた、まったく新しい地平。「色」に関心のあるすべての人、必読のノンフィクション!
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Posted by ブクログ
医学的見地と遺伝学的見地、生物学的見地からは見方が異なるという事。いろいろな角度で色覚•色を語ると、いろいろな考え方ができる。 私は聴覚障害を抱えているけど、医学的には治療を勧められ、嫌でも自分は異常である事を受け入れざる得なくなるが、生物学的からはどんなに条件が整っていても一定数の割合でハンディを...続きを読む持つ個体が産まれるという理論で励まされる。 一昔前の色覚差別がいかに異常であったかを考えさせられる本でした。
あらゆる「障害」とされていることに共通することだが、障害と正常というのはゼロかイチかで区分できるものではなく連続的、多次元的は広がりを持っている。 障害があるのは個体の方ではなく、それを受け止められずに排除して狭めている社会の方なのだろうと常々思う。 私は色覚では社会的に不自由をしなかったが、弱視で...続きを読むモノを立体的に見えないようで子供の頃から苦労した。おそらくこの違いは他人とは永遠に理解しあえないものなのだろうと思う。色覚においても同じように思って生きている人たちはたくさんいるのだろう。
私が小学生のころは、健康診断で石原式色覚検査表の検査があった。皆面白がってやっていたが、確かに読めない子がいて、どうして読めないのかと不思議だった。馬鹿にしたりはしなかったが、読めない当人はショックだったろう。「負のラベリング」という言葉が重い。 「色というのは、個々人の脳内で形作られる内的な感覚...続きを読む」「つまり、主観」 男と女では色の見え方が違うと男脳女脳の本で読んだ。性別に限らず、そもそも色がどうみえているのかは、自分以外はわからない。他人も同じ感覚なのかどうかはわからない。 「人は加齢とともに水晶体が着色して、青みを感じにくくなる」 年齢によっても色の見え方は違うのだ。 爬虫類、鳥類は4色型だったが哺乳類は2色型で明暗を使ってものの輪郭を見分ける明度視に秀でている。霊長類は森の中で果物を見つけやすいように3色型に進化したのだという。2色型の人はコントラストに敏感だという。 「みんな自分の持っている感覚を総動員して生きている」 それぞれが自分の個性で生きている。それを異常というのはおかしい。負のラベルを正のラベルに貼り替えて、負けずにポジティブに生きて欲しい。
小さな窓でも、そこから世界の本当に大事なことがよく見えるような窓がある。そんな感じだった。(色覚異常もとい多様性というのはそういうほど小さくもマイナーでもない問題なのかもしれんけど) 正常/異常という図式から、多様性と連続性への発想の転換がほんと強く求められると思う。 著者は色覚の問題を考えることを...続きを読む「より健全な世界観を手に入れるための練習問題」と述べていたが、まさに! すごく広がる、読んで良かった本でした。
大変面白かった。色覚だけでなくあらゆる個人差について考えさせられる1冊。自分の感じ方と他者の感じ方は、色ひとつとっても差異があるのだと疑い、その前提の上で社会の仕組みを考えねばならないと改めて思う。
かつて日本では、世界に誇るという石原式色盲検査表というものがあり、これで小学生以来すべての生徒をスクーリングにかけて、「色盲」を検出しようとしてきた。ところが、その後高柳さんという人を初めとして多くの眼科医の運動で、この検査が差別を生み出すということで、学校において行われなくなった。しかし、だからと...続きを読むいって、色盲による不都合な現実が出なかったわけではない。そこで、最近また、この検査表でもう一度スクーリングをやろうとしているという。やる方は、生徒たちが将来そういう困難な局面に遭遇したとき困るから、早めに対策をとらせようというわけである。ところが、川端さんはこれに大きな違和感を覚えた。「むしろ、必要な人に,適切な時期に、必要な情報を」与えるべきではないかという。ぼくもそう思う。それはスクーリングで抽出された人たちが自分の将来を狭く限ってしまうからだ。それでも困ることがあるというのは、それは現代医学の先端を知らないからである。本書で展開された科学の知見によれば、困る場合はかなり限られてくる。本書の醍醐味は、科学ジャーナリストで、当事者でもある川端さんが、現代科学の成果を丹念に追い、異常と非異常の差は連続的なものであることを明らかにしたことである。石原式検査表はたしかにすぐれたものではあるが、現代科学の成果からすると荒い。川端さんはそれを人類である霊長類がもともと2色覚であったものが3色覚をもつようになった動機を述べ、2色覚と3色覚の差はどこにあるかを追究する。そもそも、川端さんは小学校のとき、「異常3色覚(=赤緑色盲)と判定され、その後の職業選択で、幅をせばめつつ現在の地位を築いてきた。そして、今回、本書を書くに当たって、自ら検査をしなおしたところ、アロマロスコープでは正常の結果が出たのである。だとすると、今までのもやもやはなんだったのか。また、世の中でこのもやもや感を持っている人たち、検査をあくまで強行しようとする人たちに提起したのが本書であった。アロマロスコープは石原検査表で問題になった人たちをさらに検査するものだが、これは全国的にも備えている病院が少ないそうだ。そんな環境下で異常か正常かを判断され、将来の夢までつぶされる検査とはなんだろう。わたしも、川端さんと同じく怒りを感じる。本書には色覚の発展についての興味深い記述がたくさんある。たとえば、緑は赤から出てきたものなので、波のかたちが似ている。だから、紛らわしいのだが、これも人によって違いがあって、川端さんの場合はかなり修正しないと正常値にならないのだが、それでも緑を見分けることができる。また、川端さんの場合は青に対する認識が他の人よりも高いという。ぼくも日本の信号は緑と赤だと思うが、緑が青みがかって見えることがある。そういう個人間での違いがあるのである。さらに言えば、正常と言われる人たちの4割も精密な検査では異常色覚と判定されるらしい。川端さんはさらにアメリカの軍での検査も受け、ジェット機のパイロットとしては不適格だが、民間の航空機のパイロットしては合格だという認定を得た。つまり、異常かどうかはどこまでも連続的で、職業での適不適も一概にいえないのである。本書は、ひたすらスクリーングテストに傾いている人たち、また、小さいときから色盲色弱のレッテルを貼られて悩んできた人たちに広く薦めたい好著である(○○賞をあげたい本である)。
子供の頃には色盲 検査があった 今はないようだ 検査方法は 古く 戦前のもの 丸い枠の中に色のついた丸がたくさん書いてあるものだ 今でも改良して使っている 新しいもっと正確な色の検査方法は日本の発明であるらしい 世界的にも正確に判定できると多くの国に使われているようだ=アノマロスコープ 色覚の検...続きを読む査は現実には特別な職業の人しか検査はしていないようだ 色の見え方には個人差がある 心理的な色の印象は異なる 判断基準が必要なのか 疑問である ユニバーサルデザインカラー JIS 安全色 2018
何の根拠もなく、見え方って人によって違っていて、同じものが見えていないのではないかと考えていた。色覚が人によってかなりバラつきが大きいと良くわかったので、同じ物でも同じに見えてはいないことがハッキリした。 やはり多様性を受け入れて、違うことを追求する事は止めるべきだ。
自分は小学生の時に学校の検査で赤緑色覚異常と言われた。中学では、何人かが別室に呼ばれ、就職で制限があるからと説明を受けた。化学、生物、工学でも色々な色の電線を扱う電気工学の分野は難しいとか言われて、自然に進学の方向を数学、物理の方向にせざるを得なかったな。この本は色はどうやって感じるのかから始まって...続きを読む、色覚異常の検査とその歴史と問題、現在の色覚検査、眼科医による認識、再度の学校での検査の開始可能性などが述べられ。色覚は異常・正常ではなく、広範な連続性があるものととらえていこうとしている。自分で不便と感じるときは、白いハンカチやシャツを買ったつもりでも、それピンクだよ!って家人に指摘されるときかな。
人間の視覚のうちで色の認識は、客観的な外的事実の認知ではなく、あるスペクトラムの光をある色として認識するいわば錯覚であり、個体差が大きい。したがって、色盲、色弱と言われるカテゴリーと正常色覚を明確に区別することはできず、色覚の弱い人から、スーパーノーマルと言われる極めて色覚能力の高い人までなだらかな...続きを読む正規分布をなしており、正常と以上の間にギャップがない。 また、現在行われている石原式色覚検査は、偽陽性の発生頻度が極めて高く(男子で46%、女子では97%)、スティグマの弊害が大きい割に、メリットが小さく、一律に実施するのは妥当ではない。 という内容。健康診断におけるエビデンスベースの考え方を色覚検査に応用した議論であり、説得力がある。
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